歴史ある三冠ヘビー級の3本のベルトを最後に巻いたのは諏訪魔!最初で最後の試合に挑んだ白石社長は「ガチンコで当たりにいった」
全日本プロレス
SUMMER IMPACT 2013
〜The beginning of evolution〜
日時:8月25日(日)開始:16:00
会場:大田区総合体育館
観衆:1304人
25日、東京・大田区総合体育館で行われた全日本プロレス『SUMMER IMPACT 2013 〜The beginning of evolution〜』最終戦。白石体制となった新生・全日本として初の大会場だが、メインでは諏訪魔の持つ三冠ヘビー級王座に、7・14後楽園大会で行われた60分3本勝負で諏訪魔に勝利した潮崎豪が挑戦。インターナショナル、PWF、UNの3本のベルトは馬場家に返還することが決まっているため、この試合が3本のベルトでの最後の三冠戦となる。
腰にPWFのベルトを巻いて入場した諏訪魔は見るからに強烈な潮崎の逆水平チョップを食らっても退くことなく、エルボーやダブルチョップなど実に力強い打撃で応戦。ショルダータックル1つとってもお互い気合いが漲っており、"固い"攻防が続く。
ダブルチョップの連打で潮崎を弱らせた諏訪魔は一気にスリーパーで絞め上げる。これでグッタリとなった潮崎はロープに走ることも出来ず、諏訪魔がラリアットを狙っても当たる前に腰から崩れ落ちてしまう。すると諏訪魔はキャプチュード、左腕でのラリアット、バックドロップと畳みかけ、さらに20分が経過したところでエプロンに出てパワーボムの体勢。
何とか堪えた潮崎はカウンターのラリアットでなぎ倒すと、立ち上がろうとする諏訪魔の後頭部にダイビング・ニードロップ。さらに逆水平チョップからフィッシャーマンバスター。拳を握って「行くぞ!」と叫んだ潮崎はブレーンバスターの体勢に。しかし逆に諏訪魔が投げていき、そこから串刺しラリアット、スロイダーからラストライドの体勢に。だが、ナックルで脱出した潮崎はロープへ。これをキチンシンクで迎撃した諏訪魔はもう一度キチンシンク。
これだけハードヒットな試合を25分も続けてきたところで諏訪魔はトペを発射。そのスタミナと思い切りの良さにどよめきが起こる中、潮崎もレインメーカーばりに打点の高いドロップキックで諏訪魔のラリアットを迎撃して場外に出たところにノータッチプランチャ。さらに雪崩式フランケン、豪腕ラリアット、ゴーフラッシャーと畳みかけたが、ムーンサルトプレスを諏訪魔が剣山で迎撃したところで30分が経過。
潮崎はカウンターのフランケンシュタイナーを狙うが、諏訪魔はパワーボムで切り返し、さらにそのままクラッチを離さず持ち上げてラストライドを狙う。これを逃れた潮崎は投げ捨てジャーマン。諏訪魔もすぐに投げ捨てジャーマンを返すが、潮崎がもう一度投げ捨てると、諏訪魔も投げ捨てジャーマン。
お互いに一歩も譲らないが、潮崎は豪腕ラリアット、ムーンサルトプレスからリミットブレイクを狙う。だが、バックドロップで切り返した諏訪魔はラリアットもキャッチしてかんぬきスープレックスで投げていくと、バックドロップ、ラリアットからのラストライドで叩き付けて勝利! 最後に伝統ある3本のベルトを手にした諏訪魔は、再びPWFのベルトを腰に巻くと、「ゼンニッポン」コールが起こる中、10・27両国国技館大会でお披露目されるという新三冠ベルトの価値を上げるため、これからも熱い試合をすると宣言した。
金丸義信の持つ世界ジュニアヘビー級王座には、7・28後楽園大会でタッグマッチながら金丸からギブアップを奪った佐藤光留が挑戦。青木真也ばりのロングスパッツに裸足というスタイルで走って入場した光留。
打撃と関節で金丸の左腕を徹底的に攻撃したいった光留だが、金丸は場外での攻撃から光留の首を集中攻撃。15分を過ぎたところで金丸は垂直落下式ブレーンバスターからダイビング・クロスボディー。さらにハリウッドスタープレスを投下したが、そこを腕十字に捕らえた光留。クラッチが切れて金丸の腕が伸びると、さらに光留は金丸の足を抱え込む。
空いてる右足で蹴飛ばして脱出した金丸だが、すぐに光留はもう一度腕十字。だが、金丸はロープに脱出。光留はミドルキックとパンチを金丸の左腕に叩き込むが、金丸はカウンターのラリアットから垂直落下式ブレーンバスター。さらにムーンサルトプレスでカウント2まで追い込んだ金丸は光留をコーナーに乗せる。
エルボーで抵抗した光留だが、金丸は雪崩式で垂直落下式ブレーンバスター。これもカウント2で返した光留は、金丸の串刺し攻撃をハイキックで迎撃すると、パンチと蹴りのコンビネーションから投げ捨てジャーマン。カウント2で返した金丸だが、人差し指を突き上げた光留は、かつてのライバル・大和ヒロシを彷彿させるカチ上げるようなラリアットからクロスアーム・ジャーマン!
だが、惜しくもカウントは2。もう一度クロスアーム・ジャーマンを狙った光留だが、決めさせなかった金丸は散々痛めつけられた左腕でショートレンジラリアット。続く垂直落下式ブレーンバスターをカウント1で返して意地を見せた光留だが、金丸はディープ・インパクト、垂直落下式ブレーンバスター、そしてダメ押しのタッチアウトを決めてカウント3。
試合後、悔しそうにマットを叩いた光留に金丸が握手を求めると、これまで散々意地を張っていた光留も潔く握手に応じた。
自身の書き込みや発言が全日本の分裂騒動を招いた白石伸生社長だが、新生・全日本となり改めてプロレスの厳しさを知るために、7・28後楽園大会の開始前には渕正信から公開スパーリングを受けた。ボロボロにされた白石社長だが、アドバイザーである蝶野正洋の提案により今大会の休憩中にKENSOと組んで蝶野&ジョー・ドーリングとエキシビションマッチを行うことに!
この一戦をすべての言動に対する"終結マッチ"とし、今後は裏方に徹すると宣言した白石社長だが、大ケガをしないために衝撃を吸収できるプロテクター(モビルスーツ)を装着するという。「見た目はエンタメチックになってしまうが、ファイトスタイルはガチンコ」という白石社長は観客や出場選手が見守る中、HoneyLDaysの『まなざし』に乗ってケビンマスク風の自称モビルスーツに身を包んで登場。
そのコミカルというか、予想の斜め上を行く出で立ちに一部の観客から「白石」コールが起こると、マントを外した白石社長が先発を買って出る。軽いステップから蝶野に対してローキックを連発した白石社長だったが、すぐにバタフライロックに捕らえた蝶野は白石社長のマスクを剥ぎ取って投げ捨てる。
どうにかKENSOが暴れて白石社長をサポートしようとするが、蝶野は花道に連れ出して痛めつける。それでもドーリングをKENSOが羽交い締めにすると、白石社長はコーナーへ。だが、蝶野が入ってきてKENSOを場外に追いやる、それでも白石社長はダイビング・クロスボディーを放っていったが、キャッチしたドーリングはヒザの上に叩き付ける。今度はドーリングが抑え付けた白石社長に向かって蝶野が対角線を突進。
そこにKENSOが飛び込んできてスピアーで迎撃したが、ドーリングは白石社長を逃がさずジャイアントスイングで回してから投げ捨てるプ。蝶野が白石社長を捕まえていくが、KENSOが入ってきて張り手を連打して救出すると、ダイビング・エルボードロップを投下。すかさず白石社長がカバーするがカウントは2。そこから白石社長は張り手で蝶野をダウンさせると、渕正信式STFへ! だが、ロープに逃れた蝶野が本家STFに捕らえたところで白石社長はギブアップ。
一部から「白石」コールや拍手も起こる中、四方に一礼した白石社長はKENSOからマイクを渡されると「休み時間中にもかかわらずエキシビジョンマッチを見ていただきありがとうございます。私もプロレスの痛み、大変さ、今回十分分かりました。私がリングに上がるのは今日が最初で最後です。ただこれから全日本をですね、裏方として全面的にサポートして早く公約通り業界ナンバー1を達成したいと思います。KENSO選手、蝶野さん、ジョーさん、すごいレスラーだと肌で実感しました。ぜひこれからも全日本プロレスを温かく見守っていただいて、今日三冠ベルト最後なので温かく見舞っていただけれと思います」と挨拶し。
"選手として上がるのは"最初で最後のリングから降りると、「見た目はエンターテイメントでしたけど、中身はね、僕自身としては最大限のフルパワーで、ガチンコで当たりにいったと思っているので。それを見た観客の皆さんとマスコミの皆さんにどう映ったかっていうのは任せますよ。まぁ今日試合できたんで」と"白石節"で語った。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○西村修(フリー)
8分26秒 逆さ押さえ込み
●宮本和志(天龍プロジェクト)
▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
渕正信/○SUSHI
18分2秒 TEKKAMAKI
本田多聞(フリー)/●井上雅央(フリー)
▼第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○秋山準
11分12秒 顔面への膝蹴り→レフェリーストップ
●大森隆男
▼休憩中 エキシビジョンマッチ
○蝶野正洋(アリストトリスト)/ジョー・ドーリング
8分52秒 STF
●白石伸生/KENSO
▼第4試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]鈴木鼓太郎/○青木篤志
11分54秒 アサルトポイント
[挑戦者組]ドラゴ(AAA)/●アルヘニス(AAA)
※第92代王者組・鼓太郎&青木が3度目の防衛に成功
▼第5試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○金丸義信
22分28秒 タッチアウト→片エビ固め
[挑戦者]●佐藤光留(パンクラスMISSION)
※第35代王者・金丸が5度目の防衛に成功
▼第6試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○諏訪魔
35分2秒 ラストライド→体固め
[挑戦者]●潮﨑豪
※第46代王者・諏訪魔が2度目の防衛に成功
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