【特別編】加藤悠インタビュー<後編>

Column_Kato.jpgーー最初は同期がほとんどいなかった分、マンツーマンで指導が受けられることを「オイシイ」と思えるとは、意外としたたかだね(笑)。

加藤 その後同期が1人入ってきたんですけど、最初に見たのが(鹿島)沙希さんに怒られているところだったんで、可愛い人に怒られているって印象で(笑)。練習のこととか、会場での仕事とかを誰に聞いたらいいのか分からなくて、その同期に聞いたら意味の分からないことを言われて、こりゃダメだって(笑)。不安になりましたけど、その後続々と人が入ってきて同期がたくさん出来たんで。それで安心した部分はあるんですけど、同期はライバルでもあるので、負けないようにしなくちゃっていう気持ちも芽生えてきましたね。最初は8歳の子だけだったんで、自分がどれだけ出来ているのか比べられなかったんで。

ーーなるほどね。同期が増えれば、自分がいまどれくらいのレベルなのかは分かるもんなぁ。GMから見て最初の印象はどうでしたか。

風香 一期生がすごく運動神経がいいのが固まっていたんですけど、いいのと悪いのとの差がすごくあって。美闘(陽子)、世IV虎、星輝(ありさ)がすごく運動神経がよくて、(岩谷)麻優ちゃんとか沙希ちゃんは普通よりもちょっと下くらいだったんですけど、悠ちゃんはすごく運動神経があったんでビックリしました。言ったら出来るタイプですね。一期生の最初出来なかった子たちに比べれば、最初から全然出来ていたし、あとから入ってきた3人がすごくガツガツしているタイプなんです。受け身とかは1回コツを掴めば出来るようになるんですけど、体力とかジャンプ力は持続的に練習しないといけないんですけど、悠ちゃんは急にそういうのが出来てきたりするので、自分からガツガツアピールこそしないけど、陰で走ったり努力してるんだなぁって。(同期に負けたくないっていう)気の強い子だなぁって発見しましたね。
加藤 みんなすごいガツガツしてるんですよ!
風香 うん。でも悠ちゃんは内に秘めた闘志があるなって。表には出さないけど、努力しないと出せない結果で見せてくるというか。

ーーやっぱり同期が入ってきて、積極的な姿を見てこれじゃヤバイって思ったの?

加藤 そうですね。みんな凄いんですよぉ。やっぱり置いていかれたくないなぁって思って。
風香 運動神経は3期生の中で一番あると思うんですけど、頭を使うのは苦手なので(笑)。他の子たちは運動神経ではちょっと及ばないんですけど、技とか受け身とかを教えるとすぐに出来るんですよ。
加藤 寝技が苦手で......総合格闘技を諦めたのもそこなので......
風香 だからいまは数やって、頭じゃなく体で覚えるようにしてます。
加藤 すみません!(苦笑)教わってもすぐにどっか行っちゃうんですよぉ!

ーー練習をはじめて4カ月くらい経ったけど、正直なところ自分の中での手応えとかはどうなの?

加藤 1カ月目くらいに辞めようかなと思ったんですよ。新小岩での風香さんの練習はよかったんですけど、新木場での練習に参加させてもらったときに、やっぱり実際のリングを使っての練習とか、雰囲気が全然違ってもう付いていけないって思いましたね。いつ辞めようとかずっと考えていたんですけど、辞めたら悔しいなっていう気持ちもあって。ここで辞めたら、また特技もなくどうしたらいいか分からないような状態に戻っちゃうっていうのがあって。プロレスの練習をはじめて、プロレスラーになるっていう目標が出来たのがすごく大きくて。

ーー何度も挫折しかかりながらも何とか踏み止まってここまで来て、あと1カ月くらいでいよいよプロテストを迎えることになりましたが(注:インタビューしたのは10月下旬)。

加藤 そうですね。プロテスト......ヤバイですよねぇ。同期の子が2人とも体力がすごくあるんですけど、自分は体力がなくて。それでランニングとかはじめたんですけど、プロテストに向けての課題は多いですね。でもやるしかないんで! 受かるかどうかは分からないですけど、まったく出来ないわけじゃないと思いはじめているんで......

ーーGMから見てこの時期にプロテストをやって大丈夫だという手応えみたいなものはありますか?

風香 まだ全員プロテストを受けられるかどうかは分からなくて、10月末の練習を見て最終判断をするんですけど。やればやるほど課題は見えてくるので、怖いなと思う部分はあります。1期生がハードルを上げているので、厳しいは厳しいと思いますけど、悠ちゃんなんかは合格に一番近いところにいると思うし、ほかの子たちも行けるところまでは行っていると思います。あとは1期生はみんな個性もバラバラで凸凹だったんですけど、3期生はみんな同じような感じなんですよ。でも個性を出すには、誰よりも高く飛べるとか、そういう身体能力を高めないと色々なことが出来ないので、そういう練習をいまはしています。悠ちゃんには高く飛んでほしいです。3期生の中でももっと飛び抜けてほしいですね。

ーー確かに1期生は最初から個性的ですね。そういう先輩たちの試合とかを見て、憧れるスタイルはいる? あと自分でやってみたいスタイルとか。

加藤 うーん、奈苗さんや夏樹さんは別格として、星輝さんがジャンプ力とかも高いし、すごく動けるし。個性ではやっぱり世IV虎さん凄いなって思いますね。私は器械体操をやっていたのでバック転とか出来る選手になりたいですね。
風香 じゃあ(紫雷)イオちゃんじゃないの?
加藤 イオさんみたいなのいいなって思ったんですよ! ああいうふうになりたいなって思ったんですけど、ハードル高いなぁって(苦笑)。ZERO1の靖国プロレスを観に行ったときに、紫雷姉妹さんに一緒に写真を撮ってもらったことがあったんですけど、スターダムでイオさんの試合を観て改めてこういうふうになりたいって思いました。

ーーなるほど。じゃあ目標になるスタイルもあって、プロテストも近づいてきて、いよいよプロレスラーになれるかなれないかという大事な時期になったけど、この道を進んでいこうという決意みたいなものは出来てきた?

加藤 最初はいつ辞めようかってずっと考えていたんですけど、ここまで来たらプロテスト受かってプロレスラーになりたいなって思いますね。プロレスファンの人たちが温かくて、すごくいいなぁって思うし、先輩たちの試合を見ていて感動したりする場面があって、プロレスで見ている人たちに感動を与えるのって凄いなぁって思うし、自分がそういう試合をやれるような選手になりたいと思います。

ーーそれを聞いてGMはどうですか?

風香 内に秘めたものが凄く大きいので、早くそれを爆発させられるキッカケを与えたいですし、若い子たちは浮き沈みは激しいので波に乗れるまではレールを敷いてあげたいんですよ。いつかは1期生vs.3期生の試合とか見てみたいし、その時はメインで悠ちゃんがやらない人だと今は思うので、3期生を引っ張る人になってほしいですね。でも引っ張るタイプではないので、みんなを押し上げるようにかな(笑)。
加藤 が、頑張ります!

 いかがだっただろうか? 3週に渡ってお送りした加藤悠インタビューwith風香GM。なぜ加藤が格闘アイドルとなったのか、なぜスターダムでプロレスラーを目指そうと思ったのか、その辺のことが分かっていただけただろうか。なお、インタビュー中に出てきたスターダム3期生のプロテストは、このインタビュー後編がアップされた11月14日に開催される。その模様はバトル・ニュースでもお伝えする予定だが、来週から再開される加藤のコラムは"プロレスラー加藤"としてなのか? それとも"まだ練習生の加藤"なのか? お楽しみに!(聞き手/佐瀬順一)


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[2011年11月14日]
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