最後までやりすぎぐらいがちょうどいい試合の末、日高のハイキックで"介錯"された澤。完全燃焼して笑顔で引退!

111109_Zero1-1.jpgプロレスリングZERO1
YARISUGI FOREVER Ⅱ
日時:11月9日(水)開始:18:30
場所:後楽園ホール
観衆:非公開

 9日、後楽園ホールで行われたプロレスリングZERO1『YARISUGI FOREVER II』。この大会で今年の『天下一ジュニア』で優勝するなど、ZERO1マットで活躍してきた澤宗紀が引退試合を行った。
 所属していた団体バトラーツが11・5新宿FACE大会をもって解散したことで、澤も引退を決意。団体は解散してしまったが、最後まで澤の所属先は「バトラーツ」。それだけバトラーツ愛のある澤が引退試合の相手に指名したのは、バトラーツの先輩であり、相棒タッグのパートナーでもある日高郁人。澤の身体がすでにボロボロなのを知っている日高は「僕が澤宗紀を責任持ってプロレス界から送り出します」と涙ながらに語ったが、澤は煽りVの中で「人生とかも100%満足して終わるのは無理だと思うんですけど、どんどん100に近づける作業を続けてきたので、やりすぎぐらいがちょうどいい。その最後に100に近づけさせてくれる相手が日高郁人」と語っていた。

 いつものように『リボルバージャンキーズ』に乗り、赤いタオルを首から巻いて入場した澤。そのセコンドには矢野啓太、竹嶋健史、さらに引退した吉川祐太の"元バトラーツ"勢がつく。沖田リングアナから「やりすぎぐらいがちょういい! "バトラーツ"澤宗紀〜!」とコールされた澤は感無量の表情で日高と対峙する。しかし日高が握手を求めていくと張り手で応えた澤。
 澤はガンガン蹴ってくる日高を場外に追いやると、珍しくプランチャを投下。そして場外でのエルボーの打ち合いから日高をイスに座らせると、素早く東側の客席最後方に移動。LOVEポーズをしてから一気に客席を駆け下りてダッシュした澤はシャイニング・ウィザードを放っていったが、かわされて自爆! リングに戻った日高は煽りVの中で「もう燃え尽きるまで蹴り続けます。絶対にお前を灰にさせて、このリングで終わらせてやる」と語っていた通り、徹底して澤の左ヒザを蹴っていく。さらに足横須賀で叩き付けてから足4の字固め。
 澤のセコンドにはバトラーツ勢に加えて、フジタ"Jr"ハヤトや大谷晋二郎もつき、必死で澤に檄を飛ばす。どうにかロープに逃れた澤だが、日高はまだ倒れている澤を蹴りまくってエプロンまで追いやる。しかし澤もエプロンからロープの反動を利用してエルボーを叩き込むと、腕を取ってのショルダーアームブリーカーからロープ越しのドラゴンスクリュー。リングに戻りスペース・ローリング・エルボーからダブルパンチをお見舞いした澤は「新必殺技だー!」と叫んでコーナーに登っていく。
 だが、日高が追いかけていって雪崩式ドラゴンスクリュー。澤もレッグラリアットからの腕十字を返していくと、日高をコーナーに乗せて雪崩式フランケン。しかし澤のシャイニング・ウィザードをヒザへのドロップキックで迎撃した日高はシュリケンからミサイルキック、リバースDDTと決めていく。場内から「澤」コールが起こる中、張り手合戦、ローキック合戦を展開すると、澤はニヤリと笑ってエルボー合戦へ。そこから日高が蹴っていくと、澤はグーパンチをお返し。自分の拳が痛くなるほどの一撃だったが、日高もローキックからのスワンダイブ式低空ドロップキックで澤のヒザを破壊していく。
 そして日高は必殺のショーンキャプチャーで仕上げに入る! リング中央でガッチリ決まり、絶体絶命のピンチだった澤だが、必死にロープに手を伸ばす。だが、日高はリング中央に引きずっていく。澤は前転して腕十字に切り返そうとしたが、日高はヒザ十字を決め直す。

111109_Zero1-2.jpg 檄を飛ばすハヤトを掴むようにどうにかロープに逃れた澤。20分を経過し、日高はローからのソバットで澤を悶絶させる。だが、カウント8で立ち上がった澤はなおもソバットを打ってくる日高にレッグラリアットを返すと、伊良部パンチを狙ったが、日高は野良犬ハイキックで迎撃! だが、澤も突進してくる日高をフランケンシュタイナーで投げるとシャイニング・ウィザードをお見舞いしてから伊良部パンチ! そして必殺のお卍固めに捕らえる。
 必殺フルコースを決めた澤だが、日高はロープに脱出。澤はバトラーツ最終興行でのスルガマナブ戦でも出した変型のハーフネルソンスープレックスから「ナーシャ、オラ!」と石川雄規ばりの延髄斬りを狙ったが、日高はハイキックで迎撃。日高の掌底とローをもらった澤は自らマウスピースを捨てると張り手をお返し。日高もマウスピースを捨てると、互いにミドルキックを打ち合う。
 そこから日高はイグチボムで叩き付けてから野良犬ハイキック! さらにもう一発野良犬ハイキックを叩き込み、ダウンを奪った日高。澤は必死にロープを掴んで立とうとするが、ダウンカウントが進む。だが、日高はまだ澤は灰になっていないと判断し、カウントを止めさせると敢えてヒザ立ちになり「打ってこい」と要求。澤は渾身のシャイニング・ウィザード2連発を叩き込むが、これでも日高から3カウントは奪えない。
 お互いマットに両ヒザをついたままヘッドバットを打ち合うと澤がダウン。日高は澤が立ち上がってきたところに右→左→右と野良犬ハイキックを連打。それでも立ち上がった澤はまるで日高に"介錯"をお願いするように、両手を広げ、万感の表情で受け止める構えを見せる。そこに日高が野良犬ハイキックを叩き込んで澤を介錯! 最後まで澤は立ち上がろうとしたが、ダウンカウント10以内には立ち上がれず、澤のKO負けで引退試合は終わった。

111109_Zero1-3.jpg 大の字に倒れた澤を何とも言えない表情で見つめていた日高。抱き合って健闘を称えたあとは、まるでバトラーツ道場での練習のあとのようにお互いに正座をして一礼。
 そして澤の引退セレモニーへ。澤らしく笑いを織り交ぜながら経歴が紹介されたあと、この日STFで横山佳和からギブアップを奪い、70戦目にして初の自力勝利をあげた橋本大地をはじめとするZERO1勢や、ハヤト、元バトラーツ勢が次々に花束を渡していく。真っ赤な掣圏スーツで登場した佐藤光留は、SEX-MENらしく"アダルティなグッズ"を贈呈。さらに全日本プロレスからは田中稔、DDTからはチーム変態大社長を組んでいた高木三四郎が来場して花束を贈呈。バトラーツ最終興行で対戦したスルガは花束を渡すと澤と抱き合う。犬猿の仲と言われた2人だけに場内もどよめいたが、次の瞬間お互いに張り手を一発ずつ打ち合った! ランジェリー武藤のライバルだったアジャコングからはローキックとキスのプレゼント。そして曙に続いて最後に引退試合の相手を務めた日高から花束を受け取った澤は本当にたくさんのご来場、誠に、誠にありがとうございました。あ〜、やりすぎたぁ!(笑)。あ〜、面白かった! そう思えるプロレス人生でした。そして周りの人に恵まれたプロレス人生でした。今日はお祭り騒ぎに付き合っていただきありがとうございました。澤宗紀、やりすぎぐらいが〜と言ったら、大きな声でちょうどいいと叫んでください。いくぞー! やりすぎぐらいが〜ちょうどいい! ありがとうございました!」と最後は観客と共に大合唱して挨拶。
 10カウントゴングが鳴らされたあと、最後は『リボルバージャンキーズ』が流れる中、バトラーツのリングアナを務めていたパンチ田原リングアナが澤の名前をコール。大量の紙テープが投げ込まれたリング上で選手たちから胴上げされた澤は、プロレスのリングに別れを告げた。
 感動のフィナーレかと思いきや、スクリーンではバックステージの様子が映し出される。澤を中心に出場選手や来場した選手たちがインタビュースペースに集合すると、最後はドリフターズの『いい湯だな』の替え歌で締め。選手、観客、そして澤本人も最後まで笑顔でお祭り騒ぎの引退セレモニー。その後のインタビューでも日高を隣に座らせ、何度もボケてつっこまれた澤。
 挙げ句の果てに佐野直から9月のスタンリー興行に出たときのファイトマネーを渡してなかったと、その場で封筒を手渡された澤は「お金よりも、いいバカ騒ぎをさせてもらったという、もうほんとに感謝の気持ちでいっぱいですね。ホントに周りに恵まれました。それに尽きますね。ありがとうございます!」と言うと、現金が入った封筒を手におちゃらけポーズ。何とも「やりすぎぐらいがちょうどいい」と言い続けてきた澤宗紀らしい、最後までやりすぎな引退だった。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 オープニングタッグマッチ 20分1本勝負
矢野啓太(ワラビー)/●竹嶋健史(フリー)
8分56秒 ラリアット→片エビ固め
小幡優作/○不動力也

▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
藤田峰雄/○橋本大地
10分0秒 STF
フジタ"Jr"ハヤト(みちのくプロレス/九龍)/●横山佳和

▼第3試合 インターナショナルJr選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○菅原拓也(フリー)
14分52秒 十三不塔→片エビ固め
[挑戦者]●ショーン・バーネット
※第10代王者が3度目の防衛に成功

▼第4試合 NWA UNヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●ハートリー・ジャクソン
13分43秒 ラリアット→エビ固め
[挑戦者]○植田使徒
※第12代王者が11度目の防衛に失敗。植田が第13代王者となる

▼第5試合 8人タッグマッチ 30分1本勝負
佐藤耕平/KAMIKAZE/崔領二/●柿沼謙太
14分18秒 変型F5→片エビ固め
ザ・シーク/ポール・トレイシー/マーク・フセイン/○ライディーン

▼第6試合 NWAインターコンチネンタル・タッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]○田中将斗/ゼウス(大阪プロレス)
20分18秒 スライディングD→エビ固め
[挑戦者組]●大谷晋二郎/曙(フリー)
※第26代王者組が初防衛に成功

▼第7試合 YARISUGI FOREVER〜澤宗紀 引退試合〜 60分1本勝負
●澤宗紀(バトラーツ)
29分13秒 KO
○日高郁人

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