後楽園ホールで初めて行われた三冠戦。運命の同期対決は秋山が大森を下す!ケニーはカズをも撃破!敵地に乗り込んだ永田は余裕の勝利
全日本プロレス
40th Anniversary Year
2012 エキサイト・シリーズ
日時:2月3日(金)開始:19:00
場所:後楽園ホール
観衆:2100人(超満員札止め)
3日、後楽園ホールで行われた全日本プロレス『40th Anniversary Year 2012 エキサイトシリーズ』開幕戦。1・2後楽園大会での観客ジャッジメントの結果、全日本再入団が決定した大森隆男。いきなり"至宝奪還"という大役を任され、宿敵・秋山準の三冠ヘビー級王座に挑戦することになった。
同期の2人が巡り巡って全日本のリングで三冠王座を賭けて激突するというのは何とも運命的。しかも後楽園ホールで三冠戦が行われるのはこれが初となる。
『Get Wild』に乗り、相棒の征矢学と共に入場した大森だが、やはり表情は堅い。対する王者・秋山は敵地にも関わらず堂々と入場すると、詰め寄ってきた大森と至近距離で睨み合い。これで超満員札止めに膨れあがった後楽園ホールの観客のボルテージは最高潮に!
握手はなく試合が始まると、先に大森がドロップキックで仕掛けていったが、ドロップキックの相打ちに持ち込んだ秋山はいきなりエクスプロイダーの体勢に。どうにか逃れた大森は突進していくが、秋山はトップロープを下げて場外に追いやる。それでも大森はエプロンでアックス・ギロチン・ドライバーを狙うが、これを決めさせなかった秋山は逆に断崖式エクスプロイダーの体勢に。
エルボーで秋山を場外に叩き落として防御した大森は、エプロンからダイビングショルダーを放っていく。しかし涼しい顔で秋山がかわすと、大森は右肩を鉄柵に強打。そこからリングに戻った秋山は徹底的に大森の右肩〜右腕を集中攻撃! ショルダーアームブリーカーから右肩へのランニングニーを叩き込んだ秋山は、腕固めに捕らえると指まで掴んで右腕をねじ切らんばかりに捻り上げる。
完全に捕まってしまった大森だが、辛くもロープに脱出。しかし秋山はDDTで叩き付けてから、今度は三角絞めで捕獲。これもロープに逃れた大森だが、秋山はエプロンからカーフブランディングで右腕を鉄柵に叩き付けていく。15分が経過し、ようやく秋山の串刺し攻撃をトラースキックで迎撃した大森はニールキックで反撃。
しかしコーナーに登ったところで追いかけていった秋山は雪崩式ブレーンバスターで投げると、串刺しジャンピングニーからエクスプロイダー、ランニングニーと畳みかける。そして得意のフロントネックロックで捕まえた秋山だが、カバーに来たところをキックアウトした大森は秋山のラリアットをフルネルソンバスターで切り返すと、ダイビング・ニードロップを投下してからアックス・ギロチン・ドライバー!
さらにアックスボンバーを狙った大森だが、秋山はニーリフトで迎撃するとダブルアームDDT。さらにランニングニー、エクスプロイダー2連発と畳みかけていく秋山だが、大森もランニングニーをアックスボンバーで迎撃。しかし、これは当たりは浅い。鼻血を出しながらロコモーション式ドラゴンスープレックスで投げた大森は再びアックスボンバー! 今度はクリーンヒットしたがカウントは2。
大森はなおもアックスボンバーを打っていくが、秋山はブロック。なりふり構わずショートレンジ式で叩き込んだ大森だが、ロープに飛んでのアックスボンバーはジャンピングニーで迎撃されてしまう。そこから秋山は後ろから前からランニングニーを叩き込み、最後はスターネスダストαで叩き付けて3カウント!
同期の大森を完膚無きまでに叩き潰した秋山は「大森、俺が三冠チャンピオンだよ。俺が三冠チャンピオンだろ? 分かっただろ?」と勝ち誇ると、武藤敬司を呼び出して「もうあなたしかいないです。やってください、俺と」と言って手を差し出す。すると武藤も無言のまま秋山の手を握り返し、三冠挑戦を受諾。インタビュースペースで秋山は武藤のことを「三沢(光晴)さんと似ている」と語り、やはり全日本に乗り込み、三冠のベルトを巻いている以上、武藤とはやっておかなければいけないといった様子。一方、敗れた大森に対し、相棒の征矢が涙ながらに檄を飛ばし、次はGET WILDでの世界タッグ狙いを宣言した。
KAIから王座を奪取したあと田中稔、大和ヒロシを下して世界ジュニア・ヘビー級王座防衛に成功しているDDTのケニー・オメガ。全日本ファンをあざけ笑うような態度を取るケニーに対し、同王座の最多防衛記録を保持するカズ・ハヤシがついに至宝奪還に乗り出した。
節分ということで鬼の面を被って入場したケニーは、腰をクネらせて全日本ファンを挑発。全日本ファンの圧倒的な声援を受けながらカズはケニーごと場外に転落すると、鉄柵越しにジャーマン! しかし着地したケニーは逆に鉄柵越しのブレーンバスター。今度はカズが着地してみせると、ステージに登っていきケブラーダを狙うが、ケニーが引きずり下ろして阻止。逆にステージに上がっていったケニーは記者席のテーブルを2つ並行に並べると、その上に長イスを乗せてDDTの高木三四郎ばりに"城"を築くと、セコンドの中澤マイケルが羽交い締めにしたカズに向かって、城のテッペンからケブラーダを発射!
その後もちょこちょこ介入してくるマイケルに対し、怒りを爆発させたカズはケニーをショルダースルーで投げてマイケルに激突させるとトペを発射。さらにマイケルをボディスラムで叩き付けていく。だが、リングに戻るとケニーがコタロー・クラッシャー、フランケン、LOVEポーズからのシャイニング・ウィザード、カミカゼと畳みかける。だが、グラウディング・シューティングスターをかわしたカズはネックスクリューからファイナルカット。
さらに雪崩式ファイナルカットを狙うが、一旦エプロンに退避したケニーは飛び付いていっての雪崩式回転エビ固めで切り返す。続けて波動拳を発射するが、これはカズがキャッチ。ならばとケニーはソバットを叩き込みが、カズもハンドスプリング・レッグラリアットを返すとリバースブレーンバスター。そしてパワープラントを狙うが、ケニーはSTOP!エンズイギリで切り返すと投げ捨て式の低空ドラゴンスープレックス。
さらにテキサスロングホーンを突き上げてからラリアットを叩き込んだケニーは、ドラゴンスープレックス、波動拳、そしてクロイツ・ラスを狙う。決めさせなかったカズはパワープラントで叩き付けていったが、ケニーはカウント2で返す! ならばと雪崩式パワープラントを狙ったカズだが、マイケルのアシストもあってケニーは回避。逆にクロイツ・ラスを決めたが、カズもカウント2で返す。しかし、ケニーはそこから片翼の天使で叩き付けていって3カウント!
全日本ジュニアの象徴的存在でもあるカズをも撃破したケニーに対し、ついに前王者のKAIが登場して「ケニー! 次の挑戦者はこの俺だ!」と挑戦表明するが、そこに近藤修司も登場し「ケニー! 俺とKAIとどっちとやるんだ?」と詰め寄ると、ケニーは「お前ら何様のつもりだ? でもコンドウかカイか? 難しいなぁ。カイサン、お前は負けた。2回も負けたでしょ。ちょっと興味はねぇっすね。じゃあコンドウだ!」と近藤を指名!
納得いかないKAIに対し「説明するよ」と言ってケニーが気を引きつけていると、マイケルが背後から忍び寄っていき、何とKAIをイスで殴打! 大ブーイングを浴びたマイケルは「オイ、オイ、KAIさんよ! お前にケニーはもったいねぇよ。お前にはこの業界セコンド、そして通訳ナンバー1のこの俺様で充分だ! 全日本プロレス、DDTで最汚れなこの俺を使う勇気があるか? 試合用意しておけよ!」と、何と全日本サイドにKAIとの一騎打ちを要求した。
新日本プロレス1・4東京ドーム大会で対戦した船木誠勝の顔面を破壊した永田裕志。大将をやられて黙っているわけにはいかないSTACK OF ARMSのメンバーである河野真幸は、新日本の会場に乗り込んで永田との一騎打ちを要求。2・11大阪で両者のシングルが決定したが、その前に永田&井上亘の青義軍が敢えて敵地に乗り込み、河野&田中稔と対戦した。
稔がリングインするなり永田に襲いかかっていくと、すぐさま河野も加勢。井上が稔に襲いかかっていくが、稔は井上を完全無視! それでもしつこく稔に向かって行く井上だが、稔はソバットを叩き込むと、永田に腕十字。井上がカットに入るが、稔は井上を場外に投げ飛ばす。永田もエルボーで反撃すると、稔をフロントスープレックスで投げ飛ばすが、河野が永田に串刺しニー。船木が顔面を破壊された技をやり返していった。
稔も井上に対して敬礼ポーズから蹴っていったり、永田とサッカーボールキック合戦を展開したりと、古巣・新日本に対して喧嘩腰で向かって行く。河野も井上をジャンピングニーで吹っ飛ばし、「オー」の雄叫びをあげると滞空時間の長いブレーンバスターで投げていく。井上が何とか永田にタッチすると、河野は飛び付き腕十字。井上がカットに入ろうとするが、稔が飛び付きヒザ十字で阻止。
何とかロープに逃れた永田はエルボーで反撃すると、ニーリフトから投げ捨てジャーマン。しかし着地した稔はバズソーキックからミノルスペシャル。クラッチを切った稔だが、河野を何とか振り切った井上がカット。稔は果敢に永田に向かっていくが、体格差もあることから永田はキチンシンクで吹っ飛ばす。しかし河野が入ってきて永田をチョークスラムで叩き付けると、STACK OF ARMSは井上にトレイン攻撃を狙う。
どうもこの対抗戦の熱にイマイチ入っていけない感じの井上だが、スピアー・オブ・ジャスティスでトレイン攻撃を迎撃すると、稔に串刺し式スピアー。そこに永田が船木の顔面を破壊した串刺しニーを叩き込み、一気にバックドロップ・ホールドで投げて3カウント! 河野との一騎打ちの前に敵地でSTACK OF ARMSに完勝した永田は「河野、そして田中稔。お前らよく頑張ったよ。ただ船木誠勝のいないお前らのチームなんて顔じゃねぇな。負けた奴は帰れ! とにかく俺たちが今日、ここで勝ったんだよ。このリングは立った今、俺色に染めさせてもらう!」と"上から目線"で言い放つと、何と敵のリングのど真ん中で『スコアー』に乗せてナガダンスを踊り出す!
この屈辱的な行為に怒り心頭の河野は、リングに入って来ると永田を蹴撃してダンスを阻止! 「オイ永田! この全日本のリングでふざけた真似させねぇぞ! 大阪でのシングルマッチ覚悟しておけよ!」と吐き捨てたが、永田はインタビュースペースで「(河野は)情けねぇよなぁ。俺に負けたんだから、涙を飲んで見届けるべきなんじゃないのかね、河野君。そんな元気あるんだったら試合で出せよ、バカ野郎。ジャンピングニーは素晴らしい高さだった。そういうことは試合で出さなきゃダメだ。お客さんの熱狂、試合内容、新日本のカラーを全日本に持ち込んで、それに対応した河野と田中。そして試合後の俺のダンス。途中で止まっちゃったけど、すべて掌に乗せて最高ですね。ものすごい熱狂だったじゃないですか。プロレスは喧嘩だよ。喧嘩して勝つと気持ちいいな!」と余裕の表情で語った。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負
大和ヒロシ/●中之上靖文
7分48秒 腕ひしぎ逆十字固め
渕正信/○佐藤光留(パンクラスMISSION)
▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○西村修(フリー)/征矢学
4分08秒 逆さ押さえ込み
KENSO/●吉江豊(フリー)
▼第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
諏訪魔/近藤修司/●征矢匠
10分50秒 回転足折り固め
太陽ケア/○真田聖也/KAI
▼第4試合 全日本プロレスvs.新日本プロレス タッグマッチ 30分1本勝負
河野真幸/●田中稔
11分04秒 バックドロップホールド
○永田裕志(新日本プロレス)/井上亘(新日本プロレス)
▼第5試合 アジアタッグ前哨戦 6人タッグマッチ 全日本プロレスvs.大日本プロレス 30分1本勝負
○武藤敬司/曙(フリー)/浜亮太
16分28秒 シャイニング・ウィザード→体固め
関本大介(大日本プロレス)/岡林裕二(大日本プロレス)/●佐々木義人(大日本プロレス)
▼第6試合 世界ジュニア・ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○ケニー・オメガ(DDT)
21分55秒 片翼の天使→片エビ固め
[挑戦者]●カズ・ハヤシ
※第31代王者・ケニーが3度目の防衛に成功
▼第7試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○秋山準(NOAH)
23分21秒 スターネスダストα→体固め
[挑戦者]●大森隆男
※第44代王者・秋山が2度目の防衛に成功
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