初代タイガーが"初心に返る"べく、10・25後楽園大会でサスケと一騎討ち!S・タイガーが暗闇の虎を相手にレジェンド王座防衛戦

110927_RealJapan-1.jpg 27日、掣圏真陰流・興義館で初代タイガーマスクが記者会見を行い、10月25日(火)にリアルジャパンプロレスが後楽園ホールで開催する『Breakthrough』(ブレイクスルー)の主要対戦カードを発表した。

 ここ数年、膝の負傷に苦しんできた初代タイガーマスクだったが、この夏から"自らの身体から細胞を取り出し、若返らせ培養した細胞を再び身体に戻す"という「幹細胞治療」に取り組み始めた。
 現在は全身の処置をしているため、まだ左膝の痛みは消えていないが、身体のコンディションは劇的に良化。11月にも膝の集中治療に移る予定だという。前回の7月大会は状態を見定めるべく、あえて6人タッグマッチへの出場となったが、その後は意欲的に試合をこなしており、本人も完全復活に向けて手応えを感じている様子。そこで、次なるステップとして組まれたのが、10月大会におけるザ・グレート・サスケとの夢のシングルマッチだ。

 サスケとのシングルは、2003年9月21日の『掣圏〜ザ・マスク・オブ・タイガー2003〜』大田区体育館大会以来8年ぶりとなる。初代タイガーマスクにとって、前回の対戦はプロレスに本格復帰を果たした最初の試合。20分近く戦い勝利したことが大きな自信となり、その後のリアルジャパンプロレス旗揚げに繋がった。その時の気持ちに戻るのが今回の試合のテーマだ。
 「リセットして"初心に返る"ということですね。身体の調子も良くなってきていますし、サスケ選手と対戦するというのは、それだけの試合をやるということですから。"リアル・タイガーマスク"により近づくためにも、サスケ選手との対戦がベストの道と思い、対戦相手に選ばせていただきました。コンディション作りに自信があるからこそやるんです」
 もちろん、初代タイガーマスクは、サスケを強敵と感じている。
 「サスケ選手は凄く痩せていて、今は体調が良さそうですよね。え、選挙に落ちたんですか? 全然知りませんでした。あくまでも僕自身を活性化させたいと思って選んだ相手ですから。万が一、彼が沈んだ状態なら、いい試合をやって浮き上がってもらいたいですね」

 そして、見据えるのは長年のテーマである"ストロングスタイルの復活"だ。
 「今回も"ドッタンバッタン"した学芸会みたいな試合はやりたくないなと。"プロレスとは何か?"というものをリアルジャパンでは追求していきたいですから。8年前は僕もかなり体重を落として、20分近く試合をやったんですよ。あの時の想いをもう1度思い出さなくちゃいけないなと。それが出来ないんだったら、もうプロレスを辞めようかなと思っています。『武道 掣圏』に専念しようかなって。もしダメだったら、これでリアルジャパンをやめるぐらいの覚悟がありますよ」
 プロレス引退、リアルジャパン解散......衝撃的な発言にも思えるが、マスク越しから垣間見えるその表情は明るい。コンディションが良いからこそ、さらに自分を追い込むため、あえて厳しい言葉を吐いたのだろう。「久々に、初代タイガーマスクが見られると思います」と厳かに語るその声には自信が満ち溢れていた。今回のサスケ戦から初代タイガーマスクの新たな戦いが始まることになりそうだ。

110927_RealJapan-2.jpg リアルジャパン7月大会で前王者・長井満也を破り、悲願のレジェンド王座奪取に成功したスーパー・タイガー。「ベルトを持って、より一層責任を感じるようになった」と話していたが、初防衛戦の相手に決まったブラック・タイガーはそう簡単に越えられる相手ではない。
 7月24日に行われた『真樹ジムAICHI 10周年記念興行』スカイホール豊田大会で2人は対戦(初代タイガーマスク&スーパー・タイガーvs.青柳政司&ブラック・タイガー)。初代タイガーマスクがその戦いを高評価し、スーパー・タイガーも対戦を熱望し、今回のタイトルマッチが決定した。

 実際に肌を合わせて、スーパー・タイガーが感じたのは「怖さ」であり、ブラック・タイガーが感じたのは「経験のなさ」だった。ブラック・タイガーは今日の会見でも不敵にコメントした。
 「今回はジェントルマンということで、ちょっと紳士的にいってみようかなと。挑戦者として胸を借りるというよりも、どちらが"レジェンド"に相応しいのかをリング上で確かめたいと思います。試合に勝って、チャンピオンとして"ブラック・タイガーこそがレジェンド"ということを証明しますよ」
 正体は不明だが、その佇まいや試合運びからも相当な経験者だということは見て取れる。普段はラフファイトを織り交ぜてくる"暗黒の虎"から飛び出した「紳士的にいく」という言葉を聞き、スーパー・タイガーは危機感を募らせた。
 「"紳士的に行く"という言葉を聞いて、今回のブラック・タイガー選手は怖いなと。正体は名だたるレジェンドと対戦してきた大先輩だと思うんですが、その怖い部分をあえて隠して、紳士的に対応するというんですから、余程の覚悟と自信があるんじゃないかと思います」

 2人の間にある経験の差こそ、初代タイガーマスクがブラック・タイガーを挑戦者に選んだ理由だ。そこには弟子をあえて谷底に叩き落とそうという親心が見える。
 「対戦することで、ブラック・タイガー選手にスーパー・タイガーを育ててもらおうと思いました。試合を通じていろいろと教えてもらいたい。私はそんな見方をしています。お客さんはタイトルマッチという部分が気になるでしょうけど、そちらの方が重要なんじゃないでしょうか。"スーパー・タイガーがプロレスラーとして本当に脱皮したのか?"というテーマもありますので」

 "プロレスの復興"を目指すからこそ、弟子の更なる成長を期待し、強敵をぶつけた初代タイガーマスク。師匠の思いをしっかりと受け止めたスーパー・タイガーも決意を語った。
 「しっかりと自分自身のストロングスタイルを信じて、ぶつけていきたいと思います。感じる責任は重くなっていますけど、それを自分の力に変えていきたい。今回の試合で一皮も二皮も剥けて、変わっていけると確信しています」

 対するブラック・タイガーも会見終了後、取材陣に「踏み台にしてみろ!」と挑発的な言葉を残している。
 「スーパー・タイガーは"格闘家"。プロレスという色じゃないですよね。チャンピオンとしては何もない。格もないし、彼の持つベルトに何の興味もないですから。いい意味で言うと、"踏み台にしてほしい"ですけど、"そうは問屋が卸さない"ですからね。彼に足りないもの? 全てと言ったら全てなんですけど、常にバタバタしてますよね。そこは場数を踏まないと始まらないですけど、その前に対戦しますから。ちょっと搾り上げたいと思います。ブラック・タイガーのプロレス教室をしてみたいなと」
 "新王者にとって初防衛戦が鬼門になる"のはプロレス界の常識。ましてや挑戦者が経験豊かなベテランとなれば、最初にして最大のピンチになってしまう。前回大会でのベルト奪取の感動すら悲劇の前振りになりかねない。果たしてスーパー・タイガーは初防衛を果たすことができるのか?
 その他、石川雄規vs.山本裕次郎、グラン浜田vs.斎藤彰文という注目カードも決定。追加対戦カードは来週にも発表される。藤波辰爾、長州力、藤原喜明らの参戦も決まっており、リアルジャパンプロレスにとって年内最終興行となるが、見所の多い大会となりそうだ。

 また、今日の会見では『初代タイガーマスク基金』が設立されることも発表された。
 3月の東日本大震災以降、積極的にチャリティーに取り組んできた初代タイガーマスクは、8月25日は岩手県宮古市でチャリティー大会を開催。さらに、9月13日には福島市を訪問し、放射線の簡易検出器を福島県全私立幼稚園協会に寄贈している。
 来年以降もさらにチャリティー活動を続けようと模索してた中、関係者の方々より"基金を立ち上げよう"という声が挙がり、設立が決定した。

 「タイガーマスクになったら、伊達直人という名前を意識しないわけにはいかないでしょう。みんな志を持っている人たちばかりです。皆さんも"何かやりたい"と思っているはず。僕たちも何かしてあげたいと考えています。被災地の状況を目の当たりにして、やるしかないと僕自身も思いました。世の中にためにやろうと。これからも被災地の方を応援していきたいと思います」
 11月4日は東京・八芳園で設立パーティーを開催。広く基金をアピールする。このプロジェクトに関しては後日改めて記者会見が行われる予定だ。

リアルジャパンプロレス 
Breakthrough
日時:10月25日(火)開場:17:30 開始:18:30 
会場:後楽園ホール

<決定対戦カード>
▼シングルマッチ 60分1本勝負
初代タイガーマスク(RJPW)
vs.
ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)

▼レジェンド選手権試合 60分1本勝負
[王 者]スーパー・タイガー(RJPW)
vs.
[挑戦者]ブラック・タイガー(フリー)

▼シングルマッチ
石川雄規(バトラーツ)
vs.
山本裕次郎(チーム太田章)

▼シングルマッチ
グラン浜田(フリー)
vs.
斎藤彰文(RJPW)

<出場決定選手>
藤波辰爾(ドラディション)
長州力(リキプロ)
藤原喜明(藤原組)
スーパー・ライダー(RJPW)
タイガー・シャーク(RJPW)
ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)
折原昌夫(メビウス)
長井満也(ドラディション)
アレクサンダー大塚(AODC)
若翔洋(フリー)
佐藤光留(パンクラスMISSION)
間下隼人(RJPW)

【記事提供/リアルジャパンプロレス】

2011年9月27日 23:44
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