『19時女子プロレス』でのタイトルマッチは是か非か!? 公開討論会「女子プロレス向上委員会・おんな巌流島2010編」緊急開催!

100630_19pro-1.jpg 30日の21時よりUSTREAM発の女子プロレス『19時女子プロレス』にて、「女子プロレス向上委員会・おんな巌流島2010編」と題した公開討論会が行われた。議題は『7月2日に19時女子プロレスで行われる「高橋奈苗vs.さくらえみ」の試合は、JWP無差別級選手権とすることができるか』。

 ことの発端は現JWP認定無差別級チャンピオンである高橋が、「もっとベルトの価値を高めたい。もっと多くの人にベルトの存在を、チャンピオン高橋奈苗の存在を知ってもらいたい」と、新しい団体であり注目が集まっている『19時女子プロレス』で防衛戦にしたいと発言したこと。さくらは高橋に同調したが、ベルトの管理団体であるJWPが「PCでしか見られない。試合がない選手がレフェリーを務めると明確なレフェリングができない。ノーギャラの団体で防衛戦なんてありえない」など、様々な理由で難色を示したのである。
 そこで急遽行われることになった討論会には、当事者であるアイスリボンのさくらえみ、パッションレッドの高橋奈苗はもちろん、JWPのコマンドボリショイ、春山香代子、米山香織、さらにマスコミからフリーライターの須山浩継氏と新井宏氏、『週刊プロレス』の成川栄一記者、『RINGSTARS』の藤原哲哉記者、そして当『バトル・ニュース』の伊藤が出席。そこにFREEDOMSのGENTAROが加わり、総勢11名が参加して行われた。
 
 まず高橋が「19時女子プロレスが突然旗揚げし、代表がデビューしたばかりの選手でなんて不思議な団体なんだと度肝を抜かれた」と話を始めると、あろうことか横でスイカを食べることに夢中になるさくら! それに気付いた高橋は当然「真面目に聞け!」と一喝。気を取り直して高橋は「1850人がユニークアクセスであり、いまの女子プロではお客さんをそんなに動員するのは大変。世界に発信するいい場所だなと思った。地方民など見るハードルが高くなっている状況で、USTREAMの手軽さはハードルを下げるいい発想。そこに立候補した。丁度タイトルを防衛した直後で、次はさくらえみとのシングルにやりたいと。私は次にJWPの選手と防衛戦をやるとは言っていないので横入りさせたわけではない」と主張。
 さくらは「高橋奈苗選手のことが嫌いで、シングルやったとき負けてももう二度とシングルをしなくていいと大喜びで人生を謳歌した。なぜやるのが嫌かというと、以前後楽園でやった価値を下げたくなく、それ以下の客数でやりたくないと思う中で、19時女子にはそれを超える可能性がある」と主張。
 しかしJWP側は「コミッショナーであるデイリーもよくわからないし、場所や映像を示してもらったり段階を踏んでもらわないと認めるわけにはいかない。無差別のベルトは最高峰のベルトであり、そこをノーギャラでやってはいけない。誰もが憧れる舞台でやってこそだと思うので、19時女子プロレスは1つの手段であって目的にしてはいけない」とボリショイ。続いて春山が「見に来てくれるお客さんも一緒に闘ってくれてると思うので、お客さんがいないところでやるのは考えられないし、お客さんもリングに上がってないけど一緒に闘っているのです。それがないのはどうなのかなと」と主張。米山は「19時女子プロレス素晴らしい! 私は思いつかないんですけど、さくらvs.高橋は素晴らしい試合になると思うんです。だけどタイトルが懸かるとなると、レフェリーもプロじゃないし、音が出なかったり映像が出なかったり。タイトルマッチは状態が重要なので、レフェリングなどもお客さんが見て確かめたい。さくらさんが動画早送りして三回転のファイヤーバードしたりとか色々あるんで、タイトルマッチにしては話が違う」と反対する理由をそれぞれ述べた。
 そこでまずレフェリー問題に関しては、7・2の試合に限り、プロであるバーブ佐々木レフェリーがレフェリングをすることが決定した。

100630_19pro-2.jpg 続いて中立的な立場であるマスコミから。まずは『RINGSTARS』が「JWPの選手は18日のタイトルマッチに、さくらさんが出てくるのはダメなのか」と質問すると、ボリショイが「お客さんは高橋がチャンピオンとしてリングに上がることを期待してチケットを買ってくれている。その気持ちを無視してネットでしか見れない状況で防衛戦をやってしまうのは、客の気持ちを無視することになる」と返答。しかし、これを聞いた高橋が「次にJWPの選手とやるとは言っていない」と反論。
 するとボリショイは「さくらも高橋もベルトを持っているのだから、JWPのベルトである必要はない。JWPのお客さんをないがしろにしている」と主張。だが高橋も「JWPのお客さんだけを考えていたら、ちっちゃくてしょうがないと思うんですよ。ベルトを持って知らしめて19時の旗揚げが1800人だったら、それ以上の人に見てもらいたい。その人たちの目の前で価値を高めたい。それが王者としてのやり方です」と一歩も退かない。
 そのまま「画面の前のお客と実際に会場にいる客は違う」という平行線の議論になるが、『RINGSTARS』が「札幌でやった他団体での防衛戦はいい試合で、ベルトの価値は上がったように見えた。札幌でしか見れないのはもったいないと思ったし、逆に後楽園やキネマは東京でしか見れない。全世界で見てもらえるのはJWPにとってはいいことだと思う」と発言するが、ボリショイは「そこはマスコミの力であって、USTREAMに頼ることではない」とバッサリ。
 続いて当『バトル・ニュース』が「マスコミが伝えるべきところという点について、USTREAM発ということで話題に組み込みやすくなり、他業種のイベントに使われやすくなることでJWPさんにとってプラスになるんじゃないだろうか?」と質問すると、ボリショイは「あくまでもそれは手段であって、少しでも大きな会場でやって、少しでも大きなメディアで放送できるようにやっていきたいです」と返答。それに対し「mixi発、USTREAM発という団体ができていた中で、JWPさんはどのような他業種に対するアプローチをしてきたんですか?」と質問すると、「急にいわれると出てこないが、CDを出したり......JWPでもUSTREAMの記者会見を行ったり、Twitterを使ってやったりだとか。新しいことをやりたいだとか、地域密着だとか......」と思い出しながら返答。すると司会の須山氏から「実際に『ズームインSUPER』『おはようニュース』から取材の申請があった。19時女子はYahoo!ニュースのヘッドラインに載った。食いつかない層が食いついてるのは事実」と補足があった。
 最後に『週刊プロレス』から「話題のあるところに出て行かなければならない。JWPがタイトルマッチをやって、誌面を割けるかと言われれば厳しい。本誌も新しいものにページを割きたい。19時女子でタイトルマッチをやるのであればページを割いてもいいのは事実」と現場からの率直な意見が述べられた。そしてJWP&アイスの解説をやっている新井氏からは「話を聞いてますとやるべきという流れに行っているが、私はやらない方向で。理由は19時女子は宣伝にしかならない。将来の投資になるが返ってこなければならない。収入にならなければならない。しかしアイスの将来には繋がるが、JWPの将来に繋がるのか?」と厳しい意見。
 ここから「ベルトの権威と新しいことへの挑戦」についての主張がぶつかり合うが、さくらが「NEOが年末解散でJWPがトップに行かなければならない。その覚悟はどこまであるのか確かめたい。そういうのが出来そうもないところに立ち向かいたい」と言えば、GENTAROは「はっきり言っちゃえば、やらないべきだ。ヨソ者の奈苗に(ベルトを)獲られて、オモチャにされるのが面白くないのは分かる。ネットで革新していくのはいいけど、それなりの重みとか権威もそうだけど、中身があると思わせなきゃいけない。それに伴うお金とかも全部含めて。2人で悪巧みしてるのは中身がない。空っぽな気がするし、タイトルマッチではない。だからやらないべきだと思う。ただ、JWPの姿勢はいいが、JWPの中での権威付けは難しいと思う。正直言ってトーナメントやってるのも知らなかったし、春山と米山が決勝出たから、その先は? と思うのよ。だから表に出て行こうという2人の意見は賛成だけど、中身がないのよ」とまとめた。

100630_19pro-3.jpg ここでTwitterを見ていた須山氏から「JWPは東京の客しか相手にしてないのか? JWPのタイトルマッチは東京にいて、かつその日休みが取れて財力のある人間しか見れないというのは、ネットだけでしか見れないというのはどう違うんだ?」とツイートに多い意見を代弁。ボリショイは「公式HPで見れます。全試合じゃないですけど。見たい場合には500円払っていただくと見れるようになっています」とコメントした。
 休憩を挟んで後半戦に入ると、JWPのメリットについてまずさくらが「(6・25『SMASH』での)朱里vs.華名のカードが週プロにて4ページ組まれ、それが今年前半、唯一の女子プロレスの話題。それを越え、世間の認知度を得るために必要だ」と主張。さらに春山は8度防衛したというが、「全く世間に届いていない」と指摘する。GENTAROも「挑戦者決定マッチが開かれることも知らなければ王者が誰なのかわからず、全くベルトの権威も分からない。JWPさんのことも始めて知ったようなもの」とバッサリ。すると米山からは「自分が負けた高橋から取り戻したいが、勝負なのでさくらえみになってもしょうがない」と防衛戦にすることに異論がないと取れるコメントが飛び出す。
 しかしさくらのやり方に対し、須山氏が「朱里vs.華名への嫉妬だし、行き当たりばったりだ。本気で沢山の人に見てもらいたいのだったら、なぜ以前からリリースをしたりしなかった!」と説教をし始めると、GENTAROも「朱里vs.華名だって1カ月前からしっかりと宣伝して、TAJIRIさんの本気が見える。あんたのやっていることは本気に見えない!」と同調し、すっかり"さくらえみを説教する会"へ......。
 JWP側もメリットが"宣伝"しかないし、それが実際JWPにお客として返ってくるか分からないと判断。だが、ひとまず「JWPの選手を出して、前哨戦にするならいい」と妥協案を提示し、ノーギャラについても了承。ここで新井氏から「今回だけノーピープルではなく、客を入れてやったらどうか。そこが妥協点だ」とさくら側に折衷案を求めるが、さくらは「19時女子プロレスの形を崩す気はない!」と頑なに妥協を許さない!
 これを受けてタイトルマッチになるかどうか、どのようなカードになるかの最終決定は翌7月1日の午前11時までに、各マスコミに流されるリリースによって明らかになるということで終了......するはずだったが、最後に高橋が「これじゃ納得がいなかない!」と猛抗議。「女子プロレスを馬鹿にする奴は許せないし、もっともっと女子プロレスを広めていきたい! プロレスはすごいんだ!」とパッションし、ようやく2時間近くに及ぶ討論会は終了した。

2010年7月 1日 02:24
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