パンクラスが"裁定保留"になっていた9・29『PANCRASE 252』横浜大会で行われた大山vs.カリーの裁定結果を発表
15日、パンクラスが9・29『PANCRASE 252』横浜文化体育館大会にて行われ、裁定保留となっていた大山峻護vs.ジョーダン・カリー戦の裁定結果が発表された。キングオブパンクラス実行委員会が発表した裁定書は下記の通り。
裁 定 書
キングオブパンクラス実行委員会コミッショナー 廣 瀬 隆 司
2013年9月29日横浜文化体育館大会第13試合(大山峻護選手対ジョーダン・カリー選手)において、パンクラスオフィシャルルール第31条の2に基づき、試合結果を保留とした件について、下記のとおり裁定する。
記
1.裁 定
試合結果を「1ラウンド5分0秒、ジョーダン・カリー選手のTKO勝利」とする。
2.理 由
(1)事 実
1ラウンド4分50秒にカリー選手が大山選手に肩固めをかけ、試合残り時間がわずかな時点で大山選手は絞め落とされる寸前となり、メインレフェリーは大山選手の腕の脱力具合を確認するなどして、大山選手の状態を十全に見極めようとした。1ラウンド5分0秒、ラウンドの終了を告げるゴングが1回打ち鳴らされたが、その音がメインレフェリーには届かなかった。大山選手が完全に落ちたことを確認したメインレフェリーは、5分2秒の時点で、試合のストップをコールした。ストップのコール後の大山選手は、試合続行が不可能な状態であった。
メインレフェリーによるストップのコールはゴングが鳴らされた後であったため、担当審判員により協議したところ、サブレフェリーからは、ゴングが鳴る前に大山選手が落ちていたのではないかという見解が示された。そこで、大山選手が試合続行不可能な状態になったのは、1ラウンド終了前のカリー選手の正当な攻撃によるものなのか、ストップのコールが遅れラウンド時間終了後も絞め続けられたことによるものなのかを後刻確認するため、第31条の2に基づき、裁定を保留し、1ラウンド終了時点までの仮の判定を行った(仮の判定は、担当審判員3者とも「10-9」でカリー選手の優勢)。
(2)映像の検証
キングオブパンクラス実行委員会は、2名の審判員(1名は試合担当、もう1名は試合担当外)をまじえ、映像を確認したところ、1ラウンド4分58秒から4分59秒の時点で、大山選手の動きが完全に止まり、失神状態のため脱力していること、したがって、この時点で大山選手が試合続行不可能な状態であったことを確認した。
(3)試合担当外審判の見解(参考)
オフィシャルルール4条(7)(担当外審判の助言)を適用する事態に備え、1ラウンド終了直後、当該試合担当外審判員4名(いずれも当時リングサイドに着席)から意見を聴取したところ、4名のいずれもが、大山選手が、ゴングが鳴らされる前の時点で試合続行不可能な状態になっていたという見解を示した。
3.結 論
以上の審議の結果、大山選手が試合時間内に試合続行不可能な状態になっていたと判断し、冒頭の裁定をもって試合結果を確定する。
4.補 足
(1)当該試合の終了時における混乱は、ラウンド終了間際の判断の難しい状況で起こったこととは言え、担当審判員・役員が十分に職責を全うすれば防げた事態であったと考えられる。したがって、今後の任務の改善を促すため、次のとおりの処分を言い渡す。
①サブレフェリーは、7条(3)に基づいて、必要に応じてホイッスルを吹き、試合を終了させることができる権限をもつ。当該試合においても、試合続行不可能な状態と自らが判断した時点でホイッスルを吹くことができたし、また、ラウンドの終了直後であっても、ホイッスルを吹くことにより、遡及的に自らの判断を示して、試合を正しく終わらせることができた。しかし、当該試合においては、それらを怠り、6条(1)に掲げる「ルールに基づいて試合が行われるよう、メインレフェリーを補佐し、メインレフェリーと共同して試合を管理、指揮」する任務を十分に果たさなかったと思料される。よって、当該試合のサブレフェリーには厳重注意を言い渡し、あわせて審判部長には指導の徹底を求める。
②タイムキーパー(ゴング係)は、11条に基づき、ラウンド開始と終了をゴングにより知らせなければならない。当該試合を実施した会場は、平素に大会を開催している会場(ディファ有明等)よりも広く、リングと本部席との距離もやや遠くなっていたため、より確実に強くゴングを打ち鳴らし、試合の開始と終了の時を示さなければならなかった。しかし当日は、ゴングの音が聴き取りにくい、あるいは聴き取れない場面が何度かあった。当該役員には、今回の反省と今後の改善を強く求める。
(2)カリー選手、大山選手が死力を尽くした好試合において混乱を招いたことは非常に残念であり、両選手にはたいへん申し訳なく思う。
両選手には、今後もパンクラスのリングで、これまでと変わらぬ好ファイトをご披露いただけるよう切にお願い申し上げるしだいである。
以上
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