今年もBOSJはデヴィ、飯伏、金本、ライガーが黒星という波乱の幕開け!裕二郎が内藤に三下り半を突き付け、NO LIMITに終止符

110526_NJPW-1.jpg新日本プロレス
BEST OF THE SUPER Jr. ⅩⅧ ~Bring it on!~
日時:5月26日(木) 開始:18:30
会場:後楽園ホール
観衆:1750人(超満員)

 26日、後楽園ホールで行われた新日本プロレス『BEST OF SUPER Jr.XVIII〜Bring it on!〜』開幕戦。毎年恒例のジュニアの祭典だが、開幕戦のメインでは現IWGPジュニアヘビー級王者にして、昨年の『BEST OF SUPER Jr.』(以下BOSJ)覇者であるプリンス・デヴィットが、同世代のライバルであるデイビー・リチャーズと激突。初戦から難敵を迎え撃つことになった。

 奇襲攻撃を仕掛けていったリチャーズだが、ダメージ・リフレックスをベースボール・スライドで迎撃したデヴィットは、場外に出たリチャーズにノータッチトペコンを発射。しかし場外戦から先にエプロンに戻ったリチャーズもランニングロー。これはかわしたデヴィットだったが、エプロンから飛んだリチャーズはディープインパクトで叩き付ける。リングに戻ったリチャーズは狼のような遠吠えをしてからダイビング・ヘッドバットを投下。
 さらに蹴りでデヴィットを追い込んでいくが、デヴィットもロープに飛んだリチャーズに追走式ドロップキックを叩き込むが、再びデヴィットを場外に追いやったリチャーズはロープに足が引っ掛かりながらもトペ。さらにニヤリと笑ったリチャーズはステージ上にデヴィットを乗せると、そこでパワーボムを狙ったが、これはデヴィットがリバースで投げていく。そこからフットスタンプで反撃していったデヴィットは、四つん這いでリングに戻ったリチャーズの背中にダイビング・フットスタンプ!
 しかしデヴィットのスクリューキックをかわしたリチャーズはラリアットで反撃。さらにジャーマンからパワーボムを狙うが、これはデヴィットが回転エビ固めで切り返す。そこからデヴィットはスクリューキック→ブラディサンデーという必勝コースに持ち込むが、コーナーに押し込んでブラディサンデーを回避したリチャーズは、そのままデヴィットをコーナーに乗せて雪崩式ブレーンバスター。さらにそのままロコモーション式で起き上がっての垂直落下式ブレーンバスター。
 カウント2で返したデヴィットにバズソーキックを叩き込んだリチャーズは、なおもカウント2で返したデヴィットを、故ワイルド・ペガサス(クリス・ベノワ)のワイルド・ボムを彷彿させるパワーボムで叩き付けて3カウントを奪った! まさかの黒星スタートとなった現IWGPジュニア王者にしてディフェンディング王者のデヴィットは、「今日は彼のパフォーマンスが総合的に上回った。デイビーとの公式戦は終わったので、今度は彼とIWGPジュニア王座を賭けて闘いたい」とタイトルマッチでの再戦を希望した。

110526_NJPW-2.jpg 昨年は優勝決定戦の試合中にケガをしてしまい、惜しくも他団体の選手として初のBOSJ制覇を達成出来なかったDDTの飯伏幸太は、今年は何と全勝優勝を宣言! だが、開幕戦の相手はタッグでは何度も好勝負を展開してきたApollo55の田口隆祐。飯伏にとって敵地にも関わらず、両者への声援はほぼ五分。
 その期待に応えるように、序盤は田口がやや優勢に試合を進めていたものの、飯伏はウラカンホイップで田口を場外に追いやると三角跳びケブラーダを発射。リングに戻った田口はロープに飛んだ飯伏に対し、追走式三角跳びミサイルキックを叩き込むと、スリーアミーゴで投げていく。さらに飯伏の串刺し攻撃をかわして丸め込んだ田口だが、キックアウトした飯伏は田口のドロップキックをかわすとその場飛びツイスタープレス。続くハーフネルソンはサムソンクラッチで切り返した田口だが、キックアウトした飯伏はオーバーヘッドキック。しかし田口も返す刀でジャンピングキック。
 ダブルダウンからほぼ同時に立ち上がると、エルボー合戦から飯伏が蹴りと掌底のコンビネーションからハイキック。さらにハーフネルソンで投げてからファイアーバードスプラッシュ。これをかわして自爆させた田口はオデレータバスターからどどんを狙うが、これは飯伏もサムソンクラッチで切り返す。だが、カウント2で返した田口は盟友・デヴィットのプリンスズ・スロウン......と思わせておいて、ガットバスターではなく下からのドロップキックで突き上げると、どどん......と思わせておいて、かつてミラノコレクションA.T.(※この日はゲスト解説として来場)がvs.Apollo55用に開発したどどんスズスロウンを決めて飯伏から3カウントを奪った! 田口は「ミラノコレクションが残していったどどんスズスロウン。俺は忘れてなかったから、譲り受ける時は今かなと。初めて出しましたけど効果絶大!」と語った。

110526_NJPW-3.jpg 昨年の開幕戦でも激突した金本浩二と、みちのくプロレス/九龍のフジタ"Jr"ハヤトが、今年も開幕戦で激突。昨年は壮絶なシバキ合いの末に敗れた上、負傷により途中で脱落してしまったハヤトにとって、金本という鬼門はどうしても超えておきたいところ。
 それだけに気合いが入っているハヤトは、リングインした金本を蹴撃! まだロングガウンを着たままの金本とエルボー合戦を展開すると、金本のお株を奪う顔面ウォッシュをお見舞い。しかし、そこまでやられて兄貴が黙っているわけもなく、追走式飛びヒザ蹴りを顔面に叩き込んだ金本は、ガウンを脱ぎ捨てると顔面ウォッシュをお返し。さらにコブラツイストからニーロックに移行すると、堪らずハヤトは場外にエスケープ。
 リングに戻ろうとするハヤトに襲いかかっていった金本は、エプロンからロープ越しにハイキックを出してきたハヤトにハイキックを返して相打ちしてハヤトを場外に叩き落とすと、コーナーに登っていく。だが、ハヤトはエプロンに駆け上げると下からハイキックを叩き込んで金本を場外に蹴落とし、エプロンからランニングロー。場外でもガンガン蹴っていったハヤトは、リングに戻った金本をインプラントDDTで叩き付けると、勢いをつけてランニングローを叩き込むが、金本は敢えて胸を突き出してハヤトの蹴りを受け止める。
 そして逆にハヤトにミドルキックを打っていくと、そこからエルボー、張り手合戦へ。ハヤトはナックルパンチを叩き込むが、金本がナックルパンチを返すとハヤトはダウン。さらに足を掴んでいった金本に対し、ハヤトはジャンピングキックで逃れようとしたが、空中でその蹴り足をキャッチした金本はドラゴンスクリュー。そこからアンクルホールドを狙うが、飛び付いていったハヤトはK.I.D.で切り返す。
 ロープに逃れた金本に対し、ニーリフトで顔面を蹴り上げたハヤトは、投げ捨てジャーマンから串刺しランニングロー。それでもハヤトの足に絡みついた金本はアンクルホールドに捕らえるが、ロープに逃れたハヤトは突進してきた金本にカウンターでK.I.D.。金本はそのままハヤトを持ち上げると、足を掴んでアンクルホールドで切り返す。アンクルを決められながら立ち上がったハヤトをジャーマンで投げようとした金本だが、クルッと回転して金本に飛び付いたハヤトはガッチリとK.I.D.で捕らえる。
 すると金本がグッタリとしていき、"落ちた"と判断したレフェリーが試合をストップ! 昨年の借りを返して大金星をゲットしたハヤトは、実にいい表情で四方に一礼するとフラフラになりながら引き揚げていった。インタビュースペースで「何が起きたのか自分でも興奮し過ぎちゃってもうワケ分からなかったですけど、レフェリーが試合を止めて『お前の勝ちだ』って言ってくれたんで、ようやく俺勝てたなって」と振り返ったハヤトは、今年はケガをせずにリーグ戦を完走&優勝して、"みちのくプロレス=サスケ"というイメージを"みちのくプロレス=ハヤト"に変えると宣言した。
 なお、そのグレート・サスケはBOSJ初出場にして、初戦から勝手知ったるTAKAみちのくと対戦。卍固めでTAKAからギブアップを奪って白星スタート。また、金本に続いて獣神サンダー・ライガーも元々苦手意識のあったマスカラ・ドラダにリングアウト負けを喫し、新日本のベテラン組は揃って黒星スタートとなってしまった。

110526_NJPW-4.jpg BOSJ公式戦の合間に行われた天山広吉、永田裕志、井上亘の青義軍と、田中将斗、高橋裕二郎、内藤哲也のCHAOSが6人タッグマッチだが、5・3福岡大会でIWGPタッグ王座奪取に失敗し、不協和音が聞こえ始めたNO LIMITに注目が集まった。内藤と裕二郎&田中は何だか微妙な距離を空けたまま入場。そして裕二郎はまだリング上にいた内藤には何も言わず、田中にだけひと言いって先発を買って出る。渋々控えに回った内藤だが、まず井上とやり合った裕二郎は井上が永田にタッチすると、内藤を一瞥してから田中にタッチ。
 田中とやり合った永田が天山にタッチすると、田中は素っ気ない態度で内藤にタッチ。躍動感溢れるファイトで天山を攻撃していった内藤が、自軍のコーナーに戻ってくると裕二郎はエプロンから降りてタッチを拒否。仕方なく田中にタッチした内藤だが、田中はジャンピングエルボーを叩き込むとスムーズに裕二郎にタッチ。田中とのダブルタックルを決めた裕二郎に対し、正パートナーである内藤がタッチを要求するが、裕二郎は内藤を無視して田中にタッチ。
 その後、ついに田中まで内藤を無視して裕二郎にタッチするようになるが、内藤はそれでもなお裕二郎に対してタッチを要求。すると裕二郎は仕方がないという様子で内藤にタッチ。これで少しは雪解けになるかと思われたが、何とロープに飛んだ内藤の背後から裕二郎がエルボーをお見舞い! そこから永田の攻撃を食らった内藤がタッチを求めても裕二郎と田中はリングを降りてタッチを拒否! すかさず天山と井上が内藤を攻撃していくと、ついに場内から「内藤」コールが起こり始める。
 1vs.3の状態となった内藤は何とか食い下がるが、井上のスピアー・オブ・ジャスティスを食らいついに力尽きてしまった。するとようやく裕二郎と田中がリングに戻り、倒れた内藤を見下ろす。そして、ついに裕二郎が内藤を引き起こし、東京ピンプスで叩き付けてていきNO LIMITは完全分裂! 田中も竹刀で内藤を殴打していると、そこに同じCHAOSの邪道&外道が入ってくる。裕二郎と田中を止めるのかと思いきや、何と内藤に決別のストンピング!
 袋叩きにされた内藤に対し、裕二郎は「内藤ちゃん! お前よ、もういらねぇんだよ。NO LIMITはもう終わりだ! 俺は今日からコンプリート・プレイヤーズに入る。なぁ兄弟!」と、これまでCHAOSに入ったあとも続けてきたタッグチームNO LIMITを解散し、田中&邪道&外道のコンプリート・プレイヤーズ入りを宣言。ほかの中邑真輔や矢野通らCHAOSのメンバーの考えは不明ながら、事実上CHAOSから追放された内藤は担架に乗せられて無言のまま控室へ。一方の裕二郎は「アイツは使えねぇんだよ! タッグパートナーとして使えない! だから切った、それだけだよな」と言い放ち、3年以上も続いたNO LIMITに終止符を打った。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼ダークマッチ 15分1本勝負
○三上恭佑
6分20秒 逆エビ固め
●高橋広夢

▼第1試合 BEST OF THE SUPER Jr. XVIII Bブロック公式戦 30分1本勝負
○KUSHIDA【1勝=2点】
6分53秒 ミッドナイトエキスプレス→片エビ固め
●佐々木大輔(フリー)【1敗=0点】

▼第2試合 BEST OF THE SUPER Jr. XVIII Aブロック公式戦 30分1本勝負
●タイチ【1敗=0点】
8分59秒 クロイツ・ラス
○ケニー・オメガ(DDT)【1勝=2点】

▼第3試合 BEST OF THE SUPER Jr. XVIII Bブロック公式戦 30分1本勝負
●獣神サンダー・ライガー【1敗=0点】
3分18秒 リングアウト
○マスカラ・ドラダ(CMLL)【1勝=2点】

▼第4試合 BEST OF THE SUPER Jr. XVIII Aブロック公式戦 30分1本勝負
○タイガーマスク【1勝=2点】
8分6秒 羽折り固め
●TJP(フリー)【1敗=0点】

▼第5試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
天山広吉/永田裕志/○井上亘
11分59秒 スピアー・オブ・ジャスティス→エビ固め
田中将斗(ZERO1)/高橋裕二郎/●内藤哲也

▼第6試合 BEST OF THE SUPER Jr. XVIII Aブロック公式戦 30分1本勝負
●金本浩二【1敗=0点】
10分18秒 K.I.D→レフェリーストップ
○フジタ"Jr"ハヤト(みちのくプロレス/九龍)【1勝=2点】

▼第7試合 BEST OF THE SUPER Jr. XVIII Bブロック公式戦 30分1本勝負
○ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)【1勝=2点】
9分57秒 卍固め
●TAKAみちのく(K-DOJO)【1敗=0点】

▼第8試合 BEST OF THE SUPER Jr. XVIII Bブロック公式戦 30分1本勝負
○田口隆祐【1勝=2点】
13分21秒 ミラノ作・どどんスズスロウン→エビ固め
●飯伏幸太(DDT)【1敗=0点】

▼第9試合 BEST OF THE SUPER Jr. XVIII Aブロック公式戦 30分1本勝負
●プリンス・デヴィット【1敗=0点】
13分18秒 パワーボム→エビ固め
○デイビー・リチャーズ(フリー)【1勝=2点】

このページの先頭へ
コラム女子プロレス団体『FEATURES』
スターダム世IV虎の番長日記
はるか悠里の格闘アイドル育成計画
スターダム須佐えりの初勝利への道
月別アーカイブ
団体