天山がデビュー20周年記念大会で狼群団を再結成!思い入れのある天山プレスも復活!内藤は棚橋に対して「時代を変える」宣言

111003_Njpw-1.jpg新日本プロレス
猛牛祭 ~天山広吉デビュー20周年記念興行~
日時:10月3日(月)開始:18:30
場所:後楽園ホール
観衆:2000人(超満員)

 3日、後楽園ホールで行われた新日本プロレス『猛牛祭〜天山広吉デビュー20周年記念興行〜』。天山広吉が10・3"テンザンの日"にデビュー20周年記念興行を開催した。

 天山はこのメモリアル大会で、自身が海外武者修行から凱旋帰国した95年2月に結成され、その後の大躍進のキッカケとなった蝶野正洋、ヒロ斎藤との狼群団を再結成! しかも対戦相手は天山や永田らと共に"第三世代"と呼ばれている西村修、金本浩二、大谷晋二郎の3人。
 煽りVでは1995年の"2・12平成の乱"が流される。昼の平成維震軍自主興行で、維震軍から勧誘を断った天山が袋叩きにあっていると、新日本本隊が天山を救出。てっきり天山は本隊に合流するかと思われたが、そこにヒールに転向したばかりの蝶野が入ってきて天山にラブコールを送り、狼群団が結成された。そして夜の新日本の興行で行われた6人タッグで、長州から勝利した天山が大先輩である長州を踏みつけたシーンは、当時大きなインパクトを与えた。
 第三世代トリオが大谷→金本→西村の順に入城すると、狼群団もヒロ→蝶野→天山の順に入城。そして蝶野とヒロが天山に花束を渡して20周年を祝福する。試合が始まると、いきなり金本が天山に強烈な張り手をお見舞い。天山もモンゴリアンチョップを返すが、そこに大谷と西村が入ってきて3人がかりでストンピング。だが、トレイン攻撃は天山がタックルで迎撃。
 ヒロも西村との"禁断の無我対決"となると、ヘッドシザースに捕らえてなかなか西村を脱出させない。しかし倒立で脱出してみせた西村は、手四つの力比べでもブリッジでこらえてから形勢逆転。しかしヒロも上から抑え付ける西村をブリッジで持ち上げると、そこから逆さ押さえ込み。さらにボトムロープや鉄柵に西村の喉元を叩き付けていく。続いて蝶野がいきなり大谷に向かってシャイニングケンカキックを発射。さらに天山との"蝶天タッグ"で久しぶりに連係攻撃を繰り出していく。
 だが、大谷は天山を場外に追いやると、そのまま南側客席の中腹にある通路まで連れ出して大乱闘! 蝶野とヒロが救出に向かい、大谷を捕まえてリングまで連れ戻すと、遅れてリングに戻ろうとする天山の背後から、突如現れた飯塚高史がイスで襲撃! 思わぬ襲撃にあった天山だが、飯塚はあっという間に姿を消し、金本が天山をリングに戻すと、大谷が顔面ウォッシュ。続いて金本も顔面ウォッシュを決めると、西村にも促す。西村も顔面ウォッシュにトライするが、ロープに飛んだところで天山はエプロンに脱出。
 しかし、かつて高岩を加えた3人で"トンガリコーンズ"と言われた金本&大谷は、天山をコーナーに逆さ吊りにすると、大谷→金本→2人同時に顔面に低空ドロップキックを次々に発射! だが、天山も大谷にマウンテンボムを決めると、ようやく蝶野にタッチ。ダイビングショルダー、パイルドライバーと決めていった蝶野だが、天山が羽交い締めにした金本にケンカキックを放っていくとかわされて誤爆! すかさず金本がカバーすると、ヒロがセントーンでカットしようとするが、これもかわされて天山に誤爆!
 しかし天山が西村に串刺しラリアットを返して、ホイップすると蝶野がケンカキック。倒れたところにヒロがセントーン。そしてダイビング・ヘッドバットを落とした天山がアナコンダバイスに捕らえると、蝶野も大谷にSTF。だが、これは金本がカット。蝶野とヒロが金本と大谷を場外に引きずり出すと、天山は西村の回転足折り固めをキックアウトしてからニールキック。さらにTTDで叩き付けた天山は、コーナーに登っていき海外修行から帰国して狼群団を結成した頃にフィニッシュホールドとして使っていた"天山プレス"ことムーンサルトプレスを久しぶりにズバリと決めて3カウント!

111003_Njpw-2.jpg 試合後はノーサイドで6選手がそれぞれ握手を交わす。袂を分かった西村とヒロもガッチリ握手。そして蝶野とヒロがひと足早くリングを降りると、金本、大谷、西村で天山の腕を上げて第三世代で天山の20周年を祝福。さらに友人たちから花束を受け取った天山だが、その中には新日本プロレス学校で同期だった金原弘光や天山の愛息の姿も。
 そしてマイクを持った天山がが「最後に私の思い出の大先輩のVTRを見てもらいたいと思います」と言うと、スクリーンには「おめでとう、天山!」と言う故・橋本真也さんが映し出される。一瞬、破壊王が生き返ったかのような錯覚に陥ったが、このVTRは天山の結婚式のときに流された橋本さんからのビデオメッセージで、その昔、橋本さんが道場でラーメンを作っているときに「レンゲを取ってくれ」を言われた天山は、突然道場から出ていってしまったという。それから約2時間後に道場に戻ってきた天山が「(野原に)生えていませんでした」と言ったというエピソードを話した橋本さん。
 さらに結婚式のビデオメッセージなので女性問題について橋本さんが言及しようとすると、天山がフレームイン! 慌てて橋本さんの話を止めると、橋本さんはヤングライオン時代に橋本さんの付き人を天山がやっていた頃によくやっていた、天山の額に爪楊枝を刺すパフォーマンスを久しぶりに披露。VTRからも両者の深いつながりがよく分かる内容だった。
 そしてVTRが終わると『爆勝宣言』が鳴り響き、橋本さんの愛息である大地が登場。前日のZERO1靖国大会で対戦した両者だが、大地が花束を贈呈すると思わずこみ上げるものを堪える天山。そして最後は「この20年間、新日本プロレスに入門してから本当にたくさんの苦労がありました。いいこともありました。でもこのリングに戻って来ることが出来まして、関係者、選手、ここにいる皆さんに支えられてここまで来ることが出来ました。本当に皆さんに感謝したいと思います! ありがとうございました。これからもさらに精進して、皆さんにご期待に応えられるように、精いっぱい頑張って行こうと思いますので、これからも応援よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました!」と挨拶して締めくくった。
 インタビュースペースで天山は「蝶野さんとヒロさんに、もうちょっと助けてほしかったというか」とか「内容的にはちょっとね、もっと暴れたかったんやけど、いかんせんヒロさん、蝶野さんもうちょっとね、やってほしかったなって」「今日のこの日のために色んな関係者やお客さんにお願いしてチケットを売って、この会場がいっぱいになるように、沢山来てもらえるようにと思ったんだけど、あんまり嫁はんが手伝ってくれないし」などと言って笑顔を見せたが、「家族には本当にに感謝していて。復帰してからというもの、やっぱり皆さんに本当に今まで以上に熱い声援をね......あの、もう、何か......めちゃくちゃ嬉しい。こんな俺なんかに......もうどうでもいいんちゃうかって俺みたいな奴に、応援してくれる、声援送ってくれる人がいる限りは、もっともっと頑張らなあかんっていう。20年やってきてまだまだもう一花でも二花でも咲かせたいし、しっかり頑張っていきたいと思います。皆さんの応援に支えられてほんまにここまでやってこれたと思ってるし、もっと期待にこたえられるように、完全復活してね、もう1回あの強い天山、チャンピオンになっていきたいなと思う」と涙声になりながら語った。

111003_Njpw-3.jpg 天山の20周年に華を添えるように、この日は10・10両国国技館大会に向けて前哨戦がいくつも組まれたが、両国大会でIWGPヘビー級戦が決まっている王者・棚橋弘至と挑戦者・内藤哲也は前哨戦として6人タッグマッチで激突。
 いきなり棚橋vs.内藤で試合が始まると、テクニック合戦も両者への声援もほぼ五分という展開。その後、棚橋は内藤がコーナーで控えていても、何かについて攻撃していく。だが、田口が延髄蹴りを叩き込んで内藤にタッチすると、太陽ブローからロープに飛んだ棚橋に対して内藤はカウンターのドロップキック。さらにランニングサンセットフリップを落とすが、続く串刺し攻撃を棚橋がかわして逆に串刺し攻撃を狙うが、今度は内藤が回避してショルダーネックブリーカー。
 さらにエルボー合戦から内藤の張り手で棚橋の動きが止まったところに延髄蹴り。しかし棚橋もすぐさまフライング・フォアアームを返して両者ダウン。先に棚橋がKUSHIDAにタッチすると、KUSHIDAは控えのApollo55を場外に追いやってから内藤に向かって行くが、内藤はジャンピングエルボーアタック。これで四つん這いになったKUSHIDAを踏み台にしてデヴィットがタイガーマスクにドロップキック。さらに田口が入ってきてタイガーを場外に追いやって三角飛びプランチャを発射。
 KUSHIDAはハンドスプリングレッグラリアットを狙うが、うまく田口がキャッチすると、すかさずデヴィットとブラックホールバケーション! さらにデヴィットがダイビング・フットスタンプを落としていったが、棚橋が入ってきてスリングブレイドを決めると、タイガーがタイガースープレックスで投げていき、KUSHIDAがトドメのバズソーキック。これはカウント2でカットされたが、棚橋とタイガーが内藤と田口を抑え付けている間に、KUSHIDAがミッドナイトエキスプレスを決めて現ジュニア二冠王のデヴィットから完璧な3カウントを奪取!
 試合後、KUSHIDAとタイガーはApollo55に対してIWGPジュニアタッグ王座への挑戦をアピール。王者Apoolloも握手でこれに応じた。そして棚橋がIWGPヘビーのベルトをギター代わりにしてエアギターを披露しようとすると、内藤が棚橋を突き飛ばして妨害! 棚橋を睨み付けた内藤は「棚橋、10月10日、俺が時代を変えてやる! テメーを引きずり降ろしてやるからな!」とマイクを使わずに叫ぶ。すると棚橋は敢えてマイクを掴み、「内藤、よく聞いておけよ。お前がいくらあがこうが俺は届かないところにいるからな。このベルトは一生、俺のものだ!」と宣戦布告。棚橋が引き揚げていったあと、マイクを取った内藤は「皆さん、10月10日、俺が時代を変える! その瞬間をみんなしっかり見届けください。俺が必ず時代を変える!」と改めて10・10両国での世代交代を宣言した。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負
●三上恭佑/高橋広夢/渡辺高章
8分22秒 ダイビングダブルニードロップ→片エビ固め
邪道/外道/○ロッキー・ロメロ(フリー)

▼第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負
○タイチ
5分59秒 カリビアン・デス・クリップ
●ヒデオ・サイトー

▼第3試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負
本間朋晃/タマ・トンガ/●キング・ファレ
10分18秒 東京ピンプス→片エビ固め
飯塚高史/○高橋裕二郎/石井智宏

▼第4試合 タッグマッチ 20分1本勝負
●井上亘/真壁刀義
14分10秒 乱入したタイチの急所蹴り→エビ固め
鈴木みのる(パンクラスMISSION)/○TAKAみちのく(K-DOJO)

▼第5試合 タッグマッチ 30分1本勝負
●永田裕志/後藤洋央紀
14分22秒 鏡割→片エビ固め
中邑真輔/○矢野通

▼第6試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
棚橋弘至/タイガーマスク/○KUSHIDA
12分54秒 ミッドナイトエクスプレス→片エビ固め
内藤哲也/●プリンス・デヴィット/田口隆祐

▼第7試合 天山広吉デビュー20周年記念試合 30分1本勝負
○天山広吉/蝶野正洋(フリー)/ヒロ斎藤(ドラディション)
22分53秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め
金本浩二/大谷晋二郎(ZERO1)/●西村修(フリー)

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