武蔵にも勝った藤本が、"強すぎて相手が決まらない"カラケスを相手に引退試合を行うことが決定!

101203_K1WGP-1.jpg 3日、FEGが都内のホテルで『K-1 WORLD GP 2010 FINAL』(11日、有明コロシアム)の記者会見を行った。新たに決定した2つのカードを発表し、これで全試合の対戦カードが出揃った。

 会見に出席した谷川貞治K-1イベント・プロデューサーは、エヴェルトン・テイシェイラvs.エロール・ジマーマンのほかにもう1試合リザーブファイトを考えていたが、出場候補として考えられたジェロム・レ・バンナがWORLD GP 1回戦(vs.京太郎)で試合途中に放棄するという行為を取ったため、今回は出場候補から外したと説明。バダ・ハリは拘留期間は解けて釈放されたものの、まだ練習も不十分な上にビザの関係もあり今回は欠場することになった。今後は事件の成り行きを見守りながら、来年の早いうちに試合が出来るようにしたいとのこと。
 次にリザーブファイト出場候補として考えられるのが、1回戦でセーム・シュルトを追い詰め、非常に僅差の判定で惜しくも敗れたヘスディ・カラケス。ところが対戦相手として考えていた選手がケガをしたり、「カラケスは強すぎる」という理由でオファーを断られたりしたため、リザーブファイトを組むことが出来ない中、日本人ファイターの藤本祐介が「引退試合として、最後に強い相手とやりたい」とカラケスの対戦相手に名乗りをあげたという。その心意気を買って、スーパーファイトながら藤本の引退試合としてカラケスvs.藤本が決定した。

<追加決定カード>
▼スーパーファイト/藤本祐介引退試合/K-1ルール/3分3R延長1R
ヘスディ・カラケス(エジプト/パンクレイション/チャクリキ)
vs.
藤本祐介(日本/モンスターファクトリー)

▼オープニングファイト/K-1ルール/3分3R
高荻ツトム(日本/チームドラゴン)
vs.
木村秀和(日本/P.O.D/team pitbull)

101203_K1WGP-2.jpg 藤本は2006年のソウルGPで優勝してWORLD GP 開幕戦に出場。2007年には判定ながら武蔵に勝利し、ヘビー級初代王座を賭けてバダ・ハリと対戦した実力者。会見に出席した藤本は「長い間K-1にお世話になり、こういう形で引退試合を行えることに感謝します。引退試合をしようと思ったキッカケは、2年前に(テイシェイラに)敗れてから一線を退いてずっと悩み続けていた。74kgまで落としてミドル級に行ってみることも考えたが、ミドル級まで落とすのも限界かなと思ってヘビー級に戻し、1個下の団体に出たりもしたのですが、どこか諦めきれないものがあり、どんな強い相手でもいいので(K-1で)試合をさせてもらいたいと思い、今回手を挙げました。それをWORLD GPのFINALで、ボクの引退試合という形でやらせてもらうことに感謝します」と語った。
 引退を決意したのはちょうど1年くらい前で、昨年の11月に日本人選手と試合をしたもののKO出来なかったことで「これでK-1でやっていけるのか?」という思いがあったという。それでもずっと練習は続けていたため、今回急遽試合をすることになったのも問題はないという。
 引退を決意した理由を「ケガとか体調面で引退するわけではないが、僕は(実力が)下がり気味だったらダラダラやるのではなく、踏ん切りだと思うタイプ。ブザマな試合は見せられないと思っているので、この辺がいい潮時だと思う」と語った藤本。ひと足先に武蔵が引退したが、「背中を追いかけていた先輩がいなくなって寂しくなったというのもあるし、僕も世代交代の時期が来たのかなと思っている」とやはりかなり影響を受けたようだった。 
 「勝っても負けてもKOっていうのが、自分の中での美意識としてあるので、それが達成出来れば何も言うことはないです。カラケス選手はシュルト選手やバダ・ハリ選手とも互角以上に闘っていて、素晴らしい選手だと思っているので、引退試合の相手としてはいい選手」と引退試合に向けた思いを語った藤本だが、引退後は空手の黒帯を取った上で、正道会館で選手を育てていきたいという。

 また、フジテレビと協力して12・11当日、K-1 WORLD GP FINALの3Dライブビューイングを行うことが発表された。新宿バトル9、横浜ブルク12、T・ジョイ蘇我、T・ジョイ新潟万代、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、広島バルト11、T・ジョイリバーウォーク北九州、T・ジョイパークプレイス大分、鹿児島ミッテ10の全国10箇所の映画館で、有明コロシアムからの同時生中継を行う。これは格闘技界としても初の試み。
 谷川EPは「ファンから『3Dによる試合中継を早く見たい』という声が多かったので、今回はフジテレビさんに急遽動いてもらった。ぜひ地方のファンには映画館の大きな画面で、3Dによる試合を見てほしい。フジテレビさんとしても新しいビジネススタイルをいろいろ考えているので、そこにまず僕らが付いていかないと、格闘技が出遅れてしまう。海外から来る投資の話もほとんどがメディアからなので、大事なのはいかに魅力的なコンテンツを持っているか。ただ(地上波の)テレビでも視聴率を取りたいし、スカパーの数も取りたいし、地方でも世界でも試合が見られるようにしたい。でも、とくに地上波放送に特化してきた僕らのようなところは、どう対応してもらうかが難しい」と、試合を放送するメディアが大きく変わろうとしている時期にあることに、期待しつつもまだまだ問題も多いことを明かした。

ライブビューイング公式サイト
http://www.t-joy.net/K1GP2010/

2010年12月 3日 15:06
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