棚橋が激闘の末に鈴木を下し、最多防衛記録を更新!"過去の武藤"に発憤した武藤は内藤に完勝!永田に顔面を壊された船木が戦慄の左ハイ

120104_NJPW-1.jpg新日本プロレス
NJPW 40th anniversary Tour.
レッスルキングダムⅥ in 東京ドーム
日時:1月4日(水)開始:17:00
場所:東京ドーム
観衆:43,000人

 4日、東京ドームで行われた新日本プロレス『NJPW 40th anniversary Tour. レッスルキングダムVI in 東京ドーム』。毎年恒例"イッテンヨン"東京ドームだが、今年は新日本にとって旗揚げ40周年記念イヤー。
 そのメインを務めたのはIWGPヘビー級王座最多防衛新記録に挑む王者・棚橋弘至vs.前哨戦では棚橋を心理的にも肉体的にも揺さぶり続けてきた鈴木みのるの一戦。「40年の歴史ごと踏みつぶす!」という鈴木が棚橋を倒して新日本を侵略するのか、それとも棚橋がV11を達成してドームでエアギターをかき鳴らすのかと注目された。

 戦前、鈴木は40周年に相応しい新旧ストロングスタイルで対決すると思わせておいて、棚橋をだまし討ちし、あくまでも新日本侵略のために棚橋を倒すという流れを作ったが、フタを開けてみれば鈴木は鈴木軍のTAKAみちのくやタイチの介入を一切許さず、反則攻撃のほとんどない真っ向対決だった。
 鈴木はボディブローやニーリフトをガンガン叩き込んでいくと、コーナーに登った棚橋を追いかけていき、コーナー上で卍固め。さらに棚橋を場外に蹴落とすと、鉄柵攻撃から逆水平チョップ。しかし棚橋も一旦リングに戻って鈴木を場外に出すとプランチャ。だが、これをかわした鈴木はスリーパーに捕らえると、花道まで連れて行きゴッチ式パイルドライバーを狙う。リバースで切り返した棚橋だが、鈴木は馬乗りになって殴っていく。
 カウント18でどうにかリングに戻った棚橋に鈴木は師匠・藤原嘉明譲りの一本足頭突き。棚橋もクロスボディ、フライング・フォアアーム、ローリングセントーンで反撃するが、ロープに飛んだ棚橋に対して鈴木はアゴを蹴り上げるようなドロップキック。しかし、うまく鈴木を場外に追いやった棚橋はコーナー最上段からハイフライフロー式のプランチャを投下。
 大きなダメージを負った鈴木だが、エプロンで棚橋をぶら下がり式腕十字で捕らえると、そこから棚橋の右腕を集中攻撃。それでも棚橋はクロスボディ式ハイフライフローでアタックすると、倒れた鈴木に正調ハイフライフロー。さらにダルマ式ジャーマンで投げていったが、鈴木はスリーパーで棚橋を捕獲! いかにも落ちてしまいそうな棚橋だったが、何とか肩を上げる。さらにジェットブーツからスリーパーを決めながら立ち上がった鈴木は、完璧な形でゴッチ式パイルドライバー!
 これをカウント2で返した棚橋はドラゴンスープレックスで投げ捨てると、twelve sixから今度はホールドするドラゴンスープレックス。さらにハイフライフローを投下したがカウントは2。張り手の相打ちから棚橋がスリングブレイドを狙うと、かわした鈴木をスリーパー。だが、棚橋は完璧に決められる前にその場跳びスリングブレイド! これでうつ伏せに倒れた鈴木の背中にハイフライフローを投下した棚橋は、続けて正調ハイフライフローを落として3カウント!
 その場で両者とも大の字で倒れるほどの激闘だったが、TAKAとタイチに脇を抱えられて引き揚げていく鈴木はニヤリと笑っていたものの、その表情はどこか晴れ晴れしいものだった。一方、IWGPヘビー級王座最多防衛記録となるV11を達成した棚橋の前には、この日YOSHI-HASHIを相手に凱旋試合を行い、見事勝利したオカダ・カズチカが現れ、「棚橋さん! 最多防衛記録更新おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。これからは逸材に代わってレインメーカーが新日本プロレスを引っ張っていきますんで」と宣戦布告。
 だが、棚橋は「悪いなオカダ。俺は生まれてから疲れたことがないんだ。言っておくがな、IWGPは遠いぞ。それでもやるか? どうだ?」と尋ねるが、観客はブーイング。すると棚橋は「分かった! 挑戦したいなら力で上がってこい!」と言い放つ。棚橋を睨み付けたオカダは両手を広げる"金の雨を降らせるポーズ"をするが、棚橋はナルシスポーズで対抗!
 そして「最多防衛キターーーー! オカダの気持ちもよく分かる。でもそれをファンの皆さんに認めさせるのも力。このリングはそういうリングだから。これからも逸材、どこまで行くでしょうか。どこまで行けるでしょうか? よし決めた! 来年の東京ドームもチャンピオンで戻ってくるぜ! どうだ、鬱陶しいか? 今年の新日本プロレスにもチョー期待してください!」と叫んだ逸材は、東京ドームでエアギターライブをリング上2回、花道で1回の計3回も披露した。

120104_NJPW-2.jpg 昨年の『G1クライマックス』で準優勝し、次世代のエースと期待されている内藤哲也が、同じ天才肌で憧れの存在である武藤敬司と一騎打ち。「武藤敬司は過去の人間」と言い切った内藤がドームという大舞台で武藤超えに挑むこの一戦は、会場に詰めかけたファンも大いに期待していた。
 すると武藤は何と新日本所属時代に、同じ東京ドームでのUWFインターナショナルとの全面戦争のメインで、高田延彦と対戦した頃に使用していた『TRIUMPH』で入場! この瞬間、ドームの観客は大盛り上がり。入場時の時点で武藤は内藤を圧倒してしまった。
 試合はじっくりとしてグラウンドの攻防からスタート。身体も大きく、グラウンドテクニックにも長けている武藤はやはり強い。そこで内藤は低空ドロップキックで武藤を場外に追いやる。すると内藤はエプロンをダッシュして場外にミサイルキックを発射。流れを変えようとするが、不用意に見舞ったガットショットをキャッチした武藤はドラゴンスクリュー。さらに武藤は鉄柵の外に出ると、鉄柵越しにドラゴンスクリュー。右ヒザを押さえて苦悶の表情を浮かべる内藤をリング上で待ち受ける武藤。
 エプロンまで戻ってきた内藤にドロップキックを見舞った武藤は、ロープ越しのドラスクからさらにヒザに低空ドロップキック。そしてドラスクから足4の字固めという必殺フルコース。どうにかロープに逃れた内藤だが、武藤はまだまだ余裕の表情。倒れている内藤の右ヒザにドロップキックを打ち下ろすと、エルボーを打ってくる内藤のヒザに低空ドロップキック。ならばとロープに飛ばされた内藤はジャンピングエルボーアタックを狙うが、何と武藤はジャンプした内藤のヒザにドロップキック!
 この辺が武藤の天才と呼ばれる所以。さらに外側に回転するドラゴンスクリューを決めた武藤は、正調ドラスクから再び足4の字へ。ロープに逃れた内藤は延髄蹴りやランニングサンセットフリップ、ミサイルキック、ジャンピングエルボーアタックで反撃。だが、エボルシオンからのスターダストプレスはかわされて自爆。すかさずシャイニング・ウィザードを叩き込んだ武藤は、さらに串刺し式シャイニング→正調シャイニング→後頭部へのシャイニングを叩き込んでLOVEポーズ。
 内藤もカサドーラで飛び付いていくが、キックアウトした武藤はなおもシャイニングを発射。これを腕でブロックした内藤は回転足折り固め。さらにボルボ・デ・エストレージャを狙うが、逃れて立ち上がった武藤はシャイニング・ウィザード。改めてLOVEポーズを決めた武藤は、シャイニング・ウィザードを叩き込むがカウントは2! すると武藤はシュミット流バックブリーカーからムーンサルトプレスを投下して3カウント! しかも勝利のテーマは『HOLD OUT』!
 終わってみれば武藤の完勝。内藤はよほど悔しかったのか武藤から求められた握手を拒否! 試合後、「だんだん試合近づくに連れてしんどいなと考える時間が多くなった」という武藤だが、観客に大ウケだった入場テーマに関しては「テーマ曲とかあんなのみんな過去の武藤敬司ばっかり! こんな曲が流れたりだとか、そこがまたこの俺をムキにさせるというかさ、そんなところで俺は止まってないのにさ。そういうのが全体的にムカついたというか、それがバネになったというか、そんなとこですね」と、逆に怒りを露わにした。

120104_NJPW-3.jpg 今年の東京ドーム大会にはプロレスリング・ノアやCMLLの選手も参戦したが、対抗戦といってもいいくらいヒリヒリした雰囲気を醸し出していたのが、第4試合の永田裕志&井上亘vs.船木誠勝&河野真幸の一戦。全日本プロレスからは武藤も出場したが、船木と河野は武闘派ユニット「STACK OF ARMS」を本格始動させたばかりだし、船木に至っては約24年ぶりとなる古巣凱旋。武藤の新日本参戦とはいささか違う。
 いきなり永田vs.船木で始まると、永田がエクスプロイダーからフロントキック。これをキャッチして荒々しく押し倒した船木は河野にタッチ。ジャンピングニーから腕十字を極めた河野だが、これを井上がカットすると、永田はフェイントを入れてからの低空ドロップキック。そしてフロントキックを叩き込むと、井上にタッチしてからダブルタックルをお見舞い。井上は逆水平チョップからエルボーを打っていくが、河野はジャンピングニーを返して船木にタッチ。ミドルキックを連打していった船木は腕十字に捕らえるが、これを永田がカットすると井上は船木に水車落とし。
 タッチを受けた永田は串刺しニーからマジックスクリューを決めると、ハイキックを放っていくが、ブロックした船木はフルネルソン。これをワキ固めで切り返した永田は腕固めに移行すると白目を見せるが、井上を振り切った河野がカット。井上は船木に串刺しジャンピングエルボーからスタガリンブローを決めるが、またも河野がカットに入る。すると永田が入ってきて河野を浴びせ蹴りで場外に追いやる。その間に船木は井上にバックドロップを決めるが、井上も船木の串刺し攻撃をかわしてスピアー。
 さらに河野がそこに入って来るが、井上は河野のフロントキックをかわすと、スピアー・オブ・ジャスティス。さらに船木をジャーマンで投げていったが、カウント2で返した船木は左右の掌底から浴びせ蹴り。井上も立ち上がって船木の掌底にバックブローで対抗するが、そこで突進した井上に船木がカウンターの左ハイキックを叩き込んで3カウント。
 だが、試合後睨み付ける永田に何と船木からロープ越しのヘッドバットで襲いかかっていって大乱闘に! どうやら船木は永田のヒザ蹴りを顔面にもらった際に左側を大きく腫らし、鼻血まで出した模様。これで珍しく船木がエキサイトしたため、永田と喧嘩腰の乱闘になったようだ。船木は試合後、「これが予告編になるのか、今回限りで終わるのかそれは判らないですけども。まぁ自分と永田選手は去年(のチャンピオン・カーニバルで)始まって、ずっと自分の中では続いていると思ってますんで」と永田との因縁継続を口にした。

 また、天山広吉&小島聡の天コジがジャイアント・バーナード&"ザ・マシンガン"カール・アンダーソンのバッド・インテンションズを下し、IWGPタッグ王座を奪取。宇宙服姿で入場したプリンス・デヴィット&田口隆祐のApollo55も、デイビー・リチャーズ&ロッキー・ロメロを破りIWGPジュニアタッグを奪還した。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第0試合 タッグマッチ 15分1本勝負
本間朋晃/●三上恭佑
8分47秒 ヘッドシュリンカー→片エビ固め
○タマ・トンガ/キャプテン・ニュージャパン

▼第1試合 IWGPジュニアタッグ選手権試合 30分1本勝負
[王者組]●デイビー・リチャーズ/ロッキー・ロメロ
12分44秒 前方回転エビ固め
[挑戦者組]プリンス・デヴィット/○田口隆祐
※第29代王者組が2度目の防衛に失敗。Apollo55が第30代王者組となる

▼第2試合 AERIAL KINGDOM feat.CMLL SUPER ESTRELLAS 30分1本勝負
○獣神サンダー・ライガー/タイガーマスク/マスカラ・ドラダ(CMLL)/KUSHIDA
10分18秒 垂直落下式ブレーンバスター→体固め
アトランティス(CMLL)/●バリエンテ(CMLL)/TAKAみちのく(K-DOJO)/タイチ

▼第3試合 オカダ・カズチカ&YOSHI-HASHI 凱旋帰国試合 30分1本勝負
○オカダ・カズチカ
4分37秒 レインメーカー→片エビ固め
●YOSHI-HASHI

▼第4試合 BLUE JUSTICE NEVER DIE 30分1本勝負
永田裕志/●井上亘
6分34秒 左ハイキック→片エビ固め
○船木誠勝(全日本プロレス)/河野真幸(全日本プロレス)

▼第5試合 TOKYO MONSTER WAR 30分1本勝負
○MVP/シェルトン・ベンジャミン
9分41秒 イリバーシブルクライシス
田中将斗(ZERO1)/●高橋裕二郎

▼第6試合 IWGPヘビー級タッグ選手権 60分1本勝負
[王者組]●ジャイアント・バーナード/"ザ・マシンガン"カール・アンダーソン
12分40秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め
[挑戦者組]○天山広吉/小島聡
※第57代王者組が11度目の防衛に失敗。天コジが第58代王者組となる

▼第7試合 NJPW vs NOAH BATTLE CONCENTRATION I 30分1本勝負
○後藤洋央紀
12分35秒 昇天・改→片エビ固め
●杉浦貴(NOAH)

▼第8試合 FIGHTING WITHOUT HONOR OR HUMANITY 30分1本勝負
○真壁刀義
9分15秒 キングコング・ニードロップ→体固め
●高山善廣(高山堂)

▼第9試合 NJPW vs NOAH BATTLE CONCENTRATION II 30分1本勝負
中邑真輔/●矢野通
15分10秒 ゴーフラッシャー→体固め
丸藤正道(NOAH)/○潮崎豪(NOAH)

▼第10試合 GENIUS FACES GENIUS 30分1本勝負
●内藤哲也
22分35秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め
○武藤敬司(全日本プロレス)

▼第11試合 IWGPヘビー級選手権 60分1本勝負
[王 者]○棚橋弘至
25分59秒 ハイフライフロー→片エビ固め
[挑戦者]●鈴木みのる(パンクラスMISSION)
※第56代王者が史上最多記録となる11度目の防衛に成功

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