酒井代表が「SMASH第2章はやりません」と明言!SMASHは2年間の歴史に幕を閉じ封印!古巣に凱旋したKUSHIDAは志と夢を再確認

120314_SmashFinal-1.jpgSMASH
SMASH.FINAL
日時:3月14日(水)開始:18:30
場所:後楽園ホール
観衆:1300人(満員)

 14日、後楽園ホールで行われたSMASH『SMASH.FINAL』。今大会を持って約2年に渡って行われてきたTAJIRIプロデュースの第一章が終了となるSMASHだが、これまでのストーリーラインを2・19TDCホール『SMASH.25』で完結させたため、今大会はボーナストラック的な大会となった。

 メインではこれまでSMASHを引っ張ってきたTAJIRIとAKIRAが、この2年間良きライバルとして競い合ってきたスターバック&大原はじめのFCF師弟コンビと対戦。ラジ李にとってこの一戦は、1つの終わりであると同時に、2・19『SMASH.25』でTAJIRIを下した"恐怖の大王"デーブ・フィンレーが残した「Keep wrestling classic」という謎かけの答えを探す旅のはじまりでもあるという。
 4者ともまさしくクラシックスタイルのレスリングを展開。足なら足、首なら首を様々な攻撃を駆使して集中的に攻めていく。SMASH組は大原の左足、FCF軍はAKIRAの首狙い。FCF軍の集中攻撃を耐え抜いたAKIRAがTAJIRIにようやくタッチすると、TAJIRIはスターバックに怒濤のハイキックを連打。さらにタランチュラに捕らえると、エプロンから大原がカットしようとするが、TAJIRIはトラースキックで蹴落とし、リングに戻ってスターバックにハンドスプリングエルボー。
 だが、TAJIRIのバズソーキックをかわしたスターバックは一気に必殺のパイルドライバーの体勢に。ここで地震が発生し、場内がザワつきはじめるが、試合は続行。AKIRAがパイルドライバーをカットしてミサイルキックを発射。さらに渾身のオールド・ボーイでスターバックを絞め上げる。どうにかTAJIRIを振り切った大原がカットに入り、さらに大原は変型のゴリースペシャルから必殺のムイ・ビエンを決めていく。
 今度はスターバックを振り切ったTAJIRIがカットに入るが、大原はなおもAKIRAにフィンランド式フォアアームを叩き込むが、またもカウント2でTAJIRIがカット。TAJIRIはさらにスターバックにバズソーキック。そのTAJIRIを大原が投げ捨てジャーマンで投げるが、AKIRAは大原に延髄蹴りからムササビプレス。するとスターバックはAKIRAをパイルドライバーで叩き付けていき、4者がダウン!
 立ち上がったTAJIRIとスターバックが場外に雪崩れ込んでやり合っていると、その間にリング上では大原のフィンランド式フォアアームに対し、AKIRAは寝転んだ状態からのフロントキックを大原の肘に叩き込んで迎撃! そこにTAJIRIが戻ってきてニールキックをお見舞いすると、続けてAKIRAがシャイニング・ウィザード。そして必殺のムササビプレスを投下して3カウントを奪った。

120314_SmashFinal-2.jpg 試合後、全選手がリングに上がると、2・19『SMASH.25』でフィンレーが残していったSMASH王座のベルトと、朱里が保持しているSMASHディーバ王座のベルトをジュラルミンケースの中に戻して"封印"。そしてTAJIRIが「今日で2年間続いたTAJIRIのSMASHは最後になります。いままで本当にありがとうございました」と挨拶し、全選手が四方を向いて一礼すると、場内からは「We are SMASH」コールが起こった。
 その後、1人リングに残ったTAJIRIは故ビクター・キニョネス氏の遺影を手に「いまこの瞬間、SMASHは過去のものになりました。このSMASHをどうするか酒井代表から発表があります」と言ってリングに上がった酒井代表と最後の握手を交わしたTAJIRIはSMASHのリングに別れを告げた。
 酒井代表は「SMASH第2章を私なりに考えました。今日のTAJIRIさんのコメントにありましたように、またここにSMASHという舞台が戻って来る場になるのかな、選手が戻ってくる場を用意しないといけないのかなと思います。TAJIRIさんも4月から新たなステージを目指すということなので、私もよく考えてSMASHの第2章はやりません! SMASH自体を封印します」と発表。つまり「SMASHの世界観はTAJIRIありき」と改めて思った酒井代表は、いずれSMASHの選手たちが同窓会的に戻ってくることが出来るように、SMASH第1章終了=SMASHの永久封印し、今後第2章をやることはないという。
 インタビュースペースではSMASHに別れを告げたAKIRAが「あとどれだけ出来るか知らないけど、とにかくこのTAJIRIについて一緒に盛り上げていきてぇなと。理想のプロレス団体作りたいですね」と語ると、TAJIRIは「そりゃ生きてく上で、食っていかなきゃいけないからそういうのも(=経営)大切なんですけど、それも踏まえつつ、文化としてプロレスを残したいんですよね。僕はそういうことをやりたいんですよ」と語り、新団体設立が決まったらちゃんとした場で発表すると語った。
 一方の酒井代表は株式会社スマッシュとして、天龍プロジェクトの後楽園ホールを全面サポートすることと、SMASHに代わる新しいプロレスブランドを立ち上がることを示唆。すでに動きており、近いうちに何らかの発表が出来るという。さらに株式会社スマッシュの総合格闘技部門に関しても、4月中には何らかの発表があるという。

120314_SmashFinal-3.jpg セミでは昨年SMASHから新日本プロレスに円満移籍したKUSHIDAが、約1年ぶりに古巣に凱旋。FINAL興行に華を添えることになったKUSHIDAだが、デビュー前からプロレスのいろはを教えてくれた先輩であるKUSHIDAとの対戦を熱望した児玉ユースケと対戦した。
 この一戦をコールするため、産休中だったSMASH初代リングアナのSUNAHOさんが身重な体で登場し、両選手をSUNAHO節で呼び込んだ。リングインしたKUSHIDAは故郷のリングを懐かしむように、試合開始のゴングが鳴ったあともしばらくリングに大の字に寝転んだ。
 試合はじっくりとしたグラウンドで試合はスタートしたが、この攻防はKUSHIDAが圧倒的に優勢。キャリアはもちろんだが、メジャー団体でみっちり揉まれている重みを感じる。さらに気合いもろともボディスラム2連発で叩き付けてその場飛びムーンサルトを落としたKUSHIDAはそこから執拗なスリーパーへ。
 これをバックドロップで脱出した児玉はドロップキックでKUSHIDAを場外に追いやると、ノータッチトペコンを発射。さらにリングに戻るとクロスボディ、ゼロ戦キック、トラースキックと一気呵成に攻め込んでいくが、2度目のバックドロップをKUSHIDAは9469で切り返そうとする。だが、逆にオクラホマロールで丸め込んだ児玉は、そこから立ち上がって延髄蹴り。
 だが、児玉のミサイルキックを自爆させたKUSHIDAは今度こそ9469に捕らえる。どうにかロープに逃れた児玉は、まだ余裕があるKUSHIDAに対してヘッドシザースで飛び付いてからスイングDDT。さらにその場跳びゼロ戦キックをお見舞い。段々と余裕でなくなってきたKUSHIDAだが、カウンターのエルボーでなぎ倒すと、延髄蹴りで前屈みにさせた児玉を思い切り下から蹴り上げる。そこからSMASH旗揚げ戦で初公開し、大原から3カウントを奪った思い入れのあるミッドナイトエキスプレスを決めて3カウント。
 インタビュースペースでKUSHIDAは最初のグラウンドの攻防でスタミナが切れかかっていた児玉に対し、「新日本のヤングライオンのほうが何十倍も訓練を積んでいるから、そっちのほうが手応えがある」と厳しい発言。しかし「児玉は新日本のヤングライオンでできない経験をこの一年でたっぷりしてると思うので、そこは自分の武器になる。今後頭を切り替えて、頑張って欲しいですね」と後輩にエールを送った。そして最初で最後の古巣凱旋となったが、「カナダから帰国した時にいきなり『WWEに行きたい』とか言いましたね。すげー青臭いなと思ったんですけど、その夢1つもブレてない! CMLLだって、TNAだって俺は行きたい! そしてベルトを巻きたい。世界をまたにかけて活躍したい。もちろんその中に新日本プロレスっていう世界で一番厳しい道場持ってますからね。プロレス界のチャンピオンであるニュージャパンのチャンピオンになりたいですね。今日は1年ぶりに上がって、そこの自分の志・夢を再確認した。再確認できていい風にまた新日本プロレスに還元できるかなと。1年ぶりにやってみて俺、超強くなってると思いましたね」と充実した表情で語った。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 タッグマッチ 時間無制限1本勝負
○木藤拓也(フリー)/紫雷美央(フリー/トリプルテイルズ.S)
10分8秒 バルス→片エビ固め
●土肥孝司/雫あき(お寺プロレス)

▼第2試合 6人タッグマッチ 時間無制限1本勝負
○矢郷良明(フリー)/中川ともか(エスオベーション)/ジョシュ・オブライエン
11分47秒 殺人コブラツイスト
田島久丸(ドラディション)/真琴/●黒潮二郎

▼第3試合 タッグマッチ 時間無制限1本勝負
朱里/●Mentallo
8分59秒 アサイDDT→体固め
華名(フリー/トリプルテイルズ.S)/○ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)

▼第4試合 ハンディキャップマッチ 時間無制限1本勝負
●マイケル・コバック
7分13秒 ムーンサルトプレス→体固め
キム・ナンプン/○リン・バイロン
※特別レフェリー:"地獄のインチキレフェリー"R・R

▼第5試合 シングルマッチ 時間無制限1本勝負
●児玉ユースケ
16分42秒 ミッドナイト・エクスプレス→体固め
○KUSHIDA(新日本プロレス)

▼第6試合 The FINAL SMASH Match 時間無制限1本勝負
TAJIRI/○AKIRA(フリー)
25分50秒 ムササビプレス→片エビ固め
スターバック(FCF)/●大原はじめ(FCF)

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