武藤の激怒と飯伏の涙
何の因果だろうか。
5・29神戸大会の試合前の控室で、TARUに顔面を殴打されたスーパー・ヘイト(平井伸和)が、試合後に急性硬膜下血腫で倒れて開頭手術を受け、現在も意識が戻っていない状況の責任を取り、武藤敬司が全日本プロレスの代表取締役社長を辞任することを7日に記者会見を開いて発表した。
事件発覚当初から、社長である武藤が公の場に出て来ないことに、批判があったことは確かだが、いきなり社長を辞任することを発表したのはいささか驚いた。
しかも武藤は最初にこの事件を報じ、その後も連日一面で報じていた東京スポーツを批判したという。何でもかなり行きすぎた記事や取材方法があったということで、「金輪際、東スポ取材拒否!」と珍しく会見の場で語気を強めながら言い放ったとか。
今回起こってしまった事件はもちろん悲しいことだし、起きてはいけないことだが、こういう事件が起きて辛い団体側が、事件を報じたマスコミを取材拒否のような事態に陥ることも、1マスコミの端くれとしては非常に悲しいことだ。
しかも8月には東京スポーツ主催によるチャリティープロレス興行『ALL TOGETHER』が開催されるのに、そこに参加を表明している全日本プロレスの武藤が、東スポを取材拒否。どっちがいい悪いという問題ではなく、「ALL TOGETHER=1つになろう」という大会名が、こんなに悲しく聞こえるとは思わなかった。
一方、同じ日に行われた新日本プロレスのディファ有明大会でも、武藤の大激怒に匹敵するくらいの珍しいことが起こった。
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