バトニュー発のプロレスラー・はるか悠梨がデビュー!10年ぶりに本格復帰した脇澤は、同期の奈苗を相手に全力ファイト!

111225_Stardom-1.jpgスターダム
yearend stars2011
日時:12月25日(日)開始:12:30
場所:新木場1stRING
観衆:425人(超満員札止め)

 25日、新木場1stRINGで行われたスターダム『yearend stars2011』。旗揚げイヤーを締めくくる2011年最終興行で、スターダムの新戦力が2人デビューした。

 1人は当『バトル・ニュース』でコラム『格闘アイドル育成計画』を連載しているのをキッカケにしてスターダム入りした後、見事プロテストに合格したはるか悠梨が、3期生の一番手としてデビュー戦を迎えた。デビュー戦の相手を務めるのは、はるかのプロテストを見て「ハイスピードのセンスがある」と評価した夏樹☆たいよう。
 入場するなりトレードマークの前髪をクシでとかしてみせたはるかだが、緊張の色は隠せない。だが、開始早々の腕の取り合いではロープを掴んで1回転してハンマーロックに切り返してみせ、場内を沸かせる。しかし夏樹ははるかの前髪を鷲掴みにすると、捻り上げてからヘアホイップで投げ飛ばして「髪の毛ばっかり気にしてんじゃねぇぞ!」と一喝。
 さらにボディシザースに捕らえた状態で背後から髪の毛をクシャクシャにしていった夏樹だが、体勢を入れ替えたはるかはマウントエルボー。立ち上がったはるかはフライングメイヤーからドロップキック3連発。しかしボディスラムを狙ったはるかを逆に叩き付けていった夏樹は横回転しながら逆エビ固め。セコンドについた3期生の仲間からの檄を受け、必死にロープに逃れたはるかだが、夏樹とのエルボー合戦は打ち負けてしまう。
 マットを叩いて悔しさを爆発させたはるかは、エルボーの連打から逆さ押さえ込み。さらに首ではなく腕を取って投げる変型の逆落としから十字架固めで丸め込む。キックアウトした夏樹がアキレス腱固めを仕掛けていくが、蹴って脱出したはるかは飛び付いてから回転して腕十字へ。夏樹のクラッチを切って腕を伸ばすことに成功したが、夏樹はロープに脱出。ならばとカニ挟みからワキ固め→腕十字と流れるように決めたはるかだが、夏樹はこれもロープに脱出。
 すると夏樹はソバットから串刺しドロップキック。そこからはるかを担ぎ上げようとしたが、回転エビ固めで切り返したはるかはロープに飛ぶと、コルバタからそのままスクールボーイ! これをキックアウトした夏樹は旋回式ダブルアームフェースバスターで叩き付けて3カウントを奪った。試合後、夏樹から健闘を称えられたはるかは号泣したが、超満員の観客からたくさんの拍手が贈られたことで、デビュー戦として合格点だったことが分かる。
 試合後、「夏樹さんが余裕なのが見えて、やっぱり自分のふがいなさを実感した」と反省したはるかだが、「理想像は風香さんみたいな感じで、やっぱり風香さんも強いじゃないですか? だから、やっぱり皆ファンの人からすごい愛されて応援されて、それでいて強いレスラーが目標です」と笑顔でコメントした。

111225_Stardom-2.jpg そして、もう1人の新戦力は1996年に全日本女子プロレスでデビューし、2001年に引退してた後はお笑い芸人などをしていた脇澤美穂。その脇澤がスターダム入りし、約10年ぶりに本格的復帰することになった。
 「ただ10年ぶりに戻って来るのではなく、新しい脇澤美穂というレスラーが生まれる日」という脇澤の相手を務めるのは、脇澤がプロレスから離れていた間も常にトップ戦線で活躍してきた高橋奈苗。同期ではあるが、奈苗は現在ワールド・オブ・スターダム王者。脇澤はいま出来ることのすべてをぶつけるしかない。
 全女時代と同じ黄色のカウボーイ風ガウンで脇澤が入場すると、同期の中西百重さん、納見佳代さんがリングに上がって花束を贈呈。リング上に『キッスの世界』が勢揃い! そして脇澤の名前がコールされると、大量の黄色い紙テープと共に「おかえりー!」という声も飛ぶ。そして開始早々ロープに押し込まれた脇澤が体勢を入れ替えてエルボーを叩き込み、「よっしゃ、○×△!」と言葉にならない挑発をすると、奈苗の表情が一変。
 ショルダータックルから全女流の執拗な押さえ込みで何度も脇澤に肩を上げさせる。脇澤もヘッドシザースで脱出すると全女流押さえ込みで応戦。そこから両者「お前はバカか!」「お前のほうがバカだ!」と罵り合いながら腕を取り合う。久しぶりのリングだが、徐々に全女時代を彷彿させるイキイキとしたファイトを取り戻してきた脇澤は両手でのストマッククローから、キャメルクラッチに捕らえると、リングサイドの納見さんを指差してから"1人ミホカヨポーズ"!
 だが、奈苗も脇澤のボディシザースから脱出すると、ジャンピング・ボディプレスからショルダータックル、そして気合いを前面に出したエルボー合戦を挑んでいく。そこから奈苗のエルボーをブロックした脇澤はローリングクレイドルから足4の字固め。だが、反転して逃れた奈苗はドラゴンスクリューから足4の字をお返し。さらにコーナーに逆さ吊りにしてのコーナースプラッシュやバックドロップ、駆け上がり式スタナー、冷蔵庫爆弾と一気に畳みかける。
 だが、2発目の冷蔵庫爆弾をかわして自爆させた脇澤は、ミサイルキックを連発するとやや崩れながらもジャーマン。さらに風香直伝のFクラッシュを狙うが、これは奈苗が決められる前に脱出。奈苗の延髄蹴りをかわした脇澤はダイビング・ボディプレスを投下するが、両足をあげて迎撃した奈苗は今度こそ延髄蹴り。口の中を切りながらも必死にエルボーで食らい付く脇澤だが、奈苗は渾身のラリアットでなぎ倒すと、ダメ押しの冷蔵庫爆弾を投下して3カウントを奪った。
 試合後、奈苗は「脇澤! 10年ぶりのリングはどうだ? しっかりやっていけるか? 気合い入ってんのか、テメー! 復帰戦の相手は私しかいないし。でも私と試合したってことは、こっから始まっていく。私を通してみんな始まっていくんだ。だから脇澤の気持ち、心強さを今日感じました。まだまだかもしれないけど、感じました。スターダムに必要なものを持っているのかもしれないです」と脇澤の再スタートを後押ししたのだが、「来年、スターダムがもっと大きな団体になっていくために必要なものが何か分かりますか? 奈苗軍団の増強です!」と言い出し、場内は騒然!
 すると脇澤は「ナナちゃん、痛いよぉ〜! 10年ぶりにリングに戻ってきました! ナナちゃんに10年間分追いつくのは、まだまだ一生懸命連勝して、私はスターダムの太陽になります! 奈苗軍団は別として、来年からよろしくお願いします!」と泣きながら絶叫した。

111225_Stardom-3.jpg メインの奈苗vs.脇澤戦後、年内最終興行ということで、ボーナストラック的に今年1年を締めくくる一戦として20歳以上のオーバー20(高橋奈苗、夏樹☆たいよう、愛川ゆず季、美闘陽子、紫雷イオ)と、20歳以下のアンダー20(世IV虎、星輝ありさ、岩谷麻優、須佐えり、鹿島沙希)が対戦。
 手拍子をしながらフレッシュに入場したアンダー20だが、世IV虎だけは一定の距離を置き、憮然とした表情。オーバー20は『爆乳戦隊パイレンジャー』に乗り、踊りながら入場。ただし踊りはバラバラ......
 アンダー20が全員ヤンキー座りして「一番のババア出て来い!」と挑発すると、オーバー20は全員コーナーに下がる。しかし観客は「奈苗」コール。仕方なく先発で出て行った奈苗は世IV虎にドロップキックで奇襲攻撃を仕掛けるが、アンダー20は全員でストンピング。奈苗は怒りのクロスボディを放っていくが、全員でキャッチしたアンダー20はマットに奈苗を叩き付けて「若いって......」と決めポーズをしようとするが、オーバー20の選手が入ってきてカット。逆に「20代っていいねー!」と決めポーズ(ただし奈苗抜きで)......というように随所に年の差バトルが展開されたが、最後は美闘が岩谷にハイキックを叩き込むと、イオが蒼魔刀、夏樹がムーンサルトプレス、奈苗が冷蔵庫爆弾を投下。そして愛川がダメ押しに武藤敬直伝のシャイニングゆザードを叩き込んで3カウントを奪い、オーバー20が勝利した。

 また、この日来年1月8日に引退記念興行『女帝』を開催するブル中野が来場し、リング上から「今日私が言いたいのは1つだけ。私の引退記念大会のメインを愛川ゆず季に託したいということです。はじめから決めてました」と発表。アイスリボン志田光とのシングルマッチが決まっている愛川は「やったー! 高橋奈苗選手とか差し置いちゃって大丈夫なんですかね? 一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします。絶対勝つぞー!」と喜びを爆発させた。
 大会のエンディングでは今年度スターダムで活躍した優秀な選手に贈られる『スターダム・アワード2011』が発表された。殊勲の勝利をあげた選手に贈られる殊勲賞は美闘、1年を通してコンスタントな活躍をした選手に贈られる敢闘賞は世IV虎、ベストバウト賞は11・12新木場大会の奈苗vs.夏樹のワールド・オブ・スターダム戦が受賞。そしてMVPは愛川が受賞し、これで愛川は東スポの女子プロレス大賞、日刊バトル大賞の女子プロレス部門MVPに続き、賞レース三冠となった。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 はるか悠梨デビュー戦 15分1本勝負
○夏樹☆たいよう
10分56秒 スウィング式ダブルアームフェースバスター→片エビ固め
●はるか悠梨

▼第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負
○紫雷イオ(フリー)
7分51秒 ライダーキック→片エビ固め
●ケリー・スケーター(PWA)

▼第3試合 スクランブル・タッグウォーズ 30分1本勝負
○星輝ありさ/岩谷麻優
9分13秒 オクラホマロール
●須佐えり/鹿島沙希
※残りの二組は愛川ゆず季/美闘陽子と世IV虎/山縣優(フリー)

▼第4試合 脇澤美穂リターンズ 30分1本勝負
○高橋奈苗
17分5秒 冷蔵庫爆弾→片エビ固め
●脇澤美穂

▼第5試合 オーバー20vs.アンダー20(20歳以上vs.20歳以下)30分1本勝負
[オーバー20]高橋奈苗/夏樹☆たいよう/○愛川ゆず季/美闘陽子/紫雷イオ
13分45秒 シャイニングゆザード→片エビ固め
[アンダー20]世IV虎/星輝ありさ/●岩谷麻優/須佐えり/鹿島沙希

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