試験官である風香GM、高橋、夏樹、ロッシー小川代表の4人が見つめる中、美闘陽子（23）、世IV虎（17）、須佐えり（17）、岩谷麻優（17）、夢（8）の5人はリング上でまず基礎運動である腕立て伏せ、プッシュアップ、腹筋、背筋、スクワットを行った（夢はほかの選手の半分の回数）。
　続いて各種受け身を取ってから間髪入れずロープワークに移り、そしてまた受け身を取る。それが終わると、1人ずつほかの3人を相手に連続でスパーリングを行う（2分間、寝技と押さえ込みのみ／夢のみ風香GMの構えたミットへの蹴り）。さらに夢を除く4人は審査員がその場で発表した組み合わせで、1vs.1によるプロレスのスパーリング（2分間）を行った。
　基礎運動、寝技のみのスパーリング、プロレスのスパーリングの合間の休憩はそれぞれ1分間のみ。この約半年間、風香に鍛えられてきたとはいえ、このメニューはなかなかキツイ。しかも風香や高橋が鋭い視線で見つめる上に、第1回のプロテストということもあって多くのマスコミが取材に訪れたため、練習生たちは極度の緊張感の中、必死にプロテストのメニューをこなした。

　プロレスのスパーリングは美闘vs.世IV虎、岩谷vs.須佐、美闘vs.須佐、世IV虎vs.岩谷の順番で行われたが、ハンマーロックの応酬やグラウンドでの関節技では思わず試験官である高橋や夏樹から「やり返せ！」「もっと絞めろ！」といった檄が飛ぶほど、どの選手も激しくやり合った。
　中でも極真空手の全日本大会で2位という実績を持ち、早くからエース候補と呼ばれている美闘、そしてその美闘に負けず劣らず基礎運動を軽々クリアした世IV虎がスパーリングで激突した際、寝技のみでは美闘が勝ち、プロレスでは世IV虎が勝ったため戦績は1勝1敗。さらに意識する選手を聞かれた世IV虎が「美闘陽子！」と答えたのに対し、美闘は「自分自身です！」と敢えて世IV虎がカチンとくるように答えたりと、この2人は今後もいいライバル関係を築いていきそうだ。
　最後は試験官との質疑応答だったのだが、岩谷は「マスクマンになって、空中殺法では誰にも負けないくらいになりたいです」と自己アピールしたものの、あまりの緊張感に思わず号泣！　続く世IV虎は中学生の頃は誤った道を進んでしまったが、子供の頃に憧れていた風香を見て更正し、これからはNo.1パワーファイターを目指すと力強く宣言。
　須佐は10代のメンバーが多いのでその中でトップに立ちたいと宣言したものの、プロテストの出来は自己採点で「40点」と満足いく出来ではなかったとのことで悔し涙。美闘は「エース候補と言われるプレッシャーはあるが、このプロテストを乗り越えることがまず第一歩。空手もやっているのでプロレスと両方頑張りたい！」と語った。

　プロテストを終え、試験官の4人は「それぞれ出来ているところもあれば出来ていないところもある。飛び抜けている者はいない」としながらも、総合的に判断して美闘、世IV虎、岩谷、そしてキッズファイター枠で夢の4人をプロテスト合格者と発表。惜しくも不合格となった須佐は、2週間後の第2回プロテストに再チャレンジすることになった。
　合格した選手はそれぞれ、美闘「絶対エースになります！」、世IV虎「今まで迷惑をかけた周りの人にもいい報告が出来るので頑張って良かった。これからも周りの人たちに認めてもらえるようにチョー頑張る！」、夢「絶対に誰にも負けないキッズファイターになりたいです！」、岩谷「いままで何かに燃えることがなかったですけど、これからプロレスラーとして人生を歩んでいけることになった。スターダムの中では絶対に空中殺法では負けません！」と、合格した喜びとプロレスラーになった意気込みを語った。
　なお、彼女たちよりひと足早くデビューした愛川は、後輩たちのプロテストを見て「いつも一緒に練習している仲間を、初めて客観的に見たんですけど、すごく頑張っていたので私も頑張らないといけないと思いました。私も練習量が足りていないので、旗揚げ戦に向けて気合いを入れていきたい！」と語るように、刺激を受けた様子だった。