リングス10年ぶりの再始動大会で、総合デビュー戦を行った小比類巻は完敗!V・ハンが12月に日本で引退試合をすると発表!
FIGHTING NETWORK RINGS
RINGS〜reincarnation 再臨〜
日時:3月9日(金)開始:18:00
場所:後楽園ホール
観衆:1972人(超満員)
9日、後楽園ホールで行われたFIGHTING NETWORK RINGS『RINGS〜reincarnation 再臨〜』。2002年に日本での活動を休止した"格闘王"前田日明が主宰するリングスが、約10年ぶりに再始動。
リングスといえばエメリヤーエンコ・ヒョードルをはじめとするヘビー級が有名だが、まず日本人軽量級が中心となった今大会。その中でも目玉はK-1 WORLD MAX日本代表決定トーナメントで2004、2005、2009と3度優勝している小比類巻太信の総合デビュー戦。
大山峻護絶賛の格闘センスとK-1出身らしい打撃でどこまでやれるか注目されたが、試合開始直後に相手のリングスUKのリー・ハスデル代表の秘蔵っ子ベン・アボットが、パンチをフェイントに鋭いタックルを決め、あっさりテイクダウンを奪う。そこからマウントを取ったアボットは一気にマウントパンチで仕留めにかかるが、小比類巻も何とか身体を動かし、アボットの股下から抜け出そうとする。
しかし、そこを逃がさなかったアボットはスリーパーで捕獲。バックマウントからスリーパーを決められた小比類巻はそのままなす術なく、胴絞めでがっちりとホールドされてタップ。総合デビュー戦は何も出来ないまま、わずか82秒で一本負けという悔しい結果に終わったが、大会終了後小比類巻は「いままで70kgで戦ってきたので、77kgの差っていうのをすごく感じました」と語ると、まだショックのあまりすぐにでも第2戦をという気持ちにはなっていないと語った。
再始動戦のメインを飾ったのは、第一次リングスで活躍したのち、UFCやZSTにも参戦したリングス・オーストラリアのクリストファー・ヘイズマンと、ロシアの新星コバレフ・ゲナジーの一戦。
42歳となったヘイズマンだが、その身体はいまだに衰えていない。いかにも重そうなローを積極的に打っていったヘイズマンだが、バックスピンキックをかわしたコバレフは一気に突進。バランスを崩しながらもコバレフの左足を抱え込み、慎重にテイクダウンしたヘイズマンだが、パスガードしようとしたところをコバレフがスイープ。下になったヘイズマンはうまくコバレフを抱え込みブレイクを待った。
コバレフのパンチのラッシュをタックルで回避したヘイズマンに、コバレフは低い姿勢からパンチで飛び込むが、紙一重でかわしたヘイズマン。なおもタックルを狙った破イズマンだが、ガブったコバレフはスピンニングチョークへ。これは極まらず2Rへ。
ジワジワとプレッシャーをかけてヘイズマンにコーナーを背負わせたコバレフは、一気にパンチのラッシュ。何とかコーナーから脱出したヘイズマンだったが、コバレフは反対側のコーナーまで追い詰め、ヘイズマンがパンチを浴びて尻餅をつくようにダウン。そこにコバレフがさらにパンチを連打していったところで、レフェリーが試合をストップ。さすがのヘイズマンも第一次リングス時代のような驚異的な粘りを見せることは出来なかった。
『THE OUTSIDER』からは初代70-75kg王者となった伊澤寿人、さらに初代60-65kg王者の幕大輔、60-65kgトーナメント準優勝の渡辺竜也が出場。中でも伊澤はアウトサイダーvs.ロシアの対抗戦で驚異的な強さを発揮したクラット・ピターリと対戦。ストップ・ザ・ロシアが期待された。
ジャブを出していく伊澤に対し、フックで飛び込んでいくピターリ。ガードをしっかり固める伊澤だが、ピターリはガードの上から左右のパンチを叩き込むと、ガラ空きだったボディにミドルキック。さらにボディブローやヒザも出していくと、伊澤のガードが下がる。すかさず左右のパンチを連打していくピターリだが、伊澤は何とかガードを固めて耐え凌ぐ。
しかし、そこにピターリが思い切り踏み込んでの狙い澄ましたボディブローが突き刺さり、伊澤はうずくまるようにダウン! ここでレフェリーが試合をストップ! ピターリは初代70-75kg王者にもほとんど何もさせず圧勝。第1試合に出場したキリーフ・コンスタンティン、メインでヘイズマンを倒したコバレフと、ロシア勢は3人出場して3人とも勝利。改めてロシア勢の強さを証明した。
前田日明代表は大会終了後、この日第一次リングスに参戦した経験があり、DEEPでは初代ミドル級王者にもなった上山龍紀と対戦し、いきなりタックルでテイクダウンしてからヒールホールドを狙い、これを逃げられると左右の連打で上山の顔面を大きく腫らせて勝利した"ZSTのエース"小谷直之を、5・27『BATTLE GENESIS vol.10』でロシア勢に当てると明言した。
リングス再始動ということで、休憩明けにはスクリーンでリングスUKのリー・ハス、リングス・リトアニアのドナタス・シマネイティス、そしてリングス・オランダのクリス・ドールマンから激励のメッセージVTRが流れたあと、『SCEOND RENDEZ VOUS』に乗ってヴォルク・ハンが登場!
大歓声の中、笑顔でリングに上がり前田代表とガッチリ握手を交わし、亡くなったロシアン・ トップチームの代表ウラジミール・パコージン氏の遺影を持ってきたハンは「1つ報告があります。昨日マエダさんと決めたのですが、12月に日本で引退試合をすることになりました」と発表。12月に横浜文化体育館でTHE OUTSIDERとリングスの合同興行という形でビッグマッチを開催し、そこでハンにはエスケープありの"旧リングスルール"による10分1本勝負くらい引退試合を予定しているという。
さらにリングス再始動と共に日本コマンドサンボ連盟も復活することになり、ハンはそこでコマンドサンボのセミナーを開くため、今後も何度か日本に来ることを約束。その上で「いつもリングスからとても素晴らしい選手が羽ばたいていっていることに、マエダさんに感謝したい。これまで以上に強い選手をリングスに連れてきたいです」と、第2、第3のヒョードルを連れてきたり、育てていくという。
前田代表も大会終了後、「リングスは選手を育てる場所なんですよね。完成型の選手をバーンとぶつけて、壊れました、バイバイってところじゃないんですよ。何回も何回も使って、いろいろとマッチメイクを変えて育てていく場所なんです。リングス自体はいろいろな意味で格闘技界の伝説を作っていく場所なんです......という風に、全人格・全人生をかけて頑張ります」と力強く宣言。
再始動一発目の今大会を「60点」と採点した前田代表だが、リングスを再始動させるに辺り、"真のプロフェッショナルとは何か"をテーマの1つに掲げていた。大会エンディングでも「選手それぞれは頑張っていると思うんですけど、自分なんかから見ると、もう1つプロフェッショナルとは何か、リングに選ばれた者はどういう試合をすべきか、そういうことが分かっていない選手が多いと思えます。リングスはそういう選手の見本となるような、伝説を刻んでいくような選手を率先して育てていきたいと思います」と挨拶。第二次リングスでは世界最強の男を決めると共に、真のプロフェッショナルも追求していく模様。最後は『キャプチュード』が流れる中、「前田」コールが聖地を包んだ。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼オープニングマッチ 第1試合 契約体重61kg
○佐藤美朗(フリー)
1R 1分57秒 KO
●須藤和哉(D2)
▼オープニングマッチ 第2試合 契約体重65kg
○比夏瑠(フリー)
1R 12秒 KO
●和田正勝(フリー)
▼オープニングマッチ 第3試合 契約体重80kg
△菱沼郷(ハイブリットレスリング山田道場)
判定1-0 ドロー
△秋田智哉(総合格闘技move)
▼第1試合 新リングスルール 5分2R 契約体重71kg
●上田厚志(骨法烏合会矢野卓見道場)
1R 1分11秒 KO
○キリーフ・コンスタンティン(ロシア)
▼第2試合 新リングスルール 5分2R 契約体重77kg
ーブレンダン・オレイリー(リングス・オーストラリア)
1R 2分51秒 ノーコンテスト ※ブレンダンのバッティングによる流血のため
ー高橋圭典(マッハ道場)
▼第3試合 新リングスルール 5分2R 契約体重65kg
●幕大輔(マッハ道場/RINGS)
1R 3分38秒 チョークスリーパー→レフェリーストップ
○清水俊裕(宇留野道場)
▼第4試合 新リングスルール 5分2R 契約体重55kg
●渡辺竜也(MAX GYM/RINGS)
1R 1分1秒 チョークスリーパー→レフェリーストップ
○矢島雄一郎(禅道会新宿道場/チームZST)
▼第5試合 新リングスルール 5分2R 契約体重62kg
●ジャレット・オーウェン(リングス・オーストラリア)
1R 2分7秒 ヒールホールド
○伊藤健一(フリー)
▼第6試合 新リングスルール 5分2R 契約体重73kg
●伊澤寿人(和神会/RINGS)
1R 2分32秒 ボディブロー→KO
○クラット・ピターリ(ロシア)
▼第7試合 新リングスルール 5分2R 契約体重70.3kg
○小谷直之(ロデオスタイル/チームZST)
1R 1分41秒 レフェリーストップ ※上山の流血が止まらないため
●上山龍紀(U-SPIRIT JAPAN町田)
▼第8試合 新リングスルール 5分2R 契約体重77kg
●小比類巻太信(小比類巻道場)
1R 1分22秒 スリーパーホールド
○ベン・アボット(リングスUK)
▼第9試合 新リングスルール 5分2R 契約体重90kg
クリストファー・ヘイズマン(リングス・オーストラリア)
2R 0分28秒 パンチ連打→レフェリーストップ
コバレフ・ゲナジー(ロシア)
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