棚橋にドームではストロングスタイル対決かと思わせておいて、本性を表した鈴木!欠場中の中西が「必ず戻ってきます」とファンに宣言!

111224_NJPW-1.jpg新日本プロレス
Road to KINGDOM ~Battle X'mas~
日時:12月24日(土)開始:15:00
場所:後楽園ホール
観衆:1950人(満員)

 24日、後楽園ホールで行われた新日本プロレス『Road to KINGDOM 〜Battle X'mas〜』。2日連続で開催された来年1・4東京ドーム大会への前哨戦的大会。メインでは1・4東京ドーム大会でIWGPヘビー級王座を賭けて激突する棚橋弘至と鈴木みのる、そして遺恨決着戦を行う真壁刀義と高山善廣がタッグマッチで激突した。

 まずは高山が入場すると、続いて真壁、そしてTAKAとタイチを連れた鈴木の順に入場し、最後に棚橋が入場。「タイチは帰れ」コールが起こると、鈴木はエプロンに登ったタイチにリングを降りるように指示。そして鈴木が棚橋を睨み付け、この2人で試合開始。
 手四つの力比べからバックに回ってフルネルソンに捕らえた棚橋だが、鈴木がバックを奪い返すと、棚橋はカニ挟みで倒してガブっていく。ロープに押し込んでいった鈴木がクリーンブレイクするが、場外からタイチが棚橋の足を掴んで行くが、鈴木は攻撃しない。仕方なくタイチが棚橋の足を離すと鈴木は棚橋とロックアップ。そこから首の取り合い、ヘッドロック→ヘッドシザースで脱出と、実にオーソドックスな試合展開。
 一方の高山vs.真壁はエルボー合戦やショルダータックル合戦など、真っ向勝負。高山がビッグブーツからスロイダーで投げれば真壁もボディスラムで叩き付ける。だが、高山が棚橋を場外に放り投げると、すかさず鈴木が鉄柵攻撃。タイチもストンピングで加勢するが、これは鈴木がすぐに止める。棚橋をリングに戻した鈴木は、高山と交互にミドルキックを叩き込むと、クルックヘッドシザースから腕十字を狙う。
 何とかロープに逃れた棚橋に一本足頭突きを見舞った鈴木だが、棚橋は何とかピンチを脱して真壁にタッチ。高山に串刺しラリアットを連発していった真壁だが、カウンターのニーリフトを叩き込んだ高山は鈴木にタッチ。だが、カウンターのパワースラムで叩き付けた真壁が棚橋にタッチすると、棚橋は鈴木のランニングローをキャッチしてドラゴンスクリュー。さらに高山にもドラスクを決めると、真壁が高山に監獄固め。棚橋は鈴木をテキサス・クローバー・ホールドに捕らえる。
 これを逃れた鈴木はスリングブレイドをかわして卍固め。高山も真壁をコブラツイストに捕らえる。さらに高山は真壁にニーリフトからランニングニーを狙ったが、そこに棚橋が入ってきてスリングブレイドでカット。真壁もラリアットを放っていくが、倒れない高山はビッグブーツ。これをキャッチした真壁はショートレンジラリアットでなぎ倒すが、高山もニーリフトを返すとランニングニー。
 カウント2でカットした棚橋を鈴木が場外に連れ出している間に、高山がバックドロップでカウント2まで追い込むと、そこからニーリフト、さらにダメ押しのエベレストジャーマンで投げていって3カウント。前哨戦は鈴木軍&高山が制した。

111224_NJPW-2.jpg マイクを持った鈴木が「東京ドームまであとわずか。棚橋、俺がどんな思いでここまで来たか、どんな気持ちでここまで来たか伝わったはずだ。40周年の記念に相応しい闘いをしよう」と言うと、棚橋も「鈴木、いや鈴木選手、あんたの全部を俺は受け止めて、ドームでやり合いましょう!」と返して両者はガッチリ握手。
 やはり鈴木といえど、故郷である新日本の創立40周年記念として開催される東京ドーム大会のメインということで、新旧ストロングスタイルで真っ向勝負するかと思われた......が、次の瞬間舌を出してあざけ笑った鈴木は、棚橋に襲いかかってスリーパー。すぐさまTAKA、タイチ、高山が取り囲んで、新日本本隊がカットに入れないような状態にすると、鈴木は棚橋をゴッチ式パイルドライバーで叩き付けてKOしてみせた!
 ついに本性を露わにした"世界一性格の悪い男"は「アーハハハハ、バーカ! この団体の歴史とかストロングスタイルとかよ、俺に関係あるかよ! 俺の知ってる新日本プロレスは、今も昔もゴミとクズばっかりだよ! お前に教えておいてやるよ。俺、知り合いに鬼とか神とかいねぇんだよ(ニヤリ)。1月4日、東京ドーム、俺たち鈴木軍が占拠する! そして2012年は俺たち鈴木軍を中心に回っていく!」と鈴木軍による新日本制圧を宣言。
 新日本ファンから大ブーイングが飛ぶ中、棚橋は担架に乗せられて無言のまま退場するというバッドエンディング。一方、意気揚々とバックステージに戻ってきた鈴木は「猿芝居だ、猿芝居。どうしてこんな手の込んだことしたか教えてやろうか? それはなぁ......弄んだだけだ。(棚橋が)甘過ぎるからよぉ、辛口の味付け付け足してやったんだよ。ちょっと辛すぎて伸びちゃってっけどな」とニヤニヤ笑いながら語った。
 そしてまんまと棚橋vs.鈴木を"ストロングスタイル対決"と煽ったマスコミ陣に対しても「お前らが書いた一語一句、全部俺に踊らされてるだけだ、アホ。だから最初から言ったじゃねぇか、(新日本に)侵略しに来たって! 奪いに来たんだ。お前らが好きそうなキーワードを並べたら、ホイホイホイホイ手出しやがって、バカじゃねぇの? この瞬間をずっと待ってたんだ。あんたら1つ忘れてる。あんたらがつけたキャッチコピー、世界一性格の悪い男だぞ。お前らが勝手につけて勝手に忘れたんだろ? おい、ベルトも新日本も全てもらうぞ」と言い放った。

111224_NJPW-3.jpg 休憩前にはスクリーンに欠場中の中西学がリハビリをする様子が映し出された。やや身体は小さくなった中西だが、担当医は「飛躍的に良くなっている」と語り中西自身も「復帰のことだけを考えてやっている。お世話になって人にお返ししたい」と語る。DREAMS COME TRUEの『何度でも』に乗せてリハビリに励む中西の姿は、震災から復興しようとしている被災地とオーバーラップする部分も......
 VTRが終わると『Seize The Tactticz』が鳴り響いて、スーツ姿の中西が登場! 感無量の表情で大「中西」コールを聞いた中西は「すみません、本当に長い間休ませてもらって、たくさんの皆さんにご心配をおかけてして申し訳ありませんでした。考えられることは早くリングに上がって闘いたい、復帰したいってことで。でもケガをして分かったことが、改めてリングに上がることが大変だということが分かりました。いま正直いって普通のアスファルトの上を軽く走るのがやっとなところです。普通の人に比べたら『かなり回復している』って言うかもしれませんが、まだレスラーとしては一歩も前進していないんですけど、自分の帰ってくる場所はリングしかありませんから......。どのくらいかかるか、出来るだけ早く皆さんの前に元気な体で、力一杯、精いっぱい闘えるように必ず戻ってきますので、その日までよろしくお願いします!」と挨拶。
 多くの観客から「待ってるぞー!」という声が飛ぶが、リングを降りる際も慎重に鉄階段を下る姿にまだまだ復帰までは長い道のりなのが分かる。バックステージでは中西が入院中にお見舞いに行き、「レスラーはやっぱりリングやぞ。もうちょっと動けるようになったらすぐ(道場の)リングに上がれ!」と檄を飛ばしたという坂口征二会長も同席して中西はコメントを出した。
 10月上旬に首の手術を受けた中西は、次の日から自力歩行をしリハビリも開始したという。手術の翌日からリハビリを始めたというのは何とも驚異的だが、中西は「安全策ばっかりじゃなくて、出来ることを自分で探しながらやっていくということ。やっぱりそれがトレーニングもそうだが、レスラーにとって一番合っていると思う」と説明。11月に退院した中西は、(欠場から)半年かかってようやく道場のリングに上がってみたところ、坂口会長に言われた通りいろいろなものを感じたという。その後も坂口会長に相談しながら少しずつ歩けるようになっていき、この日会場で挨拶するために激痩せした身体も3〜4週間かけてだいぶ戻したとのこと。
 そして中西は「何があっても前向きに。出来る事どんどんやっていって、身体を動かしていって、しっかり休めて。しっかり目標持って、1日も早くリングに上がって、もう恥ずかしくないようなものを作り上げて、戻って来たいです」と力強く語った。
 なお、この日矢野通とシングルマッチを行った中西の盟友・永田裕志は試合には敗れたものの、試合中に中西の得意技である大☆中西ジャーマンを出した。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負
タイガーマスク/●田口隆祐/KUSHIDA
7分53秒 変形前方回転エビ固め
邪道/外道/○ロッキー・ロメロ

▼第2試合 スペシャルシングルマッチI 30分1本勝負
●キャプテン・ニュージャパン(ヒデオ・サイトー)
10分5秒 レフェリーストップ
○飯塚高史

▼第3試合 スペシャルシングルマッチII 30分1本勝負
●天山広吉
9分29秒 ガンスタン→片エビ固め
○"ザ・マシンガン"カール・アンダーソン

▼第4試合 スペシャルシングルマッチIII 30分1本勝負
●小島聡
12分18秒 バーナードライバー→体固め
○ジャイアント・バーナード

▼第5試合 スペシャルシングルマッチIV 30分1本勝負
●井上亘
9分50秒 ボマイェ→片エビ固め
○中邑真輔

▼第6試合 スペシャルシングルマッチV 30分1本勝負
●後藤洋央紀
10分0秒 東京ピンプス→片エビ固め
○高橋裕二郎

▼第7試合 スペシャルシングルマッチVI 30分1本勝負
●永田裕志
10分0秒 エビ固め
○矢野通

▼第8試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
棚橋弘至/●真壁刀義
15分15秒 エベレストジャーマンスープレックスホールド
鈴木みのる(パンクラスMISSION)/○高山善廣(高山堂)

このページの先頭へ
コラム女子プロレス団体『FEATURES』
スターダム世IV虎の番長日記
はるか悠里の格闘アイドル育成計画
スターダム須佐えりの初勝利への道
月別アーカイブ
団体