FEGが中国の投資銀行との業務提携を発表!UFCやWWE、FIFAにも負けない"世界最大のファイティングスポーツカンパニー"を目指すと宣言
16日、FEGが都内のホテルで記者会見を開き、上海や北京を拠点とした投資銀行であるPUJI CAPITALと戦略的独占パートナー契約を結んだことを発表した。会見にはFEGの谷川貞治代表、笹原圭一DREAMイベント・プロデューサー、FEG KOREAのチョン・ヨンス代表、そしてPUJI CAPITALのマイケル・チェンマネージングパートナーと、野中丈太郎シニアパートナーが出席。
まず谷川代表が「日本が国際競争力で海外に負けていると言われて久しいが、格闘技界も同じような現象が起きている。2000年代前半は日本が世界の格闘技界のマーケットの8割を独占していたが、それが2010年現在逆転している。2割が日本で8割は海外に持っていけれているのが正直なところ。このままでは日本だけが取り残される"ガラパゴス状態"になってしまうと考え、根本的に世界のマーケットを見据えたビジネススキームに変えて、国際競争力を高めなくてはいけない。そこでPUJIさんにお手伝いしてもらいながら、世界中から資本を集めたり、世界中から事業パートナーを募集しているところ。サッカーのW杯みたいにするには我々の手だけでは限界なので、世界中から資本と事業パートナーを募って大きく展開したい」と説明した。
FEGが主体となり、中国の銀行であるPUJIをパートナーにして『SPV』という特別目的事業体を設立。ここに資本や事業パートナーを募る形になるため、「FEGが身売りする」とか「買収される」というわけではないと説明。すでにサッカーW杯の放送権のライセンス窓口を務めるInfront Spirts&Mediaや、中国最大の国営メディアコングロマリットであるShanghai Media Groupといったところが、事業パートナー候補として名乗りをあげているという。谷川代表は日本で生まれた格闘技をもう一度世界に打って出るため、まずはアジアを中心にやっていくが、将来的にはUFCやWWE、さらにサッカーのFIFAにも負けない"世界最大のファイティングスポーツカンパニー"を目指すと大きな目標を掲げた。
PUJI CAPITALの野中氏は「PUJI CAPITALはPUJIホールディングス内の1企業で、約6年前に設立された若い投資会社。主に政府の依頼を受けて天然資源の開発や、都市開発や再開発事業を行っている。中国は今後も内陸部に対して開発が進んでいくので、経済発展は今後10〜20年続く。そのため今後は富裕層の余暇を過ごすためのエンターテイメント事業にも力を入れていく。その中で格闘技というコンテンツはアジアやヨーロッパではまだ未開拓の部分が多い。そこで我々がFEGさんから業務委託を受けてお手伝いさせていただくことになった」と説明がされた。
さらにPUJI CAPITALのマイケル氏は「FEGは格闘技のパイオニアであり、格闘技マーケットの中核的存在。本来ならば日本だけでなく世界で発展しているビジネスなのだから、最も大きな可能性を持っているはず。世界中に通用するK−1とDREAMというブランドを持っているのが重要。世界的な市場ではまだ本来持っている価値を発揮出来ていない。潜在的にはもっと高い価値があると思っている。だから我々はSPVを中心にして、アジアやヨーロッパ各地域における最も強い事業体と組んで戦略的なパートナーシップを構築していく。これを2〜3年かけてやることが、FEGがもう一度世界最大のスポーツエンターテインメントとして復活するために不可欠なこと。我々も可及的速やかにその国際的プラットフォームを作っていく」と、FEGの持っているK−1とDREAMという格闘技コンテンツに価値があることを力説。
しかもマイケル氏は「SPVには2〜3年以内に200〜300億円くらいの資金調達をして、5年以内をメドにして企業価値が1000億円になるくらいにしたい。FEGはMMAとK−1のハイブリッドなイベントが出来るというのが、世界的に見てもオリジナルティがあるし、差別化が出来る。とくにK−1のブランド力は世界的にも高いので、まずは年内に中国でK−1のイベントを開催したい。それに我々は新しい選手の発掘に関してもスキームを持っている。中国はK−1にとって金の鉱脈。格闘技界のヤオミン(=北米男子プロバスケットリーグNBAのヒューストン・ロケッツに所属する中国人バスケットプレイヤー)を作っていきたい」と壮大な計画をブチ上げた。
気になるのは資金を集めてくるPUJI CAPITAL側が、マッチメークや運営にも直接関わってくるようになるのかということだが、谷川代表は「PUJIがFEGのオーナーになるわけではない。僕らの苦手な資金調達をやってもらう」と否定。ただマイケル氏は金融業の人間の割に格闘技に対する理解がかなりあり、谷川代表曰く「この人に任せておけば間違いないという感じ」だという。
また、世界進出に伴い日本での興行数が減少してしまうことを危惧するファンもいると思うが、谷川代表は基本的に日本での興行はいままで通りだが、例えば2007年からK−1 WORLD GPの開幕戦が韓国で開催されることになったのは、日本との時差があまりなくフジテレビの中継がしやすいという理由もあったという。そのためWGPはフジと、DREAMとK−1MAXについてTBSと相談しながらやり方を考えていくとのことだが、理想としてはアジア、ヨーロッパ、北米でそれぞれ年間50大会くらい行って、日本でその最高峰となる大会を開催したいとのこと。
笹原EPも「噛み砕いて言うと、マイケルさんたちの力を借りてアジアに1つ大きなマーケットを作るということ。DREAMで言えば先立って青木(真也)選手が海外で試合をしたようなことも進めていくが、それはある意味選手個人の闘いという意味合いが強いが、我々プロモーターも世界に打って出る。いま世界標準といえばUFCを思い浮かべる人が多いと思うが、DREAMやK−1が世界標準と言ってもらえるようにしたい。それにはコンテンツとしての魅力以外にも、興行力や資金力も必要になるので今回の取り組みでそれを目指していく」と語り、K−1のイベント・プロデューサーである谷川代表も「もう1回自分たちを見直して、世界のトップに立てるようなイベントをやっていきたい。聞くところによると、いまのUFCには1000億円の企業価値があると言うし、WWEでも1500億円の企業価値があるという。我々だってそこに並んで、しのぎあってもいいはずなのに、このところ国内で選手を獲られながらやっている状況なので、これは何とかしなければいけない。青木君が(ギルバート)メレンデスに勝つのも大事だけど、我々も他流試合で勝たないとダメだなということ。それにはまったく発想を変えてやらないと」と語り、今後は資金調達や放送権に関しては専門家に任せ、マッチメークや大会の運営といった"本来の仕事"に専念すると語った。
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