国内ラストマッチで外道相手に念願の一騎打ちを行い、勝利した東郷!マスター・オブ・セントーンは日本から世界へ

110630_Ikizama-1.gifDDTプロレスリング
ディック東郷国内引退興行 ~IKIZAMA~
日時:6月30日(木) 開始:19:00
会場:後楽園ホール
観衆:1721人(超満員札止め)

 30日、後楽園ホールで行われた『ディック東郷国内引退興行〜IKIZAMA〜』。1991年6月にユニバーサルプロレスでデビューした東郷(当時のリングネームは巌鉄魁)は、その後みちのくプロレスで活躍したのち、1998年にはWWF(現WWE)にも参戦。帰国後は大阪プロレスに移籍したが、2000年からはフリーとなって様々な団体で"レスリングマスター"ぶりを見せてきた。
 2010年4月にはDDTを最後の所属先に選び、1年後に国内引退試合を行い、その後の1年間世界を転戦して最終的にボリビアで引退試合を行うことを発表した。そして迎えた国内引退試合だが、東郷が選んだ最後の相手はユニバーサル時代の先輩である外道。共に技巧派としてプロレスの巧さには定評があるが、東郷にとって外道はプロレスを教えてくれた大切な先輩であり、ずっとシングルでやりたかった相手だった。

 東郷念願のシングルマッチが始まると、東郷のセコンドには愛弟子であるアントーニオ本多、佐々木大輔、佐藤悠己、ヤス・ウラノらがつく。ほかの選手たちもリングサイドから観戦する中、邪道はニュートラルコーナーから試合を見守る。まずはお互いに相手の腕の取り合いを展開。腕の取り合い1つ取っても、腕だけでなく足を取ってレッグロックで切り返したり、飛行機投げから腕を固めていったりと、様々なバリエーションを披露。
 そして東郷がヘッドロックに捕らえると、外道はロープに振って逃れようとするが、東郷はなかなか離さない。足を踏んでようやく逃れた外道はショルダータックルからコンプリート・ショットを狙うが、エルボーで回避した東郷は逆にコンプリート・ショットを狙う。だが、外道もエルボーで回避。お互いレスリングマスターの称号に相応しい見応えのある攻防を展開。
 そこから一転、キチンシンクで東郷を場外に追いやった外道はイス攻撃。さらに本部席から木槌を奪い取ると東郷を殴打。東郷は記者席前まで逃げてくるが、外道はなおもテーブルに東郷を叩き付けていく。そして先にリングに戻った外道はコーナーポストを外すと、剥き出しになった金具に東郷を叩き付ける。憎いくらいに巧い外道は、東郷の腹部を集中攻撃していき、何度も東郷を悶絶させる。
 だが、東郷も飛び付きDDTや飛び付きのスタナーで反撃すると、外道を場外に追いやってトペを発射。そして外道をリングに戻してシルバーブレットを落とすと、クロスフェースに捕らえていく。15分が経過し、何とかロープに逃れた外道は場外戦で東郷を痛めつけていくが、リングに戻った東郷はミスティカ式クロスフェース! KO-D無差別級王座戦でさらに進化した東郷だけに、この攻撃は外道も知らない!
 どうにかロープに逃れた外道だが、東郷は勝負をかけてペディグリーからのダイビング・セントーンを放っていくが、これは外道がかわして自爆。すかさず外道はコンプリート・ショット、トラースキックと決めてから必殺のスーパーフライを投下するが、東郷はヒザで迎撃。ダブルダウン状態から外道はレフェリーの見えていないところで急所を蹴り上げると、外道クラッチ!
 辛くもカウント2で返した東郷だが、外道は今度こそ完璧なスーパーフライを投下。これもカウント2で返した東郷は、ペディグリーを狙うが外道はリバースで切り返すと逆さ押さえ込みを狙う。だが、これを逃れた東郷はナックルの連打からペディグリー。そして、これが日本で見られる最後の"マスター・オブ・セントーン"による芸術的なダイビング・セントーンをズバリと決めて、東郷が3カウントを奪った。

110630_Ikizama-2.jpg 倒れた外道に歩み寄って言葉をかけた東郷は、外道を抱き起こすと抱き合って健闘を称え合う。後輩に敗れて悔しそうにするのではなく、どこか寂しそうに笑った外道は、頭を下げる東郷を抱きしめると、可愛い後輩の頭を撫でた。リング下では邪道も拍手をして両者を称える。
 そしてマイクを持った東郷が「外道さん! 自分は外道さんが先輩でよかったです。僕はこの業界に入ったとき、4人の先輩に会いました。外道さん、邪道さん、デルフィンさん、サスケさん。どれも大事な先輩です。自分はこの4人が先輩じゃなければこの場にいなかったでしょう。それくらい大事な先輩です。それから外道さん、今日は念願のシングルマッチ、叶えてくれてありがとうございます!」と言うと、外道は「東郷、引退するのは惜し過ぎるぞ。お前は俺の中で過去、現在、未来に置いてベストなレスラーだ!」と最上級の言葉をかけてガッチリと握手を交わした。
 ワールドツアーに旅立つ東郷にとって最高の弾みとなった外道からの勝利。それだけに引退セレモニーではなく、ワールドツアーに向けた"壮行会"が行われた。愛弟子であるアントン、佐々木、佐藤から花束を受け取った東郷は、ハヤブサが車イスでリングサイドまで来ると、リングを降りていって笑顔でハヤブサから花束を受け取った。
 さらに首に爆弾を抱えながらも近々復帰することが決まった折原昌夫や、東郷と共にみちのく→大阪プロレスに移籍したものの、東郷が大阪プロを辞めると同時にプロレス界から去った薬師寺正人さん、現在はプロレスを休んでいる大鷲透らも駆け付け、東郷に花束を渡した。

110630_Ikizama-3.jpg そして奇跡の和解を果たしたスペル・デルフィンをはじめ、グラン浜田、海援隊★DXのMEN'Sテイオー、カズ・ハヤシ、HANZO、TAKAみちのく、FUNAKI、さらに新崎人生、気仙沼二郎、ザ・グレート・サスケといったみちのく時代の盟友たちからも東郷に花束が渡されると、最後の1年間所属先に選んだDDTの選手たちが次々にリングに上がって東郷に一輪の花を手渡していく。
 最後に登場したのはDDTの高木三四郎大社長。大トリらしく特大の花束を持ってリングに上がった大社長は東郷に花束を手渡すと、深々と一礼。嬉しそうに大社長に握手を求めていった東郷は、大社長が握手に応じた......その瞬間、まさかのガットショット! さらにお約束のペディグリー! 「ハハハハ! また騙されたな高木三四郎! 俺が引退するわけないだろう!」......とはさすがに言わなかったが、東郷は「高木さん、今日のペディグリーは最大の感謝の気持ちです」と言葉をかけ、大社長は「騙された〜」という表情で笑顔の東郷を見つめた。
 壮行会のセレモニーを終えた東郷は「本当に自分はいろんな人に恵まれてきたと思います。本当にファンのみんな、選手のみんな、両親、そして最後DDTの社長、高木三四郎、本当にどうもありがとうございました! 本当に何回も言います。本当にいい人に巡り会えてよかったと思います。本当に、本当にありがとうございました! 自分は今日、国内で最後の試合ですが、ある意味今日がスタートです。この日本をキッカケに世界を回って、最後ボリビアで試合をして、また皆さんの前に挨拶をしに帰ってきたいと思います。1年後か1年半後か分かりませんが、必ず無事に帰ってきます。ありがとうございます。......とにかく、皆さん、本当にありがとうございました!」と万感の思いを込めて挨拶。
 最後は篠塚リングアナが「日本が世界に誇るレスリングマスター、ディック東郷〜!」と東郷の名前をコール。大量の紙テープが投げ込まれたリング上で、東郷は仲間たちから胴上げされて世界に送り出された。インタビュースペースで東郷は「あまり湿っぽくしたくなかったんでね。壮行会という形でみんなに送り出されて、みんなからパワーをもらって世界を周って来たいと思っています」と最後まで笑顔で語ると、今後の日本プロレス界には「日本のプロレスというのは世界でもトップレベルだと思うんで、もっともっとプロレスの位置を上げていってほしいなと思いますね。やっぱりプロレスっていうのは、いろんな意味で元気づけたりするパワーを持ってると思うんでね」とメッセージを送った。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負
○関根龍一(K-DOJO)/松永智充
5分20秒 龍切→片エビ固め
石井慧介/●平田一喜

▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負
つぼ原人(フリー)/●たかぎ原人(フリー)
9分50秒 トップロープに股間を打ち付けて落ちてきたところをエビ固め
○新崎人生(みちのくプロレス)/気仙沼二郎(みちのくプロレス)

▼第3試合 ガントレットタッグマッチ 時間無制限勝ち抜き戦
<1組目>
MEN'Sテイオー(大日本プロレス)/●HANZO(レッスルゲート)
3分56秒 腕ひしぎ逆十字固め
スペル・デルフィン(沖縄プロレス)/○グラン浜田(フリー)
<2組目>
○男色ディーノ/飯伏幸太
1分18秒 レフェリー暴行
スペル・デルフィン(沖縄プロレス)/●グラン浜田(フリー)
<3組目>
●男色ディーノ/飯伏幸太
4分54秒 首固め
KUDO/○マサ高梨
※マサ高梨が第859代アイアンマン王者へ
<4組目>
○ヤス・ウラノ/GENTARO
3分15秒 首固め
KUDO/●マサ高梨
※ヤス・ウラノが第860代アイアンマン王者へ
<5組目>
ヤス・ウラノ/○GENTARO
5分4秒 キドクラッチ
HARASHIMA/●星誕期
<6組目>
○ヤス・ウラノ/GENTARO
8分58秒 ツームストンパイドドライバー→片エビ固め
石川修司(ユニオンプロレス)/●ビッグ諸橋(ユニオンプロレス)

▼第4試合 6人タッグマッチ 45分1本勝負
日高郁人(ZERO1)/石井智宏(新日本プロレス)/○佐々木大輔(フリー)
13分56秒 Now or Never→片エビ固め
カズ・ハヤシ(全日本プロレス)/FUNAKI(フリー)/●佐藤悠己(K-DOJO)

▼第5試合 タッグマッチ 60分1本勝負
邪道(新日本プロレス)/●アントーニオ本多(フリー)
16分59秒 サスケスペシャルXVer.10.2セグウェイ(ものまね禁止)→片エビ固め
○ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)/TAKAみちのく(K-DOJO)

▼第6試合 ディック東郷国内引退試合~スペシャルシングルマッチ~ 時間無制限1本勝負
○ディック東郷
25分23秒 ダイビングセントーン→片エビ固め
●外道(新日本プロレス)

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