武藤のいない武藤全日本のラスト両国で諏訪魔が三冠死守!全日本を去る大和に反し、光留は継続参戦を表明!甦ったGET WILD劇場!

130630_AJPW-1.jpg全日本プロレス
2013 プロレスLOVE in 両国
〜an abiding belief〜
日時:6月30日(日)開始:16:00
会場:両国国技館
観衆:6500人

 30日、両国国技館で行われた全日本プロレス『2013 プロレスLOVE in 両国 〜an abiding belief〜』。今大会を最後にすでに離脱した武藤敬司に合流する者、全日本に残留する者に別れることが決まっているため、いわゆる"武藤全日本"と呼ばれるこの顔触れで行われる最後の大会。

 メインでは誰よりも早く全日本残留を発表した諏訪魔の持つ三冠ヘビー級王座に、同じくバーニングを率いて全日本残留を表明した秋山準が挑戦。これぞ王道プロレスとばかりにお互いに真正面からぶつかり合うが、秋山が場外戦で鉄柵を使ってしつこく攻撃していると、この一戦を裁くために約2年ぶりに復帰した和田京平レフェリーが厳しく注意。
 諏訪魔のラフ攻撃にも厳しく目を光らせた京平レフェリー。諏訪魔は荒っぽい攻撃だけでなく、重みのある攻撃で秋山の腰に大きなダメージを与えると、コーナー二段目からのジャンピングニーもラリアットで撃ち落とす。さらにカウンターのドロップキックで秋山を場外に追いやるとトペを発射。
 秋山も何とかラストライドを回避して、エプロンに諏訪魔を連れ出して断崖式DDT。そこから生井にエクスプロイダーや胴絞めフロントネックロックで追い込む。エクスプロイダーを踏ん張る諏訪魔の顔面をヒザで蹴り上げた秋山だが、次の瞬間、諏訪魔はバックドロップ。その後も秋山のエクスプロイダーに投げ捨てジャーマンで対抗した諏訪魔は、リストクラッチ式エクスプロイダーで一度は投げられたものの、2発目を踏ん張る。
 そこから逆に秋山をみちのくドライバーIIで叩き付けた諏訪魔は、グーパンチからバックドロップ・ホールド。押さえ込みの体勢がやや崩れたことでカウント2で返した秋山だったが、諏訪魔は間髪入れず豪快なラストライドで叩き付けて3カウントを奪った。
 揺れる全日本で誰よりも早く残留を表明し、至宝を死守した諏訪魔は、全日本マットに別れを告げるカズ・ハヤシ、近藤修司、中之上靖文と握手を交わし、ジョー・ドーリングを加えたLAST REVOLUTIONの5人で腕をあげると、「本日は全日本プロレス、両国大会に多数のご来場ありがとうございました。そして武藤さん、ありがとうございました!」と言って一礼。さらに「これから全日本プロレスの看板をしっかり守り続けます! 皆さん、これからも全日本プロレスをよろしくお願いします。今日はありがとうございました」と挨拶して大会を締めくくった。

130630_AJPW-2.jpg 白石代表との因縁から熊との対戦などが噂されていた佐藤光留だが、両国大会のカードが発表された時点で名前が入っていなかった。さらに情熱変態タッグを組んでいた大和ヒロシが全日本離脱を表明したため、大和を制裁するため大和vs.宮本和志のシングルマッチに割り込むカタチで緊急参戦することに。
 走って入場してきた光留は着ていたTシャツを大和に投げつけると、いきなり喧嘩腰でやり合う。試合が始まっても宮本そっちのけでやり合う光留と大和だが、宮本も大和をリフトアップスラムで叩き付けると、光留と大和をまとめてファイアーマンキャリーで担ぎ上げてバックフリップ。
 だが、大和がスピアーで反撃。宮本をコーナーに乗せてスパイダーフロントスープレックスを狙った大和だが、宮本のナックルを食らって逆さ吊り状態に。そこに光留が来て宮本を雪崩式ブレーンバスターで投げようとすると、腹筋の力で戻ってきた大和がスパイダージャーマンで合体!
 そこから再びやり合った光留と大和だが、大和がクロスアームジャーマンを狙ったところで、またも宮本が入って来る。だが、情熱変態タッグは見事な連係攻撃からサンドイッチキックで宮本を蹴散らすと、意地の張り手合戦。さらにヘッドバット合戦からグーパンチの相打ちになると、光留はバックドロップ。
 カウント2で返した大和だが、光留はハイキックからジャーマンで投げる。ブリッジは崩れたが、光留はエビ固めでガッチリ抑え込んで3カウント。大の字に倒れた大和に唾を吐いて引き上げた光留はコメントスペースで「白石さんよ、どんだけ人をもて遊べば気が済むんだよ! 全日本はあんただけのもんじゃねぇってのは、今も続いてるんだよ! 俺たちレスラーはリングの上でしか答えがみつからねぇんだよ! リングの上に用意してくれよ! それまで俺はこのリングに居座り続けるぞ! 来るなっつっても、どんな方法使っても居座り続けるからな! 必要だっていうならベルトだってなんだって獲ってやるよ!」とまくし立てた。つまり光留は全日本に継続参戦を希望。大和は全日本離脱を表明しているため、情熱変態タッグはひとまずこれが見納めとなる。

130630_AJPW-3.jpg 今大会は武藤全日本のラストということもあり、どこかしんみりとした雰囲気が漂っていたが、第4試合で大森隆男が『Get Wild』に乗って入場したシーンや、この日が復帰戦となったKENSOが入場し、四方のコーナーでエル・アギラ・インペリアルのポーズを決める場面などは、全日本らしい明るさで場内を盛り上げた。
 大森もKENSOも全日本残留を表明しているが、大森は経営学を学ぶために母国のハワイに帰っていた太陽ケアと組み、ドーリング&中之上に勝利。そしてコメントスペースで「何か質問はありますか?」と報道陣に尋ねていると、髪の毛をキッチリ分け、黒縁メガネをかけてリュックを背負った大柄な男が「特にありません!」とキッパリ。
 大森が男に「キミはどこの出版社だ? 見ない顔だな。東スポか? 週プロか?」と尋ねる。すると、その男は「大森さん、あんたタッグパートナーの顔と名前を忘れたんですか?」と言い返す。そう、この男は欠場中の征矢学! 「どこからどう見ても征矢でしょう!」と言い張る征矢だが、その変わり果てた姿(?)を見た大森は「すっかり変わっちまって......どうしたんだ?」と狼狽える。
 それでも久し振りに対面した征矢の兄貴に向かって大森が「俺はお前がいない間もずっとワイルドを貫いてるぞ、一人で」と訴えると、征矢は「どうしても私の熱い思いを伝えたくて参りました。大森さん、もし全日本に残るんだったら、俺は3月17日、ここで針が止まってるんですよ! この針を動かしたいと思いますので、大森さん、それまで待っていてください!」と、3・17両国大会で秋山&潮崎に世界タッグを奪われた時点で時計の針が止まっているので、大森に復帰するまで待っていてほしいと訴えた。
 その後は武藤全日本の魅力の1つだった"GET WILD劇場"が復活!
大森「今はなんかマイルドになっちったけど、絶対ワイルドになって帰ってきてくれるよな?」
征矢「大森さん、僕の中で決めたんですよ。ワイルドは復帰するまで名乗れない、と。ワイルド十箇条に書いてあったでしょう」
大森「自分で決めたのか?(苦笑)」
征矢「ダメなのか?」
大森「俺としては欠場している間もワイルドを貫いて欲しかったなぁ」
征矢「ワイルドに失礼だろう」
大森「そのメガネとシャツ、本当に似合わないぜ(苦笑)」
征矢「それより大森さん、ひとつ言っていいか?」
大森「どうした?」
征矢「大森さん、その髪型、髪の毛の色......あんたの親が見たら泣くんじゃないのか?」
大森「いやいや、これは......小橋さんの引退興行があって、ノーフィアーを結成したから......まぁ話せば長いんだよ」
征矢「なんで髪の毛染めたんだよ」
征矢「向こうで色々と説明するから......(※征矢を強引に控室へ連れていこうとする)」
征矢「だったら髪をモヒカンにしろよ! ノーフィアーでやるんだったら髪の毛をモヒカンにしてくれ!」
大森「兄貴の気持ちはよく分かったよ!」
征矢「おかしいだろう! あんたもマイルドだよ!」
大森「神経に障るからそれくらいにしておけ!」
征矢「なんで染めたんだよ!」
大森「とにかくよ、俺は全日本プロレスで兄貴の帰り待ってるからよ!」
征矢「それはお前の本心か?」
大森「当たり前だ! 待ってるぞ!」
 GET WILD劇場は今後も全日本マットで見られることになりそうだ。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 3WAYマッチ 30分1本勝負
●大和ヒロシ
8分4秒 投げ捨てジャーマンスープレックス→エビ固め
○佐藤光留(パンクラスMISSION)
※もう一人は宮本和志(天龍プロジェクト)

▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○渕正信/SUSHI
9分31秒 首固め
本田多聞(フリー)/●MAZADA(東京愚連隊)

▼第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
船木誠勝/●河野真幸/金本浩二
6分20秒 大横綱プレス→体固め
○曙(フリー)/浜亮太/西村修(フリー)

▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負
太陽ケア/○大森隆男
10分8秒 アックスボンバー→エビ固め
ジョー・ドーリング/●中之上靖文

▼第5試合 KENSO復帰戦 シングルマッチ 60分1本勝負
●KENSO
14分35秒 ゴーフラッシャー→体固め
○潮崎豪(バーニング)

▼第6試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]鈴木鼓太郎(バーニング)/○青木篤志(バーニング)
16分55秒 変形腕ひしぎ逆十字固め
[挑戦者組]●カズ・ハヤシ/近藤修司
※第92代王者組バーニングが2度目の防衛に成功

▼第7試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○金丸義信(バーニング)
20分20秒 タッチアウト→片エビ固め
[挑戦者]●田中稔
※第35代王者・金丸が4度目の防衛に成功

▼第8試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○諏訪魔
22分29秒 ラストライド→体固め
[挑戦者]●秋山準(バーニング)
※第46代王者・諏訪魔が初防衛に成功

このページの先頭へ
コラム女子プロレス団体『FEATURES』
スターダム世IV虎の番長日記
はるか悠里の格闘アイドル育成計画
スターダム須佐えりの初勝利への道
月別アーカイブ
団体