もう一方の1回戦は4・10新木場大会で対戦した際は、異種格闘技戦のような緊張感を漂わせた長野美香と美闘陽子が再び激突。長野にタックルを決めさせなかった美闘は、腕十字を何とか凌ぎ、アンクルホールドを切り返してのハイキック2連発で辛くも勝利。スターダム初の後楽園大会のメインは、奈苗vs.美闘による赤いベルト初代王者決定戦となった。
　ゴングと同時に二段蹴りで突進した美闘に対し、エルボーの連打を返していった奈苗。だが、奈苗のミサイルキックをかわした美闘はハンマーロックに捕らえた腕をオモプラッタで固めると、そのまま腕決め逆片エビ固めに捕らえていく。これを逃れた奈苗はサイドバスターで叩き付けると、張り手を連打していく。しかし美闘もコーナーの間に奈苗を押し込むと、上から袈裟斬りチョップを振り落とす。さらに美闘は下から奈苗の顔面を蹴り上げると、高山善廣のエベレストジャーマンを彷彿させる高角度ジャーマンを初公開！
　しかしコーナーに登った美闘を追いかけていった奈苗は雪崩式ブレーンバスターを狙うが、これを投げ捨てフロント・ブレーンバスターで切り返した美闘はミサイルキック。しかし奈苗はもう一度コーナーに登った美闘を今度こそ雪崩式ブレーンバスターで投げると、コーナー二段目→最上段からと冷蔵庫爆弾2連発！　これをカウント1で返してみせた美闘だが、奈苗はレッグラリアット、アルバトロスで追い込むと、ワンセコンドを狙う。うまく逃れた美闘はハイキックを叩き込むが、奈苗はバックドロップを返す。美闘も投げ捨てジャーマンを繰り出すが、奈苗は飛び込むようなショートレンジラリアット。
　そこからナナラッカを狙った奈苗だが、美闘はこれを夏樹を破ったインプラントで切り返す！　さらに裏拳、袈裟斬りチョップ、浴びせ蹴りと畳みかけた美闘は必殺のドールB。だが、当たりが浅くもう一発。しかし最大の勝機を逃した美闘に対し、奈苗はスピンキックをかわしてワンセコンドに捕らえると、そのままエメラルド・フロウジョンのように叩き付けるワンセコンドEX（仮）で叩き付けて3カウント！

　自身のデビュー15周年記念大会で、赤いベルトことを腰に巻き、ワールド・オブ・スターダム初代王者となった奈苗は、この日のオープニングで記念セレモニーを行ったのだが、そこには中西百重さん、納見佳代さん、現在スターダム練習生の脇澤美穂が祝福に駆け付け、一瞬だけキッスの世界を再現。
　さらに全日本女子プロレス時代、奈苗とは元祖赤いベルトであるWWWA世界王座を賭けて対戦した前川久美子さんと堀田裕美子も駆け付けた。みんなに祝福された奈苗は「私がこうやって15周年記念時代をスターダムという団体で迎えられるのも、決まった運命だと思います。ここにいる皆さんとプロレスを心から楽しみたいと思いますので、一緒にスターダムを盛り上げていってください！」と挨拶したが、見事メインでは赤いベルトを奪取。
　すると、今度は前日にトリプルテイルズからの脱退を電撃発表した紫雷イオが登場！　奈苗に向かってイオは「私は今日は自分自身がもっともっと輝きたいと思ってここに来ました。スターダムは元気があって、勢いがあって、とっても魅力的な団体だと思います。正直、このリングに立つことが出来て、感激で足が震えています。奈苗さん、私をスターダムに参戦させてください！」と直訴。奈苗が「どんだけの覚悟があるんだよ？」とイオに詰め寄ると、イオは「私なりにいろんなリスクを背負ってここにいます！　ところで奈苗さん、いまパートナーがいないらしいですね。私でよければタッグを組みましょう！」と言って手を差し出す。
　これを聞いた奈苗は「いい根性してるよ！　私のパートナーになりたいなんていいセンスしてるよ！　ここにいる奴らは私を大事にしないんだ」と愚痴りながらイオとガッチリ握手。これでイオが8月から始まるシーズン3からスターダムに参戦することが決まった。そして最後に全選手をリングに上げた奈苗は「私もまだまだ人生夢の旅だと思っています。皆さんと一緒に夢の旅をしたいと思っていますので、これからもスターダムをよろしくお願いします！　いくぞー！　いまを信じて、明日に輝け、We are スターダム！」で、スターダム初の後楽園大会を締めくくった。

　新設されたもう1つのベルト"白いベルト"こと、ワンダー・オブ・スターダムは、旗揚げからいままでの活躍が認められて"グラレスラー"愛川ゆず季と、"スターダムの番長"世IV虎によって初代王者決定戦が行われることになった。4・3大阪大会で世IV虎のセントーンを食らい、大事な胸を負傷した愛川は是が非でもリベンジしたいところだが、自分のことを「清純」、この一戦を「ビジュアルクイーン対決」、この大会を「生誕18周年記念大会」を豪語している世IV虎。
　握手を拒否して終始中指を突き立てた世IV虎は、ゴングと同時にショルダータックルでなぎ倒すと、顔面ウォッシュから一度破壊した"ゆずパイ"をガンガン踏みつけていく。しかし愛川もローキックからアームドラッグで投げていくと、踏みつけ攻撃をお返し。世IV虎は怒りのマウントエルボーを入れていくが、スイープした愛川もマウントエルボーを返していく。だが、のど輪でコーナーまで押し込んでいって世IV虎は串刺しラリアット、コーナースプラッシュで追い込むと、セントーンを投下。
　愛川もカウント2で返すとSTFやYKイエロー（ハイキック）で応戦するが、世IV虎はデュランダルからのラリアットを狙う。これをゆずポンスタナーで切り返した愛川は、YKブルー（後ろ回し蹴り）からのフィッシャーマンズ・スープレックス。だが、続くYKレッド（カカト落とし）をキャッチした世IV虎は逆片エビ固めに捕らえていく。何とかロープに逃れた愛川の背中にまたもセントーンを落とした世IV虎は、「死ね、オラ！」と叫びながらコブラクロー。さらにネックハンキングボムで叩き付けてから、コーナー二段目からのダイビング・セントーン！
　そして世IV虎は飯伏幸太へのアプローチも兼ねて密かに練習していたという噂のムーンサルトを狙ってか背中を向けてコーナーに登っていくが、起き上がった愛川は背後から蹴っていき叩き落とす。すかさずYKイエローからシャイニングゆザードをお見舞いした愛川はラ・ゆずヒストラル。辛くも近くにあったロープを掴んでピンチを脱した世IV虎は、ショートレンジラリアット。だが、2発目をYKイエローで迎撃した愛川は、YKスペシャル（コンビネーション）からのYKレッドを叩き込み、世IV虎から3カウント！
　昨年の10・31に衝撃的なプロレスデビューをしてから、わずか約9カ月でシングル王座を奪取した愛川！　感極まった表情で白いベルトを受け取った愛川だったが、その白いベルトを肩に掛けると、「純白のこの白いベルトは私が一番似合うと思います！　グラビアアイドルからプロレスデビューして、こうやってベルトを獲るのは遠い先だと思っていました。でも、こうやって現実に私の手に入ることが出来ました。プロレスは頑張って、頑張って努力すれば必ず報われると信じています。チャンピオンベルトと、胸の谷間と、最高の笑顔と言いたいところですけど、ちょっと汚い笑顔で後楽園を迎えることが出来ました！」と挨拶。
　さらにリング上に寝転んだ愛川は、セクシーグラビアポーズで記念撮影に応じてみせ、これぞグラレスラーという一面を見せた。また、夏樹☆たいようもJWPのLeonに奪われていたハイスピード王座を、中西百重さん直伝のモモ☆ラッチで奪回に成功。今後のスターダムはワールド・オブ・スターダム、ワンダー・オブ・スターダム、ハイスピード王座の3本のベルトを軸に進んでいくという。

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▼第1試合　スターダム・ティーンズファイト 20分1本勝負
星輝ありさ／○岩谷麻優
9分44秒　ダイビング・ボディアタック→片エビ固め
●須佐えり／鹿島沙希

▼第2試合　キッズ・ファイト〜夢のプロレス物語・夏休み編〜3分間
△夢
時間切れ引き分け
△ケニー・オメガ（DDT）

▼第3試合　ワールド・オブ・スターダム王座決定トーナメント1回戦 30分1本勝負
○美闘陽子
9分10秒　右ハイキック→エビ固め
●長野美香

▼第4試合　ワールド・オブ・スターダム王座決定トーナメント1回戦 30分1本勝負
○高橋奈苗
12分21秒　ナナラッカ→エビ固め
●"ラティーナ・センセーション"メルセデス・マルチネス

▼第5試合　ワンダー・オブ・スターダム王座決定戦 30分1本勝負
○愛川ゆず季
11分47秒　ゆずポンキック・レッド→片エビ固め
●世IV虎
※愛川が初代ワンダー・オブ・スターダム王者となる

▼第7試合　ハイスピード選手権試合 30分1本勝負
［王　者］●Leon（JWP）
21分41秒　モモ☆ラッチ
［挑戦者］○夏樹☆たいよう
※第4代王者Leonが5度目の防衛に失敗。夏樹が第5代王者となる

▼第8試合　ワールド・オブ・スターダム王座決定トーナメント決勝 30分1本勝負
○高橋奈苗
13分10秒　ワンセコンドEX（仮）→片エビ固め
●美闘陽子
※高橋が初代ワールド・オブ・スターダム王者となる