光留に勝った一慶をKOし、川村がミドル級1DAYトーナメントを制す!完敗だった近藤と好調キープの山宮、好対照だったベテラン勢
パンクラス
PANCRASE 2012 PROGRESS TOUR
日時:1月28日(土)開始16:00
場所:ディファ有明
観衆:1834人(満員)
28日、ディファ有明で行われたパンクラス『PANCRASE 2012 PROGRESS TOUR』。2012年最初の大会となるこのディファ大会では、ミドル級の第11代キング・オブ・パンクラシストを決める1DAYトーナメントを開催された。
出場するのは前ライトヘビー級王者にして現パンクラス社長でもある川村亮、1年以上ぶりの参戦となる40歳のベテラン・久松勇二、昨年パンクラスに参戦し2勝1分といまだ無敗のランキング1位・一慶、そして3年ぶりのパンクラス参戦となるパンクラスMISSIONの佐藤光留の4選手!
煽りVでDDT総選挙1位になったことや、今日このあとプロレス(ガッツワールド)のタイトルマッチ(GWC認定6人タッグ王座)があることを紹介された光留は、「変態! 佐藤光留選手の入場です!」と呼び込まれてから、"正装"であるメイド服で入場。
相対してみると、かなり身長差があることが分かる。一慶がリーチを活かしてパンチを打っていくが、光留はパンチをもらっても引くことなくとにかく前に出る。そしてフックやアッパーを狙いつつもロープ際でタックルにいった光留は、プロレスラーらしくパワーを活かして一慶を持ち上げると、そのまま押し倒してテイクダウン。だが、そこから攻め込むことが出来ずブレイク。その後一慶のパンチを浴びせてしまうが、「効いてねぇよ!」とばかりに相手を睨み付けた光留。
2R、光留のガードの間から一慶がアッパーを叩き込むと、さすがの光留もガクッと崩れ落ち、すかさず組み付いた一慶は胴絞めスリーパーの体勢に。光留が防御すると一慶は腕十字に移行。だが、光留はうまく防御して逆に上になる。光留は足関節を狙うが、ヘッドシザースのように光留の上半身を両足で挟み込んだ一慶は三角絞めへ。だが、光留は自分の体を抜くと同時にアキレス腱固めを仕掛ける。
だが、足がスッポ抜けて極まらない。なおも一慶のバックを取った光留は残り1分のところで何とかテイクダウンすると、残り10秒のときに最後の勝負に出てヒールホールドを狙ったが、これは一慶も極めさせずそのまま試合終了。判定の結果は3-0で一慶が勝利。ジャッジの採点は僅差だったが、光留は四方に一礼して久しぶりに踏み入れたパンクラスのリングから降りた。
インタビュースペースでは「もうチョー悔しいですね。一慶選手は思ってた通り、凄いいい男格闘家でしたね。本当に嘘がない選手っていうのは、やっぱり顔つきで分かりましたね。僕、どっちかっていうと魑魅魍魎としか試合してなかったんで、そこまで真っ直ぐな選手と、男と試合するっていうのはなんか、自分のペースじゃなかったですね」と悔しそうに語ったが、「ちょっと僕の中に、もしかしたら少し薄まったかもしれないですけど、パンクラスの血がムズムズきましたね」と久しぶりにホームでの試合に、"本籍:パンクラス"の血が騒いだ様子。「もう1回......1回じゃなくて、2〜3回出たいなっていうのがありますね。あくまで自分の今の立場から」と総合の試合への出場継続も示唆した直後に、ガッツワールドでの試合に出場するため西調布格闘技アリーナへ向かった......
ミドル級 第11代K.O.P.決定1DAYトーナメント決勝は光留を破った一慶と、久松勇二を破った川村亮という顔合わせに。奇しくも昨年6月に行われ判定ドローに終わったカードの再戦となった。
お互い重そうなパンチを積極的に出していく中、ローを要所要所で入れていった川村はスーパーマンパンチで飛び込むと、一慶のパンチをかいくぐって片足タックル。テイクダウンは奪えなかったが、川村はさらにロー。2Rに入ると一慶がパンチの打ち合いから川村をロープに押し込んでいくが、体勢を入れ替えて離れた川村はフックで飛び込む。これをかわした一慶はローから右ストレート。
川村も一気に距離を詰めて右フック。これがヒットすると川村はなおもパンチで襲いかかる。一慶が頭を下げてかわそうとするが、そこに川村の右ミドルがヒット! 続けてパンチを伸ばしていったが、それが当たる前に一慶は崩れ落ちるようにダウン! 川村は一気にトドメを刺そうとしたが、レフェリーは一慶のダメージが大きいと判断し、試合をストップし、川村が見事なKO勝ちを収めた!
ライトヘビー級王座を返上し、ミドル級に転向した川村だがこの階級でもキッチリ王座を奪取した。最後に川村は「ずっと代表という立場だったんですけど、ようやく選手っていうのも胸を張って言える立場になったかなと思います。これから2012年、パンクラス攻めます! 攻めるパンクラスをお見せします。ミドル級まだ強い相手がいるので、その強い奴に勝ってもう1回ベルトを巻きたいと思います」と挨拶した。
今大会にはベテランの近藤有己とKEI山宮も出場。今年デビュー15周年を迎える近藤は、そろそろウェルター級に転向しての手応えがほしいところだが、相手は力強いレスリングを武器にしている永木健二。近藤のセコンドには高橋義生と伊藤崇文がつく。だが、早々にテイクダウンを奪われた近藤。エビになって打撃を堪え、どうにか脱出したが、永木のパンチを顔面にもらい、顔が仰け反る。さらにパンチの連打を浴びてコーナーに追い込まれた近藤。差し合いから足をかけて逆に倒した近藤だったが、ここで1R終了。
2R、いきなり左ストレートをもらった近藤はダウン! 一気に覆い被さってパウンドを打ち下ろしていった永木だが、近藤は足を取るとアンクルホールドの体勢に。一気に場内が沸き上がるが、足を抜いて脱出した永木はスタンドで再び近藤の顔面にパンチを叩き込み、ガクンと崩れ落ちた近藤のマウントを取ってパンチを連打。ここでセコンドがタオルを投入し、近藤は無残にも敗れ去った。
一方、40歳を迎える山宮は昨年は負けなしと好調をキープ。相手は昨年11月に鳥生将大と引き分けたあと、階級をウェルター級に上げてきた田村ヒビキ。この日の山宮は『Eyes of the world』に乗り、ベイダー甲冑を被って登場! 甲冑を取ってリングインすると、しっかりベイダーマスクも被っている。さらにタイツのお尻部分には「KEI TIME」の文字が......
変則的な蹴りを出していく田村に対し、リングを回りながらうまくブロックしていく山宮。田村は前に出した山宮の右足にローを入れていくが、2Rに入っても山宮は田村の攻撃をうまくブロックしつつ、フックで飛び込んでいく。さらに左フックを伸ばしていった山宮は、続けて右のパンチを叩き込む。苦しくなった田村はタックルで逃れようとするが、山宮は首相撲からヒザ。
これがローブローになってしまい試合は一時中断されたが、再開されるとお互い至近距離でパンチの打ち合いに。組み付いてくる田村を引き剥がそうとする山宮に、強引にパンチをねじ込んでいった田村だったが、試合終了のゴング。判定の結果は2-0で辛くも山宮が勝利。
近藤とは対照的に好調さをキープしてみせた山宮は「今日はちょっと不格好ですけど勝ちました。これで去年からパンクラスで4連勝しています。次はぜひチャンピオン、もしくは勝ったほう、俺と勝負してください!」と現ウェルター級王者の佐藤豪則に挑戦表明! 佐藤は3・11ディファ大会でストラッサー起一との防衛戦が決まっているため、この試合の勝者に山宮が挑戦する可能性が高まった。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
<本戦一部>15:15開始予定
▼第1試合 バンタム級/5分2R
●土佐健市(KIBAマーシャルアーツクラブ)
2R 1分39秒 チョークスリーパー→ギブアップ
○CORO(和術慧舟會TLIVE)
▼第2試合 スーパーフライ級/5分2R
○島袋力(CORE)
1R 4分2秒 TKO(ドクターストップ)
●藍寛之(総合格闘技GROW/チームZST)
▼第3試合 フェザー級/5分2R
△増田良太(GRABAKA)
判定0-0 ドロー
△芦田崇宏(Brave)
▼第4試合 ライト級/5分2R
○太田純一(GOKITAジム)
1R 3分5秒 反則(ローブロー)
●平山敬悟(パラストラ八王子)
<本戦二部>
▼第1試合 フェザー級/5分2R
○なおKING(CORE)
判定3-0
●伊禮真也(和術慧舟會HEARTS)
▼第2試合 フライ級/5分2R
△江泉卓哉(総合格闘技道場武門會)
判定0-0
△宇津木正和(パラエストラ古河)
▼第3試合 フェザー級(64kg契約)アテナルール/5分2R
△木村響子(坂口道場 一族)
判定0-0
△佐藤瑞穂(頂柔術)
▼第4試合 フライ級/5分2R
●松永義弘(禅道会新宿道場)
1R TKO(ドクターストップ)
○タイガー石井(パラエストラ吉祥寺)
▼第5試合 ウェルター級/5分2R
●近藤有己(パンクラスism)
2R 2分40秒 TKO(タオル投入)
○永木健二(WRESTLE-WIN)
▼第6試合 ミドル級 第11代K.O.P.決定1DAYトーナメント1回戦 ミドル級/5分2R
○一慶(チームクラウド)
判定3-0
●佐藤光留(パンクラスMISSSION)
※一慶が決勝進出
▼第7試合 ミドル級 第11代K.O.P.決定1DAYトーナメント1回戦 ミドル級/5分2R
○川村亮(パンクラスism)
判定3-0
●久松勇二(和術慧舟會横浜道場)
※川村が決勝進出
▼第8試合 バンタム級/5分2R
○佐藤将光(坂口道場 一族)
1R 1分4秒 TKO(レフェリーストップ)
●斉藤正臣(高田道場)
▼第9試合 バンタム級/5分2R
●大石真丈(フリー)
判定0-3
○沼倉雄太(TRIAL)
▼第10試合 バンタム級/5分2R
△曹竜太(闘心)
判定1-0 ドロー
△滝田J太郎(和術慧舟會東京道場)
▼第11試合 スーパーフライ級/5分2R
○安永有希(東京イエローマンズ)
判定2-0
●廣瀬勲(ストライプル)
▼第12試合 ウェルター級/5分2R
○KEI山宮(GRABAKA)
判定2-0
●田村ヒビキ(パラエストラ大阪)
▼第13試合 スーパーフライ級 キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ/5分3R
[王 者]△清水清隆(SKアブソリュート)
判定1-0 ドロー
[挑戦者]△小塚誠司(FREEDOM@OZ)
※第2代王者・清水が4度目の防衛に成功
▼第14試合 ミドル級 第11代K.O.P.決定1DAYトーナメント決勝戦 ミドル級/5分2R
●一慶(チームクラウド)
2R 2分18秒 KO
○川村亮(パンクラスism)
※川村がミドル級第11代キング・オブ・パンクラシストとなる
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