年末に引退が決まっている澤が最後の『天下一ジュニア』で悲願の初優勝!願い事は「日高郁人と引退試合をやらせてください」

110917_Zero1-1.jpgプロレスリングZERO1
第9回天下一ジュニアトーナメント決勝戦
日時:9月17日(土)開始:18:30
場所:後楽園ホール
観衆:非公開

 17日、後楽園ホールで行われたプロレスリングZERO1『第9回天下一ジュニアトーナメント決勝戦』。毎年恒例の『天下一ジュニア』だが、今年はトーナメント形式で行われ、最終戦となる今大会では準決勝2試合と決勝戦が行われた。

 準決勝第1試合では引退が控えているためこれが最後の『天下一ジュニア』となる澤宗紀が、「優勝したときの願いは澤選手を引退させないこと」というドラゴンゲートの横須賀享が激突。足横須賀や足4の字固めで徹底的に澤の左ヒザを痛めつけていった横須賀は、伊良部パンチをラリアットで迎撃するとジャンボの勝ち!の連打からジャンボの勝ち!固め。しかしキックアウトと同時にグラウンドでのお卍固めに切り返した澤は、そこから腕十字に移行してギブアップを奪った。
 準決勝第2試合ではZERO1所属で唯一残っている藤田峰雄が、初優勝を目指すフジタ"Jr"ハヤトと対戦。蹴りやK.I.Dでバチバチ攻めてくるハヤトに対し、機動力を活かした攻撃と返し技で対抗した峰雄。スペル・クレイジーから3カウントを奪った雁之助クラッチがなかなか決められない峰雄は、まるで澤が乗り移ったかのような伊良部パンチを叩き込んだが、突進したとことにカウンターで飛び付いたハヤトが再びK.I.Dを決めるとレフェリーが試合をストップ。この結果、第9回『天下一ジュニアトーナメント』決勝は澤vs.ハヤトに決まった。
 入場してくるなり睨み合った両者。ハヤトは試合前、「(優勝したときの)願いことは澤を引退させないって思ってますけど、気分屋なので当日何を言うかは分からないですね」と語っていたが、それだけ澤は思い入れのある選手。試合は握手から始まると、牽制の蹴りからグラウンドの展開へ。グラウンドではハヤトに攻めさせない澤だが、ロープに押し込んでいったハヤトは離れ際に張り手。これをキッカケに張り手、蹴りとバチバチな展開に。
 今度は澤がハヤトをコーナーに押し込み、離れ際にハヤトの顔面にジャンピングハイ。崩れ落ちたハヤトにフラッシング・エルボーを落とした澤はLOVEポーズからシャイニング・ウィザードを放っていくが、かわしたハヤトが逆にLOVEポーズからシャイニング・ウィザード。ならばと澤は伊良部パンチを打っていくが、かわしたハヤトはハイキック。澤もかわしてスクリューキックを叩き込むが、ハヤトも返す刀でハイキック。ダブルダウンから立ち上がった両者は、なおもバチバチとやり合い、ハヤトがヘッドバットを叩き込めば澤もナックルパートで鉄拳制裁!
 そこからハヤトが蹴りの連打を叩き込むと、澤は大の字にダウン。ハヤトはさらに投げ捨てジャーマンからヘルムを狙うが、かわした澤はお卍固めを狙う。これをK.I.Dで切り返そうとしたハヤトだが、澤はヒザ十字に捕らえる。必死でロープに逃れたハヤトに澤はシャイニング2連発。だが、下からハヤトもK.I.Dに捕らえていく。「澤」コールを浴びせてどうにかロープに逃れた澤はハヤトの蹴りのコンビネーションを浴びながらも、ハヤトの腕を掴んだ澤はグーパンチ2連発! そして渾身の伊良部パンチを叩き込んだ澤は、最後の力を振り絞ってお卍固め! リング中央でガッチリと決まり、ハヤトもついにギブアップ!

110917_Zero1-2.jpg 壮絶なバチバチの末、ハヤトを下した澤が『天下一ジュニア』初優勝。お互いに正座をして一礼してから健闘を称え合うと、ハヤトは優勝出来なかった悔しさからか、それとも勝って願い事(=澤を引退させない)が言えなかったからのか号泣。
 一方の澤は腰に天下一ジュニアのベルトを巻き、トロフィーなどを受け取ったあとに「辞めるなー!」と叫ぶ観客たちに「やりすぎぐらいがちょういい応援、本当にありがとうございました」と感謝の言葉。アナウンサーから「観客も選手もこんなに泣いている試合は初めて見ました」と言われた澤は「これは下ネタとか言う雰囲気じゃないですね(苦笑)......おっぱい!」と、いかにも澤らしく応えたあと、「いままでバトラーツの闘う営業、闘う広告塔として天下一ジュニアを闘ってきましたが、皆様に本当にありがたいお知らせがあります。願いを叶える1日前に11月5日のバトラーツ解散興行、指定席以外が完売しました!(※本当は「立ち見席以外が完売」)バトラーツの解散興行で引退しようと思っていましたが、そうすると解散がブレてしまうので数日後に引退しようと思っていますが、この場を借りてお礼を言います。本当にありがとうございました」と語った。
 そしてすべてのクリスタルボールを集め終えた澤は神龍に願い事が何か聞かれると、「11月5日、バトラーツ解散興行、超満員札止め! そして、その数日後の僕の引退試合、僕が一番お世話になったバトラーツの先輩、そして相棒でもある日高郁人と引退試合を、感謝の気持ちを込めて行わせてください。お願いします!」と申し出た。
 その日高と2人揃ってインタビュースペースに来た澤は、「神龍に偏頭痛を治してくださいって言えばよかった」などと言いながらも、「僕の退職前の、バトラーツ最後の大仕事、まず1個クリアしました。でも僕が狙っているのはソールドアウトじゃないです。まだまだ消防法ギリギリの、新宿FACEがもうこれ以上入れないでくださいっていう、そのぐらいまでの満員御礼札止め、僕はそれを狙ってます。あと過去バトラーツに在籍した皆さん、あの全員を僕は新宿FACEに集めますよ! それはね、神龍に言おうかと思ったけど、いやいや、これは自分で、自分の力でなんとかしますよ!」と語った。
 そのあとで「なんでこれが難しいかというとね、皆大人気ないんっすよ。皆仲が悪いんすよ。皆ならず者なんですよ!」と言い出す澤に「コラコラ、やめろ!」と突っ込んだ日高だったが、引退試合の相手に指名されたことに関して「僕の気持ちとしては、まったく断る理由はないです」と言ったあとに、澤に「まぁちょっと、キミは聞かない方がいいよ」と言ってから(※言われた澤は片耳だけふさぐ)、「本当にコイツ、身体がボロボロなんですよ。今日も決勝戦を見守りながら、コイツの心が折れない様に檄を飛ばすので一生懸命ですよ。僕が澤宗紀を責任持ってプロレス界から送り出します。もうコイツが『もう一度リングに立ちたい』とか、そんな気持ちが起きないように、僕が精一杯の気持ちと精一杯の闘いで、澤宗紀を送り出します! 後輩であり、弟のような存在である男を、先に送り出さなきゃいけないということは本当に複雑ですけど、精一杯送り出したいと思います!」と必死に涙を堪えながら語った。
 すると澤は後輩なのに「泣かないで」と笑顔で言って日高と肩を組み、記念撮影に応じてみせた。このどちらが辞めるのか、どちらが先輩なのか分からないような状況に、思わず日高も苦笑いを浮かべた。

110917_Zero1-3.jpg 9・14新宿大会でゼウスとのコンビでNWAインターコンチネンタルタッグ王座を奪取した田中将斗は、"デスマッチ・ジーザス"ネクロ・ブッチャーと一騎打ちを行った。「お互いの生き様をぶつけ合って俺たちにしか出来ない試合をしたい」というネクロに対し、田中も「FMWの頃のような場外戦が多い試合は楽しい」と前哨戦で"噛み合う"ことを確信した様子。
 しかも、この試合は「場外カウントなし、反則カウントなし」のハードコアルールで行われることになり、イスを持参して入場した両者はいきなりイスのチャンバラで試合開始。ネクロのイスを吹っ飛ばした田中は、ネクロの脳天にイスを振り下ろし、さらにラリアットで場外に叩き落とす。だが、場外戦でネクロは田中を鉄柱に叩き付け、さらに額に噛みついて流血させると、お互いイスに座った状態でグーパンチで殴り合う。
 そこから立ち上がったネクロはビッグブーツで田中を吹っ飛ばすと、場外にイスをセットしてエプロンから田中を叩き付けようとすたが、これは逆に田中がデッドリードライブの要領でネクロをイスに叩き付ける。そこから記者席のあるステージ上に移動した両者。ネクロがひな壇席でパイルドライバーを狙うが、田中はリバースで切り返す。するとステージ上にイスの山を築いた田中が、客席からネクロをブレーンバスターで投げてイスの山に叩き付ける!
 リングに戻ったネクロはテーブルの破片で殴打したり、イスの山の上にサイドバスターやボディスラムで叩き付けると、コーナーに斜めに立てかけたテーブルの上にデスバレーボムで叩き付けてテーブルクラッシュ! どうにかカウント2で返した田中は、座れるようにしたイスの上にフェースクラッシャーでネクロを叩き付けると、イスを振り上げて突進していくが、ネクロはグーパンチでイスを底を突き破ってみせる!
 そしてコーナーに登っていったネクロだが、田中はイスで脳天を殴打すると、イスの山の上に雪崩式ブレーンバスターで叩き付ける。さらに倒れたネクロにスーパーフライを投下。片膝をつきながらも立ち上がろうとするネクロに、再びイスを振り下ろしていった田中は、ダメ押しのスライディングDを叩き込んで3カウント! 実に田中とネクロらしいハードコアな一戦に場内は大興奮だった。

 また、この日10・2靖国神社で行われる『奉納プロレス』で、橋本大地が故・橋本真也さんの付き人をつとめていたこともある新日本プロレスの天山広吉と対戦することが発表された。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第0試合 ニック・プリモ入団最終査定試合 15分1本勝負
○植田使徒
8分9秒 ドクターボム
●ニック・プリモ

▼第1試合 柿沼謙太7番勝負 其の3 30分1本勝負
●柿沼謙太
8分10秒 ノーザンライトボム→片エビ固め
○スティーブ・コリノ

▼第2試合 第9回天下一ジュニアトーナメント準決勝 時間無制限1本勝負
○澤宗紀(バトラーツ)
13分5秒 腕ひしぎ逆十字固め
●横須賀享(DRAGON GATE)

▼第3試合 第9回天下一ジュニアトーナメント準決勝第1試合 時間無制限1本勝負
●藤田峰雄(ZERO1)
19分49秒 K.I.D→レフェリーストップ
○フジタ"Jr"ハヤト(みちのくプロレス/九龍)

▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負
大谷晋二郎/崔領二/●橋本大地
16分42秒 変形デスバレーボム→片エビ固め
佐藤耕平/KAMIKAZE/○横山佳和

▼第5試合 スペシャルシングルマッチ「Wrestling is Drug」30分1本勝負
○田中将斗
10分42秒 スライディングD→片エビ固め
●ネクロ・ブッチャー

▼第6試合 天下一ジュニアスペシャル6人タッグマッチ 30分1本勝負
日高郁人/伊藤崇文(パンクラスism)/○怪人・ハブ男(沖縄プロレス)
13分42秒 猛毒ハブ空爆→体固め
●菅原拓也/スペル・クレイジー(メキシコ)/ロビー・ハート(NWA AUS)

▼第7試合 第9回天下一ジュニアトーナメント決勝戦 時間無制限1本勝負
○澤宗紀(バトラーツ)
16分3秒 お卍固め
●フジタ"Jr"ハヤト(みちのくプロレス/九龍)
※澤宗紀が初優勝

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