小比類巻が3・9リングス再始動大会で総合デビュー!前田「リングスがないと世界の総合格闘技界が回っていかないことを再び証明したい」

120214_RINGS-1.jpg 14日、都内のリングス事務所で約10年ぶりのリングス再始動となる『RINGS〜reincarnation 再臨〜』(3月9日、後楽園ホール)の対戦カード発表第一弾の記者会見が行われた。

FIGHTING NETWORK RINGS
RINGS〜reincarnation 再臨〜
日時:3月9日(金)開場:17:00 開始:18:00
場所:後楽園ホール
協力:ZST事務局/株式会社ZSTインターナショナル

<決定対戦カード>
▼新リングスルール 5分2R 契約体重65kg
清水俊裕(宇留野道場)
vs.
幕大輔(マッハ道場/RINGS)

▼新リングスルール 5分2R 契約体重73kg
伊澤寿人(和神会/RINGS)
vs.
クラット・ピターリ(ロシア)

▼新リングスルール 5分2R 契約体重62kg
伊藤健一(フリー)
vs.
ジャレット・オーウェン(リングス・オーストラリア)

▼新リングスルール 5分2R 契約体重77kg
小比類巻太信(小比類巻道場)
vs.
ベン・アボット(リングスUK)

 会見には前田代表をはじめ、小比類巻、伊藤、伊澤が出席。プロに専念するため、先日THE OUTSIDER70-75王座を返上した伊澤は、OUTSIDERとの対抗戦で驚異的な強さを見せて連勝中のピターリと対戦。伊澤は「ピターリ選手にはOUTSIDERの選手も苦しめられているが、僕は必ずKOしたい。こんな大きな舞台は緊張するんですけど、OUTSIDERを卒業して、今までの総合にはいなかったような選手になって世界で活躍したい」と語った。
 "戦うIT社長"としてZSTで活躍している伊藤は、今大会への出場が決定しているクリストファー・ヘイズマン(カード未定)の愛弟子であるオーウェンと対戦。伊藤は「自分は前田さんに憧れて、高坂剛に格闘技を習って、体は和田良覚さんにずっと作っていただいてきた。だからリングス愛爆発の試合を見せたい」と語ると、第一次リングスでは活躍した選手には前田代表からロレックスがプレゼントされるという噂を聞きつけ、早速その場で「旗揚げ戦なので大活躍して前田さんからロレックスを買ってもらおうと思う!」と意気込んだ。しかし前田代表は「旗揚げ戦じゃダメだ。世界でも有名な選手をやっつけたらな」と却下! それでも伊藤は「ZSTではメインとかセミを張らせてもらっているし、関節技とパンチの威力は一番だと思っている。自分が出るからには、ZSTもですけどリングスを一番の団体にしたい! いずれは昔みたいに横浜アリーナとかも超満員の中で戦いたい。野心爆発です」と語った。

120214_RINGS-2.jpg そしてこの大会で総合デビュー戦を行う日本人大物格闘家と予告されていた選手は、K-1 WORLD MAX日本代表決定トーナメントで2004、2005、2009と3度優勝している小比類巻太信だった。小比類巻は「リングスには思い入れがあって、僕が14歳のときにリングスに憧れて格闘技を始めました。空手をやり、ずっとK-1のリングで戦ってきたんですけど、この2年間試合をしていない間、やはり格闘技が好きでリングに帰ってきたいという思いでいたところ、3月にリングスが再旗揚げということで(タイミングが合った)。僕がK-1で試合をしていたとき、勝っても負けてもアドバイスをくれたのが前田さんでした。その前田さんのリングスでKOで勝ちたいと思います!」と、実は格闘技を始めたキッカケとなったのがリングスだったことを明かした。しかも中学の頃、リングスに入門しようと事務所に電話したのだが、前田代表と思える怖そうな声が電話に出たことにビックリしてすぐに切ってしまったそうだが、巡り巡ってその憧れのリングスで総合デビュー戦を行うことになった。
 小比類巻の総合デビュー戦の相手は、リングスUKのリー・ハスデル代表が育て、大道塾の大会などに出場した経験もあるベン・アボット。前田代表がリングスに上げる日本人選手を探している中で、選手を見る目に関しても信頼している総合格闘家の大山峻護から一番最初に名前が出たのが小比類巻だったという。小比類巻は昨年の秋頃から総合の練習を始めたということで、前田代表は「1〜2年総合の練習やったからって出来るほど、簡単なものじゃない」と否定的だったが、大山は「えっ?と思うような選手でも極められなかったりとか、とにかくセンスが凄い」と太鼓判を押したため、前田代表が「大山君がそこまで言うなら間違いないだろう」と思ったそうだ。
 前田代表は「何だかんだいってもK-1MAXっていうのは、プロ中のプロが集まった大会だった。小比類巻は練習環境作りに失敗したように見えるので、もったいないなぁと思っていた。それに彼は足が折れているのに試合に出場したりしたが、後々それを聞いて『なんでそんな状態で出たんだ?』って言ったら『谷川(貞治)さんが困っているみたいなので......』って。そういった意味でも小比類巻は、いい意味で自分たちと同世代か、その前の世代の人間。1年分のギャラを一銭ももらっていない時期があって、自分の道場の上がりは全部トレーナーに渡していて。そんな状況でまともな練習なんか出来るわけない。それなのにひと言も(文句を)言わずに試合して、結果が出るわけもないのに、『自己管理が出来てない』って言われて。俺から言わせたら『話が違うやろ! だったらカネやれよ』って。本当に彼は鎌倉武士の生まれ変わりじゃないかと思うくらい、清々しい武人ですね。本当に彼にはリングスという新しい場所で、小比類巻太信という新しい事実を刻んでいってほしい」と、"ミスターストイック"が再び輝くことに期待を寄せた。
 総合の練習を始めてまだ間もないということもあるが、小比類巻は「自分の打撃を活かして、持ち味である一発で倒すというのを総合でもやっていきたい。相手をどうやって倒すか、自分の持っている技で確実に相手を仕留める。それでこうなったときにこう対処する、それだけを考えて練習している」とやはり打撃を磨くことに重点を置いている様子。まだ小比類巻が総合の練習をしている姿は見ていないという前田代表だが、「いきなりタックルくらってグラウンドになって、手も足も出ないでやられちゃうんじゃないかなって心配する人もいると思うけど、彼はいろいろな意味でセンスやクレバーさがあるのでそれは大丈夫だと思う。満を持しての決意でしょうし、足が折れてもキックの試合に出て、その足で蹴れる奴ですから(苦笑)」と言って心配はしていないという。
 また、青森出身の小比類巻は震災後に米軍が協力してくれたお礼として、何度か米軍基地に行って空手を教えてきたという。それだけに東日本大震災から約1年となる3月9日(震災は3月11日)に試合をすることに「(被災地を見て)自分は格闘技で生きてきたので、動けるまで格闘技を貫きたいと思いました」と、心に期するものがある様子。

120214_RINGS-3.jpg 改めて前田代表はいまリングスを再始動させることについて、「FEGが中心の総合バブルは弾けましたよ。良くも悪くもアレは若者に夢を与えたと思う。華やかさであったり、ギャラの面だったりで。でも橋を架けてもらって登った瞬間に外された選手もいっぱいいる。中には『この選手、辞めてほしくないな。才能があるのにもったいない』と思う選手もいるので、そういう選手を救済していきたい」と才能ある日本人選手の救済が目的の1つだと語った。
 さらに「変なポイント勘定はせずに、勝負に行くときは勝負にいくような、真の意味でのプロフェッショナルっていうのを分かった選手になってほしい。良くも悪くもUWF、リングスとやっていく中で、負けても次頑張っていく選手っていうのは美しいっていうことをファンに分かってもらえたと思う。選手1人1人にファンを熱くさせるようなカリスマになって、時代に名前を刻んでほしいですね。彼らが今後刻んでいく時間というものに、自分はプロモーターとして注目しながら、彼らの成長を楽しみにしたい。また頑張って第一次リングスの時以上に、気が付いてみたら世界中のチャンピオンと呼ばれる人間は、みんなリングス出身の選手ばかりじゃないかと再び言われるようにしたいし、そう言われる自信があります! 何だかんだ言ってリングスがないと、世界の総合格闘技界は回っていかないことを再び証明したいですね」と、かつてリングス出身のエメリヤーエンコ・ヒョードルが"60億分の1"の男になったように、再び"世界最強の男はリングスが決める"を実証するつもりのようだ。

 3・9後楽園大会はOUTSIDERの選手によるオープニングファイト3試合を含め、全10試合を予定。残りのカードに関してはリングスから軽量級の選手が1〜2人出場するほか、ヘイズマンの試合や、ロシア人選手の試合などが行われる予定。
 今大会は中軽量級が中心となるが、前田代表は「ヘビー級と中量級はどちらが片方ではダメ。中量級が盛り上がればヘビー級も盛り上がる、そういう切っても切れない両輪なんですよ」と語るように、今後は徐々にヘビー級にも力を入れていき、行く行くは日本人ヘビー級選手の逸材を育てたいとも語った。

<入場料金>
VIP席  20,000円(最前列)※完売
SRS席  12,000円
RS席   10,000円
A席   6,000円

<問い合わせ先>
株式会社RINGS TEL03-3461-6698(10:00〜18:00)

2012年2月14日 16:49
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