スターダムが新設した団体内外、国内外を問わず、女子プロレスラーの最高峰を目指すタイトルが、"赤いベルト"ことワールド・オブ・スターダム。後楽園大会では4選手参加の1DAYトーナメントを行い、初代王者を決めることとなる。まずは第3試合で行われる1回戦第1試合の美闘陽子と長野美香がそれぞれ意気込みを語った。
　4・10新木場大会で対戦した際は、長野に腕ひしぎ逆十字固めを極められレフェリーストップで敗れている美闘は「念願だった長野選手との再戦が出来て嬉しいです。今回リベンジしてベルトに王手をかけたい。前回同様、異種格闘技戦のような試合になると思うが、必ず蹴りで勝ちたい。その先に見せるのはベルトと高橋選手との闘い」と長野にリベンジした上で、ベルトを狙いたいと語った。リベンジに向けた秘策があるか聞かれた美闘は、「腕を取られないように、間合いだけしっかりして蹴りで潰したい」と腕十字を警戒して、得意の重たい蹴りで勝負するという。
　一方の長野は「（スターダムでの試合は）2カ月ぶりになりますが、総合の試合と切り替えて勝つことを心掛けたい。美闘選手とは2度目の対戦だが、蹴りは怖いしずっしりしているので注意して短時間で勝負を決めたい」と前回同様（前回は5分40秒）短期決戦で決めたいと語った。勝負の分かれ目はどちらが自分の得意のスタイルに持ち込めるかどうかになりそうだが、美女同士による緊張感のある試合が今回も見られそうだ。

　続いて第4試合で行われる1回戦第2試合の高橋奈苗と全米15冠王者という実績を持ち、ROHやSHIMMERで活躍する"ラティーナ・センセーション"メルセデス・マルチネスが意気込みを語った。まず奈苗が「相手はまったく未知の相手だが、だからこそ私のプロ15年というキャリアが活かせるのではと思っています。プロレスというのは将棋やチェスのように一手一手が重要だと思うが、プロのレスリングというのを楽しんでみたい気もする。相手のマルチネス選手は見るからにカラダを鍛えているようだが、私もこの15周年記念試合に辺り肉体改造に取り組んできました。さらに進化した高橋奈苗をお見せ出来ると思います。私は常々、人生は夢の旅だと思っていて、この旅の途中でスターダムという団体に巡り会い、スターダム初の後楽園大会で15周年記念試合が出来るのを感謝している。その感謝を試合で勝ってお返しするのが一番だと思っているので、それにはまずこの1回戦に勝って、決勝に上がって相手が美闘なのか、長野なのか、何なのか分からないですけど、私が最終的に赤いベルトを巻くのみです！」と、レスラー生活15周年記念大会に赤いベルトを巻きたいという強い思いをぶちまけた。
　一方、前日の23時頃羽田に到着したばかりのマルチネスが「とてもエキサイトしている。No.1はこの私だ！」と英語で意気込みを語ると、ロッシー小川代表が訳す前に奈苗は「何？　何て言った、いま？」とマルチネスに詰め寄る。マルチネスが「アイアムNo.1」と単刀直入に言ってみせると、奈苗は「あんたじゃないでしょ、アイアムNo.1！」と応戦。それを聞いたマルチネスが呆れたようにニヤリと笑うと、奈苗はテーブルをバンバン叩きながら「あんたが1番じゃないんだよ！」と挑発。

　するとマルチネスが突然エルボーで奈苗に襲いかかり、そのままスタンディングのコブラクラッチに捕らえていく！　不意を突かれた奈苗は悶絶。慌てて鹿島沙希や美闘、長野が両者を分けると、マルチネスはベルトを持って「これは私のモノだ！」とばかりにアピール。咳き込みながらも「触るな！」と一喝した奈苗は憮然として表情で認定書にサインをすると、「お前にNo.1は似合わないんだよ！」と吐き捨てた。
　その後しばらく経ち、やや冷静さを取り戻した奈苗は、短時間とはいえマルチネスと組み合ってみた印象を「いままでまったく当たったことない選手ですが、プロレスラーというのは手をちょっとでも合わせれば力がある程度分かるっていう部分がある。いま私の中にこの人の情報が入りました。彼女はエキサイトした分、損をしましたね。結構（力は）強かったですけど、何となく力量は分かりました」と語り、マルチネス攻略に手応えを感じた様子。最後に奈苗が「この中で私が絶対にNo.1です！」と言って調印式を締めくくった。

スターダム
STARDOM × STARDOM 2011〜高橋奈苗デビュー15周年記念試合〜
日時：7月24日（日）開場：11:00　開始：12:00
場所：後楽園ホール

▼第1試合　スターダム・ティーンズファイト 20分1本勝負
星輝ありさ／岩谷麻優
vs.
須佐えり／鹿島沙希

▼第2試合　キッズ・ファイト〜夢のプロレス物語・夏休み編〜3分間
夢
vs.
ケニー・オメガ（DDT）

▼第3試合　ワールド・オブ・スターダム王座決定トーナメント1回戦 30分1本勝負
美闘陽子
vs.
長野美香

▼第4試合　ワールド・オブ・スターダム王座決定トーナメント1回戦 30分1本勝負
高橋奈苗
vs.
"ラティーナ・センセーション"メルセデス・マルチネス

▼第5試合　ワンダー・オブ・スターダム王座決定戦 30分1本勝負
愛川ゆず季
vs.
世IV虎
※勝者が初代ワンダー・オブ・スターダム王者となる

▼第6試合　ハイスピード選手権試合 30分1本勝負
［王　者］Leon（JWP）
vs.
［挑戦者］夏樹☆たいよう
※第4代王者Leonの5度目の防衛戦

▼第7試合　ワールド・オブ・スターダム王座決定トーナメント決勝 30分1本勝負
美闘vs.長野の勝者
vs.
奈苗vs.マルチネスの勝者
※勝者が初代ワールド・オブ・スターダム王者となる