パンクラス20周年記念大会で川村が旗揚げメンバーの高橋を介錯!古巣に帰ってきた北岡「真剣勝負のプロレスがパンクラスだ!」
パンクラス
PANCRASE 252
日時:9月29日(日)開始:15:15
会場:横浜文化体育館
観衆:4600人(満員)
29日、横浜文化体育館で行われたパンクラス『PANCRASE 252 -20th ANNIVERSARY-』。メインは20年前の旗揚げメンバーにして現役選手の高橋義生の引退試合。相手に現ミドル級王者の川村亮を指名した高橋だが、勝った場合は引退する必要がないので現役続行。これを受けて、川村も引退をかけて指名を受けた。川村は果たして、高橋を介錯できるのか......
高橋は昔と同じ金髪に染め、紫のあのガウンで入場。セコンドには高阪剛、謙吾がつく。他には稲垣克臣、桜木裕司の顔も見える。川村のセコンドには大石幸史がついている。
川村が入場してくると、高橋は額を川村の額に当て激しく挑発。ゴングと同時に「ブッ殺す!」と吠え、前に出る。川村がキックでバランスを崩してしまい、下になる。川村は下から三角絞めを狙うが、高橋は川村の頭を抱えてチョークを仕掛ける。川村はこれを抜き、上になってパウンドを連打! 高橋が動けなくなり、レフェリーが止めた。
「なるべく長くリングの上を楽しみたい」と話していた高橋だが、わずか1R、1分43秒で川村が見事に介錯役を果たした。倒れた高橋を見つめる川村の目には、光るものがあった。しばらくして意識が戻った高橋は、万感の思いを込めて川村と抱き合う。
マイクを持った高橋が「今まで僕のことを応援してくれて、ありがとうございました。ここまでやって来られたのは、みなさんの応援があったからです。本当にどうもありがとうございました」と挨拶すると、川村が「高橋さん、ありがとうございました! 高橋さん、船木さん、鈴木さん、稲垣さん、柳澤さん、国奥さんが作ったパンクラスがあって、それに憧れたぼくたちがいて、それを見てくれるファンがいて、こうやって頑張って来られました。高橋さんの魂をこのリングで続けていくことが僕の使命。皆さんの心にも染み渡ったと思います」という言葉を贈った。
この大会より『PANCRASE WORLD SLAM』と題し、世界の強豪がパンクラスに集い、世界を目指すファイターが争う8人トーナメントがスタート。ライト級のトーナメントには2010年10月の弘中邦佳戦を最後にパンクラスを退団した北岡悟が参戦。
ところが、北岡と対戦するドム・オーグラディが計量オーバー。タイムリミットを過ぎても落とすことができず、試合をするかどうかを含めて処遇が検討された結果、北岡が試合をすることを受諾したため、パンクラス規定に則って、北岡の勝利時のみ公式記録とし、それ以外の結果はノーコンテストとするルールが採用された。
1R、オーグラディが組みついてコーナーに押し込んだが、北岡がギロチン。そのまま引き込んで絞めると、オーグラディ失神! 覗き込もうとするレフェリーに北岡は「落ちてる、落ちてる!」とアピール、レフェリーが止めた。
北岡は「帰って来たぜぇぇぇ!」と絶叫。大歓声で迎え入れられた北岡は「僕がいない間、頑張ってくれた川村(亮)と酒井社長に感謝します。また、現役DEEP王者なのにこのトーナメントに出させてくれた佐伯社長にも感謝します。トーナメント、ライト級はみんな負けているみたいですね。DEEPのベルトを持ったままでは(トーナメントに出続けるのは)日程的に無理なんですけど、みんな(僕を)見たいですよね? ファンの声が第一なので、それを聞いて考えたい。あとはコレ(お金)ですね。パンクラスは今年20周年ですが、旗揚げから20年続けている人が2人います。その2人とは誰か、あえて名前は言いたくないですけど(※坂本靖・運営部長と、梅木良則・審判部長)パンクラスが今も残っていることに心からありがとうと言いたい。その2人こそがパンクラスです。その次にパンクラスなのは俺です! これまでPRIDEや戦極で闘ってきましたけど、それは全部、パンクラスだと思って闘ってきました。真剣勝負のプロレスがパンクラスだ!」と叫んだ。
20周年記念大会のオープニングマッチは、「21年目のパンクラスをスタートさせる」と宣言した伊藤崇文と、かつての引退時、試合を受けなかったケジメをつけにきた坂口征夫の一戦。
1R、伊藤は片足タックル。坂口に尻もちをつかせた状態でコーナーへ押し込む。伊藤がバックを取りそうになると坂口は立ち上がるが、伊藤は再び倒してバックに回る。チョークは決まらず。立ちたい坂口をなぎ倒すようにし、さらに後ろから首を狙う。坂口は伊藤の手をつかむが、動けない。ここでブレイクがかかる。再び伊藤は片足タックルからバックを取るが、坂口が上になったところで終了。
2R、伊藤が片足タックル。坂口はパンチを出せない。伊藤はサイドを取り、いい位置にまわって腕を取る。必死に抜けようとする坂口だが、アームロックがそのまま極まって伊藤が勝利。
勝った伊藤は「坂口征夫! 怖かった! まだ怖い。試合が終わったけど怖い。それぐらいの男と、この20周年の第1試合を、このパンクラスのマークの上でやれてよかった。オレはこのリングで闘い続ける。勝ったら勝ったで悔しいから、このリングで闘う。そして、ざまあみろと言ってやる。これが、20周年、1発目のスタートを(自分が)切りました、以上!」と思いの丈をぶちまけた。【写真・文/佐佐木 澪】
▼第1試合 ライト級 5分2R
○伊藤崇文(パンクラスism)
2R 1分28秒 アームロック
●坂口征夫(坂口道場一族)
▼第2試合 ISKAオリエンタル・インターコンチネンタル タイトルマッチ スーパーウェルター級 3分5R
○小西拓槙(M-BROWキックボクシングジム)
5R終了 判定3-0
●レオ・ズーリック(mujokenki-dojo)
▼第3試合 パンクラス・ワールドスラム1回戦 バンタム級 5分3R
○中島太一(パラエストラ東京)
3R終了 判定3-0
●サーワン・カカイ(アメリカン・トップ・チーム)
▼第4試合 パンクラス・ワールドスラム1回戦 バンタム級 5分3R
○マルセロ・セザール(ノヴァ・ウニオン)
1R 1分23秒 腕ひしぎ十字固め
●馬場勇気(ロデオスタイル)
▼第5試合 パンクラス・ワールドスラム1回戦 ライト級 5分3R
○フィリップ・オリビエリ(ノヴァ・ウニオン)
1R 4分16秒 TKO(グラウンドのパンチにより、セコンドがタオル投入)
●AB(和術慧舟会駿河道場)
▼第6試合 パンクラス・ワールドスラム1回戦 ライト級 5分3R
○リッチー・ウィットソン(AKA)
1R 2分00秒 TKO(フロントチョークによりレフェリーストップ)
●長岡弘樹(総合格闘技道場DOBUITA)
▼エキジビション 無差別級 1分3R
近藤有己(パンクラスism)
※エキジビションのため、勝敗なし
中井光義(ALLIANCE)
▼第7試合 パンクラス・ワールドスラム1回戦 バンタム級 5分3R
○清水俊一(宇留野道場/Hybrid Fighter)
相手の計量オーバーのため、不戦勝
●ダニエル・スウェイン(AKA)
▼第8試合 パンクラスアテナ バンタム級 5分3R
○中井りん(パンクラスヴィーナス)
3R終了 判定2-0
●タラ・ラローサ(Jackson's MMA)
▼第9試合 パンクラス・ワールドスラム1回戦 ライト級 5分3R
○ボグダン・クリスティア(アメリカン・トップ・チーム)
3R終了 判定3-0
●佐々木信治(総合格闘技道場BURST)
▼第10試合 ミドル級キング・オブ・パンクラス次期挑戦者決定戦 5分3R
○安西信昌(TEAM CLIMB)
1R 2分30秒 KO(スタンドのパンチ)
●ウィル・ノーランド(AKA)
▼第11試合 パンクラス・ワールドスラム1回戦 バンタム級 5分3R
○金原正徳(パラエストラ八王子)
1R 0分21秒 KO(スタンドのパンチ)
●ジョー・ピアソン(チーム・エクストリーム)
▼第12試合 パンクラス・ワールドスラム1回戦 ライト級 5分3R
○北岡悟(Lotus世田谷/IMPACTジム)
1R 1分19秒 TKO(フロントチョークによりレフェリーストップ)
●ドム・オーグラディ(チーム・エクストリーム)
▼第13試合 ミドル級 5分2R
大山峻護(フリー)
※裁定保留
ジョーダン・カリー(AKA)
▼第14試合 フェザー級 5分3R
△マルロン・サンドロ(ノヴァ・ウニオン)
3R終了 判定0-0
△内村洋次郎(イングラム)
▼第15試合 フライ級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分3R
[王 者]○砂辺光久(TEAM rversaL)
3R終了 判定3-0
[挑戦者]●田原しんぺー(K-PLACE埼玉格闘技道場)
※初代王者・砂辺が2度目の防衛に成功
▼第16試合 ライト級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分3R
[王 者]○ISAO(坂口道場一族)
3R終了 判定2-0
[挑戦者]●高橋"Bancho"良明(パラエストラ八王子)
※第5代王者ISAOが初防衛に成功
▼第17試合 ミドル級 5分2R
○川村亮(パンクラスism)
1R 1分43秒 TKO(グラウンドのパンチでレフェリーストップ)
●高橋義生(D-ONEジム)
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