大晦日の猪木祭りで藤田和之vs石井慧のIGF王座戦がMMAルールで行われることが決定!石井「ベルトを獲ったら質屋で鑑定してもらう」
29日、都内のホテルでIGFプロレスリングが記者会見を行い、12月31日(火)の大晦日に開催する『INOKI BOM-BA-YE2013』の第1弾決定カードを発表した。
IGFプロレスリング
INOKI BOM-BA-YE2013
日時:12月31日(火)開場:14:00 開始:15:00
会場:両国国技館
▼IGFチャンピオンシップ/IGF MMAルールマッチ
[王 者]藤田和之
vs.
[挑戦者]石井慧
※第2代王者・藤田の5度目の防衛戦
会見には藤田、石井、両選手と共に立会人としてアントニオ猪木会長も出席。まず「世の中、少しは景気がよくなったのかなという気配はありますけど、まだまだ末端のところには届いていない。そういう状況の中で、今年は師匠の力道山の没50周年ということで。(力道山は)戦後の日本を復興させる大きな力になりました。たぶん政治も経済も含めて、来年は新しいスタートになるかなと(思います)。そういうものの中の先駆けとして、このリングからすごいメッセージを送れたらと思います。私は"闘魂"という師匠が書いた字をいただいて、闘魂アントニオ猪木(としている)。最近『燃える闘魂』という本を経済界の重鎮が書かれていますが(苦笑)、闘魂という言葉が世の中に浸透している。その中で魂の部分をリングからファンの皆さんに......ファンだけでなく、もっと外に届くくらいのすごい試合をしてもらいたいと思います」と大会に向けての抱負を語った猪木。
続いて挑戦者の石井が「次の試合では自分の力をすべて藤田選手にぶつけたいと思います。自分の場合は常に劣等感を持って戦っていきたいと思っています」と意気込みを語ると、王者・藤田は「大晦日、決まりました。戦う者の使命として、そしてベルトを持つ者の宿命としてこのリングで戦います」と語った。意気込みの中で「劣等感を持って」と発言した石井だが、これは子供の頃、友達が出来ず1人で遊んでいた頃に抱いた気持ちで、その気持ちを忘れずにやっていくという思いらしいのだが、猪木からは「昔、経済成長の中で田中角栄さんが(日本)れっとう(列島/劣等)改造論っていう本を出したんだけど、知ってた? 知らないよな。ひとつ劣等を改造してください!」とアントンジョークが飛び出した。
両選手と共に立会人の猪木も調印書にサインを終えると、質疑応答へ。このカードに期待することを聞かれた猪木は「いま世の中が混迷していて青少年や教育の問題も含めて、戦後、元気と勇気を与えてくれたプロレスの歴史があるが、その中で魂の叫びというかそういうのを見せてほしい。勝負というのはどちらが勝っても、お互い悔いのないように。先日、パキスタンを訪問したら、まだ熱い思いが残っていましたね。なぜこんなに歓迎を受けるのか......そういうもの藤田、そして石井選手にもぜひ継承してもらえば、次の世代へのメッセージとしてありがたい」と、かつての猪木vs.ペールワンのような後世に受け継がれる熱い試合をしてほしいと語った。
大晦日の大舞台で「日本人最強決定戦」と銘打たれたカードが決まったことについて、まず石井は「藤田選手と戦うことは自分の中で特別な思い入れがあるので、すごく嬉しく思いました。そして藤田選手との試合は自分の持っているものすべてを出したい」と語り、藤田は「彼のことはこれまで辿ってきた戦いを僕なりに見てきた。今年に入ってドンドン調子を上げてきた中で、どれだけ成長したのかなっていうのもあるし、そういう楽しみがあった矢先にこういう形で戦うことになったので、彼の成長を俺が肌で感じて、皆さんが目で確認したらいいと思います」と語った。
この一戦にはこれまで藤田が4度の防衛に成功してきたIGF王座のベルトが懸けられることになったが、藤田は「ベルトが懸かった以上、ベルトを持つ者の宿命として、もちろん勝つのは当たり前。すごい試合を見せたいと思います」と語った。
最後に猪木は「形は変わりましたが、毎年続いてきた猪木祭り。最初は大阪でしたかね。今年は両国ということで、何回か師匠の名前を出しますけど、そういう思い出というか因縁も含めて偲ぶ会というか......まぁそれが前面に出るようにはしたくはないのですが、私は弟子として師匠が夢の中で『こんなプロレスでいいのか!』って怒っている姿で出て来るもので......。まぁ最近はなくなりましたけど、その思いを試合を通じて選手たちに汲み取ってもらって、今こそ新しい格闘・プロレス界の幕開けというか、パキスタンしかり中国もいよいよ動き出します。いろんなところのイベントのオファーが来ている状況で、世界に通用するプロレス・格闘技と言ってきましたので、ぜひ2人には思い切ったすごい試合をしてもらって、それも他の選手たちにも願って頑張ってもらいたいと思います」と、力道山没50周年に両国で行われる祭りから世界に通用するような試合をしてほしいと、選手たちにエールを送った。
会見終了後、囲み取材に応じた石井は「今年に入って、賛否両論ある中でIGFに出ていたが、藤田選手がずっと励ましてくれていた。そういう思い出があります。(1年前に藤田と戦うなんて)想像もしてなかったですね。僕、ベルト懸けて(試合を)やるのが初めてなので、1回獲ってみたいですけどね(笑)。1回獲ったら質屋に持っていって、本当に2億円するかどうか鑑定だけしてもらって、ウソだったら皆さんにお伝えします」と、ようやく石井らしいリップサービスが飛び出した。
「質屋で鑑定してもらう」と言ったIGFベルトに関して「プロレスのベルトというよりはIGFのベルト。僕はジャフ・モンソンにも勝ちましたので、このベルトは(僕が奪取したら)総合格闘技のベルトと言ってもいいんじゃないですかね? 格闘技全体のベルト、たまにプロレスにも使われる。ケースバイケースで」と、IGFらしくプロレスと総合格闘技という区分けをハッキリさせなくてもいいんじゃないかという様子。王者になった暁には防衛戦はすべてMMAルールでやりたいという石井だが、「ガイジンに(ベルトが)渡るのだけは避けたいと、IGF側も思うかもしれないですね。(やりたい相手は)ミルコ・クロコップかな」とブチ上げた。
毎年大晦日に向けてオランダでゲガール・ムサシと練習をするという石井は、今年も同じように練習するとのこと。2009年大晦日のアリスター・オーフレイム戦以来のMMAルールマッチとなる藤田だが、その分キャリアは抱負。だが、石井は「(藤田も)すごく強い選手とやっているし、日本人で最も強い選手なのかなと思います。僕も今年1年通じて強い選手と戦ってきたのでまったく問題ない」と語り、日本人最強決定戦と銘打たれたことに関しても「(そういう意識は)もちろん(ある)」とキッパリ語った。
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