バトラーツ最終興行に懐かしい顔触れが集結!最後までバチバチとしたバトラーツらしい試合で15年の歴史に幕

111105_Battlarts-1.jpg格闘探偵団バトラーツ
Once upon a time BATTLARTS ~あの時を忘れない~
日時:11月5日(土)開始:19:00
場所:新宿FACE
観衆:867人(超満員札止め)

 5日、新宿FACEで行われた格闘探偵団バトラーツ最終興行『Once upon a time BATTLARTS〜あの時を忘れない〜』。藤原組を卒業した石川雄規を筆頭に池田大輔やアレクサンダー大塚らと1996年4月に旗揚げされたバトラーツが、ちょうど15年目にその歴史に幕を閉じることになった。

 懐かしい顔触れが揃った最終興行だったが、ダブルメインその1に出場したのはこれまで"闘う営業マン・闘う広告塔"として様々なリングに上がってバトラーツを広め、最終興行のためには散り散りになっていたバトラーツOBをドラゴンボールに例え、もう一度だけ集まるように奔走した澤宗紀。対するは原学としてバトラーツでデビューし、その後はビッグマウス・ラウドを経て、現在はフーテン・プロモーションで活躍しているスルガマナブ。
 名前がコールされた瞬間飛び蹴りで奇襲攻撃を仕掛けていった澤だが、スルガもローキックで応戦。いきなり腕十字を狙っていった澤に対して立ち上がったするががガンガン蹴っていくと「イテェ!」と言いながらも澤はニヤリ。そこにスルガの蹴りがヒットして澤はダウン。スルガがアキレス腱固めを仕掛けていくと、澤もアキレスをかけ返すが、スルガは回転して逆片エビ固めに捕らえる。ロープに逃れた澤に対し、立ち上がったスルガは容赦なく顔面を足蹴にすると、掌底からハイキック!
 腰から落ちた澤をなおも蹴ってダウンさせたスルガはフロントネックロック。咳き込みながら脱出した澤に「どうしたよ、澤」と挑発していったスルガはニーリフトやミドルキックでボディを攻めていく。コーナーに追い込まれ座り込んだ澤の顔面をスルガが踏みつけると、澤は「ふざけんな、テメー」と睨み付け、立ち上がってソバット。さらに強引にジャーマンで投げていくが、着地したスルガはハイキック。澤も返す刀でハイキック。さらに腕十字、三角絞めと仕掛けていった澤だが、スルガは顔面を踏みつけて脱出。
 スルガのミドルをキャッチしてドラスクで投げていった澤はシャイニング・ウィザードを狙ってダッシュするが、スルガはカウンターのラリアットで迎撃! さらに掌底、ソバット、ハイキックでダウンを奪うが、澤も歯を食いしばって立ち上がる。「澤ーっ!」と叫びながら蹴っていくスルガに組み付いた澤はバックドロップ。さらにリバースの羽根折り固めに捕らえるが、スルガはロープに脱出。
 拳に気合いを込めて足を踏みならした澤だが、スルガはカウンターのハイキック。それでも倒れない澤はグーパンチ! 両者ダウン状態から立ち上がり、壮絶な張り手の打ち合いに。さらにローやエルボーもバチバチと打ち合うと、澤は渾身の伊良部パンチ。だが、スルガはこれを飛び付き腕十字で切り返す! どうにか逃れた澤をダブルアームの体勢に捕らえたスルガだが、澤が踏ん張るとタイガースープレックスで投げていく。だが、澤もスクリューキックを返す。
 倒れた澤に低空ドロップキックを浴びせるスルガだが、澤もパンチで飛び込んでいき、もはや技ではなく魂のぶつかり合いに! 澤はオーバーヘッドキックから片方はフルネルソン、片方はリストクラッチの変型ハーフネルソンで投げると、立ち上がったスルガにハイキックからの伊良部パンチを叩き込み、一気にお卍固めに捕らえる! これがガッチリと決まりついにスルガはギブアップ!
 試合後、お互いに正座をするとスルガが澤の頭を掴んで何やら言葉をかける。涙ぐみながらその言葉に頷いた澤は、これまた号泣するスルガとガッチリ握手。そして澤は最後まで観客の大声援と、バトラーツの会場では最後となった『リボルバージャンキーズ』を名残惜しそうに聞いていた。

111105_Battlarts-2.jpg ダブルメイン最終試合はバトラーツの象徴的カードである石川雄規vs.池田大輔。池田がノアを辞めてBATI-BATIをはじめたときにも行われたこの対決だが、やはりバトラーツを締めくくるのはこのカードしかない。
 池田は旧テーマ曲の『Fight For Your Right』で入場。対する石川もお馴染みの情念ガウン姿で入場すると、いきなり額をくっつけて睨み合う。しかも池田がドロップキックからの大ちゃんボンバーで奇襲攻撃! 一旦場外に出て間を取った石川がリングに戻ると、池田はローキックを連打してから石川の顔面にヘッドバット! 「ミシィ!」という鈍い音が館内に響き渡り、観客からもどよめきが起こる中、石川はそれでも池田に胴絞めスリーパーを仕掛けていく。
 脱出した池田がグーパンチを叩き込むと、石川も弓を引くナックルパートで鉄拳制裁。石川がワキ固めを狙っていけば、池田が腕十字で切り返すという攻防が続く。そこからまたもヘッドバットで飛び込んでいった池田に対し、石川もすぐに立ち上がってニードロップを投下。池田はかつての師匠・藤原嘉明ばりに人間の急所の1つである"肛門"にパンチを叩き込んでからアームロックを狙うが、下になった石川はヘッドバットを突き上げて脱出。池田のアンクルホールドにアキレス腱固めで応戦した石川は、立ち上がってローを蹴ってきた池田をかんぬきスープレックスで投げていく。
 「ヨッシャ!」のかけ声からダブルアームを狙った石川だが、池田が踏ん張ると、池田をコーナーに押し込んでいってジャンピングキック。堪らず場外にエスケープした池田だが、石川はリングに戻ろうとする池田をロープ越しに捕まえる。しかし池田が逆にヘッドバット。それでも石川はロープ越しのブレーンバスターで投げていきダブルダウンに。先に立ち上がった石川はバックを取るが、池田はジャンピングキックで振り払う。石川のアゴを下から蹴り上げた池田はローを蹴っていくが、蹴り足をキャッチした石川はアンクルホールドに捕らえる。
 お互いフラフラになるながらもバチバチ、ゴツゴツと殴り合う中、左右のハイキックで石川をダウンさせた池田は、立ち上がってきた石川にヘッドバットから顔面へのローリングソバット! それでも石川は立ち上がってバックドロップで投げていくが、池田も大ちゃんボンバー。ラリアットの相打ちに持ち込んだ石川はもう一度バックドロップ。池田も立ち上がって石川の脇腹や顔面をガンガン蹴っていく。その蹴り足に絡みついた石川は胴絞めスリーパーへ。リング中央でガッチリと決まり、池田は身動きが取れない。渾身の力で石川が絞め上げていくと、池田が"落ちた"のを確認したレフェリーが試合終了のゴングを要請した。

111105_Battlarts-3.jpg 勝ち名乗りを受けた石川は「ナーシャ!」と拳を突き上げると、「大輔、やっぱりお前が最後に前にいると思ったよ。俺たちが時代に捨てられたのか、俺たちが時代を捨てたのか、今日来てくれた人たちは分かってくれるよ」と言うと、選手たちをリングに呼び込む。
 奇しくもこの日からリングネームをバトラーツ時代と同じ「田中稔」に戻した稔や、その田中とタッグを組んだ日高郁人、田中&日高と対戦した臼田勝美&山本裕次郎も上がってくる。
 試合では久しぶりにB'zの『RUN』に乗って入場した田中は、昔よく愛用していた紫のショートタイツとレガースを新調。臼田の容赦ない蹴りと山本のタックルからの関節技に苦しめられたが、最後はカウンターのハイキックからミサイルキック、バズソーキックと叩き込みダウンを奪うと、カウント9で立ち上がった山本にハイキックからのミノルスペシャルを決めて勝利。
 バトラーツ時代はマッハ純二などのリングネームで活躍し、現在は九州プロレスに所属している田中純二は白いフンドシ姿でK-DOJOの真霜拳號とタッグを組んで、小野武志&土方隆司と対戦。いまや狭山市議会議員でもある土方だが、重たいキックを連発。小野も相変わらずキレのあるパンチで純二を何度もダウンさせ、最後は得意のタコ絡みで勝利した。
 さらに1998年10月に『PRIDE.4』で圧倒的不利と言われる中、マルコ・ファスに勝利したことがバトラーツ躍進のキッカケともなったアレクサンダー大塚は、竜司ウォルターとタッグを組んでスーパータイガー&三州ツバ吉と対戦。バトラーツの会場ではこれが最後となる『AOコーナー』に乗って入場すると、全盛期の破壊力とキレを彷彿させるフルネルソンスープレックスで三州をKOしてみせた。
 そういった試合に出場した懐かしい顔触れのほかにも、ノアの試合を終えて駆け付けたモハメド・ヨネやバトラーツの飼い猫として有名だったガッチリ(写真パネル)も一緒に最後は全員で記念撮影。この日、会場に来られなかったFUNAKI(船木勝一)、藤田ミノル、望月成晃、星川尚浩、島田裕二レフェリーらからのメッセージも読み上げられたのだが、その中でパンチ田原リングアナが「バトラーツの選手たちは仲が悪いので記念撮影が実現したら奇跡」というメッセージを寄せていたのだが、その記念撮影が無事実現した。
 最後に石川がバトラーツの物語は一旦終わりますけど、俺たちの人生はまだ続いていくのでよろしくお願いします! これにてバトラーツの物語は完結です!」と挨拶すると、場内からは「バトラーツ」コール。そしてほかの選手たちがリングを降りると、最後に残った石川が場内が暗転し、スポットライトが石川とバトラーツのロゴマークを照らす中、四方に深々と一礼して格闘探偵団バトラーツの歴史に幕を閉じた。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負
○矢野啓太(ワラビー)
9分6秒 エルボースマッシュ→KO
●竹嶋健史

▼第2試合 シングルマッチ 15分1本勝負
○華名(フリー/トリプルテイルズ.S)
9分14秒 腕固め
●雫あき(お寺プロレス)

▼第3試合 タッグマッチ 20分1本勝負
○小野武志(フーテン)/土方隆司(フリー)
14分34秒 タコがらみ
●田中純二(九州プロレス)/真霜拳號(K-DOJO)

▼第4試合 タッグマッチ 20分1本勝負
○アレクサンダー大塚(AO/DC)/竜司ウォルター
9分14秒 ドラゴンスープレックス→KO
スーパータイガー(リアルジャパン)/●三州ツバ吉(フリー)

▼第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○田中稔(全日本プロレス)/日高郁人(ZERO1)
18分23秒 ミノルスペシャル
臼田勝美(フリー)/●山本裕次郎(チーム太田章)

▼第6試合 ダブルメインその1 シングルマッチ 30分1本勝負
○澤宗紀
21分21秒 お卍固め
●スルガマナブ(フーテン)

▼第7試合 ダブルメイン最終試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○石川雄規
15分34秒 裸絞め
●池田大輔(フーテン)

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