所が今成の足関節地獄を何とかしのいでバンタム級日本トーナメント優勝!高谷は宮田にフェザー級王座を防衛!

110716_Dream-1.jpgFIGHT FOR JAPAN
DREAM JAPAN GP
〜2011バンタム級日本トーナメント決勝戦〜
日時:7月16日(土)開始:17:00
会場:有明コロシアム
観衆:8142人

 16日、有明コロシアムで行われたFIGHT FOR JAPAN『DREAM JAPAN GP〜2011バンタム級日本トーナメント決勝戦〜』。5・29バンタム級(61kg以下)日本トーナメント1回戦&準決勝を勝ち上がった所英男と今成正和が決勝で激突。結婚して自分のジムを立ち上げたばかりの所に対し、この大会に引退を賭けて挑んだ今成。ZSTの仲間同士ではあるが、どちらも負けが許されない大事な大事な一戦だ。

 煽りVではこの10年間、大舞台で光り輝いていた所と、所にとってはずっと憧れの存在であり続けた今成を紹介し、「俺の10年を......俺たちの10年を証明する」のナレーション。
 ゴング直後に飛びヒザ蹴りを打っていった所に対し、今成もジャンプすることで顔面への直撃は避けたがそのまま転落。所はすぐさま上から殴りかかっていく。しかし下になってからも十分怖い今成だけに所は深追いはしない。スタンドになり二段蹴りのような形で鋭い蹴りを飛ばしてくる今成に対し、バックステップでかわした所はロープの反動を利用したかのようなストレートを放っていき、今成に尻餅をつかせる。
 だが、グラウンドでは絶対に深追いはしない所。スタンドでもこの日の所はとにかく慎重。今成はノーガードになったり、フェイントを入れたりして揺さぶりをかけるが、所はリングを回りながら慎重に今成の動きを見定め、フックや二段蹴りで飛び込んできても回避してみせる。
 2Rも開始早々いきなり飛びヒザ蹴りを出していった所に対し、今度は伏せてかわしてみせた今成。すぐさま今度は今成が飛び込んでいくが、所もすぐに反応して回避。今成は飛び付いていってグラウンドに引き込み、ラバーガードを繰り出すが、所は何とか早めに脱出。ならばとスライディングのカニ挟みのような形で引き込もうとする今成だが、所はよく今成を研究しており、そう簡単に許さない。
 それだけ所に慎重になり、グラウンドでも深追いせずにすぐに立ち上がっていったのに、今成は立ち上がろうとする所の足に素早く絡みつき、何とヒールホールドを仕掛けていく。所、絶体絶命のピンチかと思われたが、完璧には極まっておらず辛くも脱出成功!

110716_Dream-2.jpg 結局、そのまま試合終了となると、判定の結果、随所で打撃を入れていった所が3-0で勝利。憧れの先輩を下し、何が何でも栄冠が欲しかった所。やはりこの男は大舞台に強い! バンタム級日本トーナメントを制した所に対し、準優勝に終わった今成は「今日はすごい完敗しちゃったんですけど、9月のトーナメントに出させてもらえるようなので、必ず練習してやり返したいと思います」と引退はせずに、9月から開催予定のバンタム級世界トーナメントへの出場を宣言。それを聞いた所は「まだ終わりじゃなくて、版拓級トーナメントは世界トーナメントがあるので、もう1回決勝で今成さんと闘いたいと思います」と挨拶すると、とびきりの笑顔を見せた。
 所はインタビュースペースで試合を振り返り、「(足関節を取られたときに)本当にうまいこと逃げれたんでよかったんですけど、あそこが今日の勝負の(分かれ目だった)ところだったんで頑張れてよかったです」と安堵の表情で語った。また、試合後マイクで「お嫁さんお誕生日おめでとう!」と叫んだことに関しては「私事ですが昨日嫁の誕生日でお祝いできなったんで、勢いあまって言ったんですけど、恥ずかしくて口ごもっちゃいました」といかにも所らしいコメント。
 初の栄冠を手にしたわけだが、「ベルトがないので実感がないんですけど、本当にすごい嬉しいです。やっぱりこういう凄い選手が出てるトーナメントで、『頑張ろうニッポン』と言ってる時に、日本一になれて凄い嬉しいです」と嬉しそうに語った。

110716_Dream-3.jpg 昨年大晦日の『Dynamite!!』でビビアーノ・フェルナンデスを下し、第二代DREAMフェザー級王者となった高谷裕之は、宮田和幸相手に初防衛戦に挑んだ。09年からフェザー級に転向した宮田は鋭いタックルと、前田日明直伝のスープレックスを武器に無傷の6連勝中! 高谷にとっては最強の挑戦者を迎え撃つにことになったと言っていいだろう。
 喧嘩での先手必勝とばかりに前に出てきてパンチを打っていく高谷に対し、宮田は低く鋭いタックルを仕掛けていく。さすがに高谷をなかなかテイクダウンすることは出来ないが、パンチを回避するには有効な手段。それでも高谷は何とか宮田を押し倒して上になるとパウンドを打っていく。
 宮田もパンチからのタックルでついにテイクダウンを奪うと、バックに回る。場内が一気に沸き上がるが、ジャーマンを警戒した高谷はうまく防御。高谷はつねに前へ前へと出て行ってプレッシャーをかけながら、一気にパンチで前に出るが、宮田はタックルでコーナーに押し込んでいくという展開が続く。緊張感のある攻防は結局3Rまで続き、決着は判定に。
 判定の結果は2-1で高谷が辛くも勝利! 最強の挑戦者を退けてフェザー級王座を防衛した高谷は「やっぱりタイトルマッチとなると倒したかったんですけど、倒せなかったです。次は必ず倒しますのでまた観に来てください!」と挨拶して大会を締めたのだが、試合中に右目を負傷したため、そのまま病院に直行! 対する宮田はテイクダウンをなかなか出来なかったことを反省した。
 なお、笹原圭一イベント・プロデューサーは次回大会を9月に行うと発言。バンタム級の世界トーナメントを開催予定で、大晦日の『Dynamite!!』で決勝を行う計画もあるという。さらに9月と大晦日の間にもう1大会挟んで、世界トーナメントを計3大会に分ける可能性のあるという。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 ライト級(-70kg)ワンマッチ 1R10分、2R5分
○光岡映二(日本/フリー)
判定3-0
●ブルーノ・カルバーリョ(ブラジル/CM SYSTEM)

▼第2試合 ウェルター級(79kg契約)ワンマッチ 1R10分、2R5分
○マリウス・ザロムスキー(リトアニア/LONDON SHOOT FIGHTERS/MMA Bushido)
判定3-0
●石川英司(日本/GRABAKA)

▼第3試合 ライトヘビー級(-93kg)ワンマッチ 1R10分、2R5分
○水野竜也(日本/フリー)
1R 4分41秒 KO
●トレヴァー・プラングリー(南アフリカ/American Kickboxing Academy)

▼第4試合 バンタム級(-61kg)日本トーナメント 3位決定戦 1R10分、2R5分
●藤原敬典(日本/秋本道場ジャングルジャンクション/チームZST)
判定0-3
○大沢ケンジ(日本/和術慧舟會HEARTS)

▼第5試合 ライト級(-70kg)ワンマッチ 1R10分、2R5分
○川尻達也(日本/T-BLOOD)
1R 4分41秒 レフェリーストップ
●ドリュー・フィケット(米国/Team Scrub)

▼第6試合 ライトヘビー級(-93kg)タイトルマッチ 1R10分、2・3R5分
[王 者]○ゲガール・ムサシ(オランダ/チーム・ムサシ)
1R 3分29秒 TKO(セコンドのタオル投入)
[挑戦者]●泉浩(日本/プレシオス)
※初代ライトヘビー級王者・ムサシが初防衛に成功

▼第7試合 バンタム級(-61kg)日本トーナメント 決勝戦 1R10分、2R5分
○所英男(日本/リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
判定3-0
●今成正和(日本/チーム・ローケン)
※所がバンタム級日本トーナメント優勝

▼第8試合 フェザー級(-65kg)タイトルマッチ 1R10分、2・3R5分
[王 者]○高谷裕之(日本/高谷軍団)
判定2-1
[挑戦者]●宮田和幸(日本/BRAVE)
※第2代フェザー級王者・高谷が初防衛に成功

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