−70kg世界トーナメントに今年は日本人4選手が出場!佐藤との日本人対決が決まった優弥は武者震い
3日、都内のホテルで『K−1 WORLD MAX 2010』(7月5日、国立代々木競技場第一体育館)の記者会見が行われた。今大会では−63kg級と−70kg級のトーナメントがそれぞれ行われるため、会見も2部構成となった。
−63kg級の会見に続いて−70kg級の会見へ。日本一を決める−63kg級に対し世界一を決める闘いとなる−70kgはこの大会でまず16選手参加の世界トーナメント1回戦のうち、日本人選手を中心として3試合を行うという。残りの9試合は9月初旬にヨーロッパ(フランス)で行う予定という。
世界トーナメント進出をすでに決めているのは、今年の日本トーナメントを制した長島☆自演乙☆雄一郎と、実績から見て推薦選手の佐藤嘉洋の2名。毎年日本人は3名出場しているため、ファン投票でも4万票という圧倒的な数獲得し、日本トーナメント準優勝だった中島弘喜が選ばれた。さらに最終的に世界トーナメントに出場する16選手全員は決まっていないとのことだが、昨年の世界トーナメントでベスト4だった上、先日の『Krash』でもいいKO勝ちした山本優弥を特別に出場させることを発表した。
そのほか、昨年の世界王者であるジョルジオ・ペトロシアンをはじめ、アンディ・サワー、アルトゥール・キシェンコ、イ・スファン、モハメド・カマル(西ヨーロッパトーナメント優勝)、ヴィタリ・ウルコフ(東ヨーロッパトーナメント優勝)、ミハウ・グロガフスキー(ポーランドトーナメント優勝)、ブアカーオ・ポー. プラムックといった選手の中から10選手を選んで、9月に行われるヨーロッパ大会で同じく1回戦を行い、勝った8選手が10月下旬〜11月上旬に日本で行われる1DAYトーナメントで今年の世界王者を決める試合を行う。
そして7・5代々木大会で行われる日本人選手が出場する世界トーナメント1回戦の対戦カードが下記の通り発表された。
▼−70kg World Championship Tournament FINAL16/K-1ルール/3分3R延長1R
佐藤嘉洋(日本/名古屋JKファクトリー)
vs.
山本優弥(日本/青春塾)
▼−70kg World Championship Tournament FINAL16/K-1ルール/3分3R延長1R
長島☆自演乙☆雄一郎(日本/魁塾)
vs.
アンドレ・ジダ(ブラジル/ユニバーシダデ・ダ・ルタ)
▼−70kg World Championship Tournament FINAL16/K-1ルール/3分3R延長1R
中島弘喜(日本/バンゲリングベイ・スピリット)
vs.
アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ)
谷川貞治K−1イベント・プロデューサーは「いきなり厳しい試合になるが、佐藤vs.山本にはぜひ佐藤vs.魔裟斗のような試合をぜひやってもらいたい。自演乙選手はまだMAXではガイジンに勝っていないので、敢えてガイジン選手を選びました。中島選手はパンチが強い選手だが、いきなり初代MAX王者のクラウスといい試合をしてもらいたい」とそれぞれの試合に対する豊富を語った。
会見には日本人4選手が出席。中島は「前回よりももっと強い自分を見せられると思う。クラウス選手に俺のパンチが当たれば倒せるので、必ず倒して勝ちたい」とクラウス相手にパンチで勝負して勝つと宣言。
いつものような笑顔はなく、神妙な面持ちの優弥は「一度死んだ身の僕をまたここに呼んでくれた関係者の方々、僕に投票してくれた方々、本当にありがとうございます。そういう人たちの期待に応えたいので、そういう人たちが僕の体の中にたくさん気持ちを入れてくれたので、勝つことしか考えていない。佐藤選手強いですけど......」と言うと、体を震わせた。そして「これはたぶん武者震いです。楽しみにしていてください。倒します」と静かに闘志を燃やした。
それを見た佐藤は「今年は3月まで試合が空いてしまったので、毎月試合出来るくらいの体に仕上げて、7月からは毎月試合するつもりです。優弥選手とは1回やっているので、いろいろなドラマがあると思うが、自分は冷酷過ぎるぐらい冷静に闘い抜こうと思う」と淡々と語った。両者は約5年前に全日本キックで対戦しているが、そのときは大差の判定で佐藤が勝利している。だが、いままでどちらかと言うと"待ち"の姿勢だったにも関わらず、4月に『Krash』で勝利した際、マイクを持って世界トーナメント出場をアピールした優弥は「5年前のことなのでアテにしていない。佐藤選手のことは尊敬しているが関係ない。どうやってでも何をやってでも勝ちたい。2月の日本トーナメントで負けてからは強い気持ちが持てるようになった。(佐藤は)負けている相手だし、いつかはやると思っていた。やってやるという気持ちはあるし、勝って生き残りたい」と、とにかく生き残るためには佐藤を超えるしかないといった感じ。
対する佐藤は「(前回対戦した)当時はルールは違うし、今回はたぶん優弥選手のほうが得意なルールだし、去年に関しては僕のほうが"格下"なので、何の油断もないです。確実に殺しに行きます」と優弥のように熱くなることもなく、極めて冷静に答えてみせた。
そして、この日はアニメ『バカとテストと召喚獣』の"木下優子の衣装を着た木下秀吉"のコスプレで登場した自演乙は「日本王者になってもう1回世界に挑戦できることになりました。こんなチャンス二度とないと思っているので、精一杯頑張ります。自分のため、関係者のため、応援してくれているファンの皆さんのために絶対に頑張ります。今回情けない姿を見せたら協賛もしている5pbの社長に怒られるので、絶対に頑張ります。入場は格闘技とITをコラボして世界初のことを起こそうと思っているので期待していてください」とコメント。
元シュートボクセのジダと対戦するわけだが、「背が高くて顔が怖いですし、一発があるなという感じ。まぁしっかり見て、距離取って、ガードして、3Rで決着がつけられればいいかなという感じ」とかなり慎重。ちなみにITとのコラボという入場に関してだが、記者から「もう少しヒントを」と聞かれた自演乙は「あまり詳しいことは禁則事項なんですけど、ウェブの世界では当たり前になってきたプログラムを使って、ちょっと面白いことをしたいんですよね......もうちょっと? なんやろ......この前、箱根で等身大エヴァンゲリオンを撮ろうという企画が1日で中止になりましたけど、言うたらソレです」と答えた。ということは3Dか?
日本王者になってもコスプレや入場ばかりに注目され、相変わらずイロモノ扱いされている自演乙だが「あまり期待されないほうが自由にやれるので、それはそれで嬉しい。けど自分が変わったから日本トーナメントでああいう結果になったと思う。今回、日本トーナメントからもう1回自分は変わっていると思うのでそれを見てください」と秘めたる思いを吐露。
その自演乙に日本トーナメント決勝で敗れた中島は、昨年の世界トーナメント1回戦で自演乙が1RKO負けを喫したクラウスと対戦するわけだが、「それでクラウスに勝って、また長島選手と闘って打ち合いで勝てば、(決勝での負けを)取り戻せると思っている」と語った。
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