嵐を呼ぶマスクマン、ブラックタイガーが初代タイガーに牙を剥いた! リアルジャパン5周年記念大会はオールスター戦と言って過言ではない超豪華大会になった!

 初代タイガーマスクと6・17後楽園大会で対戦することになっていた4代目タイガーマスク(新日本プロレス)だが、なんと新日本の試合で頸椎を負傷してしまい、今回の対戦は延期になってしまった。いったい、どうなるのか!大会直前のアクシデントにリアルジャパンは頭を抱えた。しかし、その心配は一瞬にしてかき消された。かつて初代タイガーをラフ殺法で苦しめた"暗闇の虎"ブラックタイガーが、ここぞとばかり名乗りを上げてきたのだ。6・17後楽園のリングに悪のラフ殺法。凄まじい嵐が巻き起こる!
(構成・文:安田拡了)

憎っくきブラックタイガー出現に会場が沸騰した記憶が蘇る!
▼第6試合 メインイベント シングルマッチ
"伝説の虎"初代タイガーマスク(RJPW)
     vs.
"暗闇の虎"ブラック・タイガー

100616_RJPW-1.jpg かつて初代タイガーマスクを苦しめた筆頭といえばダイナマイト・キッドと小林邦昭だ。
しかし、嵐を呼ぶ悪のマスクマン、ブラックタイガーの名も忘れてはならないくらい記憶に残る。
 最初にブラックタイガーが出現した時(1982年4月21日、大阪大会)は、新日本のしたたかさに感心したものだった。
 あれは確かタイガーマスクの産みの親だった梶原一騎が「陽があれば陰があるように、正義があれば、真っ向から対決する悪者がいて当然だ」と悪者のブラックタイガーをアニメの中で産み出して、それをうけて新日本がブラックタイガーという悪のマスクマンに入るレスラーを探し出したのだ。
 だから、ブラックタイガーが現実のリングの中に出現した時は、どんなにタイガーマスクが苦しめられることだろうと思いを巡らしたものだった。
いま思い起こしても、本当に当時は面白かった!とリアルタイムで取材させてもらったことに感謝する。
 タイガーマスクの四次元殺法だけでもまさに劇画・アニメの世界から飛び出してきたワクワク感があったのに、さらにタイガーを叩きのめすブラックタイガー出現するとは...。
 予想通り、憎っくき悪のブラックタイガーに会場は怒りの嵐で吹き荒れた。その怒りの沸騰の中で、意表を突いたラフ殺法でタイガーを攻め立てながらグイグイと追い込んでいく。当時、腹立たしい気持ちでヤジを飛ばしながら観戦していた人も多かったと思う。
 タイガーは相手が真正面からガンガンくるタイプだと勢いに乗る。だからダイナマイト・キッドや小林邦昭との勝負に名勝負が多く生まれた。
 このブラックタイガーもまた真正面からくるタイプだった。その意味では印象深かったわりに名勝負の評価が少ないのが不思議。しかし、その答えは簡単だ。ブラックタイガーが悪のラフ殺法を得意としていたから、名勝負の評価を与えられなかったのだ。
 6・17後楽園ホール。
 ブラックタイガーが初代タイガーに牙を剥いた。当時の試合が鮮烈に蘇ってきた!
当時を知る者の一人として、初代タイガー、十分気をつけてくれよ!と言葉を掛けておきたい。

なんと、"トリプルドラゴンvs長州軍"の激突!
▼第5試合 セミファイナル 6人タッグマッチ>
天龍源一郎(天龍PROJECT)/藤波辰爾(ドラディション)/ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)
          vs.
長州力(リキプロ)/ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)/関本大介(大日本プロレス)

 プロレスというのは、ちょっと頭を切り替えるだけで、途端に夢のあるカードに変身してしまう。しかし、これほど想像をかけたてるカードが生まれるとは思いもよらなかった。
トリプルドラゴンか! 
 天龍源一郎、藤波辰爾、ウルティモ・ドラゴンの3人のドラゴンがタッグを組むことになったのだ。
 我々、記者がうきうきするほどなんだから、トリプルドラゴンの3人のボルテージもさぞかし......だろう。特にアイデア好きで新しいことを面白がる性質の天龍などは、おそらく「い〜いじゃない」と眉を下げて喜んだはずだ。
 対する相手チームも納得できるメンバーだ。長州力、ザ・グレート・サスケ、そして大日本の代表格・関本大介組。
 ちょうどいい機会なので、最近のプロレスに対して一言だけ言わせてもらう。
いまの日本のプロレスは技がどんどん出て確かに凄い。しかし、ちょっと待てよ、と思うのだ。技を出すのは簡単なこと。問題は大切な技を、どの場面で出すかということではないのかと。
 この6人の中で比較的若いウルティモ・ドラゴンがこんなことを言っているので、参考までに書いておこう。
 「いまの若いレスラーの技は軽いんです。とにかく技を出しすぎる。もっとじっくりとプロレスをすればいいのに。だけど、いろんな若手レスラーと話すと、どうやら止まっているのが怖いというんですね。動きが止まっているとシーンとするじゃないですか。お客さんが湧かないのが怖いというわけです。しかし、違うんですよね。湧かないんじゃなくて、ジッとお客さんは見ているだけなんですよ。それが分からない。シーンとなっていた分、そのあと倍ぐらいになって湧くことを知らないんです。そういうふうにして大先輩の初代タイガーマスク(佐山サトル)はプロレスをやり、決め技のジャーマンスープレックスは必ず最後で出して勝ったんです」
 そうなんです!
 もう少し言えば、我々見る側にとっても小ぜわしいプロレスを見続けていると、それを目で負うばかりで記憶に残らないのだ。
 もう一つ、言いたい。この試合、長州力は長州力であるために戦い、天龍源一郎は天龍源一郎であるために戦い、藤波辰爾もまた藤波であることを意識して戦うという凄いカードであるということなのだ。
 それだけでもこの6人タッグの競演は凄い。思いっきりプロレスの醍醐味を楽しんでもらいたい。

鈴木みのるが三冠王者の貫禄を見せつける!
▼第4試合 タッグマッチ
鈴木みのる(三冠王者/パンクラスMISSION)/スーパー・タイガー(RJPW)
          vs.
石川雄規(バトラーツ)/長井満也(ドラディション)

 久々に鈴木みのるが、スーパー・タイガーを従えて登場する。相手はお馴染みの石川雄規、長井満也組だ。
 もちろん全員がストロングプロレスの権化で脂が乗り切っている。ことに鈴木は現在の日本のプロレス界の中心人物と言っていい。
「プロレスしている時が一番楽しい。試合がない日はつまらない」
「一瞬一瞬、大事にプロレスをしようと思っている。ああ、面白かったと言わせたい」
 ありきたりだが、鈴木が言うと非常に重く感じるのは鈴木というプロレスラーの貫禄。
 鈴木は三冠王者に返り咲いたばかり。時代が鈴木を求めているということだと思う。
 そこのところをキャリアを積んできた石川や長井がわからないわけがない。時代が鈴木を三冠王者にしたのなら、その鈴木を味わってやろうと思っているはずだ。
これまで石川は何度も鈴木と対戦してきて、鈴木に対して感情のひだひだも人一倍深い。個人的には鈴木vs石川対決が興味をそそる。

IJベルト初防衛戦は折原への挑発!?
▼第3試合 インターナショナルジュニアヘビー級(IJ)選手権試合 シングルマッチ
[王 者]タイガー・シャーク(RJPW)
      vs.
[挑戦者]HIROKI(フリー)

100616_RJPW-2.jpg 天龍プロジェクト6・9新宿FACE大会で望月からIJ(インターナショナルジュニア)ベルトを奪取したタイガー・シャークが初防衛戦をHIROKIと行なうことになった。
 「HIROKIが挑戦に名乗りをあげてきたから受けてやった。王者になっても守りの王者じゃない。積極的に攻める。もう1回、折原でもいいぞ。いまは負ける気がしない」
 いったい、タイガー・シャークは何が目的で昨年、折原を裏切ったのだろうか。
 はっきりとしたものが、いまだに見えてこない。ただ前大会でアレクサンダー大塚のレジェンド・ベルトに挑戦アピールをしていたところを見ると、一人のレスラーとして王者になりたかったことは確か。そのために折原のリアルダークから離れる必要があったのかも。
 「もう1回、折原でもいいぞ」と、折原の名前が口を突いて出てしまったのは、3・18後楽園での一騎打ちの敗北がいまだに屈辱として頭に残っているのだろう。
 HIROKIの挑戦を受けたのは強い王者ぶりを折原に見せつけるためと思うしかない。この試合、折原への挑発である。

新リアルダークが始動!
▼第2試合 6人タッグマッチ
アレクサンダー大塚(第3代レジェンド王者/AODC)/グラン浜田(フリー)/斎藤彰文(RJPW)
          vs.
折原昌夫(メビウス)/ブラック・シャドー(RJPW)/ケンドーナカザキ(RJPW)

 引っかき回す「リアルダーク」がケンドー・ナカザキを新メンバーに加えてスタートする。その意味でアレクサンダー大塚、グラン浜田、斎藤彰文組はふさわしい相手かもしれない。
 グラン浜田に関しては、何度もリアルダークにいたぶられている過去があり、リアルダーク対決と聞いたグラン浜田のボルテージは上がる一方。
またアレクサンダー大塚は、「白いベルト(アレクの巻いているレジェンドベルト)には興味ない」と侮辱している折原に対して、王者の貫禄を見せつけたいところだ。

実力者・スーパー・ライダーが若手に"ストロングスタイル伝承マッチ"敢行!
▼第1試合 シングルマッチ
スーパー・ライダー(RJPW)
     vs.
間下隼人(RJPW)

 5周年記念大会のオープニングを飾る第一試合は、スーパー・ライダーと若手の間下隼人との一騎打ち。前大会ではタッグ対決しており、間下はライバルの斎藤とやりあっているところを足を掬われるような形で、スーパー・ライダーに攻め込まれ、3カウントを喫した。したがって、間下の屈辱戦となる。気迫勝負だ。シューティング初代王者と噂されるスーパー・ライダーが、ストロングスタイルの真髄を若手に教える伝承マッチとなりそうだ。


 なお、リアルジャパンプロレスは新グッズとして「5周年記念Tシャツ」(サイズ:S/L/XL、会場特価:¥3,500)、「5周年記念トレーディングカードセット(18枚入り)SPECIAL EDITION」(限定300セット、1セットに1枚、直筆サインカード入り※証明書付、会場特価:¥1,500)、「5周年記念ストラップ」(会場特価:¥1,500)、「5周年記念大会パンフレット」(会場特価:¥1,000)を6・17後楽園大会より発売する。

2010年6月16日 03:16
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