金原のデビュー20周年を記念して甦った"U"のSPIRITSにファン熱狂!スバーン健在!垣原は現役復帰宣言!
金原弘光デビュー20周年記念興行
U-SPIRITS
日時:11月16日(水) 開始:19:00
会場:後楽園ホール
観衆:1618人(満員)
16日、後楽園ホールで行われた金原弘光デビュー20周年記念興行『U-SPIRITS』。UWFインターナショナルやリングスで活躍してきた金原のデビュー20周年を記念して開催された今大会に、U戦士から新日本プロレス学校時代の仲間まで金原と縁のある選手が一同に会した。
メインでは金原がU戦士の先輩である鈴木みのるとU-SPIRITルールで対戦。U-SPIRITルールはKO・ギブアップによる1本・レフェリーストップ・ドクターストップほかに、5ポイントがすべてなくなって時点でのTKO(ダウンで1ポイント、ロープエスケープで1ポイントで減点)で勝負がつく、いわゆる"Uルール"。大会前にはZSTの所英男と伊藤健一によるルールシミュレーションも行われた。
大会のオープニングから『UWFメインテーマ』で全出場選手が登場して選手入場式が行われたため、会場に駆けつけたファンはその時点で完全に出来上がっていた。そして迎えたメイン。鈴木は10数年ぶりにレガースとニーパットを着用して登場。これだけでも会場は大盛り上がり。対する金原も「UWF」の文字が入った黒いレガースを着用。
いきなり鈴木がタックルからのアキレス腱固めを鮮やかに極めてエスケープを奪い、金原はロストポイント1。今度は金原がタックルでテイクダウンを奪うと、そこから"回転体" と呼ばれる、お互いに攻めながら守り攻守を入れ替えながら動きが止まらない攻防を展開。鈴木は袈裟固めに捕らえると腕極め袈裟固めの体勢のまま金原の空いている左腕にアームロック。これをヘッドシザースで逃れた金原は腕十字を狙うが、鈴木はクラッチするとそのまま立ち上がってゴッチ式パイルドライバーを狙う!
踏ん張った金原はワキ固めに切り返すが、鈴木は脱出。立ち上がった金原はヒザ蹴りの連打から飛びヒザ蹴りでダウンを奪い、鈴木はロストポイント2。立ち上がった鈴木に左右のハイキックを叩き込んでいった金原は、掌底からの右ハイキックで再びダウンを奪い、鈴木はロストポイント3。なおも金原は掌底、ヒザ、ハイキックと叩き込んでから抱え上げて水車落としで叩き付けてのヒザ十字固めへ。
そこからリング中央に引きずり戻し、アンクルホールドに移行したが、鈴木はロープエスケープ。だが、これでロストポイント4となった鈴木はあと1回のダウンまたはロープエスケープで負けとなる。ミドルや掌底を連打して畳みかける金原はガードを固める鈴木にタックルを仕掛けるが、鈴木はフロントネックロックに捕らえると、そのままテイクダウン。何とか首を抜いた金原だったが、そのままバックを取った鈴木は一気に胴絞めスリーパー。これがガッチリと決まったが、金原がギブアップしなかったためレフェリーが試合をストップ!
逆転勝ちした鈴木に対し、金原が正座して一礼すると、首を振って嫌がっていた鈴木も正座して一礼。リングを降りた鈴木はその場でニーパットとレガースを脱ぎ捨て客席に放り投げた。「最高にいい20周年記念が出来ました。UWF、新日本プロレス最高です!」と挨拶した金原はバックステージに戻ると「興行をやる大変さが分かりました」と苦笑いしながら言いつつも「まだまだ見たいカードはあるので、このU-SPIRITSが続けばいいですよね」と語った。
Uインターで活躍後は初期のUFCでも活躍し、プロレスラーの強さを世界的に証明したダン・スバーンが久しぶりに来日。現在53歳になったスバーンだが、今年に入ってMMAの試合を5試合も行ったという。対するは第二次UWFの生え抜きであり、現在は幅広い活躍をしているパンクラスMISSIONの冨宅飛駈。
オープニングでもその大きさに場内からどよめきが起こったスバーンだが、Uインター時代の盟友である故ゲーリー・オブライトの入場曲だったAC/DCの『THUNDER STRUCK』で入場してくると、さらに大歓声に包まれた。Uインター時代とは見た目がかなり変わったビリー・スコットと比べると、体の横幅が多少大きくなったのと、髪に白いものが目立つようになったこと以外は、ほとんど見た目も変わらずレガース姿もよく似合うスバーン。
体格差がかなりあるため冨宅はリングを回りながらローを蹴っていくが、お構いなしに組み付いていったスバーンは豪快なスロイダーでブン投げていくと、さらに間髪入れずもう1回スロイダーで投げていきダウンを奪う! これでロストポイント1となった冨宅に、スバーンは飛び付いていってバックを取っていくが、冨宅もビクトル投げからヒザ十字に切り返す。これにはスバーンもロープにエスケープしていきロストポイント1。
なおもローキックを蹴っていく冨宅だが、またも組み付いていったスバーンは豪快にジャーマンで投げていくと、さらにもう一発ダメ押しのジャーマン! 大の字に倒れた冨宅は立ち上がることが出来ず、レフェリーが試合をストップ! 豪快なKO劇に場内は大きくどよめき、いまだバリバリ現役であることを証明したスバーン。まさにオブライトが高田延彦らUインターの選手たちを次々にジャーマンでKOしたときを彷彿させるシーンだった。
金原の記念興行ということで、Uインター時代の先輩である垣原賢人が、約5年ぶりに一夜限りの現役復帰を決意! 近年はミヤマ仮面として活躍する傍ら、トレーニングも続けていた垣原だけに、その肉体は現役時代以上とも言われている。その垣原と対戦するのは、ドラゴンゲートの現オープン・ザ・ドリームゲート王者・望月成晃。Uのリングには上がったことがない望月だが、必殺技の「最強ハイキック」で分かるように高田延彦に憧れていた上、元々はその高田と対戦した北尾光司が主宰していた武輝道場の選手だ。
チビミヤマ仮面と共にミヤマ仮面の格好で登場した垣原だが、マスクを脱いでパンタロン姿で試合開始。いきなりボディへの蹴りからストレート掌底で望月からダウンを奪った垣原。体のキレはかなりいい。さらにバックを取った望月をヒザ十字固めに捕らえ、ロープエスケープを奪ったたため、望月はロストポイント2。望月は右の真・最強ハイキックをいきなり叩き込むと、ローキックを連打してダウンを奪い、これで垣原はロストポイント1。自らヒザを叩いて気合いを入れた垣原はミドルキックを打っていったが、キャッチした望月がアンクルホールドに切り返してロープエスケープを奪ったことで、垣原もロストポイント2となる。
望月は垣原をコーナーに追い込んでカカト落とし、ニーリフト、ミドルキックを連打していく。垣原の動きは止まったが、レフェリーはまだダウンを取らない。そこで望月が突っ込もうとすると、垣原は木村健悟直伝の稲妻レッグラリアットで迎撃! さらにカッキーカッターから腕十字を狙うが、クラッチした望月はロープにエスケープし、これでロストポイント3。
垣原はヒザ蹴りからバックを取るが、望月はこれをアンクルホールドに切り返す。垣原は必死にロープに手を伸ばすが、なかなか届かず無念のギブアップ。試合が決まった瞬間、チビミヤマが父のもとに駆け寄っていくと、垣原は「望月選手、ありがとうございます。強かったです。応援してくれた会場の皆さん、どうもありがとうございました。今回、1日限定復帰ということでやってきましたが、ただ負けたままでは終われません! 垣原賢人、完全復活を目指します! その時は望月選手、また闘ってください」と、何と現役復帰宣言!
最後はチビミヤマの音頭で望月や和田良覚レフェリーも含めて、みんなで「クワガタポーズでクワックワッ!」とミヤマ仮面の決めポーズで締めてみせた。なお、インタビュースペースで垣原は復帰に関して「(復帰の舞台は)今のところは本当に何も考えてなく、どこっていうのはないです。極端に言ったら先日、菊田早苗の総合の試合を観に行って(=10・15 GRABAKA興行)、オクタゴン、金網のリングに上がったんですけど、もしかしたら総合のリングもアリかなとか。それぐらい今の状態では何も決まってなくて、何も頭の中にないんですけど、その時ピンと響くものがあれば、それが総合だろうがどこの団体だろうが。全日本だろうが、もちろん新日本だろうが関係ないなという感じ」とコメントした。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼第1試合 シングルマッチ(U-SPIRITSルール)15分1本勝負
○中野巽耀【ロストポイント1】
7分30秒 スリーパーホールド
●松井大二郎【ロストポイント3】
▼第2試合 レジェンド vs ニュージェネレーション(U-SPIRITSルール)15分1本勝負
○ビリー・スコット【ロストポイント3】
7分4秒 ダブルリストロック
●中村大介(U-FILE CAMP)【ロストポイント1】
▼第3試合 新日本プロレス学校同窓会マッチ 30分1本勝負
○天山広吉(新日本プロレス)/西村修(フリー)
15分42秒 TTD→片エビ固め
●ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)/池田大輔(フーテンプロモーション)
▼第4試合 RESPECT U(U-SPIRITSルール)15分1本勝負
○望月成晃(DRAGON GATE)【ロストポイント3】
6分18秒 アンクルホールド
●垣原賢人【ロストポイント2】
▼第5試合 シングルマッチ(U-SPIRITSルール)20分1本勝負
○ダン・スバーン【ロストポイント1】
2分20秒 KO
●冨宅飛駈(パンクラスMISSION)【ロストポイント1】
▼第6試合 セミファイナル(U-SPIRITSルール)20分1本勝負
●高橋義生(SRC本部道場)【ロストポイント2】
7分42秒 KO
○高山善廣(高山堂)【ロストポイント2】
▼第7試合 メインイベント(U-SPIRITSルール)20分1本勝負
●金原弘光【ロストポイント1】
10分26秒 スリーパーホールド(レフェリーストップ)
○鈴木みのる(パンクラスMISSION)【ロストポイント4】
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