川尻がフェザー級転向初戦でハンセンに一本勝ち!青木は「アジアがNo.1になる」宣言!バンタム級世界Tでは所がまさかの1回戦敗退

110924_Dream17-1.jpgFIGHT FOR JAPAN
DREAM.17
日時:9月24日(土)開始:16:00
会場:さいたまスーパーアリーナ
観衆:9170人

 24日、さいたまスーパーアリーナで行われたFIGHT FOR JAPAN『DREAM.17』。約1年ぶりのナンバーシリーズということで、DREAMオールスターズが集結! 階級をフェザー級に落とした川尻達也。15kgもの減量をして挑むフェザー級転向第1戦の相手は、いきなりヨアキム・ハンセン! ニュー川尻のお披露目ということで、ステージ上では川尻の入場テーマである『Water Pow』をB-DASHが生演奏。

 いきなり川尻のパンチにハンセンがヒザを合わせると、バランスを崩して後退した川尻。すかさずハンセンはヒザで飛び込んでいくが、キャッチした川尻はうまくテイクダウン。その後も組み付いて投げてテイクダウンを奪っていく川尻だが、パスしようとしてもハンセンが長い足を駆使してうまく防御するため、なかなかパスが出来ない。
 1R、2Rと川尻はテイクダウンして上になる場面こそ目立つが攻め手を欠いていた。しかし3R、お互いにパンチと蹴りを出していくと、川尻がパンチのラッシュでハンセンをロープ際まで追い詰める。ライト級時代の"クラッシャー"ぶりは、体重を落とした分ややなりを潜めた感じはあるが、それでも組み付いた川尻は押し倒してテイクダウンすると、肩固めの体勢からハーフガードで堪えるハンセンの足を抜いてガッチリ絞め上げる。これでハンセンがギブアップ!
 コーナーに駆け上がり、歓喜のガッツポーズで大歓声に応えた川尻は、「初のフェザー級戦、ハンセンという強敵に勝てて嬉しいです。勝ちたいという気持ちは大事だけど、それだと力んじゃって堅くなっちゃうんで、とにかく自分の持っているものを全部出そうと思いました。まだまだ全部出していないし、2Rまではショッパイ試合しちゃいましたけど、今回がフェザー級デビュー戦なんで、もうオッサンですけど、必死になって1日1日練習して強くなって、いつか世界一に認めてもらえるよう頑張るんで、またDREAMをよろしくお願いします!」とマイクアピール。
 フェザー級初戦で強豪ハンセンを倒した川尻だが、全試合終了後にはこの日宇野薫をハイキックでKOしたリオン武が、早速川尻に対戦表明。すると川尻は「誰でもかかってこい、コノヤロー!」と受けて立つ構えを見せた。

110924_Dream17-2.jpg メインではDREAMライト級王者の青木真也がアメリカのロブ・マックローと対戦。殻を破って世界のトップで闘えるスタイルを身に付けるため、シンガポールのEvolve MMAに出稽古に出ていた青木は、北米からの刺客を退け、ギルバート・メレンデスにリベンジ出来るのか?
 煽りVの中では青木をはじめとするDREAM勢だけではなく、五味隆典や秋山成勲、山本"KID"徳郁らUFCに主戦場を移した選手たちの映像も差し込まれ、"敵"であるUFCが来年2・26にさいたまSAに乗り込んでくることまで紹介した上で、「New World Order、生き残るのは誰だ?」のナレーション。
 世界レベルのMMA最前線で青木が生き残るためには絶対に落とせない一戦だが、青木はタックルから力強くテイクダウンを奪うと、一度は逃げられたが、すぐに再びテイクダウンを奪い、鉄槌や掌底を入れながらサイドに回る。うつ伏せになったマックローだが、青木はバックマウントからガッチリとスリーパー。これでマックローがタップし、青木の完勝!
 Evolve MMAへの出稽古で力強さが増したように見えた青木は「2カ月間家族と離れてシンガポールで一所懸命頑張ってきました。みんな、日本が元気なくて、こんな一生懸命頑張っていると思います。僕だけじゃなくてみんな頑張っていると思います。大みそか、またここで『やれんのか!』をやろうと思ってるんで、また観に来てください。それとこれだけは言わせてください。アジアから絶対世界一になるんで、みんなアジア人みんな頑張りましょう!」とアピール。
 インタビュースペースでも青木は「なぜアジアっていうのを強調したかというと、今アジアがみんな強くなってきてる。DREAMだけじゃなくて、ONE Fighting(Championship)もあるし、ONE Fightingに出てたフィリピン人が凄い強かったりだとか。まだ当然技術レベルとか選手の多さだったり、大会の多さは日本が当然優れてますよね? 多いですよね。でも、アジアをみんな理解してないから、日本人はすぐ抜かれると思うんですよ。アジアっていうのは韓国だけだと思ってるけど、マレーシアだったり、フィリピンだったり、シンガポールだったり、どんどん抜かれると思うから。アジア人として日本がアジアの他の国に抜かれるっていうことに対する恐怖心と、シンガポールで練習してて僕たちが目指してるのはアジアのグレック・ジャクソンのチームだから。MMAチームとしてアジア人がNo.1になる。アジア人が一番っていうのが僕の目指してること。なぜそんなにアジアにこだわるのかって? 俺がアジア人だから!」と説明した。

110924_Dream17-3.jpg 今大会からスタートしたバンタム級世界トーナメント。日本からは日本トーナメント覇者の所英男をはじめ、準優勝の今成正和、3位の大沢ケンジの負傷欠場に代わって大塚隆史の3選手がエントリー。大塚はいきなり優勝候補大本命のビビアーノ・フェルナンデスと、今成はエイブル・カラムと、そして結婚もして、自分のジムもオープンさせて絶好調の所は、日本初参戦となるWECやUFCで活躍したアントニオ・バヌエロスと対戦した。
 大塚はビビアーノ相手に思い切りぶつかっていったが、パンチをかわしたビビアーノは素早くバックに回ってチョークスリーパーを決め、そのまま大塚を落として勝利。今成はヘルメットを被って登場し、対するカラムはテンガロンハットを被って登場。このところ対戦相手に"今成シフト"を敷かれて敗れることが多かった今成だが、カラムはアグレッシブに向かって来るタイプなだけに、今成は下になった状態から積極的にオモプラッタや三角絞めを仕掛けていく。1R、2Rといい感じで仕掛けていった今成だったが、なかなか極めきれない。しかし、3Rいきなりパンチで飛び込んでいった今成は、続いて蹴っていくが、カラムは蹴り足をキャッチ。今成がバランスを崩して倒れたため、カラムが不用意にパウンドを落としていくと、今成は下から電光石火の腕十字に捕らえていき、ついにタップを奪ってみせた!
 そして所は小柄ながら前傾姿勢でグイグイ来るパヌエロス相手に、今成戦で結果を出したボクシングで勝負。間合い地獄になる場面も目立ったが、2Rには所の前蹴りに合わせて、パヌエロスが右フックを合わせて所に尻餅をつかせる場面も。3Rにはタックルを切られて下になった所にパヌエロスがパウンド。何とか逃れた所はテンカオを狙うが、これはヒットしない。その後もヒザで飛び込んでいく所だが、キャッチしたパヌエロスはテイクダウン。下になりながらもアームロックや足関節を狙う所だったが、最後まで極められず試合終了。
 判定の結果は2-1でパヌエロスが勝利! 何といきなり日本トーナメント優勝者が1回戦で姿を消すという大波乱! この結果、大晦日(大会名未定)で行われる予定のバンタム級世界トーナメント準決勝に進出したのはパヌエロス、今成、ビビアーノ、ホドルフォ・マルケス・ディニスの4選手に決定。なお、大晦日の大会に関して笹原圭一イベント・プロデューサーは「大晦日はもちろんやります。ここ、さいたま(スーパーアリーナ)でやります。Dynamite!!って言うのは、当然K-1の選手がいたり、総合の選手がいたり、立ち技の試合があったり、総合の試合があったりとイメージで捉えてますが、もしかしたら総合の試合のみになるかもしれない。そのあたりが未確定ですので、そうなった時にDREAMスペシャルなのか、Dynamite!!なのか、(青木が発言した)やれんのか!は多分ないと思うんですけど(苦笑)、そういう名称はまだ決まってないです」と語った。

 なお、ヤン・カラブルの肩固めで一本負けを喫した桜庭和志は、「本人は当然まだやりたいって気持ちはあると思います。悔しがってましたし。その気持ちは理解できますし、現役に対するこだわりっていうのもすごい理解してます。ただ現実として、前回、前々回と一本負けしてるので、大晦日まで時間ちょっとあるので1回ゆっくり話もして桜庭選手の気持ちも聞きたいなと思いますね。僕らからもう『桜庭さん、引退してください』って言うべきなのかなぁっていうのは......色々考えるんですけど。たぶんファンの方のご意見とかの中には『やらせるべきじゃないよ』という方もいらっしゃると思うんですけど、それはそれで理解出来る。試合はプロモーターの責任の下で、ファイターが戦いたいって気持ちがあるんだったら、それを組むことも1つ大切な事だと思うんで判断は難しいんですけど......。いずれにせよちゃんと桜庭選手とこの先のことをちゃんと話をしたいなと思います」と語った。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 無差別級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
○ミノワマン(フリー)
1R 4分39秒 袈裟固め
●バル・ハーン(モンゴル/チーム新日本)

▼第2試合 バンタム級世界トーナメント1回戦 5分3R
●ユサップ・サーデュラエフ(ロシア・ダゲスタン共和国/Uflacker Academy)
判定0-3
○ホドルフォ・マルケス・ディニス(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)

▼第3試合 バンタム級世界トーナメント1回戦 5分3R
○今成正和(チーム・ローケン)
3R 46秒 腕ひしぎ十字固め
●エイブル・カラム(アメリカ/Cullum Ground Fighting)

▼第4試合 バンタム級世界トーナメント1回戦 5分3R
○ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/レボリューション・ファイトチーム)
1R 41秒 チョークスリーパー
●大塚隆史(AACC)

▼第5試合 バンタム級世界トーナメント1回戦 5分3R
●所英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
判定1-2
○アントニオ・バヌエロス(アメリカ/ピット・ファイト・チーム)

▼第6試合 ミドル級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
●中村和裕(吉田道場)
判定1-2
○ジェラルド・ハリス(アメリカ/ゴースト・ドッグ)

▼第7試合 ライト級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
○北岡悟(LOTUS)
判定2-1
●ヴィラミー・シケリム(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)

▼第8試合 ウェルター級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
●桜庭和志(Laughter7)
2R 2分42秒 肩固め
○ヤン・カブラル(ブラジル/Aranha Jiu-Jitsu)

▼第9試合 フェザー級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
●宇野薫(UCS)
1R 4分18秒 KO
○リオン武(シューティングジム横浜)

▼第10試合 フェザー級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
○川尻達也(T-BLOOD)
3R 2分30秒 肩固め
●ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/ヘルボーイ・ハンセンMMA)

▼第11試合 ライト級ワンマッチ DREAMルール 5分3R
○青木真也(パラエストラ東京/Evolve MMA)
1R 4分57秒 裸絞め
●ロブ・マックロー(アメリカ/ハンティントン・ビーチ アルティメットトレーニングセンター)

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