飯伏が準決勝でリチャーズ、決勝で田口を下し、新日本以外の団体に所属する選手では初となるBOSJ制覇という快挙達成!

110610_NJPW-1.gif新日本プロレス
BEST OF THE SUPER Jr. ⅩⅧ ~Bring it on!~
日時:6月10日(金) 開始:18:30
会場:後楽園ホール
観衆:2005人(超満員札止め)

 10日、後楽園ホールで行われた新日本プロレス『BEST OF SUPER Jr.XVIII〜Bring it on!〜』最終戦。昨年、決勝戦の試合中にケガをしてしまい、今年悲願の優勝を狙うDDTの飯伏幸太だが、開幕2連敗と出だしは最悪だった。しかし憧れのグレート・サスケに勝利したのをはじめ、後半怒濤の巻き返し。その結果、6勝2敗12点で見事Bブロック1位通過。
 その飯伏と準決勝で対戦するのは、開幕戦でいきなり現IWGPジュニアヘビー級王者のプリンス・デヴィットを破り、さらにケニー・オメガや金本浩二といった強豪を下して6勝2敗12点でAブロックを2位通過したデイビー・リチャーズ。

 ある意味で初代タイガーマスクも認める空中殺法の使い手である飯伏と、ダイナマイト・キッドを彷彿させる平成の爆弾小僧リチャーズの一戦となったが、珍しく気合いの雄叫びをあげてから入場した飯伏。ゴングと同時にお互いフロントキックでぶつかり合い、ドロップキックで飯伏がリチャーズを場外に追いやると、いきなり場外ダイブを狙ってダッシュするが、エプロンに飛び乗ったリチャーズはハイキックで迎撃。リチャーズは気合いの入ったエルボーを打ってくる飯伏を落差のあるバックドロップで叩き付けると、逆エビ固めに捕らえていく。
 ロープに脱出してエプロンに出た飯伏は追いかけてきたリチャーズを蹴っていくが、リチャーズも蹴り返していき、突進してきた飯伏にエプロンでアラーム・クロックを狙ったが、飯伏は場外に着地して回避。だが、そこにリチャーズはトペを発射・さらにスライディングキックで風とバスト、場外でのパワーボムを狙うが、飯伏は持ち上げられたところでパンチを入れて脱出すると、すかさずケブラーダを発射。
 リングに戻った飯伏はリチャーズをコーナーに乗せて雪崩式ハーフネルソンを狙うが、リチャーズはこれを回転エビ固めで切り返そうとする。しかしリチャーズがマットに着地しても飯伏は踏ん張る。すると、リチャーズは再びコーナーに登っていって雪崩式バックドロップで飯伏をブン投げるが、飯伏は着地! 素早くバックを取ってジャーマンで投げた飯伏はムーンサルトムーンサルトを放っていくが、リチャーズは2発目をヒザを立てて迎撃。
 それでも飯伏はリチャーズのラリアットをマトリックスでかわしてみせたが、リチャーズは振り向きザマにショートレンジラリアット。さらに垂直落下式ブレーンバスターで叩き付けたリチャーズは飯伏をコーナーに乗せると、何とワイルド・ペガサス(クリス・ベノワ)がここ一番のときに使っていた雪崩式パワーボムを狙う。一度はバランスを崩してエプロンに降りたリチャーズだが、すぐにもう一度コーナーに上がると、一気に飯伏を持ち上げてスーパーパワーボム! だが、飯伏は空中でフランケンに切り返すと、間髪入れずファイアーバードスプラッシュを投下して3カウント! いきなりもの凄い試合を制して2年連続の決勝進出を決めた。

 もう1つの準決勝では開幕戦でリチャーズに敗れ、いきなり二連覇に黄色信号が点滅したが、その後はディフェンディング・チャンピオン&IWGPジュニアヘビー級王者の意地で激戦の末に白星を重ね、気付いてみれば7勝1敗14点とぶっちぎりでAブロック1位通過だったプリンス・デヴィットと、今大会はかつてのライバルであるミラノ・コレクションATが開発したどどんスズスロウンを武器に、開幕戦で飯伏を下したのをはじめ、最終的に得点で並ばれながらもサスケとKUSHIDAにも直接対決で勝利していたため、5勝3敗10でBブロック2位通過だった田口隆祐の"Apoollo55対決"が実現。
 さすがにお互いの手の内は知り尽くしているだけあった、デヴィットは田口にどどんをなかなか決めさせず、田口もデヴィットにブラディサンデーをなかなか決めさせなかったが、最後は田口のどどんをエビ固めで丸め込んだデヴィットを、田口が後方回転エビ固めでさらに丸め込んで勝利。この結果、決勝戦は飯伏vs.田口という開幕戦と同カードになった。

110610_NJPW-2.jpg BOSJに出場した選手たちがリング下から守る中、ケニー、マイケル、佐々木のチームDDTをセコンドにつけた飯伏。田口と"ダンサー仲間"であるサスケは田口と一緒に入場したが、飯伏のセコンドにつくという流石の行動。ガッチリと握手を交わして試合は始まったが、いきなり田口がドロップキックで飯伏を場外に追いやると、盟友デヴィットばりのノータットペコンを発射! さらに田口は飯伏のボディと腰を集中的に攻撃し、何度も飯伏を悶絶させると、フランケンで飯伏を再び場外に追いやって得意の三角跳びケブラーダ。さらにリングに飯伏を戻すと、もの凄い勢いのミサイルキック。
 飯伏も蹴りと掌底のコンビネーションからその場飛びシューティングスターを落としていくが、ロープに飛んだところに田口は追走式ドロップキック。さらにスリーアミーゴにいった田口は3発目を一旦トップロープでバウンドさせてからオデレータバスターで叩き付ける。そしてどどんの体勢に入るが、浮かされると通常のどどんをやられるか、どどんスズ・スロウンをやられるか分からない飯伏は必死に浮かされまいと踏ん張る。
 すると田口はコーナーポストに何度も飯伏を叩き付けていくが、飯伏も蹴りで反撃すると今度はその場飛びツイスタープレス。しかし、またしてもロープに飛んだ飯伏を追走した田口は、ロープに飛び乗ってのミサイルキックを叩き込むと、飯伏のアゴを突き上げるような串刺しドロップキック。そこから田口はコーナーに登っていくが、飯伏はロンダート・オーバーヘッドキックを叩き込むと、スワンダイブで飛び付いての雪崩式フランケン!
 だが、負けられない田口は串刺し攻撃を狙った飯伏を珍しくラリアットで迎撃。すると、ここで飯伏が覚醒! もの凄い表情で田口を担ぎ上げるとやり投げでコーナーに叩き付け、さらにラリアットでなぎ倒すと、サスケに勝ったサスケ流サンダーファイアーパワーボムの体勢に。これは田口が回転エビ固めで切り返したが、田口のウラカンをライガーボムで切り返した飯伏は低空ドラゴンスープレックス、ファイアーバードスプラッシュと決めると、トップコーナーからの雪崩式ブレーンバスターを狙う。
 だが、田口はこれを前方に叩き付けるフェースバスターで切り返す。それでも覚醒している飯伏は張り手の連打からバズソーキックを放っていくが、かわした田口はジャーマン。さらにどどんと思わせておいてのタイガースープレックスでカウント2まで追い込むと、強引にどどんの体勢に入るが、必死で堪えた飯伏はオーバーヘッドキックで脱出。さらにエルボー、張り手合戦からハイキックでなぎ倒した飯伏は再び"プロレスごっこ"時代の技であるラストライド式ライガーボムで叩き付けると、伝家の宝刀フェニックス・スプラッシュを投下して3カウントを奪った!

110610_NJPW-3.jpg 長い歴史を誇るBOSJだが、新日本以外の団体に所属しているレスラーが優勝するのは、この飯伏が初めて。昨年は決勝戦の試合中にケガをしてしまい涙を飲んだ飯伏だったが、ついにその快挙をやってのけた。
 素晴らしい試合を展開した田口と健闘を称え合った飯伏は、新日本ジュニアに名を残す垣原賢人とミラノコレクションATから賞状やトロフィーを贈呈されると、「ありがとうございます! いや、もう最高ですね。これ以上ないです。ありがとうございます。(今年はケガなく最後まで走りきったが)自分の中ではBOSJにリベンジ出来ました。まだ優勝だけなんで、僕の夢はIWGPジュニアのベルトを獲ることです。デヴィット選手。お願いします! 頑張ります。絶対獲ります!」と、次なる標的をデヴィットの持つIWGPジュニアのベルトに定めた。
 そこにデヴィットもリングに上がっていき、飯伏に向かって「イブシ、今日はおめでとうございます。大阪、ガンバリマス」と6・18大阪大会での対戦を示唆するような発言をして、両者はガッチリ握手を交わした。試合後、インタビュースペースで田口は「悔しさ以上に、何か飯伏選手と意地を張り合えたのが清々しい。負けた試合でこんなに気持ちいい試合っていうのは、あんまないですね。それぐらい、悔いはないです」とサッパリとした表情。こういう試合が出来るのもまた飯伏の魅力か。
 一方、完全燃焼の様子の飯伏は「やっぱり去年準優勝で、必ず今年は優勝しようと思ってトレーニングしてきたんで。今年に本当に懸けていて、今年失敗したらもう出ないと思ってたんで本当に嬉しいですよ。念願のサスケさんとシングルマッチが出来て、そこで何かをもらったような気がして、そこから結構調子よくなったというか、さらに調子よくなったんで。あとは仲間がいてくれたんでね」と優勝をケニーやマイケルらと分かち合い、大好きなコーラで乾杯をした。
 ライバルだと思っているという田口との試合では、もう出す技がなくなってしまい、"プロレスごっこ"をしていた時代の技を出したと語った飯伏だが、そこから覚醒したように見えた。それだけにトロフィーを持って記念撮影に応じる力も残っておらず、500ミリリットルのペットボトルのコーラを2本飲み干すと、何とか最後の力を振り絞ってトロフィーを持って記念撮影に応じた。そんな飯伏だが、よほど嬉しかったのか、まるでおもちゃを買ってもらったときの子供のように、愛おしそうに優勝トロフィーを抱きかかえた。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負
KUSHIDA/●高橋広夢/マスカラ・ドラダ(CMLL)
9分12秒 クロイツ・ラス
○ケニー・オメガ(DDT)/佐々木大輔(フリー)/TJP(フリー)

▼第2試合 8人タッグマッチ 20分1本勝負
天山広吉/井上亘/●キング・ファレ/三上恭佑
8分20秒 東京ピンプス→片エビ固め
矢野通/飯塚高史/田中将斗(ZERO1)/○高橋裕二郎

▼第3試合 BEST OF THE SUPER Jr. ⅩⅧ 準決勝戦 無制限1本勝負
【Bブロック1位】○飯伏幸太(DDT)
11分17秒 ファイヤーバードスプラッシュ→片エビ固め
【Aブロック2位】●デイビー・リチャーズ(フリー)

▼第4試合 BEST OF THE SUPER Jr. ⅩⅧ 準決勝戦 無制限1本勝負
【Aブロック1位】●プリンス・デヴィット
8分29秒 エビ固め
【Bブロック2位】○田口隆祐

▼第5試合 8人タッグマッチ 30分1本勝負
獣神サンダー・ライガー/金本浩二/○タイガーマスク/ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)
10分28秒 リバースダブルアームバー
邪道/●外道/石井智宏(リキプロ)/フジタ"Jr"ハヤト(みちのくプロレス/九龍)

▼第6試合 タッグマッチ 30分1本勝負
真壁刀義/○小島聡(フリー)
5分4秒 ラリアット→体固め
TAKAみちのく(K-DOJO)/●タイチ

▼第7試合 タッグマッチ 30分1本勝負
棚橋弘至/○永田裕志
14分44秒 バックドロップホールド
後藤洋央紀/●本間朋晃

▼第8試合 BEST OF THE SUPER Jr. ⅩⅧ 決勝戦 無制限1本勝負
【Bブロック1位】○飯伏幸太(DDT)
20分22秒 フェニックススプラッシュ→片エビ固め
【Bブロック2位】●田口隆祐
※飯伏幸太がBOSJ初優勝

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