K-1現役ヘビー級王者がボクシング転向!京太郎「1からやり直して世界王者を目指す」
26日、東京・角海老宝石ジムで京太郎が公開練習をおこなった。先に「ボクシング転向」を表明してから初の会見、公開練習とあってスポーツ紙や、ボクシング、格闘技の両メディア約30名の報道陣が集まり、京太郎が「2、3人だと思ってたらK-1の時よりも多いじゃないですか」と目を丸くする場面も。
「いろんな話をいただいて、悩んで、色々と考えて、決めたのは1カ月前です。もう一回世界を目指せる競技だし、5年後10年後に人間として大きくなるためにもやってみようと」
所属していたチームドラゴンの前田憲作会長やK-1の谷川イベントプロデューサーにも報告済み。保持していたK-1世界ヘビー級のベルトも返上した。
「谷川さんには会うたびに『申し訳ない』と言われてて『新たな道でやるならもう一回世界を目指して』と言われました。その時にベルトも返上しました。会ったのはちゃんと『行きます』と伝えようと。外を歩いて後ろ指をさされることがないようにと思って」
谷川EPの「申し訳ない」については「未払いの件か?」と質問が飛ぶと、「はい。未払いもありますけど、試合する機会を作れないのもあるんだと思います。だけど、これは僕の選んだ道なんで誰も恨んでいないです」と答えた。
角海老宝石ジムには3年前、マイティ・モー戦を前にパンチ強化のために通ったことがあるという。田中栄民(よしたみ)トレーナーは「見た目よりもスピードがあって器用。ボクサーにはスピードが大事だから『ボクシングをやったらいいんじゃないか』と思ってた。ウチの選手とスパーリングをやっても、当てるタイミングを持ってるし、運動センスがあるんですよ」。
問題は「スタミナ」と京太郎。
「走るのと腹筋が嫌いでやってこなかったんです(苦笑)。3Rっていう競技性もあったんですけど」
田中トレーナーから「町田から通ったんじゃ目が届かないし、ジムの近くに引っ越してしっかりとボクシングに打ち込むことが大事。朝8時からウチの土屋(修平)とかA級ボクサーと走ってほしい」とアドバイスをされると京太郎は「8時......。最近起きたことないです(苦笑)。でもまた1からやり直すんで、3万ぐらいのところに引っ越します」。
その後、2Rのミット打ちとサンドバッグ打ちを披露。まだ本来の動きとはいかなかったが、田中トレーナーは「右がいいねえ。右、パンチあるよ!」とあのピーター・アーツをKOした京太郎の右ストレートを高く評価。かつて小堀佑介の世界戦を独力で開催したことで知られ、専属マネージャーに就任した萩森健一氏は「あの右のショートで倒したのを見てボクシングを勧めたんです」という。
陣営では、12月2日の角海老ボクシングジム興行でプロテスト(B級)を予定。そして来春までに「すでにマッチメイクも考えてある」(田中トレーナー)というデビュー戦をおこない、ゆくゆくは日本人初の世界ヘビー級王者を目指す。
「日本人で世界チャンピオンになった人はいないですけど、そういう人材がいなかっただけか、挑戦しなかっただけで、僕はなれないとは思わない。K-1でやってきて無理じゃないと証明してきたので、ボクシングでも世界チャンピオンを目指します。すべて捨てて前に進むだけなんで、僕が戦う姿でいろんな人に勇気を与えられたらいいと思うし、僕自身、楽しみです」
京太郎の新たな挑戦が始まった。(スポーツライター・茂田浩司)
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