UFC11年ぶりの日本大会でライト級王座が移動!五味、日沖、福田、ハントが勝利する一方、秋山、KID、ランペイジらが敗れる
Zuffa, LLC
UFC 144:EDGAR vs. HENDERSON
日時:2月26日(日)開始:10:00
場所:さいたまスーパーアリーナ
26日、さいたまスーパーアリーナで2000年以来、約11年ぶりに開催された『UFC』の日本大会『UFC 144:EDGAR vs. HENDERSON』。メインではBJペンからライト級王座を奪取し、再戦にも勝利、さらにグレイ・メイナードにも連勝したフランク・エドガーが、MMA界のレジェンドであるホイス・グレイシーの孫弟子にあたるベンヘン・ヘンダーソンを相手に防衛戦を行った。
開始早々エドガーはヘンダーソンのローをキャッチするが、ヘンダーソンはつかまれた反対側の足で延髄斬り! だが、これはエドガーが避ける。ヘンダーソンのハイキックにローを合わせたエドガー。ヘンダーソンはそれでも何度も蹴りを放つが、エドガーがそれを受け止めタックルで倒す。2Rでもエドガーはヘンダーソンの蹴りをキャッチするが、1R同様あまり深追いはしない。それでもエドガーはまるでスピアーのような鋭いタックルでヘンダーソンからテークダウンを奪ったが、ヘンダーソンが下から蹴り上げるとエドガーは鼻から大出血!
3R、打撃戦ではエドガーが優勢。ヘンダーソンもエドガーの右ミドルをキャッチしてテークダウンを奪いグラウンドへ。しかしエドガーはすぐに逃れて立ち上がる。その後、エドガーもタックルでテークダウンを奪うがここで3R終了。4R、ローやジャブの応酬の中、ヘンダーソンのローが股間に誤爆。インターバルが取られた後、再開されるが両者決め手にかける展開。するとエドガーのタックルをはヘンダーソンはフロントチョークで切り返す。エドガーは脱出してみせたが、その後タックルを狙ってもなかなかテークダウンが奪えない。
最終R、ヘンダーソンが右ミドルを蹴っていくと、これをエドガーにつかまれるが左ストレートで突き離す。エドガーはタックルを放つも倒せず。しかしジャブから左フックを当て、ヘンダーソンがそれに応じようとパンチを放ったところをエドガーは組みついてバックを取る。再度エドガーはヘンダーソンのミドルをキャッチ。距離をとったヘンダーソンは蹴っていくが、またも右ミドルをキャッチされる。それでも二段蹴り式の飛びヒザからフロントチョークで捻り上げたヘンダーソンが、上になって殴っていったところで試合終了。
結果、0-3の判定でヘンダーソンが勝利し、ライト級が王座したところで日本大会は締めくくられた。
日本大会ということで、日本人選手が9人も出場する中、タイソン・グリフィンにはKO勝ちしたものの、現在UFCでは1勝3敗と黒星が先行している五味隆典は、当初対戦予定だったジョージ・ソティロポウロスが負傷欠場となったため、急遽代打に抜擢された光岡映二と、今大会唯一の日本人対決を行った。
タックルでのテイクダウンを狙う光岡に対し、五味はパンチを合わせて迎撃。金網まで追い詰め、左右のパンチを叩き込む。しかし光岡はカウンターの右フックを叩き込み、五ぬがガクッと崩れたところですかさず三角絞めに捕らえたが、惜しくも1R終了のゴング! 2Rは激しい打ち合いに。ジリジリと金網まで下がった光岡はタックルを仕掛けるが、五味はヒザで迎撃。そして金網を背負った光岡にパンチでラッシュ!
何とかタックルでテークダウンしてピンチを逃れたい光岡だが、五味はパンチを止めず、さらにバックサイドに回りパンチを連打。ここでレフェリーが試合をストップし、五味がUFC日本大会で待望の"スカ勝ち"をしてみせた。
五味のほかに昨年10月のUFCデビュー戦は判定ながら白星で飾った元SRC(戦極)フェザー級王者の日沖発もタイソン・グリフィンを破ったバート・パラゼウスキーに判定勝ち。WJプロレス時代の師である長州力の入場テーマ『パワーホール』で入場してファンを喜ばせた福田力もスティーブ・キャントウェルに判定勝ち。さらに第1試合では田村一聖がジャン・タイクァンを見事にKOしてみせた。
だが、その一方で階級をウェルター級に落とした秋山成勲は、ジェイク・シールズに判定負け。昨年夏、アンデウソン・シウバのミドル級王座に挑戦したものの、惜しくも敗れた岡見勇信もこの試合が再起戦だったが、ティム・ボッシュにTKO負け。さらに水垣偉弥もクリス・カリアーゾに判定負け。山本"KID"徳郁はヴァウアン・リーの腕十字で逆転負けを喫してしまった。
日本のファンにも馴染み深いクイントン・"ランペイジ"・ジャクソンはノゲイラ兄弟の弟アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラを破っている新星ライアン・ベイダーと対戦。自ら「これが日本で最後の試合になるかもしれない」と肩っていたが、前日計量ではまさかの6ポンド(2.7kg)オーバーという大失態をやってしまったが、『PRIDE』のテーマ曲で入場し、場内は一気にヒートアップ! 涙を流す観客もいたほどだ。だが、試合ではベイダーのヒザ蹴りを受け止めてボディスラム気味のバスターで叩き付けるなど"らしい"場面を見せたが、0-3の判定負けとなってしまった。
一方、同じく日本に凱旋という形になった元K-1 WORLD GP王者にして、その後PRIDEなどで総合にも挑戦してきたマーク・ハントは、UFCに参戦してからはメキメキとMMAファイターとして成長しているだけに楽しみにしていたファンも多かっただろう。
元ヘビー級王者のケイン・ベラスケスを相手に唯一判定決着まで持ち込んだ実績を持つシェイク・コンゴとの対戦だったが、ハントは得意のサモアンフックで今後にプレッシャーを与えていくと、構わず前に出て来た今後に左フックを叩き込んでダウンを奪う。さらに立ち上がってきたコンゴに右フックを叩き込み、フラついて金網を背にしたコンゴに右フック、右アッパーの連打! ダウンしたコンゴにトドメを刺そうとパウンドを打っていったところでレフェリーが試合をストップし、1RTKO勝ちを収め日本のファンを喜ばせた。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼第1試合 フェザー級 5分3R
○田村一聖(KRAZY BEE)
2R 32秒 KO
●ジャン・タイクァン(中国)
▼第2試合 バンタム級 5分3R
●水垣偉弥(シューティングジム八景)
判定0-3
○クリス・カリアーゾ(アメリカ)
▼第3試合 ミドル級 5分3R
○福田力(GRABAKA)
判定3-0
●スティーブ・キャントウェル(アメリカ)
▼第4試合 バンタム級 5分3R
●山本"KID"徳郁(KRAZY BEE)
1R 4分29秒 腕十字
○ヴァウアン・リー(イギリス)
▼第5試合 ライト級 5分3R
○五味隆典(久我山ラスカルジム)
2R 2分21秒 TKO
●光岡映二 (フリー)
▼第6試合 ライト級 5分3R
○アンソニー・ペティス(アメリカ)
1R 1分21秒 KO
●ジョー・ローゾン(アメリカ)
▼第7試合 フェザー級 5分3R
○日沖発(ALIVE)
判定3-0
●バート・パラゼウスキー(アメリカ)
▼第8試合 ミドル級 5分3R
●岡見勇信(和術慧舟會東京本部)
3R 54秒 TKO
○ティム・ボーシュ(アメリカ)
▼第9試合 ウェルター級 5分3R
○ジェイク・シールズ(アメリカ)
判定3-0
●秋山成勲(チーム・クラウド)
▼第10試合 ヘビー級 5分3R
○マーク・ハント(ニュージーランド)
1R 2分11秒 TKO
●シーク・コンゴ(フランス)
▼第11試合 ライトヘビー級 5分3R
●ランペイジ・ジャクソン(アメリカ)
判定0-3
○ライアン・ベイダー(アメリカ)
▼第12試合 ライト級タイトルマッチ 5分5R
[王 者]●フランク・エドガー(アメリカ)
判定0-3
[挑戦者]○ベンソン・ヘンダーソン(アメリカ)
※エドガーが王座防衛に失敗。ヘンダーソンが新王者となる
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