両国でシンデレラとなったゆずポンは引退しても「私はプロレスが大好きです!」イオと宝翔がベルトを取り戻し、スターダムは第2章へ
スターダム
STARDOM CHAMPIONS FIESTA2013
〜両国シンデレラ〜
日時:4月29日(月・祝)開始:14:00
会場:両国国技館
観衆:5500人
29日、両国国技館で行われたスターダム『STARDOM CHAMPIONS FIESTA2013 〜両国シンデレラ〜』。旗揚げからわずか2年3カ月で両国に初進出することになったスターダムだが、今まで先頭に立って引っ張ってきた"世紀のグラレスラー"愛川ゆず季が、この大会で引退試合を行った。
2年連続女子プロレス大賞受賞を筆頭にわずか2年半の現役生活の中で輝かしい実績を残し、伝説を作った。そして引退試合の相手に指名したのが、共に旗揚げ前から練習を共にし、共にスターダムを牽引してきた世IV虎。若干19歳にして両国のメインのリングに立つ世IV虎だが、「愛川を踏み台にして、これからの女子プロレス界を引っ張っていく」と宣言。
七色のLEDを仕込んだガウンを着て登場した世IV虎に対し、愛川はこの一戦のためだけに無数のスワロフスキーを散りばめた豪華なコスチュームを新調。入場こそ泣き顔だった愛川だが、リング上で世IV虎に"ガンを飛ばされる"と表情が一変。最後まで闘う女の目となった。
虎柄の金ピカコスチュームと相まって身体の厚みが増した世IV虎は、最初からパワー全開。宣言通り引退試合だろうが関係なく、愛川を潰すつもりで攻めていく。さらにこれまで散々やってきた愛川の胸をまたも踏みつけると、パイパイアタックを体当たりで迎撃し、倒れた愛川を踏みつけてセクシーポーズ。
愛川も意地でパイパイアタックを決めると、YKイエロー(ハイキック)。だが、これをブロックした世IV虎は水面蹴りもジャンプしてかわしてみせると、世IVドンからの世IVコブラ。愛川も蹴りからフィッシャーマンズ・スープレックスで世IV虎の巨体を投げると、ゆずポン・アームロックに捕らえるが、これを逃れた世IV虎はセントーンの連発からコーナー二段目からのダイビング・セントーン。
しかしコーナーにもう一度登った世IV虎をゆずポンスタナーで場外に追いやった愛川は、コーナーからプランチャを投下。さらにリングに戻ってシャイニングゆザードを発射すると、YKブルー(回し蹴り)からのYKレッド(カカト落とし)という必殺フルコース。だが、カウント2で返した世IV虎は蹴り足をキャッチしてアティテュード・アジャストメントで叩き付けると上からヨシコ。
これをかわした愛川は怒濤の蹴りで一気に畳みかけると、奥の手タイガースープレックス。しかしカウント2で返したヨシコはショートレンジラリアット、馬乗りチョークからのネックハンギングボムで形勢を逆転すると、こちらも奥の手であるコーナー最上段からのダイビング・セントーンを投下して3カウント!
試合後、愛川から世IV虎に抱きつくと、世IV虎も両手で握手してから深々と頭を下げた。四方に一礼した愛川はリング上で号泣。そのまま引退セレモニーとなり、この日出場した選手や応援に駆け付けたタレント仲間、さらに引退試合の相手を務めた世IV虎、さらに夏樹、風香GM、自身の引退興行では愛川にメインを任せたブル中野さんからも花束を贈呈。
DDTの高木三四郎とは最後の本家と元祖のゆずポンキックの共演。そしてデビュー戦の相手を務めた奈苗、最後にロッシー小川代表がグラレスラーの象徴である"白いベルト"を贈呈。このベルトを肩にかけた愛川は最後のグラビアポーズ(※この日ダーク・エンジェルが第2代ワンダー・オブ・スターダム王者に決まったが、新しいベルトはすでに発注済みとのこと)。
そして最後に「皆さん、プロレスラーとして短い期間だったんですけど、プロレスラー愛川ゆず季を楽しんでもらえたでしょうか? 楽しいこと、苦しいこと、正直言うと辞めたいなぁと思うこともありました。だけど今日、スターダム両国大会、この場所で引退試合をさせてもらって、なんて幸せなプロレスラーなんだろうなぁって改めて思いました。プロレスラーの私も愛川ゆず季も120%活かしてもらったと思っています。私は崖っぷちアイドル、そしてプロレスに救ってもらって、今、ここにいます。これはスターダム選手の皆さん、関係者の皆さん、そして応援してくださる皆さんのお陰です。本当に、本当にありがとうございました。私はプロレスが大好きです! スターダムも大好きです! だからこれからもっともっとプロレスを応援します。最初反対していた両親も、今日愛媛から駆け付けてくれました。たくさん心配かけてしまったんですけど、もう心配させません。もっともっと私は幸せになります! 結婚ではありません。最後にひと言いわせてください。グラレスラーは強いのだー! ありがとうございました。私はプロレス界のシンデレラとして旅立ちます。本当に本当にありがとうございました」と挨拶。
すると教会の鐘がなり、愛川がシンデレラに変身! 10カウントゴングが鳴らされ、愛川の名前がコールされるとリング上は黄色の紙テープで埋めつくされた。こうして女子プロレス界にその名を刻み込んだ"世紀のグラレスラー"愛川ゆず季はリングを降りていった。
愛川がいなくなったあとの"スターダム第2章"にとって、一番大事だと思われていたのが、3・17後楽園大会でキムラモンスター軍☆に流出した赤いベルトことワールド・オブ・スターダム王座とタッグのゴッデス・オブ・スターダム王座。
スターダムの二大タイトルが外敵であるモンスター軍に流出するという緊急事態に、スターダム勢は円陣を組んで一致団結。ベルトを取り戻すため、挑戦者決定トーナメントを勝ち上がった紫雷イオがアルファの赤いベルトに、何度蹴り倒され、髪の毛を切られても立ち上がってきた宝城カイリ&翔月なつみの宝翔天女(仮)がタッグ王座に挑戦した。
宝翔天女(仮)は髪を切られたのを機にショートカットになった翔月が負傷箇所である左ヒザをまたも集中攻撃されたが、その分宝城が木村とヘイリーの2人がかりの攻撃を何度も食らいながらも諦めず、最後はオリジナルの丸め込みである4173でヘイリーから大逆転の3カウントを奪って勝利。どうにかタッグベルトをスターダムに取り戻し、チーム名から(仮)が取れて宝翔天女となった2人は『未来のスターダム』を生で歌ってみせた。
一方のイオは圧倒的なパワーで何度もイオをジャーマンでブン投げていくアルファに対し、側転→バック転からのドロップキックやスワンダイブ式ミサイルキックなど機動力を活かした攻撃で対抗。さらにイオはウラカンでアルファを丸め込むと、立ち上がる前にアルファ戦用に修得してきたバズソーキックの連発からムーンサルト・ニープレス。
さらに初代タイガーマスク殺法のローリングソバットから、挑戦者決定トーナメントを制したムーンサルト・フットスタンプも出していったが、それでもアルファから3カウントが奪えない。逆にコーナーへの投げ捨てパワーボムからオメガスラムを狙ったアルファだが、うまく着地したイオはバズソーキックの連発でアルファに両ヒザをつかせると、顔面に蹴りを集中させ、最後はローリングソバットを叩き込んで3カウント。
一気に赤いベルトとタッグのベルトを取り戻し、第2章に突入することになったスターダムだが、愛川を送り出したあとのエンディングで、6・2後楽園大会でイオの赤いベルトに、愛川に勝利した世IV虎が挑戦することが発表された。さらにこの日、デビューした彩羽匠が高橋奈苗とシングルマッチを行うことも決定。あの里村明衣子を相手に臆することなく向かっていき、三角絞めで「もしや!?」という場面まで見せた彩羽。最後は里村に愛川を仕留めたスリーパーまで出させた上、ギブアップをせずにレフェリーストップで敗れた彩羽だけに、奈苗相手にまたもやスーパールーキーっぷりを発揮してくれそうだ。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼第1試合 両国スターティング・オーバー スターダムvsアイスリボン対抗戦 15分1本勝負
○横尾由衣/吉乃すみれ
6分0秒 ランニングエルボー→片エビ固め
●世羅りさ(アイスリボン)/山口ルツコ(アイスリボン)
▼第2試合 全女黄金伝説両国降臨2013 20分1本勝負
○脇澤美穂
10分37秒 バックスライド・フロム・ベノム
●豊田真奈美(フリー)
▼第3試合 両国スペシャルMIX 8人タッグマッチ 20分1本勝負
○岩谷麻優/リン・バイロン(WNC)/飯伏幸太(DDT)/伊橋剛太(DDT)
12分2秒 ドラゴンスープレックスホールド
須佐えり/真琴(WNC)/佐藤光留(パンクラスMISSION)/●中澤マイケル(DDT)
▼第4試合 彩羽匠デビュー戦 20分1本勝負
●彩羽匠
10分54秒 スリーパーホールド→レフェリーストップ
○里村明衣子(センダイガールズ)
▼第5試合 第2代ワンダー・オブ・スターダム王座決定戦 30分1本勝負
●安川惡斗
10分42秒 レイネーラ→レフェリーストップ
○ダーク・エンジェル
※ダーク・エンジェルが第2代王者となる
▼第6試合 ハイスピード選手権試合 30分1本勝負
[王 者]○夏樹☆たいよう
12分6秒 たいようちゃんスパニッシュフライ→体固め
[挑戦者]●夕陽(ZERO1野良犬道場)
※第5代王者・夏樹が4度目の防衛に成功
▼第7試合 ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負
[王者組]木村響子(フリー)/●ヘイリー・ヘイトレッド(フリー)
12分30秒 4173
[挑戦者組]○宝城カイリ/翔月なつみ
※王者組が初防衛に失敗。宝翔天女が第4代王者組となる
▼第8試合 高橋奈苗ザッツ女子プロレス 6人タッグマッチ 30分1本勝負
○高橋奈苗/藤本つかさ(アイスリボン)/長野美香
14分21秒 ワンセコンドEX→体固め
●米山香織(フリー)/松本浩代(エスオベーション)/朱里(WNC)
▼第9試合 ワールド・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負
[王 者]●アルファ・フィーメル
12分54秒 ローリングソバット→片エビ固め
[挑戦者]○紫雷イオ
※第2代王者アルファが初防衛に失敗。イオが第3代王者となる
▼第10試合 愛川ゆず季引退試合〜ゆずポン引退全力ファイトFINAL〜 30分1本勝負
●愛川ゆず季
15分11秒 ダイビングセントーン→片エビ固め
○世IV虎
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