さくらの退団発表に揺れたアイスリボン後楽園大会は、ブル中野引退興行のメインに抜擢された志田がICE×60王座を奪取して締めくくる!

111225_Iceribbon-1.jpgアイスリボン
RIBBON MANIA 2012
日時:12月25日(日)開始:12:00
場所:後楽園ホール
観衆:894人

 25日、後楽園ホールで行われたアイスリボン『RIBBON MANIA 2012』。メインでは藤本つかさの持つICE×60王座に志田光が挑戦。

 その覚悟を示すかのように白一色の袴姿に身を固めてリングへと進んだ志田はリング中央で深々と座礼をし、メインの緊張やさくらえみの退団に揺れる心を押さえ込んだ。対する王者・藤本はプランチャスイシーダを序盤でいきなり炸裂させ先制。
 リング内でもツカドーラをはじめとする柔軟さを活かした押さえ込みと、立体的な蹴り技で徐々にペースをつかんでいった。だが「さくらえみのいないアイスリボンは見えている」と豪語する志田は、藤本の猛攻にもこれまで以上の粘り腰。助走をつけた危険なキックを何度も振り抜くと、最後は雪崩式ファルコンアローで度肝を抜くフィニッシュ。さくら以降のアイスリボンに向けて確固たる姿勢を見せつけた。
 だが観戦に訪れたブル中野は「お客さんの前で厳しいことを言いたくないけど、このままじゃ愛川ゆず季に勝てないよ」と厳しく叱咤。しかも藤本に来年1・8の引退興行『女帝』へのパスポートを手渡した。藤本は栗原あゆみ&世IV虎とのタッグで高橋奈苗&里村明衣子&X組の女子プロ頂上組と対戦することが決まった。
 悔しさを隠しきれなかった志田だったが「勝ちゃいいんだよ! さくらえみのいないアイスリボンだけどついてこい!」と絶叫。新王者を称える観客の歓声に応えた。

111225_Iceribbon-2.jpg アイスリボン所属として最後の後楽園大会に臨んださくらえみは、第5試合で自らが育てた中学生ファイター・つくしとタッグを結成し、これがラストチャンスとなったセンダイガールズへの雪辱戦に向かった。
 リボンタッグのかかった試合で、これまで対抗戦で全敗を続けてきた憎き仙女。しかも総帥・里村明衣子自らが乗り込んできた試合とあっては、たとえ勝っても長くベルトを巻けないと分かっていても、さくらは全力を振り絞る。そしてつくしも、さくらの思いを受け取って大活躍。代名詞ともなった矢のようなドロップキックで里村たちを驚かせる。
 もちろん女子プロ界のトップに君臨する里村は、中学生相手にも容赦はしない。鋭いキックと重厚なグラウンドで何度も何度もつくしを追い詰める。だがさくらは要所でつくしをフォロー。大一番でしか出さない2階からのにゃんにゃんプレスも繰り出して、里村を分断すると、試合をつくしに託す。去りゆく師匠の思いを受け取ったつくしは必殺のハルカゼで仙台幸子から完璧な3カウントを奪い取り、涙の戴冠。IW19王座と合わせて小さな二冠王になった。
 「夜も眠れないぐらい怖かった」というつくしは、さくらと抱き合って号泣。さくらも涙を浮かべながら「最後までベルトを守って、そしてこれからは1人でも頑張って」と励ました。
 なお全試合終了後に、ブル中野はさくらにも『女帝』への出場をオファー。アイスリボン退団翌日の『女帝』で高橋奈苗&里村明衣子と組む最後のXに指名した。「受けも攻めも全部うまい。これまでは育成や団体のために動いてきたけど、自分のために闘うさくらが見たい」と絶賛するブルに、さくらは感極まって泣き出しながらも「大会にはたくさんの人が来るので、ダイエットして、きれいになって、しっかり婚活したい」とマイペースな"さくらえみらしさ"を取り戻していた。

111225_Iceribbon-3.jpg 2009年の秋から長期欠場を続けていた聖菜は、実の妹であるりほとのシングルマッチで、リングに別れを告げた。ジャージ姿で試運転をしてきた聖菜は、元NEOで憧れの松尾永遠から譲り受けたコスチュームで最後のリングイン。欠場前と変わらない柔らかな体から放たれるスープレックスと、鋭いドロップキックを披露。同じくこの日レフェリーとしてリングからの卒業を迎えた牧場みのりからも痛烈な一本背負いを浴びてしまった影響もあってか、最後の姉妹ゲンカは黒星に終わってしまった。
 試合を終えたリングには、この夏に退団した真琴が登場。同期の牧場みのりに「これまで対人恐怖症で色眼鏡で見られてきた私に、なにも抵抗なくぶつかってくれた。初めて本気でケンカもできた。道は違ってもずっと親友です」と伝えて抱き合った。
 一方の聖菜にはみなみ飛香がお別れのメッセージを読み上げようとしたが、涙で言葉にならない。だが、それならばとばかりにゴングを要請し、最後に3分1本勝負を敢行。必殺のブロックバスターホールドで小学生時代からずっと共に歩んできた親友へ別れを告げた。
 最初から泣きじゃくっていた飛香を笑顔でなだめていた聖菜だったが、10カウントゴングが鳴り響くと、やはり号泣。それでも聖菜、みのり、りほ、飛香、真琴の5人で色とりどりの紙テープに包まれて『さくらえびキッズ』のダンスを集まった観客へ送り届けた。
 また去る人もあれば、戻る人もある。やはり体調不良から長期欠場を続けていた元祖アイスリボンのエース・希月あおいが第1試合で植松寿絵を相手に堂々の復活。イメージカラーの緑に合わせて、観客は緑の紙テープとサイリウムで歓迎する。試合には敗れたものの、得意のジャンピングラリアットやダイビングボディプレスも披露。今後も限定出場となるが、さくらのいないアイスのリングに頼もしい選手が帰ってきた。

▼第1試合 希月あおい復帰戦 15分1本勝負
○植松寿絵(WAVE)
10分00秒 スクールボーイ
●希月あおい

▼第2試合 6人タッグイリミネーションマッチ 20分1本勝負
●宮城もち/長野ドラミ/くるみ
0-1
○内藤メアリ/新田猫子/成宮真希
  1分40秒 ○ドラミ(OTR)内藤●
  4分10秒 ○成宮(六方落とし)ドラミ●
  6分10秒 ○くるみ(OTR)新田●
  7分10秒 ○成宮(OTR)くるみ●
 10分37秒 ○成宮(ダイビングギロチンドロップ→片エビ固め)宮城●

▼第3試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負
○帯広さやか/Ray/星ハム子 with 浅野起州
7分29秒 バース
ゴム人間/河童小僧/●デスワーム with ハルミヤコ

▼第4試合 聖菜卒業 シングルマッチ 10分1本勝負
●聖菜
8分18秒 エビ固め
○りほ
※レフェリー:牧場みのり

▼緊急試合 3分1本勝負
○みなみ飛香
2分55秒 ブロックバスターホールド
●聖菜
※レフェリー:りほ

▼第5試合 インターナショナルリボンタッグ王座決定戦 時間無制限1本勝負
さくらえみ/○つくし
20分33秒 ハルカゼ
里村明衣子(センダイガールズ)/●仙台幸子(センダイガールズ)
※さくら&つくし組が第21代王者組となる

▼第6試合 3WAYタッグマッチ 30分1本勝負
○男色ディーノ(DDT)/大石真翔(DDT)
11分48秒 リバースエビ反りジャンプ→片エビ固め
●大家健(ユニオン)&みなみ飛香
※もう一組は葛西純(FREEDOM)/松本都(崖のふち)

▼第7試合 ICE×60選手権試合 20分1本勝負
[王 者]●藤本つかさ
15分52秒 雪崩式ファルコンアロー→片エビ固め
[挑戦者]○志田光
※第13代王者が初防衛に失敗。志田が第14代王者となる

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