アントンと殴り合い、30分を超す死闘によりマッスルの亡霊を払拭したはずだったディーノ。だが、後楽園にマッスルの亡霊現る!
DDTプロレスリング
Into The Fight 2012
日時:2月19日(日)開始:18:30
場所:後楽園ホール
観衆:1408人(超満員)
19日、後楽園ホールで行われたDDTプロレスリング『Into The Fight 2012』。2012年最初の後楽園大会となった1・29で王者KUDOを秘密兵器・男色トルネードで下し、KO-D無差別級王座を奪取した男色ディーノ。するとディーノはこれまでの両国大会ではイロモノである自分はゲストと対戦してきたが、8月の日本武道館大会ではイロモノである自分がメインに立つと宣言。男色元年幕開けの一発目として、かつて武道館進出を目指していた『マッスル』の亡霊を破壊する意味も込めて、初防衛の相手にアントーニオ本多を指名! 逆にアントンは初めてディーノと出会った10年前から、ずっと先を走って輝いていたディーノに、ついに追いつき追い越すチャンスが巡ってきた。
煽りVの中では、ディーノと鶴見亜門GMの目の前に神様と名乗る謎の老人が登場。「19日の後楽園で奇跡を起こしてやろう。お前達は希望を持っているか? お前たちの力で変えていくのだ」と告げたその神の声は、『マッスル』の名がリングネームに付いたあの男によく似ていた......。また、「神様はいると思う?」という質問に対し、アントンは「いないと思いますね」と答え、ディーノは「いると思う」と答えた。
試合はじっくりとした立ち上がりからディーノがアントンのタイツをTバック状態にするなどの男色殺法を繰り出す。だが、アントンは場外戦で鉄製の仕切り板にディーノの右腕を叩き付けていく。さらにその後、エプロンでディーノが男色ドライバーを狙ったところをアントンがリバースで切り返すと、ディーノは右腕を床に強打してさらなるダメージを負ってしまう。テンションが上がっていったアントンは鉄柱にディーノを叩き付けて額を叩き割ると、コーナーのターンバックルカバーを外し、剥き出しになった金具にディーノの右腕を叩き付ける。
だが、ディーノもアントンに卍固めを決めさせず、予告付きDDTもコーナーに押し込んで防御すると、突進してくるアントンをカニ挟みで倒して頭からコーナーの金具に激突させる。これでアントンも額から大流血! そこからディーノは左腕でパンチを叩き込んでいくが、アントンもディーノの右腕にしがみつくとエルボーを落とし、もう一度卍固めを狙う。これも防御したディーノは垂直落下式ブレーンバスター。さらに男色ペディグリーからリバースエビ反りジャンプを完璧に決めた。
これをカウント1で返したアントンは殴り合いからダスティンをお見舞いすると、DDTからダイビング・フィストドロップの必勝パターン。だが、足を上げて迎撃したディーノは渾身のリップロック! するとアントンは、これを秘密兵器アナコンダバイスで切り返す。リング中央でガッチリ決まったが、ディーノはなおもアントンの唇を奪い体勢を入れて脱出! しかしアントンはナックルパートから延髄斬りを叩き込むと、奥の手ドラゴンスープレックス!
これも返したディーノに対し、アントンはかつてGENTAROを破りKO-D無差別級暫定王者になったときのフィニッシュホールドである卍固めを狙うが、これも決めさせなかったディーノはゲイ道クラッチで切り返す。カウント2で返したアントンに対し、グーパンチでディーノが殴りかかると、そこからは両者ひたすら殴り合い! すでに試合は30分を超しているのに、拳でド突き合った両者はお互いにもたれ掛かるようにマットにヒザをついて動かない。だが、そこから先に立ち上がったディーノが渾身のゴッチ式男色ドライバーで叩き付けていって3カウントを奪った!
ベルトを抱きしめるディーノに鶴見亜門GMが「どうなんだ、マッスルの亡霊。破壊出来たのか? マッスルを振り払うことは出来たのか?」と尋ねると、ディーノは笑顔で「実はアントンと殴り合っているうちにそんなことどうでもよくなっちゃった。でも一生懸命殴り合うことがこんなに気持ちいいなんて。アントンと、いまここにいる人たちと会話出来ただけで、そんなことどうでもよくなっていたのよ」と答えた。
後ろを振り返らず、前だけを見るというディーノは「私、やりたいことまだまだやるわよ。次に殴り合いたいのは佐藤光留!」と王者自ら次期挑戦者に佐藤光留を指名! リングに上がった光留は「ゲイにヤリたいって言われて断る理由はねぇよ!」と受けて立つ構えを見せるが、あくまでも自分が闘いたいのは男色ディーノであり、ほもいろクローバーZのディーノではないと強調し「言っておくけど、楽しい殴り合いなんてさせないよ」と吐き捨てた。この結果、3・11後楽園大会でディーノvs.光留のKO-D無差別級戦が決定!
光留が去って後、「これはGMとしてではなく、鶴見亜門個人として聞きたいんだけど」と前置きしてから亜門さんが再びディーノに『マッスル』の亡霊は払拭できたのを尋ねると、何と入場ゲートの辺りにマッスル坂井こと坂井良宏さん(引退)によく似た"マッスルの亡霊"が現れる!
しかし、この亡霊客席が騒然となっている点から観客には見えているようだが、リングに上がってもディーノと亜門さんはまったく触れない点から、リング上の2人には見えていない模様。さらに高木三四郎大社長も登場し、「オイ、何時だと思ってんだ、この野郎! 延長だ、この野郎!(※すでに22時を経過)。なんだよマッスルって! ダメダメ! マッスルなんかやらせない、絶対にダメだから! 何がマッスルの亡霊だ、いいトシして。なんでか分かるか? マッスルって時間が読めないんだよ。今日だってマッスルがちょっとでも関わってくるとコレだよ」と、何だかんだ言ってもいまだに『マッスル』に対してモヤモヤしているディーノと亜門さんを一喝!
だが、大社長は「もし仮に武道館とかでやりたいとか思っているなら、そんなの絶対にやらせない。本戦にマッスルを組む込んだから何時になるか分からないだろ! だからマッスル、8月18日武道館のダークマッチでやれよ!」と言い出す。何と8・18DDT日本武道館大会の開場時間である14時30分から、本戦が始まる16時までを"マッスル提供時間"というダークマッチにすることを発表!
それを聞いて念願だった"武道館でのマッスル"をやる気になったディーノと亜門さんは、遠い新潟にいるマッスル坂井改め坂井良宏さん(引退)は忙しくて来られないだろうからと気を使って「俺ら頑張るから! お前抜きで」と叫んだ。その様子を坂井さん似の"マッスルの亡霊"はただただ見ていたのだが、最後に亜門さんが「今日マッスルというキーワードを聞いて来た方もいると思いますけど、マッスルはDDTの中で生きてますんで。そして武道館でマッスルを体感してください」と言うと、ディーノ、亜門さん、観客と共に"マッスルの亡霊"も「スリー、ツー、ワン、マッスル! マッスル!」とポーズを決め、久しぶりに後楽園ホールにPENPALS『LONELY DAYS』が流れた。
抗争が激化する鶴見亜門GMの体制側と、高木三四郎率いる反体制側。高木は今大会に「反体制と言えばこの人!」ということで、かつて反選手会同盟(平成維震軍)として暴れ回った越中詩郎と青柳政司を助っ人として招聘。すると体制側の松永智充は元ブロンドアウトローズのヒロ斉藤を招聘し、タッグを組むメンバーも金髪&リングネームをカタカナ+苗字に統一した。
『SAMURAI』に乗って登場した反体制側は「覇」の旗を振り、高木と高尾も白袴姿! 対する体制側も『はげ山の一夜』に乗って入場。いきなり激しい場外乱闘で試合開始すると、松永が執拗に越中を挑発。石井も高尾に対して手首のテーピングを使ってチョーク攻撃をお見舞いするなど、どちらが反体制なのか分からないようなラフファイト。さらに両陣営とも相手選手がロープに飛んだところで場外から足をすくい合うなど、かなりいがみ合った試合展開となったが、最後は高木のgo2sleepから越中がダイビング・ヒップアタックをお見舞い。グロッキー状態の松永に、最後は高尾がクネクネしながらボマイェを叩き込んで3カウントを奪って、反体制側の勝利!
すると反体制側の高木と高尾は、この日ほもいろクローバーZの大石真翔&井上雅央組を下してKO-Dタッグ王座防衛に成功したCrying Wolfのヤス・ウラノ&火野裕士に、鶴見GMが「ウラノさん、防衛おめでとうございます。いい誕生日になりましたね」と声を掛けたところに現れ、「オイ、Crying Wolf、テメーら体制派だな! オイ、亜門! いまお前らコイツらおめでとうございますって言ったよな? ふざけるんじゃねぇぞ。おめでとうございますってことはお前がコイツらとデキてるってことじゃねぇか! 次から次へと強敵を俺たちに当てやがって!」と言いがかりを付ける。
高尾君も高木の言葉を見事にオウム返ししてみせると、高木は「コイツらのタッグタイトルに挑戦させろ!」と要求。これにはGMもバカ負けし、3・11後楽園大会で高木&高尾のKO-Dタッグ挑戦を認めた。
また、この日は入江茂弘がケニー・オメガが現在保持している世界ジュニア・ヘビー級王座への挑戦を表明。しかしGMから「入江君、世界ジュニアのベルトは全日本さんの管轄だから、僕に言われても困るんだよ。それに(ケニーは)3月20日(全日本の両国大会で近藤修司)に防衛したらここで防衛したいって言ってんだから、(3月)11日(DDT後楽園大会)は無理だよ! というか、世界ジュニアの体重制限は105kgだよ。キミ、いま何kgあるの?」と言われると「115kg」と告白!
だが、どうしても世界ジュニア王座に挑戦したい入江は10kg減量することを約束。GMもその心意気を買って、ケニーが近藤に防衛したら4・1DDT後楽園大会で入江がケニーに挑戦できるように全日本側にお願いするし、万が一ケニーが3・20両国で王座陥落しても、4・1の時点での世界ジュニア王座に挑戦できるようにすることを約束した。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○セクシー・エディ/矢野啓太(WALLABEE)
11分56秒 セックス・オン・ザ・ビーチ→片エビ固め
入江茂弘(チームでら)/●DJニラ(在野)
▼第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
○マサ高梨/藤本つかさ(アイスリボン)/唯我(フリー)
8分11秒 首固め
彰人(スポルティーバ)/●福田洋(ユニオンプロレス)/みなみ飛香(アイスリボン)
▼第3試合 体制派vs.反体制派 30分1本勝負
[反体制派]高木三四郎/○高尾蒼馬/越中詩郎(フリー)/青柳政司(誠心会館)
10分2秒 ボマイェ→片エビ固め
[体 制 側]ヒロ斉藤(ドラディション)/●トモ松永/ケイ石井/ホシ誕期
▼第4試合 目指せ!プロレス大賞ベストタッグ 30分1本勝負
●中澤マイケル/佐藤光留(パンクラスMISSION)
13分2秒 ゴーレムスプラッシュ→片エビ固め
関本大介(大日本プロレス)/○岡林裕二(大日本プロレス)
▼第5試合 KO-Dタッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]○ヤス・ウラノ/火野裕士(K-DOJO)
16分59秒 ツームストン・パイルドライバー→体固め
[挑戦者組]●大石真翔/井上雅央(フリー)
※第41代王者組Crying Wolfが3度目の防衛に成功
▼第6試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
ケニー・オメガ/●KUDO
21分19秒 Brainbustaaaaahhhhh!!!!!→片エビ固め
○エル・ジェネリコ(フリー)/HARASHIMA
▼第7試合 KO-D無差別級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○男色ディーノ
31分19秒 ゴッチ式男色ドライバー→体固め
[挑戦者]●アントーニオ本多
※第38代王者ディーノが初防衛に成功
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