ブル中野が引退興行で極悪vs.クラッシュ、神取とのチェーンデスマッチ、アジャとの金網戦を完全再現!メインを任された愛川は志田を撃破!

120108_Jyotei-1.jpgブル中野引退興行
女帝
日時:1月8日(日)開始:16:00
会場:東京ドームシティホール
観衆:3000人(超満員札止め)

 8日、TOKYO DOME CITYホールで行われたブル中野引退興行『女帝』。1980年代半ばから90年代に女子プロレス界に"女帝"として君臨したトップヒールのブル中野だったが、1997年にはケガのため一線を退いていた。しかし正式な引退試合や引退セレモニーを行っていなかったため、60kgだった体重を再び現役時代と同じ100kg台まで戻し、44歳の誕生日となるこの日、引退セレモニーを行ってケジメをつけることになった。

 引退セレモニーでは、まず『ブル中野メモリアル』と題したVTRが流れる。デビュー〜〜転機となった極悪同盟時代、クラッシュギャルズとの激闘が流れると、突如氏家清春リングアナが「60分1本勝負を行います!」とコール。
 すると、そこにはお揃いの空手着姿で赤と青のコスチュームに身を包んだクラッシュギュルズ......のマスクを被った偽クラッシュが登場。これには超満員の観客もガッカリしたが、続いてダンプ松本&ブル中野with阿部四郎の極悪同盟が登場! こちらは全員本物の上、ヒザのケガのため引退試合は行わないと言っていたブルだが、体型はほぼ現役時代の頃と同じだし、トレードマークだった半刈りヘアは精巧なカツラで再現!
 いきなりダンプが竹刀で蹴散らしたクレーン・ユウに代わり、阿部四郎氏がレフェリーとなって試合開始! だが、千種がブルを、飛鳥がダンプを捕まえたところで場内が暗転。スクリーンには80年代のクラッシュvs.極悪の激闘が映し出される。極悪の凶器攻撃を耐え抜いたクラッシュが反撃を開始したところでVTRが終わると、映像とシンクロするようにリング上では偽クラッシュが同時サソリ固め。だが、ここから脱出したダンプがブルに向かって千種をホイップすると、ブルがラリアットを叩き込んで極悪同盟が勝利した。

120108_Jyotei-2.jpg 続いてブル中野メモリアルは対抗戦時代に突入。中でも印象深いのが全女vs.LLPWの大将戦として、1994年に行われたブルvs.神取忍のチェーンデスマッチ。スクリーンではその試合に向けた記者会見や調印式の映像が流される。
 すると、今井良晴リングアナが「チェーンデスマッチ時間無制限一本勝負を行います!」とコールしてから神取忍が入場。続いて獄門党時代のブルとして青髪をガンガンに立てたヘアースタイルを完全再現! そしてお互いの腕をチェーンでつなぐと、神取がケンカキックをいきなり連打。しかしパイルドライバーをリバースで返したブルがチェーンを神取の首に巻き付け、バックブリーカーで絞死刑にしたところで場内が暗転。
 スクリーンには94年の試合で神取が場外でパワーボムや腕十字を極める一方、ブルがブルズポセイドンで叩き付ける姿が映し出される。そしてリング上で照らされると、神取がロープ越しのぶら下がり式腕十字を極めていくが、ブルもチェーンを使って絞死刑にすると、そこから場外乱闘へ! ......と思いきや、練り歩きのごとく両者が超満員の場内を笑顔で一周。
 リングに戻ったブルはチェーンをヌンチャク代わり振り回すと、コーナーへ登っていく。するとここで再び場内が暗転し、スクリーンではブルがダイビング・ギロチンドロップを投下する映像が映し出される。最後は足にチェーンを巻いたブルがもう一度ダイビング・ギロチンドロップを投下して勝利。試合後、「神取、お前の生き様見せてもらったよ。でもブル中野と神取忍の初めてのシングルマッチだぞ! なのにこんなもの付けやがって! 次はお互い万全の状態で闘えたらいいな」とマイクアピールした様子まで映像が流れると、リング上ではチェーンを外した両者が笑顔で握手を交わした。

120108_Jyotei-3.jpg ブル中野メモリアルは、ブルが"赤いベルト"ことWWWA世界シングル王座を獲得したり、アジャ・コングと激闘を繰り広げたりというブル頂点時代へ。中でも印象深いのがアジャとの金網デスマッチ!
 すると、影かほるリングアナがまずアジャを呼び込むと、まず両手に一斗缶を持ったアジャが入場。続いてブルが会場を見渡しながら威風堂々と入場。井上京子がロープを開けてブルを招き入れる。スクリーンでは金網からエスケープしようとするアジャを捕まえたブルが、右腕をハサミで突き刺していく壮絶なシーンが映し出される。そこから実際のリング上に移ると、ブルが「最後のヌンチャク行くぞ!」と叫んでからヌンチャク攻撃。さらに竹を持ち込んだアジャが反撃するが、エプロンからブルのセコンドについていた京子がカット。
 そこからスクリーンに映ると、1990年の横浜大会での対決でも京子がアジャの竹攻撃を阻止した場面が映し出される。そこからリング上ではワイヤーハーネスを装着したブルが金網の頂上からダイブ! この瞬間、スクリーンへと映り、同じく90年横浜での伝説となった金網からのダイビング・ギロチンドロップの映像が映し出された。
 そして最後は92年の川崎大会でアジャが掟破りのダイビング・ギロチンで勝利したときと同じように、ブルからアジャにWWWA世界のベルトが手渡されると、アジャは「中野さん、またもう一度こうやって中野さんと向き合うときが来るとは夢にも思っていませんでした。辛くて苦しくて地獄のような2年間でしたけど、その地獄をくぐり抜けたから、私はこうやってジャ・コングとして20年頑張ってこられたんだと思います。私の最大にして最高の師匠が決めた道です。それをこの場で見送れたこと、本当にありがとうございました」と送別の言葉。
 そこから引退セレモニーへと突入すると、全女時代の同期〜後輩たちが次々に登場してブルに花束を贈呈。最後にアジャが先ほどブルから受け取ったWWWAのベルトを返還すると、ブルの腰に巻いた。そして『全日本女子プロレス中継』の志生野温夫アナがブルのプロフィールを読み上げたあと、最後は「世界の女帝、プロレスラー、ブル中野は本日ここに引退の時を迎えました」。
 マイクを持ったブルは「憎まれて、石投げられて、金貯めよ......いろいろなことがありました。そしていろいろな夢を見させてもらいました。お客さんのためだったら何でもやるぞって......15年経ってこんなに盛大な引退セレモニーが出来るなんて思ってもいませんでした。私の最大のライバルはお客様です。お客様に認められたいからここまで来れました。本当にありがとうございました。憎まれて悔いなし! 石投げられて悔いなし! ブル中野、プロレス人生に一切の悔いなし!」と最後の挨拶。
 10カウントゴングを聞いたあとは、花道に旦那さんの青木大輔さんが登場。「今日でブル中野は引退します。プロレスラーを引退しても彼女の人生はまだまだです。始まったばかりです。彼女が死ぬまで自分が守り続けます!」と"誓いの言葉"を述べると、ウェディングドレス姿のブル中野......いや、青木恵子さんが登場し、氏家リングアナが「WWA世界シングルチャンピオン、230パウンド、ブル中野〜!」とコールすると、2人は選手達の祝福を受けながら花道で誓いのキス。これにてプロレスラー・ブル中野は伝説となった。

120108_Jyotei-4.jpg この引退興行に向けて、ブルは約半年前から各女子プロレス団体を視察し、お眼鏡に適った選手にオファーを出してきた。その結果、今大会にはほぼ全女子プロ団体からトップファイターやイキのいい注目選手が集結したが、その中でメインイベントに抜擢されたのがブルが女子プロレス界の次代を担う存在としてお墨付きを与えたスターダムの愛川ゆず季と、アイスリボンの志田光。どちらも所属団体のシングルとタッグの現王者でもある。
 滅多に絡むことがない両団体だが、ブル中野引退興行という大舞台で、いきなりトップ選手同士が一騎打ち。緊張感のある立ち上がりから志田が力比べを要求。応じた愛川だが、やや劣勢になったところでアームドラッグで投げると、首4の字固めへ。しかし反転して首を抜いた志田はマウントエルボー。体勢を入れ替えて愛川もエルボーを落としていくと、立ち上がった志田は串刺しドロップキックから打点の高いジャンピングニー。
 さらにカナディアンバックブリーカーで担ぎ上げた志田は、愛川がミドルキックで反撃に出たところで蹴り足をキャッチして逆片エビ固めへ。愛川もサッカーボールキックからのランニングローで反撃すると、激しいエルボー合戦へ。そこから志田がジャンピングニーを入れると、さらにカウンターの逆払い腰から顔面にニーリフト。
 しかしランニングニーをキャッチした愛川はSTFに切り返す。ロープに逃れた志田は荒鷲ドライバーからのファルコンアロー。さらに雪崩式ブレーンバスターを狙うが、愛川はコーナー上でのYKレッド(カカト落とし)で叩き落とすとゆずポンスタナー。さらにシャイニングゆザードを発射するが、志田もランニングニーを返す。ならばと愛川はフィッシャーマンズ・スープレックスで投げていくが、志田がスリーカウントを叩き込む。
 返す刀でシャイニングゆザードを発射した愛川は、キックコンビネーションのYKスペシャルから、もう一度シャイニングゆザードを叩き込むと、最後は気合いの雄叫びをあげてから渾身のYKレッド(カカト落とし)を落として3カウント! 試合後、悔しそうな表情で睨み付ける志田の横で、ベルトを肩にかけた愛川はグラビアポーズ。
 愛川が引き揚げたあと、マイクを持った志田は「昨日、さくらえみ選手がアイスリボンを退団しました。さくらさんがいないアイスリボンでも大丈夫だって、みんなに認められたかったから、今日は絶対に勝ちたかったです。でも今日、私はスリーカウントのフォール負けしましたが、アイスリボンにスリーカウントはありません! これからもさくらさんがいない新生アイスリボンを頑張ります!」と泣きながら決意表明。その様子をステージの端から見つめていたさくらは、涙を拭いながらバックステージへと姿を消した。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
●アジャ・コング(OZアカデミー)
15分14秒 APクロス→片エビ固め
○浜田文子(フリー)

▼第2試合 バトルロイヤル 60分1本勝負
○ブル広田(フリー)
25分26秒 ウラカンラナ
●GAMI(WAVE)
【退場順】米山香織(JWP)→宮城もち(アイスリボン)&星ハム子(アイスリボン)→コマンド・ボリショイ(JWP)→倉垣翼(JWP)→真琴(SMASH)→大畠美咲(エスオベーション)&紫雷美央(フリー/トリプルテイルズ.S)→DASHチサコ(センダイガールズ)&仙台幸子(センダイガールズ)→松本浩代(エスオベーション)→堀田祐美子(REINA)→井上貴子(LLPW-X)→下田美馬(フリー)→伊藤薫(ディアナ)→尾崎魔弓(OZアカデミー)→桜花由美(WAVE)→植松寿絵(WAVE)→渋谷シュウ(WAVE)→春日萌花(WAVE)→GAMI(WAVE)

▼第3試合 6人タッグ 30分1本勝負
○大谷晋二郎(ZERO1)/日高郁人(ZERO1)/橋本大地(ZERO1)
11分51秒 スパイラルボム→エビ固め
白使(みちのくプロレス)/西村修(フリー)/●スペル・デルフィン(沖縄)

▼第4試合 ギロチンマッチ 30分1本勝負
春山香代子(JWP)/○水波綾(センダイガールズ)
13分34秒 ダイビング・ギロチンドロップ→体固め
AKINO(フリー)/●成宮真希(アイスリボン)

▼第5試合 50代&40代&30代&20代&10代 10人タッグ 60分1本勝負
ジャガー横田(ディアナ)/豊田真奈美(フリー)/中川ともか(エスオベーション)/夏樹☆たいよう(スターダム)/●チェリー(ユニオン)
16分15秒 パワーボム→エビ固め
ダンプ松本(フリー)/○井上京子(ディアナ)/Leon(JWP)/下野佐和子(OSAKA女子)/つくし(アイスリボン)

▼第6試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
○華名(フリー)
11分23秒 チキンウイング式胴絞めスリーパー→レフェリーストップ
●花月(センダイガールズ)

▼第7試合 6人タッグマッチ 60分1本勝負
髙橋奈苗(スターダム)/里村明衣子(センダイガールズ)/○さくらえみ(フリー)
21分41秒 2階からのニャンニャンプレス→片エビ固め
栗原あゆみ(フリー)/世IV虎(スターダム)/●藤本つかさ(アイスリボン)

▼第8試合 メインイベント:シングルマッチ 30分1本勝負
○愛川ゆず季(スターダム)
15分11秒 ゆずポンキック・レッド→片エビ固め
●志田光(アイスリボン)

▼ブル中野引退メモリアル
【引退試合1】ブル中野引退試合 クラッシュ編
長与千種(代役)/ライオネス飛鳥(代役)
vs.
ダンプ松本/ブル中野

【引退試合2】ブル中野引退試合 神取編(チェーンデスマッチ)
神取忍
vs.
ブル中野

【引退試合3】ブル中野引退試合 アジャ編(金網デスマッチ)
アジャ・コング
vs.
ブル中野

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