10・11横浜での米軍&ZSTとの対抗戦に向けてOUTSIDERが会見。プロデビュー戦となる吉永は「ルールを変えてくれって僕から言いました」

100929_Outsider13-1.jpg 29日、都内のリングス事務所で『THE OUTSIDER第13戦』(10月11日、横浜文化体育館)に関する記者会見を行った。会見は二部構成で行われ、まず日米安全保障条約改定50周年記念・友好試合"沖縄日米軍vs.ジ・アウトサイダー 5vs.5チーム対抗戦"に関する会見が行われた。

 会見にはTHE OUTSIDERの前田日明実行委員長、対抗戦に出場する三枝美洋選手、山田史博選手、黒石高大選手、庵野隆馬選手が出席。まず前田代表が「今回は両国に続いて2度目の大きな大会となります。横浜文化体育館はリングス・ジャパン最終戦が行われたところで、色々な意味でリングスの聖地の1つであり、思い出深い」と語ると、米軍との対抗戦に関して「提携団体の天下一武道会を視察してきましたが、驚いたのが沖縄県民vs.米軍という対抗戦を結構やっていて、軍人という職業柄基地内に格闘技クラブがあったり、自主的に沖縄県内で総合とかボクシングをやる軍人が多いらしい。米軍といってもレベルはピンからキリまであるが、今回は試験的ということで普通一般の軍人レベルの選手を彼らに当てることにしました。
 リングスとしては過去に旧ソ連邦からコマンドサンボをやっているヴォルク・ハンを連れ来たが、各軍隊にそういった戦術格闘技の技術があって、今回の大会を足がかりにして最終的にはアメリカの特殊部隊クラスや戦略格闘技の達人クラスを引っ張ってこられるようにしたい。将来的にはリングスの大会でアウトサイダーから上がってきたプロ選手と、海外から呼んできた選手、国内から招へいした選手、リングスネットワークを含めて、リングス自体の大きな大会もやりたいと思います。そこでロシアの戦術格闘技の選手と、米軍の戦術格闘技の選手のどっちが強いかとか試合なんかも出来たら面白い」と壮大なリングス復興の青写真を語った。
 米軍との対抗戦に挑む選手たちには「将来全員がプロを望むかは分からないですけど、強くなりたいってことにしても、米軍が持っている軍隊の訓練+α自分の戦闘力を高めようとしている人たちと手合わせをすることが経験としてすごくプラスになる!」とエールを送った。
 選手たちは、まず三枝選手が「第1希望で米軍との対抗戦を希望したんですけど、1番手ということで後に続けられるように面白い試合をして、アウトサイダーのレベルを落とさないような試合をしたい」と語ると、山田選手は「祭りなので日本人として恥じない試合をしたい。まぁすぐに終わらせるつもりです」と意気込みを語る。さらに"Mr.OUTSIDER"の黒石選手が「みんな米軍は強いと思っているけど、俺から言わせれば同じ人間だし、幻想で強いって言ってビビってるだけで、ハッキリ言ってあんなの強くないですから! 強いって言われている人間と俺は全然出来るんで、まぁ同じ人間ってことを俺がリングの上でボコボコにして見せてやる!」とらしさ爆発のコメントを出せば、最後に庵野選手は「自分は昔アメリカに住んでいた時期もあるので、アメリカには特別な思いがある。だからこの米軍戦は出たかった。日本人とイジとプライドを出したいし、今回こうやって日本を背負えるっていうのを誇りに思うので、それに恥じないように闘いたい」と語った。
 アウトサイダーの選手たちは、試合とは別の場所でアメリカ人と対戦したりしなかったりといった経験もあるようだが、選手を代表して黒石選手が「5勝出来るのが一番だけど、俺がよければいい!」といかにもアウトサイダー戦士らしい言葉を聞かせてくれた。選手たちを頼もしいなという表情で見つめていた前田代表は今後の対抗戦の中で、マスコミ陣からいま話題のvs.中国を提案されると「いいですね! アウトサイダー自体を韓国や中国に持って行きたい思いもある。リングスロシアを運営させて、オランダやリトアニアもあるし、声をかければいつでも出来るのはある。中国はいまこういう時期なので、遺恨試合みたいになってしまうのでどうかなというのはあるが、1つの考えとして面白い」と、かなり前向きな様子だった。
 なお、前田代表は対抗戦にはある"大物プロレスラー"が立会人につくことを予告した。

100929_Outsider13-2.jpg 続いて第2部として、"アウトサイダーvs.ZST対抗戦"の会見が行われた。会見には前田代表のほかに、ZSTの上原譲代表、対抗戦を行う選手の中からアウトサイダー代表の吉永啓之輔、武井勇輝選手、そしてZST代表の奥出雅之、清水俊裕、山本勇気が出席した。なお、吉永はアウトサイダー出身のプロ第1号選手となり、この大会での奥出戦がプロデビュー戦。今後もプロ選手との試合を組んでいくという。
 上原代表は「自分自身、このリングスの事務所に8年半ぶりに来ました。リングスから離れてZSTを旗揚げし、前田さんの遺伝子や教えてもらったものをZSTで引き続き守ってきました。その中から生まれたZSTの選手で今回の対抗戦に挑みます。この業界に10年いて、前田さんにお世話になりっ放しですので、恩返しをするつもりで全員に気合いを入れてやらせたい」と語った。前田代表は「プロの選手としては何のメリットもないアウトサイダーの選手と闘うことを了承してもらったZSTの選手にはお礼を言いたい。吉永がプロデビュー戦だが、ZSTでは安定的な実力を持っている奥出選手の胸を借りてどこまでやれるか。またとない素晴らしい選手だと思っています。良くも悪くもウチの選手は火の玉小僧揃いで、これは勝ちに行けるというときは躊躇せずにバッといく連中ばかりなので、そういう火の玉小僧を相手にZSTの選手がどう闘うのか? ヘタしたら食われちゃうのか? まぁ自分のほうとしては全勝するのが一番いいが、最低でも勝ち越したい」とZSTへの対抗心を覗かせた。
 ZST側の選手は、まず山本が「すごく楽しみ。もちろん勝ちにはこだわるが、見ている人が面白いような試合をしたいので、バチバチに殴り合えればいいのかな。今日は相手(=浦野貴之選手)が来ていないが、ちょっと見たかった。まぁいつも通りやれば負けることはない」と語ると、腰に仮面ライダーの変身ベルトを巻き、肩にも初代ライダーのベルトをまるでチャンピオンベルトのように担いで登場した清水が、まずはベルトを回転させて"変身"してから「さぁ、お前の罪を数えろ! ......皆さん、こんにちは。今回は仮面ライダーとして頑張っていきたいと思います。徹底的に......練習を活かしてぶつかって......ぶつけていきたいと思います」と語り、独特の空気を生み出した。
 最後に吉永のプロデビュー戦の相手を務める奥出が「ZSTは選手がアグレッシブに動いて面白い試合を作ろうと頑張る団体だと思っているが、アウトサイダーもみんなアグレッシブでヤンチャな人が多いと聞いています。アグレッシブvs.ヤンチャでみんなでいい大会に出来ればいいと思います。僕はZSTで培ったものを出して、吉永選手に勝ちます」と語った。
 一方のアウトサイダー側はまず武井選手が「プロだとかプロじゃないとか気にしてないです。そのままいつもの自分でいく感じで倒します、1Rで!」と清水を1RKO宣言。そして吉永は「アウトサイダーをナメられないように倒しにいくだけです」とだけ語った。仮面ライダー清水に対し、武井選手が「頑張ろうぜ〜」と声をかけると、清水はややおどおどしながら「オ、オウッ!」と返事。だが、武井選手は「人と話すときは目を見て話せ!」と威嚇していく。吉永が「(奥出のことは)興味なし」と素っ気ない態度を取ると、奥出は「吉永選手どうこうよりもアウトサイダーを観に来た人がZSTに興味を持ってもらえるように頑張りたい」と語り、早くもピリピリムードが漂う。

100929_Outsider13-3.jpg プロの団体であるZSTとして、アマチュアのアウトサイダーとの対抗戦はリスクがあるが、なぜ受けたのか理由を聞かれた上原代表は、「いまのアウトサイダーの選手をアマチュアの選手とは見ていない。いますぐZSTに上がってほしいくらい。自分にとってもリングス復帰第1弾となるのでメリットはある」と語った。奥出も「周りからリスクのことは言われるが、いつもと同じように吉永選手を1対戦相手としか見ていない」と語った。一方、当初は所英男との対戦を希望したいた吉永は「これで勝てば所選手が来てくれるんじゃないですか」と奥出を通過点とし、あくまでも狙いは所を引っ張り出すことだと説明。
 なお、アウトサイダーvs.ZSTの対抗戦は、ルールがこれまでのアウトサイダールールともZSTルールとも違い、「5分2R、インターバル90秒で延長なし。ダウン判定は取らない」「グラウンドポジションで、4点ポジション等から後方より視覚外からのパウンド攻撃は有効。バックドロップ、ジャーマン、パイルドライバーなどは有効」という特別ルールとなるが、吉永は「自分のほうからルール変えてくれって提案しました。自分はトーナメントで優勝しているし、アウトサイダーはレベルがピンキリじゃないですか。だから一応ベルト獲っているからルールも変えてくれって。じゃないとやり甲斐がないって言いました。そしたら武井が怒ってました」と自らプロ仕様のルールへの変更を直訴したことを明かした。
 ZST側も前川は「本来ZSTはパウンドがなしで、グラウンドの展開になるんですけど、僕自身はパウンドありのほうは全然いいんで、今回のルールはやりやすくてありがたいです」と語り、奥出も「恐らく吉永選手はスタンドの打撃で勝負したがっていると思うので、むしろ寝技でパウンドがあって有利なのは僕のほう」と対抗戦ルールに対して前向きだった。

2010年9月29日 17:53
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