諏訪魔が永田を下して三冠を防衛すると、アジアタッグを奪還した真田が挑戦表明!全日本マットを去る鈴木が「強くなってみろよ」と檄!

110619_AJP-1.jpg全日本プロレス
2011 プロレスLOVE in 両国 Vol.12
日時:6月19日(日) 開始:16:00
会場:両国国技館
観衆:8000人

 19日、両国国技館で行われた全日本プロレス『2011 プロレスLOVE in 両国 Vol.12』。TARUのスーパー・ヘイト(平井伸和)への暴行事件により、長年全日本マットで活躍してきたブードゥー・マーダーズが解散&タイトル剥奪。しかも事実上全日本追放となったTARUはもちろん、KONO、稔、MAZADAも無期限出場停止処分になったことで、今大会のカードは当初予定されていたものから大幅に変更された。

 だが、メインのカードは予定通り、今年の『チャンピオン・カーニバル』で優勝した新日本プロレスの"ミスターIWGP"永田裕志が、諏訪魔の持つ三冠ヘビー級王座に挑戦する大一番。共にレスリング出身でバックドロップ・ホールドに人一倍こだわりを持っており、バックドロップ対決になるのは必至だったが、序盤は共にレスリング出身同士のためか、意地の張り合いのためか、イマイチお互いの動きが噛み合わない。
 10分過ぎ、永田は諏訪魔の左腕に狙いを定めてショルダーネックブリーカーや蹴りで集中攻撃。さらに頬を突き出して「打って来い」という感じに挑発すると諏訪魔はエルボーを打っていくのだが、永田は再び左腕殺しへ。15分過ぎ、キャプチュードで反撃した諏訪魔はアンクルホールドに捕らえるが、永田はナガタロックIIに切り返す。しかし、再びアンクルホールドに切り返した諏訪魔は、ロープに逃れた永田にショルダーレッグブリーカー。
 左足を押さえて苦痛で顔を歪めた永田だが、20分経過した辺りでエクスプロイダーで反撃すると、マジックスクリュー、垂直落下式ブレーンバスターで畳みかける。投げ捨てジャーマンを返した諏訪魔はコーナーに登っていくが、追いかけていった永田は雪崩式エクスプロイダー。だが、ラリアットで永田を場外に叩き落とした諏訪魔はトペを発射! リングに戻った諏訪魔はショートレンジラリアットの連打からローリングラリアットを狙ったが、フロントキックで迎撃した永田は腕固めに捕らえて白目を剥く!
 諏訪魔がロープに逃れた辺りで25分が経過するが、ここで永田が先にバックドロップ。カウント2で返した諏訪魔はすぐさまバックドロップを返すが、ニールキックから串刺しニーを叩き込んだ永田に対し、そのままキャッチした諏訪魔はラストライドで叩き付ける。さらにジャーマンからバックドロップを狙った諏訪魔だが、体を捻って押し潰した永田はシャイニング・ウィザード。
 両者かなりフラフラになりながらもエルボー、張り手を打ち合うが、掌底のような張り手を連打していった諏訪魔はショートレンジラリアットで永田をなぎ倒すと、30分が経過した直後にこだわりのバックドロップ・ホールドを決めて3カウントを奪った。至宝の三冠ベルト流出を食い止めた諏訪魔は「いまここでいろいろ言うのはまだ説得力がありません。だからこれからリング上で示していきます」と挨拶して両国大会を締めた。

110619_AJP-2.jpg 二度の30分時間切れ引き分け後、3・21両国大会で30分を超す激闘の末に真田聖也&征矢学のesを破り、かつてグレート小鹿社長もその腰に巻いたアジアタッグ王座を奪取した関本大介&岡林裕二の大日本プロレスコンビ。esにとっては待望のリターンマッチを迎えた。
 征矢を捕まえた大日本コンビは代わる代わるサーフボードストレッチやボディスラムで追い込んでいく。さらに岡林が逆水平チョップを打っていくと、征矢もエルボーを返してスピアを放つが、ガッチリ受け止めた岡林はブレーンバスターでぶっこ抜こうとする。だが、何とか踏ん張った征矢は逆にブレーンバスターで投げていって、ようやく真田にタッチ。ジャンピングエルボーやその場飛びムーンサルトなど、躍動感溢れる攻撃から一転して首固めで丸め込んでいった真田だが、回転を止めた岡林は今度こそブレーンバスターでぶっこ抜く!
 続いて関本がアトミックドロップを決めると、真田は堪らず征矢にタッチ。しかし征矢の突進をかわした関本が逆片エビ固めに捕らえると、真田がカットに入る。その真田を岡林がアルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げると、関本も征矢をアルゼンチンで担ぎ上げる。そこから大日本コンビは征矢にトレイン攻撃から時間差ダイビング・ボディプレスを投下するが、カウントは2。
 ならばと大日本コンビは征矢に眉山を狙うが、真田がスワンダイブ式ミサイルキックでカット。今度は真田に眉山を狙うが、征矢がラリアットでカット。だが、岡林が征矢を場外に追いやると、今度こそ真田を眉山でブン投げる! さらに関本はラリアットからぶっこ抜きジャーマンで投げていったが、カウント2で真田がカット。すると関本はラリアットで畳みかけようとする関本の腕にラリアットを叩き込み、何とかラリアット相打ちに持ち込む。
 続いて真田が岡林に回転足折り固めを決めるが、返した岡林は一気に真田を担ぎ上げるとアウトサイダーズエッジで投げていく。だが、気合い十分の真田はエルボーで岡林をなぎ倒すと、タイガースープレックスで投げていく。カウント2で関本がカットすると、征矢がラリアットで関本を場外に叩き落とす。すると真田は武藤ばりにシュミット流バックブリーカーからのムーンサルトプレスを投下して岡林から3カウントを奪った!

110619_AJP-3.jpg アジアタッグ王座を全日本に奪還したesだが、征矢は試合後関本とのシングル戦を熱望。一方、ずっと練習していたというムーンサルトプレスを初公開した真田はメインで永田相手に三冠王座を防衛した諏訪魔がインタビュースペースで、近藤や船木と祝杯をあげたところにやって来て、三冠王座への挑戦を直訴。
 諏訪魔が「お前どういう意味だか分かってんのか? 何で欲しいんだ?」と尋ねると、真田は「俺が全日本プロレスのトップに立って盛り上げていきたいです!」と、まるで諏訪魔がエースではダメだと言わんばかりの発言! それを聞いた諏訪魔は「やってやるよ。最近お前が力つけてるのは分かっているよ。ただ、このベルトの重さや本当の力の差を感じるよ。俺が上だと証明してやるよ」とムッとした表情で言い放った。
 真田が去ったあと、諏訪魔は「まさかこういう形で突き上げられると思わなかったですよ。俺は全日本プロレスの本隊、ど真ん中っていうの? (全日本の)中心で俺は盛り上げていく。あいつらの気持ちっていうのも分かったよ。本格的にやりあう。今日が始まりだね。もう仲間じゃないよ。今回のブードゥーの件にしたって、そりゃ一番は皆がスッキリした形で終わるっていうのがいいんだけど、そういう状況じゃない。今これで俺が後ろ向いてたら、平井さんは喜ばないでしょう。突き進むしかないんですよ。真田がやりてぇて言うなら、真田をぶっ潰しに行くだけ」と、エースとしての決意を語った。
 また、この日は稔が返上した世界ジュニア王座をKAIと近藤修司が王座決定戦を行って争った結果、近藤のジュニア離れした技を散々食らいながらも、鈴木みのるに鍛えられた成果か、耐えに耐えたKAIがLATで叩き付けてからのスプラッシュ・プランチャで勝利し、第30代王者となった。
 さらにKONO&ジョー・ドーリングが返上した世界タッグ王座は、グレート・ムタ&KENSOと曙&浜亮太のSMOPが王座決定戦を行って争った結果、持参したゴーグルでムタの毒霧を徹底的に防御したSMOPだったが、浜の背後からKENSOがゴーグルを奪い取るとムタが毒霧を噴射し、すかさず閃光魔術を叩き込んで勝利。ムタ&KENSOが第59代王者となった。

110619_AJP-4.jpg すべてのベルトが全日本所属選手の腰に戻ったわけだが、長年武藤全日本を柱となって支えてきたヒール集団のブードゥー・マーダーズが解散。そしてGURENTAIや超党派軍としてブードゥーに並ぶ柱となっていた鈴木みのるも、契約満了を迎えたため全日本のリングを離れることになった。
 鈴木にとってケジメの大会となったこの両国大会では、全日本の重鎮・渕正信とシングルマッチを行った鈴木。いつものように『風になれ』で入場してきた鈴木は、早速和田京平レフェリーにイチャモンをつけていく。すると渕が珍しくドロップキックで奇襲攻撃! さらに場外に連れ出した渕は鉄柵攻撃を見舞っていくが、リングに戻った鈴木は怒りの表情でニーリフト。さらにサッカーボールキックからチョーク攻撃を見舞っていくと、京平レフェリーが厳しく注意。悪態を突いた鈴木は、なおもサッカーボールキックやアキレス腱固めで渕を苦しめていくが、渕はどうにかロープに脱出。
 なかなか離さない鈴木を京平レフェリーが注意し、鈴木が京平レフェリーに食ってかかっていると、渕がまたしてもドロップキックで急襲! だが、倒れない鈴木は渕に張り手をお見舞い。それでも渕はボディスラムを狙うが、スリーパーで切り返していった鈴木は渕がグッタリしたところでカバー。だが、カウント2で返した渕は首固めで丸め込む。何度も丸め込んでいく渕だが、フロントネックロックで切り返した鈴木は、そこからゴッチ式パイルドライバーの体勢に。
 まるで全日本マットが名残惜しいかのようにたっぷりと溜めた鈴木は、ドスンと渕をマットに叩き付けて3カウント。試合後、渕が「マイッタよ」という表情で握手を求めると、鈴木は熟考した末に握手に応じる......と思われた瞬間、ガットショットをお見舞いするとサッカーボールキックからストンピングを落とし、両手でガッツポーズ。鈴木は最後まで鈴木らしく全日本マットを全うした。
 インタビュースペースで鈴木は、最初に全日本に来たときも渕が相手だったことを懐かしそうに語ると、「いま、全日本プロレスは新しく生まれ変わろうとしてる。若い芽も育ってきてる。だから、その新しい芽、若い芽を収穫しないでおいてやるから。だから花を咲かせろ! 実を付けろ! な? そしたらまとめて収穫しに来てやる。最後に全日本プロレス、強くなってみろよ! 今のお前らじゃ、俺がお前らの首刈る価値も意味もねぇんだ。武藤も諏訪魔もカズも、KAIも強くなってみせろ。俺がお前らの首を獲る価値があるもんだと認識したら、そしたらまた来るよ。バーイバーイ」と、鈴木流に全日本にエールを送った。
 また、和田京平レフェリーがインタビュースペースでコメントを出していた諏訪魔のところに行き、レフェリー着を差し出して「ちょっとココにサインしてくれよ」と言うと、諏訪魔はサインと共に「京平さんありがとう」と書き添えた。すると京平さんは諏訪魔に「このまま続けていけよ、頑張ってな!」と言葉をかけて去って行った。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負
○BUSHI/宮本和志(和志組)
5分16秒 ファイヤーバードスプラッシュ→片エビ固め
大和ヒロシ/●中之上靖文

▼第2試合 シングルマット 30分1本勝負
●渕正信
5分35秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
○鈴木みのる(パンクラスMISSON)

▼第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負
太陽ケア/○大森隆男(フリー)
7分48秒 アックスボンバー→片エビ固め
ジョー・ドーリング/●レネ・デュプリ

▼第4試合 世界ジュニア・ヘビー級王座決定戦 時間無制限1本勝負
○KAI
25分41秒、スプラッシュプランチャ→片エビ固め
●近藤修司
※KAIが第30代王者となる

▼第5試合 アジアタッグ選手権 60分1本勝負
[王者組]関本大介(大日本プロレス)/●岡林裕二(大日本プロレス)
21分22秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め
[挑戦者組]○真田聖也/征矢学
※第85代王者組の3度目の防衛に失敗。esが第86代王者組となる

▼第6試合 K-1世界王者プロレスデビュー戦スペシャルシングルマッチ 45分1本勝負
○船木誠勝
9分57秒 胴絞めチキンウイング・フェースロック
●京太郎(チーム・ドラゴン)

▼第7試合 世界タッグ王座決定戦 時間無制限1本勝負
○グレート・ムタ/KENSO
8分54秒 閃光妖術→体固め
曙(フリー)/●浜亮太
※ムタ&KENSO組が第59代王者となる

▼第8試合 三冠ヘビー級選手権 60分1本勝負
[王 者]○諏訪魔
30分13秒 バックドロップホールド
[挑戦者]●永田裕志(新日本プロレス)
※第43代王者が4度目の防衛に成功

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