大晦日の大会に３年連続で出場することが決まった北岡は「大晦日３度目なんですけど、一昨年も去年も負けているので、そういう中で出ることになったのは光栄ですし、感謝の気持ちでいっぱいです。なかなか軽量級ってものが評価されないと思います。先日、出ることが決まった人間がいますけど（苦笑）、言っても日本の格闘技で僕より上は彼しかいないと思いますし、選ばれるべくして選ばれたという自負はあります。同じリングに上がるってことで、直接対決ではないですけど勝負の部分はあると思います。別に彼とだけじゃなくていろいろなものとの戦いで、プロとしていい経験をさせてもらえるなと思っています」と、2011年の大晦日『元気ですか!! 大晦日!! 2011』で対戦し、先日ひと足早く今年の『猪木祭り』参戦を発表した青木真也を意識した発言。
　というのも青木が「日本人選手に噛みついてほしい」というような発言をしたにも関わらず、とくに誰かが名乗りあげてくるわけじゃない現状に対して「青木どころか僕に噛みついてくる奴がいない。このままだともう１回実績作ったら、また僕に青木とやってほしいっていう役目が来そうだから」と日本の格闘技界を盛り上げるために、この階級でNo.1の青木ともう一度対戦できるだけの"実績作り"をしているという意識があるようだ。

　そんな北岡の対戦相手はロシアのラマザン・エセンバエフに決定。1989年４月13日生まれで身長172cm、体重77kg。ソ連（現ロシア）のフリースタイル・レスリング界では名を馳せた父を持ち、７人兄弟のすべてがフリースタイル・レスリングに従事るなど、フリースタイル・レスリング一家で育ったとのこと。ラマザン自身も７歳からフリースタイル・レスリングをはじめ、2011年４月１日、Gadzhi Gadzhiev戦でプロデビュー。判定勝ちを収め、MMAの通算戦績は４勝１敗（１KO）。
　未知数な部分が多い選手だが、北岡は「未知と言っても名前をYouTubeで検索すれば出て来るので。試合は見ましたけど、本当に強い選手だと思いますし、去年のこともありますし（※2012年大晦日の『DREAM.18』でウィル・ブルックスにTKO負け）、いまは世界中にいっぱい強い選手がいるので気が抜けませんよね。シビアな試合になると思いますし、こういう舞台では強い選手と戦わないと意味がないです。ヘビー級と比較されてもヒリヒリ感では負けない自信がありますし、やるかやられるかっていう試合になると思います」と、試合映像を見た上で強い相手と判断した模様。

　漠然と大晦日に試合がしたいと思っていたため、かなり前から準備していたという北岡だが、上がるリングがIGFということに関しては「サムライTVでは見ていましたし、鈴川（真一）選手と（ジェロム・レ）バンナの試合が面白くてずっと見てましたね。石井（慧）さんの試合は追っかけてましたし、去年の大晦日の試合は気になっていたので全部見てました。漠然と（IGFが）やりたいことは分かっているつもりです。そこに変にフィッティングするわけじゃなくて、自然と自分に合うものがあると思う。だからこそここに導かれたと思うので、勝手に合うところは合うと思うし、合わないところを無理矢理合わせるつもりはないです。さじ加減は僕が決めるんです！（来場するプロレスファンには）何か見せたいというよりは勝手に見て、好きに解釈してくれればいい。媚びるつもりはないです」と、とくに"プロレス団体"という意識はない様子。
　９月に古巣のパンクラスに参戦した際、「真剣勝負のプロレスがパンクラス」と発言したことを挙げ、「それで言うなら僕は"真剣勝負のプロレスラー"なので、真剣勝負のプロレスをここ（＝IGF）でやる。僕だけじゃなく、結果的に青木や石井さんもそういうことだし、そういった戦いが大晦日に出来るのが嬉しいし、やってくれるIGFさんには感謝している。ただ、ありがとうだけじゃなくそれも含めて戦いだと思っています。いろいろなものに緊張感があると思うので、緊張感の勝負ですよね。そういうものを作りたいんだろうなっていう、イベント側の気持ちは分かっているつもりです」と語った。IGF会長のアントニオ猪木は常々「すごい試合を見せろ」と口にしているが、北岡はそれを"緊張感のあるヒリヒリとした試合"と解釈したようだ。

INOKI BOM-BA-YE 2013
日時：2013年12月31日（火）開始：15:00
会場：東京・両国国技館

＜決定カード＞
▼IGF MMAルールマッチ
北岡悟
vs.
ラマザン・エセンバエフ

＜既報カード＞
▼IGFチャンピオンシップ／IGF MMAルールマッチ
［王　者］藤田和之
vs.
［挑戦者］石井慧
※第2代王者・藤田の5度目の防衛戦

▼IGF MMAルールマッチ
澤田敦士
vs.
ミノワマン

▼シングルマッチ
天田ヒロミ
vs.
クラッシャー川口

＜参戦決定選手＞
青木真也