日本vs.世界がテーマの闘いを増やすという新日本の木谷会長「今は相手にされないだろうが、WWEと同じテーブルにつくのが目標!」
29日、東京・秋葉原のUDX THEATERで行われた新日本プロレスの『新日本プロレスリング戦略発表会2012』終了後、囲み取材に応じた木谷高明会長は「いまは皆、自分が負け犬になりたくない、勝ち組に乗りたいという気持ちがある。世間にプロレスが流行っているんだということを、いい意味で勘違いさせたい。メディアの露出が増えればブームが来ているかなと思うし、話題になれば会場にお客さんも来てくれる」と語り、話題性という意味でこの日司会を務めていた人気声優さんに、特別リングアナをやってもらうようなことも考えているという。
とくに力を入れていきたいのが、しばらくプロレスを見ていない人や初見の人にどうアピールしていくかという点。「ラジコンやプラモデル、SF小説のようにマニア化した業界はなくなるんですよ。一部のプロが理屈を並べ始めたらもう終わります。プロレスも若干理屈を語り過ぎるところがある気がするんで、もっと単純に楽しんでくれる方向のファンを増やしていかないと広がらない」と分析。
「来年は東京ドーム大会をやるのかどうかも1つのサプライズ」「10月に1・4開催を発表して、カードは11月〜12月に発表」というような、これまでのプロレスでは当たり前だったことを「おかしいですよ! 非常に勘違いしてますよね。世間とすごいズレてるのを感じますね。決まっているものを早く発表したほうがお客さんだって予定が立てやすいでしょ。出来ればドームのカードは8月くらいから発表して、10月にはほとんど発表して、12月の頭には全カード発表できるようにしたい。あと(WWEの)『レッスルマニア』みたいに前日の1月3日にファンイベントを開催したい。そうすれば地方のお客さんだって2日楽しめるから行こうかなと思うでしょ」と、プロレス界の悪しき慣習を正していくと宣言。
その中にはリングサイドのカメラマンの人数が多いためリングサイド席を購入したお客さんに見えずらかったり、公式以外のメディアの情報解禁が深夜0時以降だったり、WWEではベルトが子どもたちにとって憧れの対象としておもちゃにもなっているのに、日本では本部席のテーブルの上に無造作に置かれている点などは今後改善を検討するという。
戦略発表会の中でシリーズ名を「○○ロード」と改めることが発表されたが、これまで毎年開催されてきたニュージャパンカップやG1タッグリーグについては、「ニュージャパンカップはまだ分からないですけど、G1タッグはあまり響くものがない。G1に出ていた選手がもう1回タッグを組んでリーグ戦をやっているというイメージしかないので、組んでいる必然性がない。それよりワールドタッグリーグで国内外から、"元々のタッグ屋"を呼んできて、ちゃんとタッグリーグをやる必然性を作りたい」と語った。
また、来年春に開催される予定の『ワールドリーグ戦』に関しては、かつて日本プロレスでやっていたワールドリーグ戦のように7vs.7のシングル戦を7日間に渡って行って、最後に日本人ナンバー1vs.外国人ナンバー1が対戦することで、個人戦と団体戦が出来るようなことを考えているという。
日本vs.外国人にこだわりを持つ木谷会長だが、その理由を「日の丸を掲げたいんですよ。なぜかと言うと、サッカーにしろ柔道にしろ世界フィギュアにしろ、スポーツコンテンツって日本を背負って世界と闘うものしかテレビで視聴率を取れなくなっているんですよ。プロレスってそもそも力道山さんが空手チョップで白人をなぎ倒すことで、日本人は敗戦の憂さを晴らしたという歴史から始まったんです。それがその後のワールドリーグ戦になった。その後、新日本プロレスになって目新しい日本人対決に移行したけど、いまはむしろマンネリになっていると思う。だから日本人vs.外国人の試合をやったほうが、いまは目新しい。スポーツやエンターテイメントは常に世相を反映しているが、いまは日本人対決の時代じゃない!」と分析。G1のような日本人対決の素晴らしさが分かるシリーズはそのままに、新たに日本vs.世界がテーマのシリーズを入れていきたいという。
vs.世界という部分でいえば、現在の新日本はアメリカのTNAやメキシコのCMLLと提携している。だが、日本最大のレスリングカンパニーである新日本として、いずれはアメリカ最大のレスリングカンパニーであるWWEと対抗戦を行いたい気持ちがあるかどうか尋ねられた木谷会長は「あり得ないでしょうね。だって売上が70倍違うんですよ。11億ちょっと780億ですよ。10分の1になるまで絶対に相手にされない!」と、意外にもバッサリ斬り捨てた。
だが、次の瞬間「まず10分の1にします。そうしたら(WWEも)相手にしますよ。というか、いまの売上の6〜7倍にしたら、WWE以外の世界の団体がすべて相手にしてくるでしょう。全盛期の新日本プロレスの売上を超えるのが、まず大事ですね。観客動員も増やさなきゃいけないですけど。例えばメキシコなんてもっともっとピックアップしても面白いと思うし、アメリカにももっとローカルな団体があるので、そういうところの発掘も大事ですね。1回総合格闘技に行ったけど、またプロレスに戻ってくるような選手も世界中にいるでしょうし、いろんな形の選手の発掘をしていかなきゃいけない。やっぱり堂々とWWEに『対抗戦やろう!』って言えるようになりたいですね。それは選手としてだけでなく、ビジネスとしても超える部分がないとね。僕はビンス(マクマホンWWE会長)と握手がしたいですよね。それが目標ですよね。同じテーブルにつくことがまず目標ですね。非常に尊敬しているし、ビジネスに関してはWWEを徹底的に調べるべきですね。その上で(新日本でも)出来ることはすぐにでもやるべきですね!」と、熱っぽく語った。ブシロード体制となった新生新日本プロレスの木谷会長の目標は、WWEに追いつけ追い越せだ!
- 月別アーカイブ
-
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 団体
-
- 新日本プロレス [46]
- 全日本プロレス [88]
- DDT [22]
- KAIENTAI DOJO [2]
- 666 [24]
- DRAGON GATE [9]
- ZERO1 [84]
- リアルジャパン [29]
- 武道 掣圏 [2]
- IGF [24]
- 紅白プロレス合戦 [4]
- SMASH [6]
- 天龍PROJECT [2]
- WRESTLE-1 [7]
- WAVE [32]
- アイスリボン [50]
- スターダム [98]
- ゆずポン祭 [10]
- REINA [13]
- ディアナ [8]
- WWE [42]
- その他のプロレス [132]
- パンクラス [54]
- RINGS [8]
- THE OUTSIDER [14]
- DEEP [2]
- SRC(戦極) [6]
- DREAM [23]
- K-1 [15]
- K-1 WORLD GP [6]
- K-1 WORLD MAX [17]
- Krush [15]
- GROLY [2]
- その他の格闘技 [8]