エニウェアフォールマッチということで、東西南北、後楽園ホールのあらゆる場所で両者が大乱闘を繰り広げるという大将戦の集大成。開始早々に東側の看板のあるところでコマンダンテが流血、ほどなくして堀田も流血と、まさに恐竜と怪獣の大戦争に。南側客席でさえ2巡回するほどで、フォールカウントもその場でTommyレフェリーが叩くが、暴走が止まらず最後は和田京平レフェリーまで駆り出されても、イスが飛び交う乱打戦は止まらない。
　20分を超える激闘は、堀田のチェーンが和田京平を直撃、肝心のコマンダンテの攻勢場面でカウントが叩かれない事態もあったが、最後は堀田の腕ひしぎ十字固めがガッチリと極まる。いったんは控室に逃げようとしたコマンダンテは連れ戻され、ついに髪にハサミが入れられた。

　本当のクライマックスはこのあとに勃発する。マイクを握った堀田は、いきなり「REINA解散」を宣言したのだ。大会終了後も堀田の独演会は続く。どうやら、堀田祐美子は離脱というか、退団となる模様。ただし、プロモーションは続くとのこと。新たな発表が待たれる。
　また、セミファイナルでは奇しくもREINAと同じくらいの時期に旗揚げされたワールド女子プロレス・ディアナとの対抗戦が行われた。ディアナの大会でも何度が対戦している石橋葵とSareeeの対決はド迫力なんてモンじゃない。エルボーの打ち合い合戦ひとつをとっても、お互いガツンと音が聞こえるまでハードヒットを続けるのみならず、キックボクシングを習っていたこともある石橋のサッカーボールキック以下、その破壊力はマジなのだ。
　本国でも人気急上昇のミア・イムも旗揚げ一周年記念ならいなくてはいけない次世代DIVAの筆頭格だ。もちろんエロい肢体がDIVAというだけでなく、彼女もまた本格実力派なのは国際色豊かなREINAの常連客には周知のこと。井上京子にパワー負けしてないと力ポーズをしてみせるだけでなく、ハイキックをブチ込んだり、コーナーポスト最上段の金具のところからムーンサルトで舞って魅せるなど、やがて世界がその逸材に目覚めることは間違いない。
　石橋はまた、一年でメインに抜擢されるまで成長した姿を、今回初めてREINAを見たファンにも印象付ける課題があった。普段は見せないムーンサルトを二度も井上京子に見舞ったのもその表れだろう。
　フィニッシュこそ、強烈な京子のパワーボムが石橋をマットに叩き付けたが、試合順でもセミだった意義を堪能できたカードであった。

　第1試合はどんな大会であれ重要だ。リングネーム羽沙羅から心機一転、初心に戻って奥田朱理として再登場したのが元・仙台女子プロレスの一期生である。今回はコスチュームも新調、沙耶と組んでアイスリボンのマッスルビーナスに挑んだ。タッグ歴では一日の長がある志田光＆藤本つかさ組が、連携技を次々に披露、最後は志田の魂のスリーカウントが沙耶に入っている。

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▼第1試合　奥田朱理RESTART vs アイスリボン タッグマッチ
●沙耶／奥田朱理（フリー）
13分23秒　魂のスリーカウント→片エビ固め
○志田光（アイスリボン）／藤本つかさ（アイスリボン）

▼第2試合　米国CZWから金髪美人来襲 シングルマッチ
○上林愛貴
8分40秒　ジャベ・ド・レイナ・ドス
●キンバ・リー（CZW）

▼第3試合　ルチャリブレルール 6人タッグマッチ
○下田美馬（CMLL）／Ray（アイスリボン）／中川ともか（エスオベーション）
17分48秒　タイガースープレックスホールド
●セウシス（CMLL）／ゴジャ・コング（CMLL）／ダリス・ラ・カリベーニャ（CMLL）

▼第4試合　CMLLナショナル女子選手権試合 60分3本勝負
［王　者］○プリンセス・ブランカ（CMLL）
2-1
［挑戦者］●レディ・アパッチェ（CMLL）
＜1本目＞
●ブランカ
2分14秒　変形ストレッチ
○アパッチェ
＜2本目＞
○ブランカ　
1分59秒裏　足四の字固め
●アパッチェ
＜3本目＞
○ブランカ
5分27秒　カバージョ・パルティータ
●アパッチェ
※第16代王者プリンセス・ブランカが7回目の防衛

▼第5試合　REINA vs ディアナ タッグマッチ
●石橋葵／ミア・イム（CMLL）
17分49秒　パワーボム→エビ固め
○井上京子（ディアナ）／Sareee（ディアナ）

▼第6試合　敗者髪切りストリートファイト・エニウェアフォールマッチ 時間無制限1本勝負
○堀田祐美子
20分34秒　腕ひしぎ十字固め
●ラ・コマンダンテ（CMLL）

【記事提供／REINA女子プロレス】