初防衛に成功した砂辺だが「僕が見て来たパンクラスはこんなもんじゃない」。近藤は秒殺KO勝ちで復活の兆し!
パンクラス
PANCRASE 2012 PROGRESS TOUR
日時:11月10日(土)開始:15:30
会場:ディファ有明
観衆:1835人(満員)
10日、ディファ有明で行われたパンクラス『PANCRASE 2012 PROGRESS TOUR』。メインではTEAM reversalの砂辺光久が、パラエストラ古河の宇都木正和を相手にフライ級キング・オブ・パンクラスの初防衛戦に臨んだ。
1Rは打撃の応酬。両者とも、倒す気が強く伝わってくるパンチ。いつどちらが倒れるかわからないスリリングな展開に。中盤、宇都木が片足タックルにいくが、砂辺は振り切ってロー、ロングレンジの前蹴り、ローからの左フック。宇都木もローとミドルキックを返す。このミドルが、砂辺の脇腹を赤く染める。強烈なローを連発する宇都木。しかし、砂辺が左フック! コーナーへ追ってゴング。
2R、砂辺が身長差を活かしロングレンジの蹴り。宇都木は左ミドル、ローを返す。宇都木の強烈な蹴りで、砂辺の左ももが赤く染まっている。砂辺は左ジャブからパンチ連打、ぐらつく宇都木。しかし、鼻血を出しながらもすぐに立て直す。驚異の体力だ。ここで、砂辺の蹴りがローブローとなりタイムストップ。再開し、砂辺がタックル、テイクダウンを奪う。これに合わせ、宇都木はフロントチョーク! 極まっていないが、砂辺は脱出できない。残り30秒を砂辺が凌いで終了。
いよいよ最終ラウンド。ラウンドごとにスコアが読み上げられ、現在までのところ砂辺がリードしているため、宇都木はKOか1本取るしかない。しかし、一発のある相手だけに逆転の可能性も十分。
開始直後、砂辺が放った左ハイキックの蹴り足を宇都木が取り、コーナーでテイクダウン! 砂辺はボディへパンチ。宇都木は苦しくなるが、引きはがせない。砂辺が立って離れると、宇都木がタックルからコーナーへ。砂辺は尻餅をついた状態で上半身は起こしており、ここからゆっくりと立つ。ここでブレイク。砂辺が再びハイキック、宇都木はかわして巧くボディブローを当てる。宇都木がタックルからテイクダウンするが、砂辺は立ち、バックを取る。宇都木は投げたいが無理。コーナーへ持って行ったところでゴング。ジャッジ3-0で砂辺が初防衛を果たした。また、この試合はベストバウト賞を受賞した。
砂辺は「勝ったが、判定。僕が目指しているパンクラスは判定じゃないので、ちょっと...。パンクラスというリングで最後に名前を呼ばれるという役割、責任はヒシヒシと感じていた。だから、今日の内容に合格点は出せない。僕が見て来たパンクラスは、こんなもんじゃない。だから、防衛はできたけど、喜べる状態ではない。
ただ、今日は平野(仁)さんが岩手から来てくれた。入場前に『勝ち負けじゃなく、東北に来てくれた砂辺君が、ここにいて試合をするということが、みんなの力になる』と言ってくれて嬉しかった。内容に不満はあるけど、こうして勝つことができて、試合2週間前に東北に行ったことは間違っていなかったと胸を張って言える。また東北に行きたいです」と語った。
約1年ぶりの参戦となる近藤有己は、かつては同じ釜の飯を食った時期もあった窪田幸生と対戦。キャリアの長い2人だが、なぜかこれまで試合が組まれたことはなかった。全く違う道を歩いてきた2人が、パンクラス20周年を前にしてぶつかるこの試合、それぞれのファンの声援で会場が一段と熱くなる。窪田のセコンドは坂口征夫とISAO、近藤のセコンドは高橋義生と伊藤崇文。
パンチで前に出る窪田。続いてローキックを放つ。さらに入ってきた窪田に、近藤の右フックがヒット! 窪田は崩れ落ち、ダウン。レフェリーが止めた。なんと近藤の秒殺勝利! まさに"復活の兆し"。来年へさらに意欲を見せた。なお、近藤はベストKO賞を受賞した。(文/佐佐木 澪)
※簡易詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
<パンクラスゲート>
▼第1試合 フェザー級 5分2R
○深澤駿
1R4分32秒 TKO(レフェリーストップ)
●柳井康作
▼第2試合 フェザー級 5分2R
○工藤修久
2R2分54秒 チョークスリーパー→ギブアップ
●井藁誉仁
▼第3試合 ライト級 5分2R
○ベン・ブッカン
2R 0分20秒 フロントチョーク→ギブアップ
●ザビエル
▼第4試合 ミドル級 5分2R
○シバター・シュルト
1R 0分26秒 ギブアップ
●ジョシュア・ロビンソン
<本戦第1部>
▼第1試合 フライ級 5分2R
○己吏人
1R1分33秒 チョークスリーパー→ギブアップ
●石井俊光
<本戦第2部>
▼第1試合 ライト級 5分2R
○クリスMAN
2R終了 判定(3-0)
●TOSHI
▼第2試合 スーパーフライ級 5分2R
○上嶋佑紀
2R終了 判定(ジャッジ3-0)
●小林悟朗
▼第3試合 スーパーストロー級/パンクラスアテナ 5分2R
○サダエ・マヌーフ
2R2分18秒 ヒザ十字固め→ギブアップ
●紫乃ヴァンフース
▼第4試合 ウエルター級 5分2R
○レッツ豪太
2R終了 判定(ジャッジ3-0)
●草・MAX
▼第5試合 ライト級 5分2R
△岡澤弘太
2R終了 引き分け(ジャッジ0-0)
△長岡弘樹
▼第6試合 ROAD TO 植松直哉 第5戦 キャッチレスリング 無差別級 5分2R
○長谷川孝司
1R1分26秒 チョークスリーパー→ギブアップ
●田中竜一
▼第7試合 ネオブラ優勝者下克上マッチ3対3 先鋒戦 フライ級 5分3R
○阿部博之
3R終了 判定(ジャッジ3-0)
●木内崇雅
▼第8試合 ネオブラ優勝者下克上マッチ3対3 中堅戦 バンタム級 5分3R
○中島太一
2R終了 判定(ジャッジ3-0)
●滝田J太郎
▼第9試合 ネオブラ優勝者下克上マッチ3対3 大将戦 フェザー級 5分3R
○原田惟紘
1R1分48秒 TKO(レフェリーストップ)
●高藤正和
▼第10試合 ライトヘビー級 5分2R
○安西信昌
1R4分36秒 グラウンドのキック→TKO(レフェリーストップ)
●イ・ハングン
▼第11試合 スーパーフライ級 5分3R
○山本篤
3R終了 判定(ジャッジ3-0)
●古賀靖隆
▼第12試合 ライト級 5分3R
○高橋"Bancho"良明
3R終了 判定(ジャッジ3-0)
●FALO
▼第13試合 ウエルター級 5分2R
○近藤有己
1R 0分52秒 スタンドのパンチ→KO
●窪田幸生
▼第14試合 ウエルター級次期王座挑戦者決定トーナメントAブロック 5分3R
○大類宗次朗
3R終了 判定(ジャッジ3-0)
●山崎昭博
▼第15試合 フライ級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分3R
[王 者]○砂辺光久
3R終了 判定(ジャッジ3-0)
[挑戦者]●宇都木正和
※初代王者・砂辺が初防衛に成功
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