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飯伏幸太ロングインタビュー【第3回】

飯伏幸太ロングインタビュー【第3回】

飯伏幸太ロングインタビュー

昨年2013年、飯伏がDDTに加えて、新日本プロレスにも所属することを突如発表したことは、大きな話題を呼んだ。
事前にまったくと言っていいほど情報が漏れなかったこと、そして「飯伏はいつか新日本に移籍してしまうのでは…」と心配していたDDTファンにとって、目からウロコだったと思われる“二団体所属”。そこに至るまでの経緯と共に、飯伏はどう考えていたのかをズバリ直撃!
プロレスラーとしてますます充実していき、注目度や露出が増えている飯伏だが、その私生活はほぼ謎に包まれていると言っていい。そこでこんな機会なので、思い切ってその辺もことも直撃してみた! 約15000字に及ぶロングインタビュー、最後の3回目も衝撃発言連発だ!【取材・文/佐瀬順一】

ーーDDT48総選挙が3位だったと分かったのが10月2日で、それから5日後の7日に衝撃的発表となったのが、新日本プロレスとの二団体契約ですよ!

飯伏 はい、これは衝撃でした。

ーー驚いたのは、この時代に事前にその話がまったくと言っていいほど漏れなかったことです。普通、これだけ大きな話なら、事前に噂くらいは出回りそうなもんですよね。

飯伏 そうですね。凄いと思いました。普通、どこかしらで漏れますからね。

ーー二団体契約とまではいかなくても、「飯伏が新日本に移籍するらしいよ」とか、それくらいは噂になってもおかしくないですよね?

飯伏 そうですよね。それが一切なかったですからね。(表に出たのが)突然でしたからね!

ーー情報が漏れなかった原因はなんだったんですか?

飯伏 漏れなかった原因は……やっぱり……誰にも……本当に誰にも言わなかったんです! 本当にそれだけですよ(笑)。

ーー会見でも言ってましたけど、この話が具体化したのは2013年に入ってからだったんですか?

飯伏 そうですね。冗談では(BEST OF)SUPER Jr.に出始めた2009年くらいから、(菅林会長から)冗談みたいな感じで言われてはいたんです。「飯伏君、いつ(新日本に)来るの?」みたいな。真剣になったのは、たぶん2013年になってからですね。

ーーレインメーカーのときと一緒で、これも2年くらい前にインタビューしたときに、「新日本への移籍とか考えないんですか?」って聞きましたよね。そもそもは高木(三四郎)さんが「飯伏が新日本に行きたいなら止めない。それがプロレス界のためになるのであれば」的な発言をしていたからなんですよ。だから、あとは飯伏選手の決断次第って感じだったから敢えて聞いたんですけど、「移籍はないです」って即答でしたね。

飯伏 あ〜、何か聞かれましたね。

ーーその言葉通り、決断したはしたんですけど、宣言通り移籍はなく、二団体契約というウルトラCでした。実際、高木さんからこの話をされたときはどうだったんですか?

飯伏 高木さんは結構早い段階で……2007年とかかな。その段階で「違う団体に行きたければ行ってもいいよ」って感じで言われていて。高木さんの言う「違う団体」って、メジャー団体のことだと思うんです。その頃だとノアにも出ていたし、「新日本でも全日本でも、本当にお前のやりたいようにやっていいんだからな」って感じで、ポツって言ってくることがあったんです。でも、実際に自分にそういう話が来るとは思っていなかったんです。

ーー高木さんは将来を見据えて、業界全体のことを考えて、飯伏選手はメジャーで活躍したほうがいいという思いもあったんでしょうけど、飯伏選手の実感としてはあくまでも仮定の話というか、「そういう道もあるよ」みたいな感じ?

飯伏 そうですね。だから何か高木さん、スゲェなって思って。さらに動きたくなくなりました(笑)。

ーーおぉ! それは高木さんの懐の深さというか、飯伏選手が万が一退団したら当然団体としてDDTはダメージを受けるだろうけど、業界全体のことを考えて「他団体に行ってもいい」と言えるってことは凄いことですよね。

飯伏 いや〜、ビックリしましたね。人として勝てないって思いました。深すぎて、大きすぎて。もちろんDDTも大好きですけど、高木さんには絶対に付いていこうって決めましたね。だから、そういうのが一切なかったら、もしかしたらですけど、(新日本に)行ってた可能性はなくはないかなと思います!

ーー2年前のインタビューでも言ってましたけど、正直ファイトマネーの面では新日本のほうがいいんですよね?

飯伏 正直、全然いいです。1試合のアレで比べたら全然違いますよ。

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新日本の菅林会長(左)とDDTの高木社長、この2人だからこそ飯伏の二団体所属は実現したと言っていいだろう

冗談から本気へ。2013年になって急速に進んだ二団体所属

ーー新日本側だって最初は冗談っぽくは言ってても、2013年に入ってからはいよいよ本気でDDT側に「飯伏選手が欲しいんですが」って話をしたと思います。高木さんも真剣に検討したと思いますけど、高木さんから「お前、どうするんだ?」って真剣に意思を確認されたことってあるんですか?

飯伏 あ〜、聞かれましたよ。自分と2人で話をしたときに、自分はこう思っていますっていうのは伝えました。その時、明確にダブル所属っていう言葉は使ってないと思いますけど、「どっちも出たいです」って言った記憶があります。やっぱり全体的なお客さんの数だって差はあるし、新日本のファンの中に自分を見たことがない人だっていっぱいいると思ったんですよ。それを凄く感じたんで。これはいま行かないと、もう行けない思ったんです。年齢のことを言うのは自分のキャラ的にはアレですけど(苦笑)、もう30も過ぎたし、もういましかないっていうタイミングだったんです。そういうことを全部(高木さんに)伝えたら、「じゃあ、もうそうしよう」って。実際、高木さんがどう思ったかは分からないですけど、「分かった。お前がそう思ったらそれでいいよ」って普通に言ってくれたんで。凄すぎますね!

ーー結果的に二団体所属という形になり、しかも新日本とは単年契約でDDTとは複数年契約。例えば1年間は両団体に出て、1年後に新日本に完全移籍とかがないという部分で安心したファンも多かったと思います。

飯伏 それは高木さんが考えてくれたんですけど、それが一番ベストだったと思います。

ーー事前に変な噂が流れることもなかったし、会見の席できちんとそういう説明があったから、ファンの反応も比較的好意的というか、批判みたいなものはあまりなかったように思えるんですが、本人的にはどうでした?

飯伏 あー、なかったです! まったくなかったですねぇ。逆にDDTのファンはどう思っていたんですかね?

ーー飯伏選手は以前から「新規のファンを連れてくるのが自分の役目」と言って、新日本にスポット参戦していましたけど、どうしてもゲスト扱いの域を出なかったじゃないですか。リーグ戦優勝とかタイトル奪取もあったけど、あくまでも“点”でしかない。それが所属扱いになることで、点から“線”になるような活躍をしてくれるのではっていう期待はあると思いますよ。

飯伏 そうですね。

ーーそもそも今回、「二団体所属」って発表したことで、もの凄い話題になった。この時点で業界を盛り上げるという意味では成功だったと思いますし、あくまでもホームはDDTっていうのがハッキリしているから、DDTファンもあまり心配とか不安はないと思います。

飯伏 あ〜、ですね。それは何か感じますね。

ーーそれに、そんな二団体所属を発表する大事な記者会見に、30分遅刻してくるというね(笑)。でも何か結果的にそれが「飯伏幸太は新日本所属になっても変わらないなぁ」っていう変な安心感を感じさせてくれましたよ(苦笑)。

飯伏 (遅刻)しましたねぇ〜。まぁ自分はどこにいっても結構変わらないですから。でも自分のプロレスキャリアの中でも結構大事な……ベスト3に入るくらい大事な会見を遅刻しましたからねぇ(苦笑)。

ーーまぁまだ二団体所属になってあまり経ってはいませんが、ライオンマークのTシャツを着て、新日本からもグッズが発売されたりと、徐々に変化というか、“新日本プロレスの飯伏幸太”という部分が見え始めてますが、実際本人としては何か変化はありましたか?

飯伏 いままでも(新日本側が)受け入れてくれていた感はあったんですけど、所属になってからはさらにそれを感じますね。「所属になったんだな、お前」みたいな雰囲気を感じますね。話し掛けてくれる選手も増えましたね。もちろん「何、中途半端なことしてんだよ」って思っている人もいると思います。でも前よりは全然自分のことを受け入れてくれていますね。

ーー以前のインタビューでは「あのシリアスな雰囲気に耐えられない」みたいなことを言ってましたが、今は飯伏選手にとってもやりやすい雰囲気?

飯伏 やりやすいです! 前と比べても居やすいですね。

ーー中澤(マイケル)さんも必ずいるし。

飯伏 アハハハ、必ず(セコンドに)つける!

ーー会場の反応を見る限りでは新日本ファンも歓迎ムードですよね。

飯伏 そうですね。いままでは「応援したいけど、アイツは一応他団体の選手だしな」みたいな感じだった人たちが、思い切って応援できるようになったっていうのは、ちょっと感じています。

ーー所属になって最初の目標がIWGPジュニアのベルトということで、2013年の1・4ドームでは3WAYでしたが、今年の1.4はデヴィット選手と一騎打ちです。

飯伏 一騎打ちっすねぇ。2011年の1.4でプリンス・デヴィットと一騎打ちをやって負けているんで、自分の中ではそこからのリベンジですね。何度もやっていますし、2013年も3WAYでしたけど、デヴィットに直接負けているし。だから(デヴィットへの)リベンジですね。

ーー先ほども言いましたけど、以前ベルトを獲ったときは“点”でしかなかったけど、所属になったのだから、ここから“線”にしていくためにもデヴィットにリベンジして、あのベルトを獲りたい?

飯伏 そうですね。あとは前に(ベルトを)獲ったときは、(他団体の選手の割には)応援してもらった感じでしたけど、やっぱり(新日本にとっては)外敵が獲ったベルトだと思うんですよ。だけど、今度は所属してのベルトを獲りに行くってことで、自分の中でもまたちょっと違うかなと思うんですよ。これで(ベルトが)獲れたら、結構自分の目標にいくのみですね。

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もう皆さんご存じかと思いますが、2014年1月4日に東京ドームで行われた新日本プロレス『WRETLE KINGDOM 8 in 東京ドーム』で、プリンス・デヴィットの持つIWGPジュニアヘビー級王座に挑戦した飯伏は、16分22秒、フェニックススプラッシュで勝利。
第67代王者となった飯伏だが、“新日本所属の飯伏”としてどういうチャンピオン像を創っていくか注目。まずは2月11日の大阪府立体育会館〜BODY MAKER コロシアム〜大会で、謎のマスクマン「エル・デスペラード」を相手に初防衛戦を行う。

ところでゴールデン☆スターの結婚観は?

ーーすごく飯伏幸太のプロレス人生が、いま充実しているなって感じですね。

飯伏 充実していますね!

ーーそこで気になるのが、じゃあ私生活はどうなんだ? そっちも充実してんのかってことなんですけど。

飯伏 私生活っすか(笑)。私生活はたぶんメチャクチャですよ。

ーー飯伏選手の私生活って謎が多いですよね。

飯伏 謎ですよね(笑)。結構、明かされてないですよね。

ーーそうですね。まぁあまり生々しい話をするのもアレなんで(笑)、飯伏選手の結婚観とかをざっくり聞いてみたいのですが。

飯伏 結婚に対しては……ほかの人よりは結婚願望が少ないかもしれないですね。周りを見たり、同い年の人と会話をしていると、本当に結婚したいって思っている人が多いですよね。

ーー31歳の男だと、そう思う人が多いでしょうね。

飯伏 はい。でも自分的にはそういう人たちよりは、自分は(結婚したいと)思っていないって思いますね。例えば「彼女が欲しいな」とは思っても、踏み止まってしまうんですよ。

ーーリミッター知らずの飯伏幸太なのに、私生活ではまさかのリミッター発動?(笑)何がリミッターになっているんですか?

飯伏 プロレスですね。いざ付き合うとか、それくらいになると「ちょっと待てよ。これはプロレスに支障が出るんじゃないか?」って思っちゃうんですよ。性格的に彼女とプロレスだったら、どっちかにしかいけないのかもしれないですね。たぶん。うまい具合にどっちもっていうのは難しいですね。

ーーもっと年を重ねてくれば、両方いい具合に出来るかもしれないですね。

飯伏 そうですね。だからいまのところ結婚に関しては35を過ぎてからでいいかなと。あと4年くらいはどっぷりプロレス(漬け)でいいかな……と思いつつ、分からないです(苦笑)。やっぱり欲望は常にあるんです。

ーーお、さすがはプロレスラー! 常に貪欲であれ!

飯伏 欲望はあるんです。だから……そういうことです(笑)。

ーーアハハハハ。まとめると、欲望を彼女を作って晴らすか、プロレスのリングで晴らすかって言ったら、いまはまだプロレスのリングで晴らすってことですね(苦笑)。

飯伏 そうです!(苦笑)そういうことです。

ーーまぁ欲望もそうですけど、飯伏選手はやりたいことがあって、それを溜めに溜めて、いざ実現したときに弾けますよね。いい意味でリング上がストレス発散の場というか。

飯伏 まさに、いまちょっとDDTでそうなっているというか、自分を出し切れていないというか、昔のように好きなことを出し切れてないんですよ。やりたいことをやるってことが、DDTではちょっと出し切れてないんじゃないかと自分では思っています。

ーー確かに両国大会以降、DDTではタイトル戦線や路上プロレスも含めて、これといった目立った活躍はなかったですね。

飯伏 はい。何かどこかで……何て言うんですかね。自分を出し切れなくなっているんですよね。いままでは出し切りまくってきたんですよ。それが出来てないなって最近感じます。何が原因でそうなっているか分からないですけど……

ーーそれはDDTから気持ちが離れているとかではないですよね?

飯伏 それはまったくないです。

ーーじゃあ、それは2014年の課題ですね。このモヤモヤしたものをどう晴らすかっていう。新日本ではジュニアのベルトを獲って、点から線につなげていくっていう明確な目標があるのに。やっぱり2つのことを同じようにやっていくのが苦手なんですかね?(苦笑)

飯伏 何かモヤモヤしてるんですよねぇ。KO-D(無差別級王座)を獲れば晴れるって感じでもないんですよね。そっち方向じゃないんですよねぇ。もっと、より新日本と逆をいきたいです! 対極をいきたいです! たぶん、それですね。

ーーこりゃ2014年の飯伏幸太は新日本で活躍する反面、DDTでやらかしそうですね(苦笑)。

飯伏 やらかします! 爆発します! どっちでも爆発しますよ! 別のベクトルですけど。どっちでも爆発しますよ、2014は!

ーー決して1年を通して大活躍だったという感じではないけど、この先飯伏選手が自分のレスラー人生を振り返るときに、2013年という年は結構ターニングポイントになる年だったと思います。2014年、更なる活躍を期待しています。

飯伏 そうですね。2014年は新日本とDDT、両方で爆発します!

ーーあと私生活でも何かあったら、こっそり『バトル・ニュース』にリークしてください! 本日はありがとうございました。

飯伏 私生活でも大炎上に気を付けて大爆発します!

この項終わり

飯伏幸太(いぶしこうた)
1982年5月21日、鹿児島県出身。181cm、85kg。得意技/フェニックス・スプラッシュ。学生時代から“プロレスごっこ”をするのが好きで、中学生の頃にはもうムーンサルトプレスが出来たという。大誠塾で空手を学んだあとDDTに入門して2004年にデビュー。2013年には史上初となるDDTと新日本プロレスの二団体所属選手となる。2014年1月4日の新日本プロレス・東京ドーム大会をプリンス・デヴィットに勝利し、第67代王者IWGPジュニアヘビー級王者となった。

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