内藤との紙一重の一戦を制して8度目の防衛に成功した棚橋から、矢野がベルトを強奪!鈴木に敗れた真壁に手を貸したと思われた高山だったが...

111010_NJPW-1.jpg新日本プロレス
DESTRUCTION '11
日時:10月10日(月)開始:17:00
場所:両国国技館
観衆:6500人

 10日、両国国技館で行われた新日本プロレス『DESTRUCTION'11』。メインでは9・19神戸大会で今年の『G1クライマックス』覇者である中邑真輔の挑戦を退け、7度目の防衛に成功した棚橋弘至のIWGPヘビー級王座に、『G1』準優勝の内藤哲也が挑戦! 逸材vs.天才の一戦は天才・内藤が逸材・棚橋を倒して時代を変えることが出来るか注目された。

 いきなり両者自分への声援を煽るが、声援の大きさはほぼ五分。腕の取り合い、足の取り合いから試合が始まると、内藤をコーナーに押し込んだ棚橋は離れ際に太陽ブロー。ブーイングも起こるが、棚橋はクロスボディを浴びせるとニークラッシャーやレッグロックなど内藤のヒザを殺していく。だが、場外に出た内藤に棚橋が放ったエプロンからのトペコンをかわした内藤は、逆にエプロンをダッシュして場外の棚橋にミサイルキックを発射! 鉄柵まで吹っ飛ばされた棚橋は後頭部を強打して大きなダメージを負ってしまう。
 内藤はリングに戻るとクルックヘッドシザースや首4の字で文字通り棚橋の首を狙っていくが、棚橋はフライング・フォアアームを返すとローリングセントーンからスリングブレイドを狙うが、これをかわしてコーナー付近に誘い込んだ内藤は水面蹴りからミサイルキック。だが、内藤のジャンピングエルボーアタックをクロスボディで迎撃した棚橋は右足へのドラスクと見せかけて左ヒザに低空度トップキックを叩き込むと、ダルマ式ジャーマン、抱え込み式ファルコンアローで畳みかけて早くもハイフライフロー。
 だが、ヒザで迎撃した内藤は雪崩式フランケン、エボルシオンから一気にスターダストプレス。今度は棚橋がかわして自爆させると、カウンターの低空ドロップキックを食らって、たまらず場外にエスケープした内藤に棚橋はコーナー最上段から場外にハイフライフロー! さらにロープ越しのドラスク、グラウンド・ドラゴンスクリューと内藤の左ヒザを殺した棚橋はテキサス・クローバー・ホールド。リング中央でガッチリ決まったが、内藤は何とかロープに脱出。
 すると内藤は張り手からジャンピングエルボーアタックを返してジャーマン、ドラゴンスープレックス、そしてグロリアで叩き付けてから間髪入れずスターダストプレス! 必勝フルコースだったが、ヒザのダメージでカバーが遅れたためカウントは2! ならばと内藤は雪崩式グロリア(?)を狙ったが、棚橋は空中でスリングブレイドに切り返すとジャーマン。だが、着地してみせた内藤は回転足折り固めからのボルボ・デ・エストレージャ! カウント3寸前で返した棚橋は、スリングブレイドからのドラゴンスープレックスで反撃すると、内藤の背中にハイフライフローを落としてから、仰向けになった内藤にダメ押しのハイフライフローを投下して3カウント!

111010_NJPW-2.jpg 僅差で内藤を退けた棚橋は、内藤の腕をあげて健闘を称えると耳元で「よくここまで来たな」と声をかけたという。そして8度の防衛に成功し、野上アナから「橋本真也さんや永田裕志選手の防衛記録に並びましたが」と聞かれた棚橋が「実はメチャクチャ気にしています」と応えると、そこに永田が登場! 「2011年アンチエイジングをテーマに掲げた俺に取って、このまま黙って年を越すわけにはいかねぇんだよ。どうだ、もう1回俺の挑戦を受けるか?」と挑戦表明すると、棚橋は「記録は破るためにあるんだぜ。その挑戦、俺が受けるぜ!」と言って永田と握手。
 すると背後から矢野がイスで棚橋、さらに永田も襲撃! 棚橋からIWGPヘビーのベルトを強奪した矢野は「オイ、棚橋、永田! 今日からこのベルトはこの俺様の管理下にあるんだ、バカヤロウ! 返してほしかったら俺に挑戦してこい!」と吐き捨てると、そのままベルトを持って逃走してしまった。インタビュースペースに戻ってきた棚橋は、怒りで体を震わせながら「体張って、命削って、その闘いの先にIWGPがあるから、そのベルトがあるから、俺も内藤もこんだけ体張って(いるんだ)! ベルトがあってこそプロレスだろう! 闘いだろう! 矢野、いいか! お前もプロレスラーだろ。新日本プロレスのレスラーが、どんな思いして闘って、あのベルトを目指して(いるのか分かっているだろう)! 俺は絶対に許さん! あのベルトがあるから身体が張れるし、命を賭けられる! 俺は選手生命を賭けたいから! 矢野! いいか、そのベルトは取り返すからな。絶対に許さないからな!」と絶叫した。

111010_NJPW-3.jpg 新日本制圧を目論む鈴木みのるは、日々抗争が激化していた真壁刀義と一騎打ち。G1では新日本本丸の1人である後藤を倒したが、中邑には敗れた鈴木。新日本の牙城を狙う鈴木は本丸の1人である真壁に対し、「新日本城の柱の1つだろ。それをヘシ折りに来たんだからかかってきなさい」と豪語した。
 鈴木は鈴木軍のTAKAみちのくとタイチ、さらに高山善廣を従えて入城。ただし高山はセコンドにつくわけではなく、タイチが用意したイスに座って鉄柵の外から観戦。鈴木が真壁をロープに振るが、真壁はショルダータックルとラリアットでことごとく鈴木をなぎ倒す。堪らずエプロンにエスケープした鈴木は近づいてきた真壁にぶら下がり式腕十字を決めると、そのまま場外へ。フロントキックを放っていった鈴木だが、キャッチした真壁は鉄柵に叩き付けていくと、近づいてきたTAKAとタイチにも殴りかかる。
 さらに鉄柵越しに高山を挑発すると、高山もイスから立ち上がって睨み合い。一触即発のムードが漂う中、背後から鈴木が攻撃。ニーリフトをガンガン叩き込んでいった鈴木はコーナー付近で止めに入るレフェリーも突き飛ばし、エルボー、ニーリフト、フロントキック、張り手、ボディブローと真壁をボコボコにしていく。だが、鈴木のランニングローをキャッチした真壁はショートレンジラリアットでなぎ倒すと、コーナー付近で止めに入るレフェリーを突き飛ばしてナックルを連打。
 だが、ロープに飛んだ真壁に追走式キチンシンクを見舞った鈴木は、張り手を連打。真壁も張り手を返そうとするが、鈴木はことごとく避けて張り手を叩き込む。そこから一気にスリーパーに捕らえるが、真壁はレフェリーを巻き込みながら強引にデスバレーボムで叩き付けて脱出。なおもお互い拳ではなくエルボーだが、高山vs.ドン・フライ戦ばりに激しく打ち合う。さらに鈴木の一本足頭突きに対し、ノーモーションのヘッドバットを返した真壁は馬乗りナックル、パワーボムからキングコング・ニードロップを投下するが、かわしてみせた鈴木はスリーパー→逆落とし→スリーパー!
 それでも何とかロープに逃れた真壁は袈裟斬りチョップからショートレンジラリアットを狙ったが、張り手で迎撃した鈴木はもう一度スリーパー。真壁の腕がだらんと垂れ下がったところで鈴木はダメ押しのゴッチ式パイルドライバーで叩き付けて3カウント。まさしく新日本城の一角を倒した鈴木は、高山と拳を合わせると鈴木軍のメンバーと共に引き揚げていく。
 なぜか1人残った高山はおもむろにリングに上がると、何と倒れていた真壁の手を握って抱き起こし抱き合い、さらに肩を貸して一緒に引き揚げようとする。まさか帝王と暴走キングコングが電撃合体かと思われた次の瞬間、真壁をコーナーに叩き付けた高山はそこからエベレストジャーマンで投げていく! 踏んだり蹴ったりの真壁を見下ろし、止めに入る若手たちをニーリフトで蹴散らした高山は、インタビュースペースに現れると「何で俺が真壁をやったか教えてやろう。G1の時、アイツと当たって俺はアイツに敬意を払った。チャンピオンまでのぼって、ガムシャラになって新日本を引っ張って、だからアイツを一流と認めて敬意を払ってコメントした。ところが、何だアイツは? 『エースじゃねぇ』とか『エベレストじゃねぇ』とか、テメーは何様なんだ、この野郎! テメーはただのエテ公だ。俺に散々まわされたエテ公だろうが。そのことを教えてやるために、俺は新日本にまた戻ってきたんだ。分かったか?」と吐き捨てた。

 なお、この日はデイビー・リチャーズ&ロッキー・ロメロがApollo55を下してIWGPジュニタッグ王座を奪取。田中将斗がZERO1千葉大会とのダブルヘッダーだったにもかかわらず、元WWEスーパースターMVPとのハードコアな試合を制してIWGPインターコンチネンタル王座を奪取した。
 また、再び新日本所属となり、復帰戦に挑んだ小島聡は特別な相手である天山広吉と対戦。「再入団なんてふざけんな! 俺の中では絶対に許せない部分がある」と小島に対して怒りを露わにしている天山は、小島に行っちゃうぞエルボーをやらせず、天山プレスまで出していったが、かわして自爆させた小島が最後はラリアットを叩き込んで勝利した

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第0試合 タッグマッチ 15分1本勝負
高橋広夢/○三上恭佑
8分47秒 逆エビ固め
●渡辺高章/キング・ファレ

▼第1試合 10人タッグマッチ 20分1本勝負
タイガーマスク/○KUSHIDA/キラーラビット(サイバー・エージェント)/ヴァイス(ブシロードレスリング)/シュヴァルツ(ブシロードレスリング)
7分53秒 9469
飯塚高史/●外道/邪道/石井智宏/ヒデオ・サイトー

▼第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負
●本間智宏
8分22秒 東京ピンプス→片エビ固め
○高橋裕二郎

▼第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負
●井上亘
7分39秒 ダークデイズ→片エビ固め
○ランス・アーチャー

▼第4試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
○後藤洋央紀/タマ・トンガ
11分3秒 昇天・改→片エビ固め
中邑真輔/●ウルティモ・ゲレーロ(CMLL)

▼第5試合 IWGPジュニアタッグ選手権 60分1本勝負
[王者組]●プリンス・デヴィット/田口隆祐
13分29秒 コントラクトキラー→片エビ固め
[挑戦者組]○デイビー・リチャーズ/ロッキー・ロメロ
※第28代王者組が8度目の防衛に失敗。デイビー&ロッキーが第29代王者組となる

▼第6試合 小島聡復帰戦 シングルマッチ 30分1本勝負
●天山広吉
10分8秒 ラリアット→片エビ固め
○小島聡

▼第7試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
○永田裕志
12分8秒 リバースナガタロックIII
●矢野通

▼第8試合 IWGPインターコンチネンタル選手権 60分1本勝負
[王 者]●MVP
12分30秒 スライディングD→片エビ固め
[挑戦者]○田中将斗(ZERO1)
※初代王者が3度目の防衛に失敗。田中が第2代王となる

▼第9試合 スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
●真壁刀義
13分14秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
○鈴木みのる(パンクラスMISSION)

▼第10試合 IWGPヘビー級選手権 60分1本勝負
[王 者]○棚橋弘至
29分19秒 ハイフライフロー→片エビ固め
[挑戦者]●内藤哲也
※第56代王者が8度目の防衛に成功

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