ドームにカネの雨が降るも、棚橋が愛の力でねじ伏せる!たぎる中邑は桜庭とのスリリングな試合をボマイェで制す!
新日本プロレス
WRESTLE KINGDOM 7
〜EVOLUTION〜 in 東京ドーム
日時:2013年1月4日(金)開始:17:00
会場:東京ドーム
観衆:29,000人(有料入場者数)
4日、新日本プロレスが東京ドームで開催した『WRESTLE KINGDOM 7 〜EVOLUTION〜 in 東京ドーム』。毎年恒例の"イッテンヨン"だが、今年はブシロード体制になって初のドーム大会ということで、例年以上の盛り上がりを見せていた。
ダブルメインイベントながら大トリを飾ったのは、棚橋弘至とオカダ・カズチカのIWGPヘビー級王座を賭けた決着戦。1年前の同大会で棚橋に挑戦表明をした際はブーイングが飛んでいたオカダだが、その後はレインメーカーの異名通り"カネを降らす"大活躍で、プロレス大賞のMVPも獲得。新日本愛でエースに君臨してきた棚橋に、満を持して挑み、王座&エース交代を迫った。
まさしくドームに"カネの雨"を降らせながら入場したオカダは相変わらず緻密なまでに首を集中攻撃していく。ジャベ、ドロップキック、拷問技、あらゆる手を使って文字通り棚橋の首を獲りにいったオカダ。
20分過ぎ、オカダは棚橋を場外に蹴落とすと花道でツームストンパイルドライバーを狙う。必死に阻止した棚橋に対し、オカダは花道ダッシュ・ラリアットに切り替えたが、棚橋はスリングブレイドで迎撃。リングに戻った棚橋はtwelve sixからハイフライフローを投下するが、剣山で迎撃したオカダはリバース・ネックブリーカー、ヘビーレインと大技でまたしても首を狙う。
25分過ぎ、オカダは落差のあるダイビング・エルボードロップからレインメーカーを狙ったが、これをダルマ式ジャーマンで切り返した棚橋は、続けてドラゴンスープレックス。そして今度こそ完璧にハイフライフローを極めてみせたが、オカダもカウント2で返していく。「オカダ」コールが起こる中、棚橋はグラウンド・ドラゴンスクリューからテキサス・クローバー・ホールドへ。リング中央に引き戻した棚橋はシャチホコ式で腰を落とすが、オカダはどうにかロープに辿り着く。
ロープに飛んだ棚橋に対し、これまで何度も攻守を入れ替えるキッカケとなった打点の高いドロップキックを叩き込んだオカダはツームストンパイルドライバーの体勢に。だが、踏ん張り低空ドロップキックを見舞った棚橋は、逆にツームストンパイルドライバー! そこからクロスボディ式ハイフライフローを見舞った棚橋は、大の字に倒れたオカダにダメ押しのハイフライフローを投下して3カウント!
マイクを持って「チャンピオンベルト防衛、そして東京ドームにこんなにたくさんのお客さん、本当にありがとうございました! 時代は......時代は変えるものじゃなくて、時代は動かしていくもんだと俺は思っています。だからもうちょっと棚橋王者時代にお付き合いください。今日はどうもありがとうございました!」と挨拶した棚橋はカネの力で時代を動かそうとしたオカダを愛でねじ伏せた。
もう1つのダブルメインイベントでは、中邑真輔の持つIWGPインターコンチネンタル王座に、総合格闘技界のレジェンドである桜庭和志が挑戦。昨年の夏頃から新日本に"喧嘩を売って"再びプロレスに乗り込んできた桜庭だが、これまでの試合はすべてタッグマッチ。ファン待望のシングルマッチが、いきなり総合経験者の中邑とのタイトルマッチ。しかも菅林社長の「格闘技もどき」「中途半端なプロレス」発言に違和感を覚えた木谷会長が、外敵である桜庭のセコンドにつくという異例の事態となった。
立会人はスタン・ハンセン氏、そして桜庭はサクラバマシンのマスクを被った木谷会長と共に入場。独特な空気感が漂う中、桜庭は中邑のタックルを切ると、逆に中邑の足を取ってテイクダウン。そこからは下になった中邑から桜庭がパスを狙うという総合で見られるような展開に。
だが、中邑がスタンドでコーナーに桜庭を押し込み、離れ際に軽く張り手を見舞うと、桜庭はいきなり左右の掌底を連打。中邑も掌底で応戦すると、桜庭は中邑を倒して顔面めがけてフットスタンプ。かわした中邑はコーナーに桜庭を押し込むとニーリフトを連打してから踏みつけてバイブレーション。ならばと桜庭は掌底から中邑をジャーマンで投げると、かつてミルコは藤田に見舞ったときのように、タックルを狙った中邑をヒザ蹴りで迎撃!
グラウンドでも桜庭がサクラバロック(アームロック)を狙えば、中邑が腕十字で切り返すという見応えのある攻防を展開。中邑がロープに逃れたにもかかわらず、桜庭がなかなか離さないでいると、中邑は桜庭を抱え上げて久しぶりに出したランドスライドで叩き付ける。
さらに桜庭が腕十字を狙ったところで、クラッチが切れた勢いで立ち上がった中邑は超至近距離からのボマイェを発射。そして桜庭が立ち上がろうとしたところに、中邑は渾身のボマイェを叩き込み、ガッチリと抑え込んで3カウント! 試合後、桜庭が潔く負けを認めて中邑を称えると、中邑は「イヤァオ! イヤァオ! イヤァオ! たぎったぜ、オイ! プロレスラーは強いんです。だからこそこの言葉も映えてくる。一番スゲーのはプロレスなんだよ!」とシャウトした。
今大会から新日本は有料入場者数発表となったため、「29,000人」と昨年の「43,000人」から激減しているように見えるが、実際は大幅に増やしたアリーナ席も、今年は解放された2階席もほぼ満員で、見た目だけなら2012年のイッテンヨンよりも大幅に観客数は増えた。
それだけに大会も盛り上がり、ケガのため欠場となった橋本大地に代わって出場した大谷晋二郎は故橋本真也さんの白いハチマキを手に持ち、『爆勝宣言』に乗って入場。パートナーの武藤敬司も『HOLD OUT』に乗って入場し、観客を沸かせた。
プリンス・デヴィット、ロウ・キー、飯伏幸太のIWGPジュニアのタイトルマッチとしては初めて行われた3WAYマッチでは、ロウ・キーがスーツ姿のまま(ゲーム『ヒットマン』のコスプレ)で試合をしたり、飯伏がきりもみ式のケブラーダや、ロウ・キーがコーナーに逆さ吊りになったデヴィットに向かってフットスタンプを落とそうとしたところに飛び付いて雪崩式フランケンを決めた莉と、まさしく"3Dプロレス"を存分に展開。
さらに昨年のイッテンヨンに引き続き、永田裕志との因縁対決を行った鈴木みのるの入場シーンでは、中村あゆみさんが生で『風になれ』を歌う中、鈴木が登場し、ステージ上で中村さんと拳を合わせて入場という、まさしくドームならではの場面がいくつも見られた。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼ダークマッチ 6人タッグマッチ 15分1本勝負
井上亘/○タマ・トンガ/キャプテン・ニュージャパン
5分58秒 ヘッドシュリンカー
●邪道/YOSHI-HASHI/石井智宏
▼ダークマッチ 6人タッグマッチ 15分1本勝負
獣神サンダー・ライガー/タイガーマスク/●高橋広夢
7分12秒 ファイヤーバードスプラッシュ
田口隆祐/KUSHIDA/○BUSHI
▼第1試合 スペシャル8人タッグマッチ 30分1本勝負
○中西学/MVP/ストロングマン/曙(フリー)
7分53秒 アルゼンチンバックブリーカー
矢野通/●飯塚高史/高橋裕二郎/ボブ・サップ(フリー)
▼第2試合 NEVER無差別級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○田中将斗(ZERO1)
6分41秒 スライディングD→片エビ固め
[挑戦者]●シェルトン・ベンジャミン(フリー)
※初代王者が初防衛に成功
▼第3試合 IWGPタッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]ランス・アーチャー/○デイビーボーイ・スミスJr.
10分52秒 キラーボム→片エビ固め
[挑戦者組]●後藤洋央紀/カール・アンダーソン
※第61代王者組が2度目の防衛に成功
▼第4試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
○永田裕志
17分3秒 バックドロップホールド
●鈴木みのる(パンクラスMISSION)
▼第5試合 IWGPジュニアヘビー級選手権試合 3WAYマッチ 60分1本勝負
[王 者]○プリンス・デヴィット
14分45秒 雪崩式ブラディサンデー→エビ固め
[挑戦者]●飯伏幸太(DDT)
※もう一人は[挑戦者]ロウ・キー。第66代王者が初防衛に成功
▼第6試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
○天山広吉/小島聡
15分36秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め
武藤敬司(全日本)/●大谷晋二郎(ZERO1)
▼第7試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
○真壁刀義
8分37秒 キングコングニードロップ→体固め
●柴田勝頼(フリー)
▼ダブルメーンI IWGPインターコンチネンタル選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○中邑真輔
11分12秒 ボマイェ→片エビ固め
[挑戦者]●桜庭和志(フリー)
※第4代王者が4度目の防衛に成功
▼ダブルメーンII IWGPヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○棚橋弘至
ハイフライフロー→片エビ固め
[挑戦者]●オカダ・カズチカ
※第58代王者が6度目の防衛に成功
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