壮絶な"男の殴り合い"は残り10秒でダウンを奪った梶原が制す!22歳以下ユースGPは野杁が盤石の優勝
Krush実行委員会
Krush.14
日時:12月9日(金)開始:18:30
場所:後楽園ホール
9日、後楽園ホールで行われた『Krush.14』。注目のメインはKrush初代王者・梶原龍児vs.K-1 WORLD MAX63kg初代王者・大和哲也。羅紗陀が練習中の負傷で欠場し、大和が代打を引き受けた。元ボクサーでパンチ主体の梶原と"豪腕"で鳴らす大和。試合は予想を遥かに越えた打ち合いとなった。
セミファイナルで後輩の卜部功也が野杁正明の跳びヒザ蹴りで失神KO負け。その余韻が残るリングに上がった梶原は全身から殺気を漂わせ、クールなたたずまいの大和とは好対照。
試合は大和がプレッシャーを掛け、梶原は下がりながら距離を合わせる展開に。大和がロー、ミドル、ハイと蹴りを散らしながらパンチを狙うのに対して、梶原は1R中盤に早くも右フックをクリーンヒット。2Rから大和はさらにプレッシャーを強め、ローで梶原の足を殺しながらパンチを狙う。梶原は下がりながら誘い、大和がパンチを打ち込む瞬間にカウンターを狙う。大和は何度も梶原の強烈なカウンターを食うものの、果敢な攻めを貫き、3R開始時点では梶原の方がダメージがある感じだ。
3R、大和はボディ、フック、ヒザと攻勢を強めていくが、梶原は決定打を許さない。何度もパンチが交錯し、相打ちでグラつきながらもKOを狙う両者。そして残り10秒でドラマが待っていた。
倒しにかかる大和がコーナーに追い詰め、パンチを連打した瞬間、梶原が体勢を入れ替えて強烈なヒザ蹴りを一閃! 大和はフラつき、その場に崩れ落ちてレフェリーがダウンを宣告。大和が立ち上がったと同時に終了のゴングが鳴った。場内は壮絶な打ち合いにスタンディングオベーションだ。
判定は30-28、30-28、30-27で梶原。マイクを持った梶原は、今日が誕生日であることから母親に感謝の意を表し「若手もすげえ強いけどこれが30代の力。また来年もKrush、宜しくお願いします!」と締めくくった。
バックステージでは「今日は我慢比べ。俺の方が30代で我慢の数が多かった。打ち合いは作戦とは全然違います(笑)。でも君が代斉唱の時、ボクサーからのこととか走馬燈のように蘇って『これがやりたかったんだ』って。最近判定が多くて、今日も判定だったけど内容が違う。お客さんが待ってたものが見せられたと思う」と梶原。
「打ち合って1Rからすげえ気持ちよかった。This is Krushっていうものを見せられたと思う」そう言って胸を張った梶原は、関係者から「梶原君、ありがとう!」と声を掛けられていたが、GAORAの生中継という『Krush』にとっては勝負の興行を壮絶な打ち合いで締めてKrushの魅力を存分にアピールした意味は大きい。
なお、22歳以下のユースGPは、準決勝ではHIROYAから右ストレートでダウンを奪って判定勝ち、決勝では卜部功也から跳びヒザ蹴りで失神KO勝利を奪った高校3年生の野杁正明が優勝。野杁は、ジムの練習仲間に感謝の言葉を述べた後「ムエタイルールの試合にも挑戦してみたい。これからもっと頑張るので応援よろしくお願いします」。
18歳ながら大人の選手たちをテクニックで翻弄してしまう野杁はまさに日本格闘技界の至宝。今後の成長がますます楽しみだ。
また、現在はアントニオ猪木の主宰するIGFプロレスを主戦場にしているピーター・アーツが来場し、「私のジムの有望な若い選手をぜひ参戦させたい」と表明。来年2月にも"アーツからの刺客"が『Krush』に殴り込む!(スポーツライター・茂田浩司)
▼オープニングファイト第1試合 Krush -60kg Fight/3分3R
○渡辺武(Booch Beat)
判定3-0
●将大(MAD MAX GYM)
▼オープニングファイト第2試合 Krush YOUTH GP 2011・リザーブファイト1/Krush -63kg Fight/3分3R・延長1R
●佐々木大蔵(チームドラゴン)
判定0-3
○園田顕悟(小比類巻道場)
▼オープニングファイト第3試合 Krush YOUTH GP 2011・リザーブファイト2/Krush -63kg Fight/3分3R・延長1R
●牧平圭太(team pitbull)
判定0-3
○小川翔(OISHI GYM)
▼第1試合 Krush YOUTH GP 2011・準決勝第1試合/Krush -63kg Fight/3分3R・延長1R
○野杁正明(OISHI GYM)
判定3-0
●HIROYA(TRY HARD GYM)
▼第2試合 Krush YOUTH GP 2011・準決勝第2試合/Krush -63kg Fight/3分3R・延長1R
●高橋幸光(はまっこムエタイジム)
判定0-3
○卜部功也(チームドラゴン)
▼第3試合 Krush -60kg Fight/3分3R
△後藤勝也(池袋BLUE DOG GYM)
ドロー0-1
△大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB)
▼第4試合 Krush -55kg Fight/3分3R・延長1R
○匠(チームドラゴン)
判定3-0
●Riki-ya(KSS健生館)
▼第5試合 Krush -70kg Fight/3分3R・延長1R
○廣野祐(NPO JEFA)
判定3-0
●守屋拓郎(スクランブル渋谷)
▼第6試合 Krush -63kg Fight/3分3R・延長1R
○水落洋祐(はまっこムエタイジム)
判定3-0
●一輝(OGUNI GYM)
▼第7試合 ダブルメインイベント1 Krush YOUTH GP 2011・決勝戦/Krush -63kg Fight/3分3R・延長2R
○野杁正明(OISHI GYM)
1R 2分58秒 KO
●卜部功也(チームドラゴン)
※野杁がKrush YOUTH GP 2011優勝
▼第8試合 ダブルメインイベント2 Krush -63kg級タイトルマッチ/3分3R
[王 者]○梶原龍児(チームドラゴン)
判定3-0
[挑戦者]●大和哲也(大和ジム)
※王者・梶原が初防衛に成功
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